2014年3月7日公開 111分
進学校に通いながらも、成績が上がらずに居場所をなくし「寮があるから」と言う理由だけで逃げるように大蝦夷農業高校(エゾノー)に入学した八軒勇吾(中島健人)。御影アキ(広瀬アリス)や駒場(市川知宏)ら同級生たちはそれぞれに将来の目標や夢を持っていて、そんな彼らに劣等感を感じつつ、農業高校の生活に四苦八苦の生活が始まる。酪農科学科では、ニワトリ、豚、牛など家畜の世話はもちろんのこと、牛の搾乳や直腸検査、豚のと畜など、経験したことのない様々な学習がてんこ盛りだった。毎朝5時起きで家畜の世話の毎日なのに、アキに誘われて入部した馬術部の起床時間はなんと朝4時!体育の授業の校内マラソンは敷地一周20km!思わず「こんな学校辞めたい」と弱音をもらす。実習で出会ったひときわ小さな子ブタに「豚丼」と名付け可愛がる八軒に酪農家の息子の駒場やタマコらクラスメイトたちは「経済動物はペットじゃない」「中途半端な同情はよせ」と忠告するが、サラリーマン家庭に育った八軒は、家畜の命に対する割り切れない思いを抱いていた。
御影牧場での住み込みアルバイト、ベーコン作り、馬術新人戦…。何もかもが初体験だらけの高校生活の中で、農業の厳しい現実にもぶつかる八軒。汗と涙と泥まみれの酪農青春グラフィティ!!
荒川弘の同名青春コミックの実写映画化作品です。TVアニメも放映されてたんだね
コミックは全部読んでいるので、実写化と聞いて嬉しさと戸惑い半々でしたが、発表されたキャストとキャラにあまり違和感がないように思ったので劇場鑑賞することにしました。
キャッチコピーは「最強に理不尽な青春!!」 主題歌は ゆずの「ひだまり」です。
コロボックルのような校長先生(上島竜兵)、軍隊の教官のような服装と口調の富士先生(吹石一恵)、タマコはイメージ通り。特にスレンダーだけどグラマラスな富士先生はサングラスかけてるとコミックから抜け出してきたようにドンピシャではまってました
八軒が校長先生に将来の夢がないと言ったところ「「夢がない・・それはいいですね」という答えが返ってきます。それは何にでもなれる可能性があって良いということなのですが、この名言エピソードもしっかり入っていてでした。もちろん「銀の匙」の謂れもね
映画では中島先生が担任と馬術部顧問を兼任。大仏顔の中島先生を演じる中村獅童ですが、目の細さが似てなくもない。アキのお父さん(竹内力)ははまり役だけど、八軒のお父さんはもっと強面の役者さん(例えば松重豊あたり)が良かったかも
アキと駒場の友人の南九条あやめ(黒木華)も縦ロールのタカビーお嬢様キャラをうまく演じてました。『小さいおうち』の時とは別人のよう。やっぱ女優だわ特にばんえい競争の時の乗馬服サイコー!!あともう少し弾けてくれたら満点なんだけど。
エゾノー祭(文化祭)がメインエピソードなので、ピザ作りや鹿の解体、犬の副ぶちょーを飼うことになったいきさつなどは省かれていました。また、アニヲタの西川君や八軒のお兄さん(あの味音痴キャラ好きなんだけどな)も登場しません。
ばんえい競馬のソリのイタいデザインを描いたのは馬術部部員に変更されてました。八軒が過労で倒れるエピソードもなくなってます。クライマックスで主役がいないんじゃ盛り上がらないもんね
駒場の家が借金が嵩んで離農することになったエピソードで酪農の厳しい現状が描かれます。
タマコの家の大規模酪農の様子も加えたら対比がより鮮明になったんじゃないかなぁ
色々コミックとの違いもあるけれど、二時間という枠の中でうまくまとめられていて良かったんじゃないかな面白かったです
コミックは現在11巻発売中。八軒は起業という夢を持ち始めます。自分のことと同じくらい友人のことで一生懸命になれる八軒の今後も楽しみだ~~
2023.11.30 DVDで再視聴