あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

3例、30例、300例までの道のり

2010-02-24 22:42:57 | Weblog
本日はAVRを担当させていただきました。これで通算8例目のAVRとなりますが、一向に自分のイメージどおりに行きません、いったいいつになったら、ブレイクスルーできるのでしょうか、Aoの切開ライン、弁尖の切除するライン、弁輪の糸をかける深さなどなど、いまだに前立ちに一つ一つ確認してからでないと、、、、自分で自信を持って、確信を持ってできません。これは、あとは経験なのでしょうか。数ヶ月に一度ですと、やはり手順は分かっていても感覚というものが積み重ねられません。
贅沢ですが、集中的に連続してやりたいものです。
手術はよく3例、30例、300例ごとに節目があるとボスに言われます。
3例やると、なんとなく流れがわかる。
30例やると、だいたいの簡単な症例は自分でこなせるようになる。
300例やるとだいたい、どんな症例でも対応できると。

といりあえず、30例までは一歩一歩、確実にやるしかないですね。

明日は15年ぐらい前の、Re-CABGであります、living graftが2本ありますし、上行は石灰化でガチガチ、IMAはなし、という事で、左開胸でRCAとCXに下行からつなげる予定です。
明後日は透析のASOの内膜摘除、AAAの2件です。
AAAは腎動脈上の遮断が必要な症例ですので、私に回ってきました。

先日の学会では腹部正中の小切開でレトロに入る方法を名古屋徳州会の先生が発表していました。発表のあと詳しい話を聞いてみると、やはり腹直筋の真裏が一番剥がしにくいそうで、底さえ超えれば、腹斜筋のあたりからはスイスイ剥がしていけることのことでした。
今度、簡単な症例が回ってきたらTryしてみたいと思います。
それから、腹部の破裂に関してはやはり、術中からイレウス管を入れてガス抜きをしっかりやると、腹壁が余裕で閉めれて、コンパートメントにもならないというお話があり、また、閉める際に腹壁をペアンで寄せて、膀胱内圧が25mmhgを超えるときは2期的閉鎖がよいみたいであります。やはり私も今後、この方針で行きたいと思いました。前回の破裂では、残念ながらイレウス管のストックが在庫切れになっていて、仕方なくNGチューブで代用しましたが、とても長さが足りずでした。イレウス管だと、上行結腸まで入るらしく、大腸のガス抜きもできるといっていました。
ただ、皆さんの発表ではイレウス管を入れるときは消化器外科の先生に来てもらってやってもらうとのことでした。
また、みんな口をそろえて言っていたのが、イレウス管を抜くタイミングがわからないと、結局、消化器の先生に相談して造影してもらったりして決めるらしい。
うーん、うちの弱い点である。


LIQRもどき

2010-02-24 22:39:01 | Weblog
今週も5例ぐらいで、のんびりかと思いきや、昨日、DVRやっていたら、A型の解離が来まして、2例目になりました。
ちょうど学会で、日大のN先生と4年ぶりの再会をしまして、LIQRの話を聞かせていただきました。文献では書いていない、実際のやり方というか、コツというものをいろいろ聞きました。そんなこともあり、また、私のLIQR熱もあがり、何とかうちの病院でも取り入れて欲しいと思いまして、おとといボスとLIQRの話をしていて、日大の秦先生を今度、講演に呼んで欲しいとお願いをしたばかりでしたので、ボスも乗り気で、28度でやってみるかということになり、久々にボスの解離の前立ちをさせていただきました。
腹部分枝がすべて偽腔送血となっていたためか、冷却、復温に思ったより時間がかかり、実際にはLIQRと全く同じというわけには行きませんでしたが、メインは2時間ぐらいで終了、復温に一時間ぐらいかかってしまい、終了まで4時間近くとなってしまい、秦先生の2時間というのにはとても及びませんが、それでも、私の見た中では一番早いのではないかと思いました。
なんとか、今後もLIQRを目指して、いつの日か私もチャンスが来ればやってみたいものであります。
解離は手術だけがすべてではなく、手術は成功しても、臓器虚血でいろいろな合併症が出てしまうことがありますが、やはり手術のよしあしは大切であります。


2010 心血管

2010-02-24 22:01:12 | Weblog
先週は心血管に行ってきました。
今回は外科チーム5人とも、座長やら演題発表がありましたが、みんな無事終了。
手術も止めていたのですが、準緊急が2件、人工弁が外れた人と、IEで脳梗塞起こしまくっている人と紹介がありまして、学会の日以外、1ヶ月先まで予定が埋まっていますので、仕方なく、今回はみんなばらばらで一泊のみの参加となりました。

先週は一日一例ずつで比較的、平和な日々でありましたが、最後に一例飛び込んできました。DVRの助手をしていたら、カテ室からすぐ開けてと内科ドクターのコール、メインの手術は終わり、あとはポンプ下りるだけでしたので、仕方なく術者だけ残して、私は手を下ろしてカテ室へいってみると、PCIのラプチャーによるタンポで穿刺したら右室だった見たいで、カテ室でそのまますぐ、眠っていただいて開胸して右室とPCIの破裂部の止血となりました。