あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

LIQRもどき

2010-02-24 22:39:01 | Weblog
今週も5例ぐらいで、のんびりかと思いきや、昨日、DVRやっていたら、A型の解離が来まして、2例目になりました。
ちょうど学会で、日大のN先生と4年ぶりの再会をしまして、LIQRの話を聞かせていただきました。文献では書いていない、実際のやり方というか、コツというものをいろいろ聞きました。そんなこともあり、また、私のLIQR熱もあがり、何とかうちの病院でも取り入れて欲しいと思いまして、おとといボスとLIQRの話をしていて、日大の秦先生を今度、講演に呼んで欲しいとお願いをしたばかりでしたので、ボスも乗り気で、28度でやってみるかということになり、久々にボスの解離の前立ちをさせていただきました。
腹部分枝がすべて偽腔送血となっていたためか、冷却、復温に思ったより時間がかかり、実際にはLIQRと全く同じというわけには行きませんでしたが、メインは2時間ぐらいで終了、復温に一時間ぐらいかかってしまい、終了まで4時間近くとなってしまい、秦先生の2時間というのにはとても及びませんが、それでも、私の見た中では一番早いのではないかと思いました。
なんとか、今後もLIQRを目指して、いつの日か私もチャンスが来ればやってみたいものであります。
解離は手術だけがすべてではなく、手術は成功しても、臓器虚血でいろいろな合併症が出てしまうことがありますが、やはり手術のよしあしは大切であります。


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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-02-25 11:22:20
”やってみるか!”でやったことのない人間が新しいことをやっていいんですか?
患者にはどういう説明してるんですか??
人体実験じゃないんだから・・・
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Unknown (music)
2010-02-26 00:28:37
言葉のニュアンスって難しいですねぇ。。言葉の伝わり方や受け方って、人それぞれですが、私はこう思います。。医師は常に最善を尽くしベストな方法を選択していると。そう考えます。
私も自分にできることをコツコツ頑張ろう♪

Whatever you do will be insignificant, but it is very important that you do it.
FROM Gandhi
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うーん軽かったですか? (あぽいち)
2010-02-26 22:06:20
musicさん、フォローをありがとうございま
この方は結果的に、助かり元気になりました。

こういった一方的な中傷のコメントに返事を書くべきかどうか、迷いましたが、もし、本気で聞かれているのであれば、本気でお答えさせていただきます。人間話せばわかると思いますので、一言だけ。

解離というものはとにかく恐ろしいものです。
何もせず、ほって置けば、ほぼ亡くなります。
目の前で亡くなった方を何人も見たことがあります。
何らかの治療が必要です。
四の五の言ってられません。
瀕死の状態の患者さんに詳しい説明をしている暇があったら、とっとと手術を始めないと助かる命も助かりません。説明は終わってからゆっくりします。
しかし手術しても、3人に1人は助かりません。
助かったとしても、障害が残ることが多いです。
正直なこといえば、どんなやり方でも、助けてなんぼです。だから何がベストか、教科書にも書いてありません。
解離というのはそういった病気です。
うちのボスは、この手術、これまで少なくとも数百例はやっています。
今回も以前の方法と変わりない成績かもしくは、それ以上の結果が出せる自信と確証があるので行いました。
決して軽はずみなものでやってはいません、この方法については、以前から、我々も勉強していましたし、スタッフみんなで勉強会もやっています。
軽いのは私の口調だけでしょう。許してください。
手術で何か新しいことというと、人体実験と言われてしまうかもしれませんが、世の中は常に動いています。
昔はよしとされていた方法でも、今やったら裁判で負けてしまうなんてのも、たくさんあると思います。医療はほんとにものすごい速さで進歩していますよ。
新しい方法でも安全が確立されていれば、患者にとって今以上に利益のある方法は積極的に取り込みます。
実際に、これまでも、そうして常に新しい方法を取り入れてきたおかげで、昔と比べたくさんの患者さんを助けられるようになりました。
わたしたちはその時できるベストな方法を選択してやっています。
それと患者さんと家族と信頼関係が築けなければ手術はしません。
全く違った方法や、やったことのないような実験的な手術を行う時は、十分に患者さんとその家族に説明して、理解が得られなければもちろんやりません。
一言で終わりませんでした。
ご理解いただけると嬉しいのですが。
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初めまして (Unknown)
2010-02-27 11:33:41
初めてメールします。何気に寄らせてもらったのですが、非常によいブログだと思います。
私は、おそらくブログの主の方と同業者かと思います。もう、引退していますが・・・
お初ながら、老婆心的なコメントをさせていただきます。
私もLIQRには興味があり、論文を読んでみました。確かにすばらしく、成績もよいのですが、誰もができる手技なのかな?と思いました。もちろん医師ひとりではできないだろうし、周りのスタッフ全員が高いレベルでこの主義を完遂できなければだめなんじゃないかな?と思いました。
解離は確かに、緊急手術をしなければほとんどが救命できない病気です。だからこそ、確実に実績のあるあり方を行わなければならないとも思うのです。術前説明もシビアなものにならざるを得ないので、そこで新しい試みを納得していただくのは難しいんではないでしょうか?でも、そんなことばかり言ってると、医療は進歩しませんよね・・・
昔、(本当にむかしです・・)私の上司がよく言っていたのは、新しいこと行うには、病院全体で勉強するのは当然であり、その手技を実行するのなら、最低でも最初の3回までは、その道のプロに病院に来てもらいやってもらうべきだ!ということです。実際、患者さんに”初めて試みです”とは、なかなか言えないですからね・・・
解離は緊急なので、実際に他院から先生を呼んで手術を行うことは難しいでしょうが、せめて、病院の事情が許されるのであれば、LIQRを行っている病院に研修に行ってからのほうがよりよい成績を残せるのではないか?とおもうのです。私も経験がありますが、実際に研修に行っても、なかなかそっくりそのまま技術を真似ることは非常に難しいです。ましてや、人伝いの知識や論文だけでの知識では、よい結果をのこすことは非常に難しいのではないか?と思うのです。 ”生兵法はけがの元”ではないですが、少しの安易な考えで、先生のような優秀な方々が職場を追われてきた場面もいくつか経験しております。まあ、このブログから察するに、ボスの方は非常に優秀で、有名な施設のトップの人であり、その部下である主の方も非常に優秀であるとは思うのですが。
すいませんでした・・・老人のたわごととして聞き流してください。
これからもこの主の方のますますのご活躍を影ながら応援させていただきます!!
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4年ぶりに登場 (医局長)
2010-02-27 14:26:06
あー、医局長です。
いつも医局でコソコソ見てるよ。
あぽいちくん
あんたまじめだよ。
医局長よく知ってるいる。いやみんな分かってる。

あんたの口調最高よ。
すれすれの線がいいねぇー。
だからたくさんの人がコソコソ見てんでしょーに。

言葉のはしばし拾われてコメントされてもまいっちゃうな。

ただ、あんたが優秀かどうかはもう少し考えさせてくれ。
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Unknown (あぽいち)
2010-03-05 08:56:06
みんさん、いろいろとご意見ありがとうございます。
新しい術式や経験のない症例に対しては、これまでも、その道の権威といわれる先生方をお呼びして、直接その場でご指導いただいてきまして、取り入れてきました。ただ、ことに緊急症例に対しましては、上の先生もおっしゃっているとおり、なかなか難しいことであります。
RIQRについては、ご本人から実際のビデオを頂き、疑問点や細かいコツ、テクニックなどについては、直接、やられている先生にお会いして、論文には書かれていないこと、注意することなど、いろいろ教えていただいています。
しかし、それでも、いきなりはできませんので、当院の実力に合わせて、安全面を残した方法で、かつ、いつでも従来の方法に戻せるスタンバイをしながら挑むようにしています。
95%以上、確実に成功する手術であれば、あえて大きな危険を冒してまで、術式を大幅に変更する必要はありませんが、解離の程度や、術前の状態も大きく左右しますが、なんとか一人でも多く元気にするには、どうしたらいいかという思いは尽きません。
今後も、己の実力、限界を踏まえたうえで、最善を尽くしていきたいと考えています。
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