あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

目標10本

2006-03-30 19:33:04 | 術者、勉強になった症例
今日は、人間で2本目のIMAのチャンス到来、DMの痩せたカリカリの男性、SVGには最高だがIMAは胸骨にひっついて難しいタイプと予想されたが、やはり。くっついており、左をBB先生が取ったが1時間近くかかっており、これは俺はすぐにギブアップかと思ったが、BBの指導のもとギブアップせず何とか、完遂、1時間15分とだいぶ時間はかかったが最後までやらせてもらってラッキーだった。
だいたいはつかんだ気はするが、ここを出るまでのあと2ヶ月で10本ぐらいは取らせてもらいたい、10本取ればだいぶ見えてくる気がするんだがなー。

明日はなんと、馬蹄腎のAAA、これは複数の腎動脈が出てるものが6割近くあること、腎峡部がAAAの前面をまたいでいること、尿管の以上走行の可能性があることなど、いくつか手術手技上問題となることがある。しかも、馬蹄腎は3割ぐらいで尿路感染を呈しているとのことで、峡部を利断する方法もあるが人工血管感染を懸念して現在ではあまりやられておらず、温存するのがはやりらしい。ちなみに米国での報告は180例、わが国では20数例と非常にまれな合併である。
今回の症例も瘤の前で左右の腎臓がくっついており、しかも腎動脈が左右とも3本ずつ全部で6本あり、そのうち4本が瘤から出てるので、再建しなくてはいけないかもしれない。文献によると小さな腎動脈(2mm未満)は再建しなくとも、術後の腎機能に影響は無いとのことであるが、もうすこしよく検討してからのほうが良さそうである。しかも明日はボスが神戸の高橋病院で夜久先生のライブがあって遊びに行ってしまうので、さー大変、延期にしようかどうか検討中である。