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杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

薬屋のひとりごと13

2024年10月24日 | 
日向夏(著)しのとうこ(イラスト) ヒーロー文庫

西都に残る人たちと別れ、一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、 また以前の仕事に戻る。蝗害、西都のお家騒動からようやく離れることができて、平穏な日々が戻ってくるかに思えたが――。
猫猫が帰って来てもまだその友人たちに居候されて困る羅半。
上司のげんこつを食らいながら、毎日面白そうなものを探す天祐。
面倒くさい客の相手をしながら、どのように技女を引退するか考える女華。弟の恋についてあれこれ画策する麻美。お嬢さまの心境に不安しかない燕燕。言動と心境にずれが生じ、ちぐはぐな行動ばかりしてしまう姚。蝗害の災禍にたった一人立ち向かい、生きて西都に戻った羅半兄。西都でも中央でもそれぞれ違う人生があり、皆が皆、自分なりの悩みを抱えて生きていた。猫猫といえば、壬氏の思いに対して素直になる道を選ぶ。ただ、そこに大きな問題が存在することも理解していた。官僚の中には玉葉后の息子が東宮にふさわしくないからと、他の皇族を立てようと考える者たちがいた。壬氏はもとより、梨花妃の皇子や、数代前の皇族の血筋までたどろうとしている様子。国の頂きに近い者には平穏な日々など望むべくもない。今巻は猫猫のゆかりの人々の視点からも、人生を見ていく。彼ら、彼女らはどう考え、どう生きていくのか。また、猫猫は壬氏をどう受け止めていくのか。都の人々のそれぞれの思いが大きく動いていく。(内容紹介より)

一話 羅半と三番
中央に帰ってきた羅半を迎えに来たのは三番。羅漢が拾ってきた者たちは名前ではなく番号が付けられているのよね😁 で、どうやら三番は羅半に好意を持っていて、居候を続ける姚や燕燕 に敵意を持っているようです。

二~四話 羅半と首吊り死体 前中後編
羅漢の執務室で首吊り死体が発見されます。他殺と見抜いた羅半は野次馬の中に犯人がいるか羅漢に尋ねますが、顔を認識できない羅漢は「白い碁石」と答えます。
検死には劉医官と一緒に猫猫と天祐もついてきました。猫猫は複数人による他殺と見抜きその方法を解きます。この殺された男が何か重要な鍵を握っていそうです。

五話 壬氏と報告
壬氏は主上や皇太后、玉葉后に挨拶回り。
部屋に戻ると水蓮や麻美が留守中に置かれた呪いの札や人形などをせっせと見つけ出しています。麻美からは他の男系皇族の噂の報告を受けます。

六話 天祐の医務室日記
遺体の解体を熱望する天祐は相変わらず。猫猫と姚たちの会話にも興味津々。一緒に西都にいった李医官の様変わりように同僚たちが驚いている描写も面白い。医官たちは事件の背景の可能性を考慮に入れて調べを進めるようです。

七話 麻美と不器用な弟
家鴨連れの馬閃に呆れながらも、せっかく異性に興味を持った弟のために姉として何かできないだろうかと考える麻美です。「絡みつく蔓植物に似ている」と言われたことがあるという麻美は旦那を執念で根負けさせて捕まえたというのも納得😁 

八話 阿兄正伝
西都に置いて行かれた羅半兄の日記は彼が船を待つ港の宿場に置き忘れたことから、中央の連中(猫猫と羅班兄)に散々庭をいじられた庭師たちがささやかな復讐として日記を回し読みしたのが偶然どこぞの学者に目を留められ農業書として編集されますが、作者不明とされます。どこまでいっても名前がない羅半兄ですが、すでに本名は12巻で判明していますね。彼は小姓として中央に連れて来られた少年・漢俊ジェと同姓同名です。
個人的にはこの日記が一番面白かった!!

九話 燕燕の休日
十話 燕燕と恋話
姚お嬢様が羅半に気持ちがあるようだと燕燕は気が気ではありません。猫猫を相手に愚痴っていたところに三番がやってきて良い物件を見つけたと追い出そうとします。
お嬢様命の燕燕の悩みは暫く解決しそうにもありません。

十一話 女華という花
皇族のご落胤という売りの女華は学問に秀で四書五経を暗記していて科挙の受験者に人気があります。常連の老師に連れられて来た男の評価も辛口です。次の客である柳野郎が連れて来た丸太野郎は、女華に皇族の血筋かと問います。母の形見の割れた翡翠の玉牌を売って欲しいと言われ断りますが・・これ、絶対後で重要なポイントになりそう。

十二話 女華と妹分
緑青館にやってきた猫猫と久しぶりに会話する白鈴と女華。
妓女の子として生まれながら進んだ道が違っていく妹分を見ながら、少しの羨ましさを感じてしまう女華です。梅梅が身請けされたことを知らされ驚く猫猫。相手は羅漢が連れてきた棋聖ですって。えっと・・かなりの老人だったような😅 碁の相手としてということかしらん。
先日の遺体が丸太野郎だったかもと話した女華は、父親は皇族というより獣臭い節くれだった手をしていたと母から聞いたと言い玉牌を見せたところ、猫猫が反応します。

十三話 姚と、羅半兄の帰還
燕燕の言う「理想の旦那さま」しっかりした大人の男性で身元もはっきりして家柄も見合う、健康で困難な状況にも諦めず行動でき希望を忘れず云々・・は羅半兄にぴったりな気がしますね~~。そしてついに羅半兄が帰ってきました。お約束のように門番に門前払いを食いそうになるのがやはり羅半兄というキャラですね。面食いの彼が姚と燕燕を見て動揺するのも可愛いというか😊 

十四話 阿多の真実
雀が阿多に仕えていることや、壬氏が阿多が産んだ子だとはっきり明かされます。
猫猫を呼んだ阿多は逃げたければ手助けをすると申し出ますが、猫猫はきっぱり断ります。自由を封じられてきた彼女は猫猫に自分と同じ運命を押し付けたくないと思っていましたが、猫猫は彼女が考えているより柔軟で自由な女性だと示される場面でした。

十五話 壬氏の動揺、猫猫の決意
壬氏の求めに応じてやってきた猫猫が抱えていた荷物は避妊のあれこれでした。
水蓮が整えた香や花びらを散らせた寝室や滋養強壮の食事にやり過ぎと言いながらもどこか照れと期待に膨らんでいた壬氏の心は、彼女の本気を前に自分が置かれた立場と現実を改めて思い知らされます。
最高に盛り上がるロマンチックシーンが一気に冷水を浴びせられ現実にという「初夜失敗」の展開でした😞 

十六話 猫猫の遅い夕餉
猫猫なりに覚悟を決めて臨んだのに何もないという、嬉しいような残念なような気持ちのまま部屋に戻ってきます。強いお酒が徐々に回ってきて、梅梅のことや羅半兄のこと、皇族のご落胤の噂から天祐と女華は親戚かもと考えを巡らせながら睡魔に襲われる猫猫なのでした。

いつもとは少し趣が異なり、壬氏や猫猫の周囲の人物の視点で構成される短編形式で、1年ぶりに中央へ帰ってきた猫猫たちの様子が描かれています。次の話への伏線もいくつか忍ばせてあるようで、続きが楽しみです。
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