走馬灯の夜 | |
寒川 猫持 | |
集英社 |
猫短歌、猫の歌詠みであらせられる寒川猫持さんの幼少期の自叙伝。
私小説になるのだろうか?
わっ!私と同級生になる。
というどうでもいいがわくわくする事実もわかった。
と言うことで時代的にはすこぶるよく分った。
おばぁさまはすこぶるお金持ちのお嬢さんであったとか、
両親は医者であったとか、
貧乏庶民育ちの我が家とは少々の違いはあるが、
汲み取り便所の落とし紙のウジ虫の蠅取り紙のと言う話は実体験として記憶にある。
この寒さ中、
暖房は火鉢、湯たんぽの隙間風の話も思い出す。
そして、あのポン菓子屋。
リヤカーでやってきたか?ポンと大きな音で大きな缶にいっぱい。
手と口をべたべたにして、いくら食べても減らない大好きなおやつだった。
懐かしい話がいっぱい。同級生だもんね~
自分の出身、江戸時代くらいまでの先祖の話から
幼少も幼少、幼稚園へ上がる前までで終わっている。
こんな小さな時の記憶でよくここまで細かに書けるものだと感じ入る。
目医者なるもの、やはり頭脳明晰な人は小さい頃の記憶も確かなものなのだろうか?
ワタシ自身、
レンゲ摘みに夢中になって肥壺にハマった3,4歳が記憶のはじめではなかろうか?
閑話休題。
歌詠み人の手なる文章であるので、各章のタイトルからして五七五。
好きなのをひとつ置いておこう。(すぐ記憶喪失のケが^^;)
初雪の触るれば消ゆるいのちかな
歌や句が散りばめられ、文語まじりのユーモアまじり。
ちょっと自虐とちょっとペーソス。
歌もユニークだけど文章も洒脱軽快でユニーク。
図書館の本で読んだが、手元に置いて撫でさすっておきたい一冊だった。
あれれ?
本日は読んだばかりの猫持語りがちょっぴり乗り移っている…ワタシ、単純
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