
2012年10月6日公開 129分
たった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人がいるらしい―。半信半疑で依頼をしてくる人たちの前に現れたのは、ごく普通の男子高校生・歩美(松坂桃李)だった。彼は、すでに死んでしまった人との再会を仲介する使者“ツナグ”を祖母のアイ子(樹木希林)から引き継ぐ途中の見習いである。横柄な態度で、癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に会うことを希望する中年男性・畠田(遠藤憲一)。喧嘩をしたまま自転車事故で死んでしまった親友・御園(大野いと)に聞きたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)。プロポーズ直後に突然失踪した恋人・キラリ(桐谷美玲)の安否を確かめたいサラリーマン・土谷(佐藤隆太)。歩美のもとには次々と依頼が舞い込んでくるが、歩美はその過程で様々な疑問を抱く。死者との再会を望むことは、生者の傲慢なのではないか。果たして会いたかった死者に会うことで、生きている人たちは救われるのか。やがてその疑問は、自身の両親の不可解な死の真相へも向けられていく……。(Movie Walkerより)
ツナグを通して逢えるとしたら誰を望むかしら?と観終わった後で考えちゃいました
一子相伝のようなバトンタッチでツナグは引き継がれています。
(アイ子役の樹木希林さん、相変わらず上手いなぁ~
)
あの世から死者を呼びだすアイテムは鏡。これは三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)をなぞらえている感じね。資格のないものが覗きこめばツナグ共々命を落とすという物騒な代物。そのことが歩美の両親の死と関わりがあるだろうことは割とあっさり想像できちゃいました。(物語でも想像の域を出ない終わり方でしたが
)
遺産処理のために母と会いたいと依頼してきた畠田の本当の思いは、息子に指摘された、癌の告知をしなかったことで母は悔いを残して旅立ったのではないかという後悔です。母役の八千草さんの上品なこと
町工場の社長の母にはちょっと現実感が・・・ですが、その優しい語り口で息子と孫の関係まで修復するきっかけを与えるんだから
です。
失踪した恋人に会いたいと依頼した土谷は、その理由が知りたいという本音があります。生きているなら自分は棄てられたということになるけれど、それでも生きていることを確かめたかったのね。死んでいると知って会うことを拒むのも、思い切る覚悟がなかったから。それでも会って良かった!と思える展開にこちらもホッでした
親友への嫉妬が引き起こしたかもしれない彼女の死への後悔を抱えて親友・御園と会う嵐のケースは救いがなかっただけに辛かったな。真実を告白して許しを乞う最後のチャンスを結局は保身のために逃してしまった嵐は、これからの一生を後悔を抱えて生きなければならないのですから。御園にとっても、片思いの歩美の存在が嵐への許しの妨げになったように思えました。
これらのエピソードを通して、ツナグを受け継ぐことを改めて決心した歩美は、両親の死の真相をも自分なりに読み解き、祖母の後悔の気持ちを優しく救いあげます。確かに後継者として育ったと感じさせるラストでした。
たった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人がいるらしい―。半信半疑で依頼をしてくる人たちの前に現れたのは、ごく普通の男子高校生・歩美(松坂桃李)だった。彼は、すでに死んでしまった人との再会を仲介する使者“ツナグ”を祖母のアイ子(樹木希林)から引き継ぐ途中の見習いである。横柄な態度で、癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に会うことを希望する中年男性・畠田(遠藤憲一)。喧嘩をしたまま自転車事故で死んでしまった親友・御園(大野いと)に聞きたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)。プロポーズ直後に突然失踪した恋人・キラリ(桐谷美玲)の安否を確かめたいサラリーマン・土谷(佐藤隆太)。歩美のもとには次々と依頼が舞い込んでくるが、歩美はその過程で様々な疑問を抱く。死者との再会を望むことは、生者の傲慢なのではないか。果たして会いたかった死者に会うことで、生きている人たちは救われるのか。やがてその疑問は、自身の両親の不可解な死の真相へも向けられていく……。(Movie Walkerより)
ツナグを通して逢えるとしたら誰を望むかしら?と観終わった後で考えちゃいました

一子相伝のようなバトンタッチでツナグは引き継がれています。
(アイ子役の樹木希林さん、相変わらず上手いなぁ~

あの世から死者を呼びだすアイテムは鏡。これは三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)をなぞらえている感じね。資格のないものが覗きこめばツナグ共々命を落とすという物騒な代物。そのことが歩美の両親の死と関わりがあるだろうことは割とあっさり想像できちゃいました。(物語でも想像の域を出ない終わり方でしたが

遺産処理のために母と会いたいと依頼してきた畠田の本当の思いは、息子に指摘された、癌の告知をしなかったことで母は悔いを残して旅立ったのではないかという後悔です。母役の八千草さんの上品なこと


失踪した恋人に会いたいと依頼した土谷は、その理由が知りたいという本音があります。生きているなら自分は棄てられたということになるけれど、それでも生きていることを確かめたかったのね。死んでいると知って会うことを拒むのも、思い切る覚悟がなかったから。それでも会って良かった!と思える展開にこちらもホッでした

親友への嫉妬が引き起こしたかもしれない彼女の死への後悔を抱えて親友・御園と会う嵐のケースは救いがなかっただけに辛かったな。真実を告白して許しを乞う最後のチャンスを結局は保身のために逃してしまった嵐は、これからの一生を後悔を抱えて生きなければならないのですから。御園にとっても、片思いの歩美の存在が嵐への許しの妨げになったように思えました。
これらのエピソードを通して、ツナグを受け継ぐことを改めて決心した歩美は、両親の死の真相をも自分なりに読み解き、祖母の後悔の気持ちを優しく救いあげます。確かに後継者として育ったと感じさせるラストでした。
