先日の上行AVR、送血管からの解離発症です。
2日ほど寝かしましたが、奇跡的に神経学的合併症もなく、食べて歩いてます。
これまで2、3千例のオペに参加してますが、記憶では5例目だと思います。
今回は腋窩送血からでしたが、腋窩からの解離は文献的には300-1000例に1例となってますので、数やってれば、いつかは遭遇します。
術中解離の死亡率は20%と高く、腋窩ですと頭の血管近いので、そっちに裂けてしまうと、厳しい状態になります。
しばらくは問題なく人工心肺が回っていたので、ジェットによる内膜の亀裂だと思われます。
すぐに足送血に切り替えて、冷やして対応しました。
元々上行太くて置換予定であり、見える範囲に内膜亀裂はなかったので、やってきたことは予定術式のまま上行AVRとなりましたが、狭小弁輪でSTJも狭くて、サイザーが通過せず、体格的に21mm必要でしたので、弁輪拡大も追加です。幸い出血もなく、頭のモニターも下がることは無かったですが、痛恨であります。
しかも弁輪拡大までなるとは、とほほ。
しかし記憶によれば、経験した5例中2例が上行置換AVRであり、やはりそういう血管なのかと。
とにかく、スタッフみんな迅速に対応してくれて合併症もなく良かったです。
これまでも腋窩はよく使っていてトラブルは無かったですが、時間はかかりますが人工血管を建てるもしくは、分散送血にしてから、回すのが良いのではないかと。
ヨガもサボりがちで、悶々とした数日間でした。