陽だまりのねごと

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北辰斜めにさすところ

2008-05-11 06:19:51 | 映画(DVD)
北辰斜めにさすところ 神山征二郎監督  

旧制七校(鹿児島)の寮歌の歌いだしが映画の題名となっている。
舞台は昭和11年入寮から現代へとシンクロしつつ
破帽破衣のバンカラで自由な気風を懐かしみ
また戦争へと駆り立てられた時代背景へと思いが至る。

当時のバンカラについては
ワタシがうんと昔、高校生だった頃
大好きだった北杜夫の↓
どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)
北 杜夫
新潮社

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を思い出しつつ観た。

『天才的な馬鹿になれ 馬鹿の天才なれ』
薩摩武士の流れをくむ七校の理念であるそうな。

破衣破帽やシンプルな思考行動形態はASである息子が
悩まなくて過ごせそうに思えた。
もっとも当時、裕福で優秀な人材しか入学できなかったらしいから
我が家では無縁の可能性が大きいが。

映像からは当時の旧制高校生が
今の同世代の若者の数倍も大人でパワフルに感じれた。
時代的には今よりもうんと窮屈なはずなのに自由なおおらかさがある。
教授が学生に死刑廃止論をどう思うかと
まもなく戦争に突入す時代に問うシーンにも驚く。

要介護高齢者に関わってきて、どんなに体が不自由でも
家をきれいに保つ努力をし、
庭にでさえ野菜を植え育てている人に何人にも出会った。
体を動かす事を厭わない習い性には頭が下がる。

現在、後期高齢者である彼らの我々戦後生まれにない強靭さは
生きてきた時代背景が培ったものかもしれない。
あるいは
文明の進化が人間を退化させているのかも?

また、青春のど真ん中で体験された戦争を
骨身にしみて味わったまま
記憶から消すことの出来ない世代でもある。

南方のジャングル野戦救護所で
偶然にも重症負傷兵と軍医という立場で出会った寮の先輩後輩。
敵の砲弾が迫り負傷兵の先輩を置き去りにした話は実話であると言う。
鹿児島から南方の海を臨んで三國のセリフが耳に残る。

 「この海のむこうに 帰ってこれない者がいっぱいいるんだ」


映画は因縁の五校(熊本)との野球の試合や
孫が100週年記念試合で同じマウンドに立つなどストーリーも面白く
三國連太郎、緒方直人などの名優の出演で最後まで退屈しなかった。

観終わって当分の間
『北辰斜めにさすところ 』のストームのバンカラ歌声が
頭の中を回っていて
玄関で靴を脱ぎながら歌っている自分に苦笑した。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドクトルマンボウで (syounosuke)
2008-05-11 11:11:10
いやぁ、ドクトルマンボウ、北杜夫で思わず、書きこです。
高校生時代、高下駄をはいていました、それで東京にも出かけたのですがあの下駄の音と公共施設に下駄で立ち入ることには結構勇気がいるもんです。
という経験がある私ですが、人生の先輩である高齢者に敬意を払いつつその方の人生総仕上げのお手伝いをという思いで居宅をやっております。
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夏は下駄 (みかん)
2008-05-11 21:41:36
九州の大学だったんですが
当時、男の子は夏は下駄ばきが目立っていましたね。
あこがれの君も下駄を履いていて
美術館で冷や汗をかいたと言ってたのを
思い出しましたよ。

syounosukeさんも北杜夫がお好きでした?
高校時代に貪るように読みました。

同世代でしょうか?

>人生の先輩である高齢者に敬意を払いつつその方の人生総仕上げのお手伝いをという思いで居宅をやっております。

私も居宅が好きですね。仕事にするのなら。
と、言うことで明日、面接です。
ドキドキ

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