ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

unknown様へ

2019-02-14 | 11~12歳
12月末からの毎日の中でやっと笑うことができたのは、このブログを恐る恐るはじめから読み返した時でした。自分を救うために記事を書いていたとはお笑い草ですが、アリエスの生のかがやき、毎日笑顔だった私たち、泣きながら歩いたこと、ハラハラする家族、兄弟姉妹と遊んだこと、色あせない過去に入り込むような感覚でした。もう忘れていたこんな素晴らしい日々を、アリエスとともに生きてきたのだと、心に小さな火が灯ったようでした。また、多くの方々にお世話になり交流を結び、それも、アリエスをはじめ犬たちのくれたご縁であったことも。

ブログを書いていることをほとんど人に話したことはありませんし、積極的に会に参加するわけでもない。美しい写真もないのに文章は手前味噌で長たらしい。更新頻度はスッカスカ。そんな閉鎖系面倒ちんたらブログにも関わらず、多ければ何百人もの方が訪れて下さることに、驚きながらありがたく思っていました。ネットすごい。アリエスすごい。アリエスをそっと応援してくださった皆様、どうもありがとうございます。

そういう中で、最愛の子を亡くされたばかりの方からコメントを頂いたのでした。悩み奮闘し慈しみ幸せばかりをもらって、やがて別れる。ひとつひとつの体験は違っても、お会いしたことがなくても、限りない共感を寄せるものです。

unknown様。
ご心中を思うと、言葉がありません。お辛い時なのに心のこもったメッセージをくださり、本当にありがとうございます。アリエスにも話して聞かせました。お名前も分からないけど、そちらでは関係ないでしょう。ちゃんと挨拶してね。道案内して、それから遊んでもらいな。
ご家族を気遣いながら旅立たれたとのこと、私たちも胸を打たれて泣きました。何もできませんけど、この涙が彼女の行く道を少しはきれいに流してくれるようにと、そんなしょうもないことを本気でお祈りしています。

私は、「イヌは」と語れるほどの経験も知識もありませんから、アリエスのことになってしまいますけど、闘病中ですらも、毎日楽しいこと嬉しいことがありました。今日は寝息がおだやかだ。おしっこが良く出た。素晴らしいうんちだ。少しだけど食べられた。こっちを見た。寝返りが上手。父ちゃんのへんな踊りに困惑する。体拭きは気持ちがいいね。音や匂いがよくわかるね。そんなに頑張って立ち上がらなくてもやってあげるよ。どんな未来が待っていようともためらいなくまっしぐらに生きる姿に、心ふるえたものでした。

そうして駆け抜けるスピードを緩めようともしないまま、死に足を踏み入れる。
死はひとりで死ぬもの。生まれてくる時と同様に誰も分かち合えず付き添えず、自分の死を死んでゆくしかないということは承知している。けれども年は追い越されてもいつまでもわが子で、そのうえきょうだいで親友で相棒で同志で、そんなアリエスをたったひとりで出かけさせてしまったという思いが、頭を離れません。母ちゃんがついて行って、行く手を守り頭をなでて、一緒にいると安心させてやりたかったのに。ずっと守っていたかったのに。

まとまりのないことばかり考えるうち、ひとつの視点で少し気力が出ました。もしアリエスは元気でいて、自分が先に世を去ったのだったらどうだろう、というものです。よく人から、「あまり悲しむと亡くなった子のためによくない」とか「もうそろそろ元気出さないと、うしろ髪引かれて天国に行けないよ」という言葉で励まされたりしますが、なんだかピンとこないでいました。でも、もし自分があちらの世界からアリエスの毎日を見るとしたら、たくさん食べろ、いい夢をみて眠れ、好きなことをいっぱいして楽しく過ごせと願うだろうなと思ったのです。それはそのまま反転すれば、ああいった言葉になるんだよなと腑に落ちました。

unknown様、果てしないほど悲しみが続く日々だと思いますが、気が向いたらまたお越しくださいね。娘さんのことを教えてくださり、愛情あふれる日々を垣間見せて頂いて、それこそ見ず知らずの私ですが、心からご冥福をお祈りさせて頂いています。昔は祈る心の有効性に疑問を持ったことがありますが、今はそうではありません。娘さんを守るバリアのたしにでもなればと思います。