陽だまりのねごと

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CT検査の最中に思ったこと

2007-07-21 21:12:26 | Weblog
ガンの骨転移で
ちゃんとベットに寝ることすら苦痛でいた夫に
何度も
レントゲン撮影の指示が医師から来た。
最初は車椅子を押して、最後はストレチャーで
増改築で迷路のような病院内をレントゲン室にまで運んだ。

その度に技師が
痛いのに無理をさせるといつも怒っていた。

ちゃんと指定された角度の写真を撮るのが技師の仕事だろうが
たいてい患部の写真なので
レントゲンを撮る事に痛みを生じるのだ。

レントゲンのドアまでは付き添って痛くないように
気づかいしてやる事ができても
それから先は、付き添いは立ち入り禁止。
技師がどう扱おうと見ることも意見することも出来なかった。

夫は痛い箇所をぐっと押されて激痛が走ったとも言っていた。
しかも、『痛い』と言ったら
技師がニヤっと笑ったんだそうだ。

ハラワタが煮えくり返っても医療関係者に逆らえない
命を預けているのが患者。

CTの検査時間はレントゲンより長かった。
『息を止めて』が何回もあって
吸えるまでの時間の長いこと。

『もう止めなくてよいですよ』
ではなくて
『楽にしてください』
と声が聞こえてくる。

両手は頭の上にあげた身動き取れない状況で
どうやって楽にするの?
『楽にしろ』とは『息を止めるのを止めていいよ』
と言うことだと気が付くのに
数秒かかった。

アスペにはひょっとすると意味が通じない人がありそうな表現だ。

私の担当利用者に背中の曲がった人が居る。
この前から
『病院に行っても、ちゃんと検査を受けられないかもしれない』
と、何度も言われる。
腰痛がひどくなって座っていることも
寝ていることも息をするのも痛いんだそうだ。

CTに拘束されながら、
亡夫が浮かび、この利用者さんが浮かび、
いろんな思いが頭を過った。

検査ひとつ取っても
患者本位からは遠い医療現場なのだ。

この度、
地域に緩和ケア病棟説設立を求めて居た市民運動が実って、
夫に手ひどいレントゲンをしたあの総合病院に
緩和ケア病棟が出来る運びとなった。

緩和ケアが出来ることによって
ホスピスマインドが
病院全体への種まきをなることも心から願う。