酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

何をなしてか我はくらへる

2008-02-05 21:06:26 | Weblog
 中国製毒ギョーザ事件は今後どう展開するのだろう。なかなか筋書きが見えない。
「ジクロルボス」なる新たな農薬混入は何を物語るのか。

 言えることは、日本の食の危なさである。

 グルメブームも危なっかしい。本来、美食家などという人種は偏屈な変わり者と決まっていた。「美味しんぼ」の海原雄山を思い浮かべればいい。

 それがいま、あろうことか一億総グルメの様相だ。庶民はまず量を食べること。しっかりとよく噛んで。それが血となり肉となり、明日の労働につながる。この間に変な夾雑物が入るとろくなことはない。

 食べることは生きることだ。この原点を見失っているからおかしなことになる。自分が命を託していると思えば、食べ方もおのずと変わってくる。冷凍食品やわけの分からない加工食品に手を出す回数も減ってくるだろう。

 なさざればくわずといふかあなかしこ 何をなしてかわれはくらへる   無想庵

 何かを成し遂げなければ食ってはいけない、とまで大げさに解釈する必要はない。今日も働いたなあ、「いただきます」。これでいいのだ。

 何もせずに飯を食らっているわけではない。その仕事に自信がもてないのだ。「何をなしてかわれはくらへる」。俺の仕事は意味があるのか。

 問いかけは重いが、深く考えると煮詰まりそうだ。「なさざれば食わず」の境地にはたどり着けそうもない。というか、生きていること自体が何かをなしているんだ、と考えたい。

 生きているから食らう。生きるために食らう。だからこそ、毒を入れたり、成分や日付をごまかした食品は許せない。
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