Rain or Shine~メイおばさんの宝箱

雨が降れば虹が出る、晴れた空には光が躍る。
雨でも晴れでも歩きましょう!
世界のどこかから、あなたへ贈るメッセージ

まさか絵を描くなんて!!

2015-06-07 07:22:13 | 


メイおばさんには得意なことが少しばかりと
不得意なことが山のようにあります。

その、不得意山の一角をなすのが絵を描くことです。
小学生の時に市の○○展などに入賞したことなどがなかったわけではありませんが

どう考えてもそれはまぐれか
図工の先生がちょっと手伝ってくれたのに違いないと
今でも信じて疑いません。

そんなメイおばさんが
何を血迷ったか水彩画の教室に通うことになりました。
ええ、確固たる目的があってのことです。
結婚記念日に夫にプレゼントをしたかったからです。
かなりの付け焼刃ですが(笑)。

幸い知り合いの先生がいらして
手取り足取り、いえ、いくらなんでも足は取りませんね(笑)
2回お教室に行っただけで仕上げまで後押ししてくださいました。

「ほら、メイさん、6月5日に間に合わせるんでしょ。
 頑張らねば。」

およそ向いていない不得手の作業に
メイおばさんたらいい年してもう半泣きになりながら
鳥好きの夫のために、とにかくハミングバードを描き上げましたよ。

得意満々、日本の子供たちにLINEで写真を送ったら
すぐにこんな返事が返ってきました。

「う~っ、無言。けれども良く頑張ったことだけは認めます。
 あえて苦手なものにチャレンジしたっていうのが、何よりのプレゼントです(笑)。」

いやはや、子供っていうのはいくつになっても手厳しいものでございます(泣)。

実は、メイおばさんをまさかのその気にさせたのにはわけがあります。
夫へのプレゼントと言うのは実は二の次です。

先回のシアトル暮らしの間に、ある場所で、偶然同じテーブルを囲むことになったのが水彩画を教えているケイさんでした。ケイさんは半身不随の身、しかも絵筆を握っていた右側の半身が動きません。歩くこともできませんから車椅子で生活をしています。それなのに誰よりも明るく、誰よりも楽しそうに笑います。

初めて会った時、ケイさんが私にたずねました。

「日本はどこから?」
「はい、東京です。」
「東京のどこ?」
「はい、○○区です。」
「○○区のどこ?」
「はい、XXXです。」
「ワタシ、名古屋時代の中高の同級生がXXXに住んでるんだけれど知らない?●●という苗字なんだけれど。」

ここまで来て、同じテーブルの人たちが大声で笑いました。

「そんなの無理よ。XXXに●●さんなんて何人もいるんだから。」

ところが、ふとしたことからケイさんの同級生の●●さんが、なんと私の知り合いであることがわかりました。そんなご縁で時々ケイさんのクラスを訪ねるようになりました。そしていつの間にやら、彼女の車椅子を押す身となりました。

ケイさんが語ってくれました。
スキーのコーチをしていたケイさんは、オレゴンの雪山で脳梗塞を起こしました。
そのままヘリコプターで麓の病院まで運ばれ手術が施され、続く長い月日をあちこちのリハビリ施設で過ごすことになりました。

けれども、右半身の麻痺は直らず、右手で絵筆を握ることはできなくなり
日本語は何とか口にできても、英語は話せなくなりました。

けれども、もう一度絵を描きたいという強い気持ちに押されて、さらなるリハビリに励んだ結果、今では左手を使って描けるようになり、ゆっくりですが日本語も英語も話せるようになりました。そして4年前からシアトルで、車椅子に乗ったまま、左手を使って水彩画の指導をしています。


私のこの超特急で仕上げた絵は、ケイさん、いえケイ先生の手助けがなければとうてい完成しませんでした。いえ、その前にケイさんに会わなければ、絵を描こうなんて思いもしなかったことでしょう。

そうした意味でも、この稚拙なハミングバードはメイおばさんの宝物です。

ところで、ふと目を上げたら
静かな海面にヨットがたくさん!
週末の土曜日、最高のヨット日和です。



読んでくださってありがとうございます。
どうぞ今日も良い日でありますように。
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