企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

税金の公平性

2005年02月10日 | 過去の不満たらたら記事
WEDGE2月号に、「増税」だけが先走る 税徴収の不公平さも是正を というコラムが載っている。これによると、2003年度には、法人税の申告件数が272万7千件。うち赤字法人が69.2%。1960年度には、赤字法人は35.4%、1970年度は赤字法人は34.8%だったのに比べると、赤字法人の比率が大きくなっているとのことだ。一言で赤字法人と言っても、内容は違っていることがある。本当に、事業が大きな打撃を受けてしまったような場合(例えば、工場などで操業が成り立たないような事故があったとか)、また、税金逃れのために経費を使っている場合。
欧米では、脱税はそれこそ、最悪の犯罪並の扱いを受けるとのこと。社会の構成員としての責務を果たしていない、ということなんだろう。だが、日本では、見つかったら運が悪いという風に考えている人が結構いるらしい。サラリーマンがほぼ100%所得を捕捉されている(最近は、オークションなどで転売をしてもうけている人もいるとか)のに対して、個人事業主、農家などの場合、多少のごまかしが効くということを指してクロヨン、トーゴーサンピンと呼ぶが、これってずいぶん昔から言われてきていながら、いまだに抜本的な改革がされていないということなんだろう。こんな風な記事を読んで思い出したのは、以前にも投稿した、徴税コストのことだ。だが、この記事によると、税金100円の徴税にかかるコストは昔に比べると下がっているらしい。1950年度では2.79円。2003年度は1.78円だそうだ。いずれも、国税庁の資料をもとにした指摘だ。
指摘しているポイントは、間違っていないのだと思うが、気になったこともある。徴税コストは1950年度、そして赤字法人についてのデータは、60年度、70年度とを出してきている。これには何か意味があるのかな?と。1950年と言えば、まだまだ戦後まもない時期。このころの徴税コストは、全体でとれる税金も少なく、公的機関で税務にかかわっている人の数も多かったのではあるまいか?
記事によると、国税庁の定員が、1950年に62000人近くだったのが、2003年意は56315人と減っているとのこと。確かに、人口が増えたが、定員は減っているということからも、効率化が図られたのだとは思う。だが、なぜに1950年なのか?せめて他の指摘と合わせて、1960年、1970年について見せて欲しいものだ。

この記事は、サラリーマンに対して、課税の公平性を考え、社会に対して訴えかけるように言う内容だ。もちろん、課税はたいへん重要だと思う。一方で、税金の使われ方についても議論がされなければならない。以前の同じコラムの中で、そういう指摘がされていたならば、納得はするが。。。この記事だけを見ると、読者の目を、税金の無駄遣いから課税の仕組みへそらそうとしているのではないかと感じてしまう。記事中に、所得の捕捉を上げるために、どんなことをするべきか?という提案がでてこないから、なおさらそんな感じを受けてしまうのだ。
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