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雑草の日:増えるトーテムポール

2024-07-30 06:29:19 | 日記
江戸時代からこの漢字

 天鵞絨毛蕊花、この6つの漢字を突き付けられて「さあ読め」と言われ
たら「てん・・け・はな」、言いよどんだ末に絶句するしかありません。
 親切な相手が正しい読み方を教えてくれて、ついでに雑草の名前だと示唆
したとしても、合点がいく部分は一ミリもありません。
まさかこの難解至極な6文字が最近やたらと目にするあの草のことだとは、
露ほども思えません。
 ビロードモウズイカ、これがこの漢字の正しい読み方。
道端などにトーテムポールの様な姿で聳え立っているゴマノハグサ科モウ
ズイカ属の雑草です。
 奇天烈な姿は日本由来のものではなくて如何にも外国産。
珍奇な姿が珍しがられて明治時代に観賞用として導入され、逸出したものが
野生化し今では全国に分布を広げています。

 それではここからは漢字のおさらいを。
頭の3文字は天鵞絨と書いてビロードと読むそうで。
<天鵞は白鳥を意味し、絨は毛の厚い織物を表す。
ビロードは生地が光沢のある白鳥の翼に似ているところからこの字が当てられた>
(伝統色のいろは より)
 国語辞典でビロードは<綿・絹などで織って毛を立てた柔らかくて滑らかな織物。
天鵞絨は江戸初期以来の用字>(新明解国語辞典 より)
 古くから使われている漢字だそうですが、私には読みも書きも不可能。
それでも前半部は説明を聞けば何とか理解できましたが、問題は後半です。

恐るべき数

 ここからは理科のおさらいです。
図鑑で<毛蕊花はオシベにまで毛が生えていることを表す>(身近な草花
300 より)の記述を見つけましたが、正直言って一読しただけでは意味不明。
 より詳しい解説を探しました。
<蕊(ズイ)とはオシベやメシベの蕊(しべ)のこと。
天鵞絨の様な毛で覆われていることを指す>(BOTANICA より)
 ビロードモウズイカの場合、オシベが毛に覆われているのが名前の由来に
なっているのだそうで。
 とは言え、オシベ全てが毛むくじゃらって訳ではありません。
<オシベは5本あるが、多くの場合はその内の2本は無毛、残りの3本の花
糸に白い毛が生えている>(ガーデニングの図鑑 より)

 直径2センチほどの花冠は5裂し、中心部には5本のオシベと1本のメシベ。
黄色の一日花が萎んだ後には1センチほどの果実が付きますが恐るべきはその数。
トーテムポールの様に聳え立つ部分に数百個の果実が付き、そのひとつひとつに
700個以上の種子がびっしり。
それが周辺に零れ落ち、発芽の条件が整う日を待っています。
 ひとつのトーテムポールを見つけたら、周囲には無数の天鵞絨毛蕊花の基が
埋もれています。

コメント
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