黙祷

あれから一年という言葉をなんども繰り返し聞いた一日。今日は敢えて家族で出かけました。出かけた先は日本各地の食に関するイベントでしたので、当然東北とも関係があり、その時間には式典の模様が音声で流されていました。娘は「モクトウって何？」と無邪気に聞いてきます。改めて聞かれると、ちょっとたじろぎますが、「黙ってお祈りを捧げることだよ。」と伝え、下の息子はキリスト系の幼稚園に通っているので、「イエス様にお祈りするの？」と聞いてきます。「どんな神様でもいいし、神様じゃなくてもいいんだよ。みんながお祈りするんだよ」と伝えました。なぜだか二人共、なんでお祈りを捧げるかは理解していたようです。
下の息子も珍しく神妙に一分間静かにしていました。
一分間、家族四人で黙祷している間は、イベントの喧騒も静まり返り、遠くの信号の機械音、「信号が変わります…」、そこに連れてこられていた牛や羊などの動物の鳴き声、などなど大勢の人々が祈りを捧げている情景とは無縁の音が静かに響きわたっていました。こうした静けさを大勢で共有するのが黙祷の一つの意味なんでしょうか。人が大勢いるのに人が消えてしまったような不思議な感覚です。
子供たちは、この一分間に何を感じていたのでしょうね。

一年前の今日はどうしてたんだっけ、被害がこれほど大きいとまだ理解していなかったかもしれないし、とりあえず自分の家族の水と食料の心配していたような。
原子力発電所が大変なことになっていることも知る由もなしでした。

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