アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

今日の絵本

2011-05-04 10:37:01 | 絵本
「つるのよめさま」(8分)
松谷みよ子:文
鈴木まもる:絵
ハッピーオウル社:発行
2011.3第1刷(1400円)

ある日のこと、わかものが 山で木をきっていると、目のまえに、しろいものが、ひらひらと おちてきた。
みれば、それは つるだった。
つるは、どこかに きずがあるとみえて、とんでは よろめき、よろめいては とび、わかものの まえまでくると、力もつきたのか、はたらはたらと、たおれてしまった。

鶏が人間の男性の所へ嫁になってくる・・・。
こうしたかたちの物語は、「異類婚姻譚」と呼ばれています。
人間でないものと人間との婚姻です。
この劇が、ある工場で上映された時、観客である女工さんが総立ちになって、「のぞくな」と叫んだといいます。
人間が人間として踏み込んではならない一線が、この物語にあるのだと、しみじみ思うのです。
(著者あとがきより抜粋)