フランスの原子力産業は斜陽化の一途をたどっているという。
フランス電力会社(EDF)は、昨年の6月時点で
362億ユーロの負債を抱え、
アレヴァ社は、2012年からの累積赤字が、
100億ユーロを超えたそうだ。
アレヴァ社は、フランスに本社を置く世界最大の
原子力産業複合企業である。
そのアレヴァは2016年、経営再建策の一環として、
核燃料サイクル部門を新会社「ニューコ(NewCo)」へ移行。
ASTRIDの開発に参入している三菱重工は、
アレヴァNewCoと、原子力プラント部門のアレヴァNPに
2億5千万ユーロの出資を決めている。
「もんじゅ」廃炉後も、新高速炉計画で実証炉を建設しようと
もくろむ日本政府と電事連・・・
その電事連の分身とも言われる日本原燃も、
アレヴァNewCoへの出資を決めている。
ASTRID計画と日本の新高速炉計画は、
かたむきかけているフランスの原子力産業を支えるための
資金回路のようにも見える。
まだ、設計図さえ描かれていないASTRID計画・・・
そして、フランスの高速増殖炉をお手本に進められてきた
「もんじゅ」も、スーパーフェニックスと同じ運命をたどる。
しかしながら、電力の75%を原子力に頼るフランスでは、
日本以上に、「脱原発」の道のりは遠い。