先日、大動脈の緊急が三軒続いた真っ只中、その翌朝に破裂きまして、なんと珍しい膝窩動脈瘤の破裂です。スクワットしてたらブチンっといったとのこと、しかも3日前の話、意識消失して救急搬送された病院で、何かが切れてるといわれたけど、お家に帰されて、だんだん腫れてきたとのことで、朝方救急車でやってまいりました。
同じところに行かなくて良かったね。とりあえず、破裂なしているものの、バイタルは落ち着いているし、一度、保存的に見て予定手術に組み込むということで、先日、やりました。
膝窩動脈瘤、私もさほど経験があるわけでないので、おさらい。
末梢動脈瘤の8割、半分は両側にある。3割で大動脈瘤合併、半分は下肢虚血で来院、破裂はわずか1-2%、破裂しても致命傷になりにくいが、塞栓症が多く3-7割、下肢切断の可能性もある。
手術適応は20-30mmともいわれるが、明確なものはなく、15mmでも下肢虚血の報告はある。経過観察中に半分は下肢虚血発症、しかも8割が2年以内ということで、見つかり次第、手術を考えてもよいかも。
アプローチは内側か後方かだが、内側は慣れた方法ね、でも視野が悪いかも。後方は視野はよさそうだけど、慣れないし、神経もいるしね。
まー、慣れた方法がよいかも。
グラフトはね関節を超えるのならば、当然良いSVGがあればSVGの方がよいでしょうが、8mm以上の人工血管なら変わりないという報告もね。ちなみに同側のSVGは、瘤によるDVTの可能性があって、取るのやめた方がいいという説もあり。
緊急などで致し方なく、瘤を空置した場合は、、、、私も昔あるけど。残存瘤の拡大率は3.6-30%と幅広い、、、、破裂は3%らしい。さらに破裂例では緊急避難的なendvascularも悪くないらしい、日本ではカバードステントね、ないけど。太さによってはEVARのLEGでもいけるかもね。
以上、勉強になりました。