10月5日の朝、母は安らかに88歳の天寿を全うした。
ずっと元気に過ごしていたが、猛暑の夏を越えて衰弱が目立ち始める。8月に32kgだった体重はさらに減り、もともと細かった体はいっそう小さくなって、枯れるように旅立ったのだった。
細い体で子を4人産み育てた母。その4人きょうだいの末っ子である自分は親姉兄から面倒みてもらうのを当然のように育ち、歳月を経て父が72歳で平成元年に他界してからも基本的な構図は変わらず、母の暮らしに関しても長兄はじめ在郷の姉兄たちにおまかせ状態であった。
せめて親孝行の真似事でもと、70歳を過ぎてから俳句を始めた母の句集を喜寿・傘寿それぞれの記念にまとめた。母はとても喜んでくれた。
今年迎えた米寿の記念に3冊目の句集をと考えていたのに。
この春しばらくぶりで訪ねた時に母から最近の作句ノートと「もう文章は書けそうにないから」と前書きの内容を語ってくれたのに。
老いが進んではきているものの、まだまだ達者な母の様子に安心してのん気に構えてしまい、すぐに句集作りに取りかからなかったことが今となっては痛切に悔やまれるばかり。
最後まで不甲斐ない息子であった。
第三句集を母に手渡すことは永遠にかなわぬこととなってしまった。
残念ながら遺稿集として急ぎまとめ、母の墓前に供える。それが息子として最優先の使命となった。
母が亡くなる前後、静岡に帰省した5日間に懐かしい町々や海岸、山道を延べ100kmほど走り回った。さまざまな記憶が去来し、こみ上げる思いとともに。
川の土手や道端には至るところ ヒガンバナが精一杯に咲いていた。
幼き日 母と見つけし 彼岸花
※というわけで、ブログ更新は当面かなり間隔があくことになりそう。
代わりにというわけではないけれど、オーストラリアに高校留学中の息子がブログを始めたので、見てやってください。
⇒ おりがみBOY in Australia
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小5息子は週1回、国語の宿題で「短作」というものを書いている。
つまり、短作文。何かひとつのキーワードが先生からお題として出され、400字原稿1枚以内にまとめる。
今回のキーワードは「ファイト」。で、息子が書いた短作は……
お父さん、ファイト!
ぼくのお父さんは、仙台で毎年行われるハーフマラソン出場めざしてトレーニングしています。
その大会に出場するには条件があって、ハーフマラソン1時間35分以内の公認記録を持っていなければなりません。その記録を得るために、お父さんは今度の日曜日に岩手県一関市のハーフマラソンに行きます。
お父さんは、これまでに3回、仙台国際ハーフマラソンに出場しています。でも、1回目は15km地点にある関門にひっかかってゴールできず、2回目は制限時間の1時間35分に3分遅れ、3回目の今年も1分遅れでした。
年々、近くはなってきてはいるのですが、まだ完全完走は達成していません。
だから、ぼくはお父さんを応援しています。来年も仙台に出場できるよう、今度の岩手の大会でがんばって記録を取ってほしいと思います。
「お父さん、ファイト!」
うむ、まかせとけ。と、言いたいところだが現実は甘くない。
目標レース前の定番になっている5km走(タイム・トライアル)を今朝実施した。
22分6秒。早朝の単独TTとはいえ、このコースでのワースト記録。冬場のレース前と比べると1分も遅い。
非常にキビシイ状況だが、息子の短作応援に応えねば。
今夜9時からTBSで放映されるドラマ『マラソン』(韓国で大ヒットした映画のリメイク)を見ながら一関の荷造り。
※そういえば、今年初めの湘南月例に参加した時、ちょうどこのドラマのロケ隊が来て、主人公役の俳優さんたちが入ってスタートシーンを撮っていた。
毎度、親馬鹿話題。
小5息子が小学生囲碁全国大会に出場した。
日曜にまず「団体戦」(各校3人1組)。去年は見事3位入賞を果たしていたので今年はそれ以上をめざしたが、予選リーグであえなく敗退。
きょうから個人戦。各県代表2名(東京他は3~4名)、総勢101人が2日間にわたり熱戦。初日の予選リーグで6~8名の16組に分かれて3局打ち、3戦全勝者1名が「枠抜け」でベスト16に勝ち残り。
息子は初めて東京の代表4人に入り、初の全国大会個人戦。
残念ながら2勝1敗で予選敗退に終わった。負けた碁も中盤まで優勢だったのに終盤の緩手で一挙に逆転されてしまったそうで、本人はさめざめと悔し泣きであった。
(東京代表4名のうち2人がベスト16戦も勝ち上がり、明日の8強による決勝トーナメントに進出した)
囲碁はさっぱりわからんオヤジながら、休日出勤の代休をとって息子の全国大会出場に付添ったのであった。
AM、待ち間にしばらくぶりで皇居走4周。
①29’40” ②27’21” ③25’52” ④22’54”
市ヶ谷⇔千鳥が淵までジョグ往復。計約24km、2時間10分。
1~3周は時計回りで29分台から2分ずつ上げ、ラストの4周目は陸上周りでほぼ全力で行ったものの22分台がやっと。まだkm4分半ペースは維持できず……。心拍171。
[追記 8/1] 個人戦2日目、すでに出番は終わったけれど、同じ囲碁塾の仲間(小6)が決勝トーナメントに進んだので、小5息子は応援・観戦に行ってきた。
応援の甲斐あって決勝戦へ。が、兵庫の代表に惜しくも敗れ準優勝。驚いたことに優勝者は小5。ということは、来年、今の強い小6生が中学に行って、ウチの小5息子にもチャンスがあるかと思っていたが恐るべき強敵出現である。
その子は、もう1人の東京代表(小6)も撃破しており、相当の実力者。やはり「全国」には途方もなく強い子がいるものである。
(敗れた東京代表の小6生2人には、まだ小5息子は一度も勝ったことがない……)
★セラティ・きょうの言葉 (64)
[オーストラリアの伝説的名コーチ、パーシー・セラティ(1895~1975) 著『陸上競技 チャンピオンへの道』(ベースボール・マガジン社1963年刊)より]
たいていの選手は、知力を正しく使うことなしに自分のめざすところを達成しようとする点では、動物とあまり変わらない。
たとえば鎖につながれた犬は、自分の届かない所にある肉を取ろうとして躍起になって鎖を引っぱるばかりで、棒を口にくわえて使ったら楽にその肉を得られることに気がつかないのである。
たいていの選手も、この犬と大して変わらないようなことをしている。
自分の目的に向かって全精神を集中しながら、より速く・より遠く・より楽に走れるよう身体機能を有利に発揮するための手段の研究をおろそかにしているのである。
今朝、メールを見たら妻から有り。
何事か?
「山を走るのはやめてほしいな。
危険すぎる。もし何かあったら、大事になる。
登るだけだって、ベテランでも死ぬ人がいるんだから。
走るのは、ふつうの陸地にして。 妻 」
登山道から滑落事故死の71歳ベテラン女性登山家の記事が添付されている。
うーむ。
うーむ。
うーーむ……。
今回、ワシは留守番。
一昨日、満開の桜と呼応するかのようにカメが冬眠から覚めてエサを食べ始めた。
カメのエサやり係として妻子不在の1週間を過ごすオヤジである。
今度の日曜に参加する「焼津みなとマラソン」(ハーフの部)からエントリー通知が土曜に届いた。
去年の大事な大会申し込み忘れ事件以来、期日10日前になっても通知が来ないと、だんだん不安になってくる。無事届いて胸なでおろす。
朝、走休。ベランダでステップ運動20分、心拍102。
夜、むし歯の治療へ。ゆううつ。歯科衛生士さんから予防のための方策として「歯のミネラルパック・クリーム」なるものを塗布するよう勧められ、試してみることに。
昨日、欠席4名(うちインフルエンザと診断2名)、出席しているが不調(発熱など)8名になって、今日・明日の2日間、学級閉鎖となった。3年の1クラスも同時閉鎖とのこと。
2年前、2年生の時にも同様に学級閉鎖になったことがあった。
本人は元気いっぱいで、囲碁三昧の一日。疲れた脳を休めるためか、時々、一人将棋を指している。
ふだんは夜11時、12時近くまで夜更かしすることもしばしばだが、担任の先生に「夜10時までに寝て睡眠時間をたっぷりとるように」と言われたとかで、忠実に守っている。そのあたりはマジメというか素直というか、可愛いものである。
「外出もなるべくしないように」とのお達しもしっかり順守している様子。
これ以上広がらずに終焉してくれればよいが。
朝、走休。体操のみ。
夜、プールへ。平・クロール各500m。
この前の「日本語」課題(仮想体験記)の比ではなく、差し迫った様子。
学生証や銀行カードなどが入った財布をなくしたらしい。
幸いにも、拾われたたご夫妻が学校に連絡してくださり、息子が学校帰りに訪ねて無事に戻った。
ふー、やれやれ。まずはよかった。
昨夏(現地では冬)にワシは初めてメルボルンに行き、落ち着きのある、それでいて活気のある街並と雰囲気がすっかり気に入った。街なかを流れるヤラ川沿いのジョギングコースは特に。
今回の財布の一件で、ワシのメルボルン贔屓(ひいき)は一段とゆるぎないものとなった。
以下、実際のやりとりの渦中にあった妻による、事件の顛末。
関西に出張していた妻。
京都で土産の茶団子(留学息子の好物)を買い、新幹線の中からオーストラリアの息子に「今、京都。茶団子買った。いなくて残念」とメール。
すると、「茶団子はどうでもいいから、僕のメール読んで!!!!」との返信。
たくさんのメールが入っていた。
「どうしよう! 財布なくした! 今朝トラム(路面電車) のチケット買ったときはあったのに。銀行のカードどうしよう?!」
つまり、こういういきさつ。
土曜日の朝、日本語の授業を受けにトラムで出かけた。
家に帰ってきたら、財布がない。
途中で落としたのか、探しまくったが見つからない。
お金はたいして入っていなかったが、銀行のATMカードと学生証が入っている。
新幹線の中でメールが行きかった。
「もう一度よく探して」「もう9時間探してる!」
出かけていた下宿のおばさんが、夜になって帰ってきた。
事情を話し、銀行に電話をしてカードを止めてもらった。
月曜日は留学生担当の先生が来ない日。
自分でトラムの遺失物センターに電話をかけたが、財布は届いていない。
ひとりで銀行に行き、新しいATMカードの手続きをした。
そして、火曜日。
「財布を拾いました」という電話が学校に。
息子からのメール「奇跡が起きた!オーストラリアってなぜこんなに親切な人が多いんだ!」
電話をかけ、住所を聞いて、家まで取りに行った。
駅から30分歩いた。
「よく来たね、遠かったでしょう」と帰りは車で送ってくれた。
下宿のおばさんに、そういうときはお菓子とかを御礼に持っていくものだ、と諭された。で、この週末にもう一度お礼に伺う予定。
それにしても、自分でなんとか対処して必要な措置を講じるなど、パニックに襲われつつもよく頑張った。
問題解決スキルがグンとアップしたのは間違いない。
朝、10kmジョグ。後半5kmはレースペースで21'22"、心拍150。
きょうから3月。本格的な春の到来に合わせて壁紙張替え。
東京マラソンの余韻いまださめやらぬ中、申し訳ないが本日は親馬鹿。
先週末、高校留学中の息子から珍しくSOSの電話。
日本語の授業で難題が出されて途方に暮れていると。
「太平洋上に浮かぶロボット国の高校に、あなたは1週間留学した。その体験記を高校生向けの雑誌に書くことになった。分量は400字原稿4枚、締切りは来週末」
うーむ、たしかにこれはなかなか。ただの作文や感想文とは違い、仮想体験記だからほとんど短編小説を書くに等しい。
その先生はテキストに灰谷健次郎『島物語』を指定するくらいだから、タダ者ではないな。
で、妻とも相談のうえ、ワシが例文を書くことにした。これを参考に息子が独自の手記を書ければベスト。丸写しだけはしないように。
ロボット高校マラソン大会 参加体験記
ロボット高校に留学して1週間、きょうは全校マラソン大会が開催される。この大会は校長先生が人間界を視察して始めた恒例イベントのひとつだそうである。
何でも機械まかせ(当たり前か?)で、移動もすべて乗り物の現代ロボット社会で、自分自身のマシンとしての自我と誇りを見失う若者が多いことを憂えた校長先生が、人間社会のスポーツのうち最もシンプルで原始的なのに人気が高いマラソンに着目したという。
「人間界でマラソンを見学してわしは非常に興味をひかれたのじゃ。ただ単に、ある地点からある地点へ移動するだけの競技なのに、人間はそこに人生を投影させて深く感動しておる。これはぜひ、わが校でも実現したいとな」と校長先生は語っている。
ルールは簡単。2足以上型ロボットで永続的飛行は禁止、地上移動のみで島を1周する。他の型式ロボットにはそれぞれ空中・地中・水中の大会が同時開催されている。
かなり起伏があり、日頃自足走行などしていない今どきの若者ロボットにはキツイ。最もキツイためか、地上走行レースは一番人気があり、応援も多い。各型式用に燃料補給所が設置され、沿道には大観衆が繰り出し、国あげてのお祭りムードだ。
◇
ぼくは大会を見るだけのつもりだったのに、前日になって校長先生から「人間留学生を代表して地上型式レースに参加してほしい」と頼まれて、急に走ることになってしまった。
小中学校ではリレーの選手をしていたものの、長距離走はあまり得意ではない。しかし、友好親善のため精一杯走ることにした。スタート地点にはすでに多数のランナーが集結して、動きをよくするための手入れに余念がない。ぼくも準備体操と軽くアップジョグで体を温めスタンバイ。
校長先生が激励の挨拶と美しい光線の合図を出し、ランナーたちはセンサーで認識して一斉にスタート。ロボット国には武器がないので号砲はないのだ。本気でスピードを上げて高速走行しているトップグル-プはほんの一握りで、大半はおしゃべりしながらお祭り気分のファンランだ。ぼくは留学生代表なので一生懸命走っていたらトップグループの中にいた。
半周過ぎて後半に入った。人間用のスペシャルドリンクをすばやく取る。ロボットたちがエネルギー補給に手間取っている間に、わずかにリード。
花と光で飾られたゴールが見えた。後ろから猛烈に追い上げてくる気配がする。ラストスパート。ぼくを両側からはさむように選手が並んで、なだれ込むようにフィニッシュ。
結果は3者同着ということで、ぼくは優勝者の一人としてロボット国大統領から栄誉ある表彰を受けることができた。
大統領の言葉。「優勝した諸君、おめでとう。君たちの奮闘に心から拍手を送りたい。同時に、きょうの大会をともに楽しんだすべての参加者とサポートしてくださった方々に等しく敬意を表したい。勝つことはすばらしいが、勝利だけに価値があるのではない。参加し、それぞれに努力し、楽しんだ。そのこと自体がすばらしいのだ。さあ、自分自身に、友だちに、そして人間界からの留学生に拍手を贈ろうではないか!」
大拍手に包まれながら、ぼくの1週間の留学は熱い感激とともに幕を閉じた。
というわけで親馬鹿ライター出動の巻であった。
朝30分ジョグ(約5km)、ラスト坂道ダッシュで心拍172。
夜、木刀素振りなど日課トレ。
目玉は、体育館で行なわれた4年生全員参加の「2分の1 成人式」。
いわば学芸会の新バージョンで、20歳の半分、10歳までの過去・現在・未来を寸劇や歌、群読などで表現したもの。なかなかよかった。
約50分間、しんしんと冷え込んだ体育館の中で、ジーンときて胸が熱くなったオヤジであった。
「授業の一環」ということで、写真やビデオ撮影はナシというのもよかった。
自分自身も含めて、「思い出を記録する」ための撮影に神経がいってしまい、実際の今この瞬間を見て感じて味わうことが往々にして二の次になってしまい、本末転倒気味であるから。場所取り競争もなく平穏に、鑑賞に専念できた。
ラスト15分は160余名がひとことずつ「将来の夢」または「4年生になってできるようになったこと」を大きな声で発表。
女の子の夢は、花屋さん・ケーキ屋さん・キャビンアテンダント(スチュワーデス)の御三家は相変わらず人気が高い。異色なところでは、「小説家」が3人もいた。NHK朝ドラの影響か。「ライター」志望の子も。
男の子では圧倒的にサッカー選手。野球選手がその半分くらい。弁護士も挙がったが、昔は必ずいた「総理大臣になりたい」子は一人もいなかった。
で、ウチの息子は「ぼくは囲碁のプロ棋士になって、タイトルをたくさん取りたいです!」。オイオイ、マジかよ~!?
本日休養、体操と日課トレのみ。来年も意地で千葉マリンに出ようかな。
同時に時計の針が4時をさしている映像を、ありありと思い浮かべる。
いろいろあって、結局寝たのは1時すぎだったにもかかわらず、ピタリと4時に目が覚めた。
いつも、念のためセットした目覚まし時計が鳴る寸前なのも不思議。
妻を起こし、窓の外を見ると、ちょうど迎車が約束の4時半の30分前に到着して待機に入るところ。
4:30に無事送り出し、朝の体操をしたり、息子たちに朝メシを食べさせたり、洗濯機を回したりしているうちに7:30。
予定どおりNHK「おはよう日本」の特番「飲酒運転はなくせるか」が始まった。TVの前に3人集まって凝視する。
絞りこんだ内容の、なかなかよい特集であった。
飲酒運転常習者の背景にあるアルコール依存症の問題を掘り下げた点が、とくにすばらしかった。
締めくくりに出番の妻はまずまず落ち着いていたものの、リハーサルの時に時間を超過したので大幅に刈り込んだら本番では15秒ほど時間が余ってしまい、キャスターさんたちとなんとかつないだそう。
ともあれ無事に務めを果たせて、やれやれのオヤジであった。
AM、市ヶ谷⇔皇居約2周 (一般参賀で大手門前は走れず迂回)
PM、年内に終わらせねばならぬ仕事のため社に休出。結局、夜9時までかかる。長い一日であった。