ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

親バカ作文

2007-02-20 18:39:38 | 家族・交友

東京マラソンの余韻いまださめやらぬ中、申し訳ないが本日は親馬鹿。

先週末、高校留学中の息子から珍しくSOSの電話。
日本語の授業で難題が出されて途方に暮れていると。

「太平洋上に浮かぶロボット国の高校に、あなたは1週間留学した。その体験記を高校生向けの雑誌に書くことになった。分量は400字原稿4枚、締切りは来週末」

うーむ、たしかにこれはなかなか。ただの作文や感想文とは違い、仮想体験記だからほとんど短編小説を書くに等しい。
その先生はテキストに灰谷健次郎『島物語』を指定するくらいだから、タダ者ではないな。

で、妻とも相談のうえ、ワシが例文を書くことにした。これを参考に息子が独自の手記を書ければベスト。丸写しだけはしないように。

  ロボット高校マラソン大会 参加体験記

 ロボット高校に留学して1週間、きょうは全校マラソン大会が開催される。この大会は校長先生が人間界を視察して始めた恒例イベントのひとつだそうである。

 何でも機械まかせ(当たり前か?)で、移動もすべて乗り物の現代ロボット社会で、自分自身のマシンとしての自我と誇りを見失う若者が多いことを憂えた校長先生が、人間社会のスポーツのうち最もシンプルで原始的なのに人気が高いマラソンに着目したという。

「人間界でマラソンを見学してわしは非常に興味をひかれたのじゃ。ただ単に、ある地点からある地点へ移動するだけの競技なのに、人間はそこに人生を投影させて深く感動しておる。これはぜひ、わが校でも実現したいとな」と校長先生は語っている。

 ルールは簡単。2足以上型ロボットで永続的飛行は禁止、地上移動のみで島を1周する。他の型式ロボットにはそれぞれ空中・地中・水中の大会が同時開催されている。

 かなり起伏があり、日頃自足走行などしていない今どきの若者ロボットにはキツイ。最もキツイためか、地上走行レースは一番人気があり、応援も多い。各型式用に燃料補給所が設置され、沿道には大観衆が繰り出し、国あげてのお祭りムードだ。

                    ◇

 ぼくは大会を見るだけのつもりだったのに、前日になって校長先生から「人間留学生を代表して地上型式レースに参加してほしい」と頼まれて、急に走ることになってしまった。

 小中学校ではリレーの選手をしていたものの、長距離走はあまり得意ではない。しかし、友好親善のため精一杯走ることにした。スタート地点にはすでに多数のランナーが集結して、動きをよくするための手入れに余念がない。ぼくも準備体操と軽くアップジョグで体を温めスタンバイ。

 校長先生が激励の挨拶と美しい光線の合図を出し、ランナーたちはセンサーで認識して一斉にスタート。ロボット国には武器がないので号砲はないのだ。本気でスピードを上げて高速走行しているトップグル-プはほんの一握りで、大半はおしゃべりしながらお祭り気分のファンランだ。ぼくは留学生代表なので一生懸命走っていたらトップグループの中にいた。

 半周過ぎて後半に入った。人間用のスペシャルドリンクをすばやく取る。ロボットたちがエネルギー補給に手間取っている間に、わずかにリード。

 花と光で飾られたゴールが見えた。後ろから猛烈に追い上げてくる気配がする。ラストスパート。ぼくを両側からはさむように選手が並んで、なだれ込むようにフィニッシュ。

 結果は3者同着ということで、ぼくは優勝者の一人としてロボット国大統領から栄誉ある表彰を受けることができた。

 大統領の言葉。「優勝した諸君、おめでとう。君たちの奮闘に心から拍手を送りたい。同時に、きょうの大会をともに楽しんだすべての参加者とサポートしてくださった方々に等しく敬意を表したい。勝つことはすばらしいが、勝利だけに価値があるのではない。参加し、それぞれに努力し、楽しんだ。そのこと自体がすばらしいのだ。さあ、自分自身に、友だちに、そして人間界からの留学生に拍手を贈ろうではないか!」 

 大拍手に包まれながら、ぼくの1週間の留学は熱い感激とともに幕を閉じた。



というわけで親馬鹿ライター出動の巻であった。

朝30分ジョグ(約5km)、ラスト坂道ダッシュで心拍172。

夜、木刀素振りなど日課トレ。

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6 コメント

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Unknown ()
2007-02-20 22:56:53
ぶっ、いつ書いたの、これ?
空想の世界でもマラソンするんだ……。
まいりました。
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すてき。 (f-ysk)
2007-02-21 00:26:58
素敵な御家族で、何だか涙が出てきました。
小説、すばらしい!感動です。
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おもしろい! (素人侍)
2007-02-21 09:26:25
授業でこのようなユーモアのある課題は出された記憶がありません。これならやりがいがありますね。
個人的に「空中・地中・水中の大会が同時開催されて・・」がウケました。
あとは「ロボット国には武器がないので号砲はないのだ」このあたりにハギAさんのやさしいお人柄を感じます。
返信する
ありがとうございます!! (ハギA)
2007-02-21 22:15:45
つたない親馬鹿作文に激励コメントいただき、感謝あるのみです。

◎妻さん 途方に暮れている兄ちゃんに、一刻も早くサンプルを提供しようと使命感に燃えたのだよ。
でも、かえって困ってるかもね。あとは本人次第。

◎F-yskコーチ兼選手さま うう、ありがたいお言葉。こちらこそ感動です。
あ、連絡遅くなってすみません。今度の日曜練習会、参加させていただきますのでよろしくお願い致します。(今週末に妻が関西出張のため調整に手間取りました)

◎素人侍さん 本人は、やりがいありすぎて困ってるみたいですが。(笑)
へたな作文でも、けなされるよりは、少しでも良いところを見つけて評価していただけるとうれしいものですね。励みになります。ありがとうございます。
返信する
Unknown (いじわる兄ちゃん)
2007-02-23 17:41:09
お蔭様で無事書き終わりました。

ありがとうございました~
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よかった、よかった (ハギA(父))
2007-02-23 21:42:59
なにはともあれ、書けてよかったなあ。
ご苦労さん!!
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