ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

ノックの音が・・・

2013-05-28 | 5~6歳
 手作り食への移行を目指すアリエスだけど、今現在だってフードの他にけっこう肉類と一部の内臓系を摂取している。牛、豚、鶏、ラム、馬。どれもみんな好きだけど、客観的にみて一番体に合っているのではないかと思われるのは馬。

 乗馬をやりたい私だし、体験乗馬で1回会っただけでも馬に対し多大なシンパシーが生じている。競馬のゴールシーンはなぜか泣ける。重い荷を背負って山道を登り、あるいは農耕に従事するロバを見るとごめんと思う。・・・でも食べるんだ。

 これひとえに、わが愛息のため。

 欧州では冷凍食品に馬肉が混入していて大騒ぎになった。馬は絶対に食物ではあり得ず、犬と同じように相棒になるべき存在だからという。その延長はクジラでありイルカであるのだろうね。強国として世界に目配りする人々の価値観とモノサシの押しつけには納得できかねる部分もある。牛や豚はそもそも家畜として生まれついたから食べられる運命を甘受すべきなのか。犬やネズミを食べるのはどうなのか。人間同士は、なぜ特別駄目なのか。命の重さは違うのか。

 「台所」というものについての衝撃的な著述を見たことがある。シビアで鋭利な作風の女性作家だったと思うけど、残念ながら誰だったかもう忘れた。・・・いわく、「台所は死体を調理する場所だ」。うむ、たしかに。かなりえぐみを感じるけど、まったくその通り。キッチンなんて言っておしゃれに仕上げようとしてるけど、消費社会が2重3重に包み隠した生きることのジレンマが、実は常に去来する場であるのだろう。

 自分のこのモヤモヤの正体が「ひけ目」であり、根源は「自分が被食者になることはない」という生物学的甘えとでもいうべき安心感であると本当は薄々気づいている。アリエスの目の高さから、食べることを巡る大きな問いを見上げてしまうのです。



届いた馬肉。感謝をこめて、大切にいただきます。


 おまけ、というか今日のお題はこれだったのに。・・・アリエスは最近、ノックというものを覚えました。家の中の引き戸は、鼻先をちょいと突っ込んでシューンッと横に振る。これまでそうやって、教室に入ってくる先生みたいに当たり前な顔をしてどこでも入っていました。ちょっとぉと文句を言いながら、アリ子母がこう教えたのです。「あのね、お手手で、トントンだよ!」・・・うかつなことです。次から早速、ヤツは戸を叩きまくりです。爪があるので、カサッカサッとね。いやー、これはこれで、とてつもなくかわいいです(バカ?)。