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国語のおさらい:士農工商の末裔

2022-02-10 06:29:29 | 日記
戦国時代から

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
小説を読んでいたらどえらい物が出てきました。
生まれてこの方、見たことも無ければ聞いたこともない言葉が堂々と載って
いたのです。
意味はもちろん読み方にも悩む言葉、それは「分限者」です。

 辞書を引くと「ぶんげん」の項があって<①身分・法律上の地位・資格 
②金持ち>(新明解国語辞典 より)と書かれていました。
しかし「分限者」の項はありません。
 仕方が無いのでネットで検索すると<分限者:金持ち、財産家。
「ぶんげんしゃ」とも「ぶげんしゃ」とも読む。>(weblio辞書 より)
余計混乱を深める解説が出てきました。
先ずは正しい読み方を知りたいものです。
 <どちらでも読むが一般的には「ぶんげんしゃ」。
江戸時代初期から二通りの読み方があった。>(国語力アップ.com より)
 随分古い時代からあったのだと感心していたら、もっと時代を遡る解説が出て
きました。

 <戦国時代以降に武士の分限を記した分限帳が作製された。
そこには大名の家臣の禄高や役職名などが書かれていた。
分限の大きな者は分限者と呼ばれ、商人の分限者は富豪・金持ちの代名詞になった。>
(コトバンク より)
その辺りの事情は分かったけれど、そもそも「分限」は何なのか、その点が不明です。
 それを分かり易く解説してくれる物がありました。
<「分」は身分、「限」は可能の限度を示す。
つまり自分の身分はどれ程なのか、どれだけのお金を払えるのか、といった限度を
わきまえている人を指す。
自分の限度を知るには相応の能力が必要。
そこから分限者は才能のある人、身分の高い人、金持ちを意味する様になった。>

江戸から明治

 それが江戸時代までのお話、でも明治になって士農工商の身分制度が廃止される
とこの言葉にも変化の波が押し寄せました。
<代わりに出てきたのが「公務員」の呼び方。
法律の世界では分限は公務員の身分保障、あるいは免職・休職といった意味で使わ
れるようになり、元々の金持ちの意味とは別のものになった。>
(引用はいずれも 国語力アップ.com より)

 一般の暮らしでは死語に近い分限が公務員の世界ではいまだ現役バリバリなのだとか。
試しに「長野市 分限」で検索すると、真っ先に出てきたのが<長野市職員分限処分
の指針>
 その内容は<これまで職務遂行を十分に行えない職員がいても分限処分される
ことはなかった。
しかし今後は注意を繰り返しても改善が見られない場合には、分限処分を行うこと
がルール化された。>(総務部職員課 より)
 庶民の間には「お役所仕事」と揶揄する言葉がありますが、どんな仕事態度でも
処分が無ければ気が緩むのは当たり前。
 分限がルール化されて良かったと喜びます。
はたまた今頃ルール化なのかと呆れます。
どちらが正しい反応なのか、分限以上に分かり難い問題です。

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