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国語のおさらい:若者の質問

2024-07-25 06:29:39 | 日記
時代劇のセリフ

 ひと昔前の時代劇では「細工は流々仕上げをごろうじろってんだぁー」、
そんな威勢のいい啖呵が飛びました。
改めて口にすると如何にも時代がかったセリフ。
令和の時代に通じるのかなと危ぶんでしまいます。
 ならば分かりやすく解説してみろなんて言われたらさあ大変。
がたがた言わずに最後まで黙って見てろ!がだいたいの意味です、としか
言えません。
 何とも説明が難しいのが最後に出て来る「ごろうじろ」
五郎と次郎だと冗談にもできず説明に窮します。
それを含めてこの言い回しをおさらいしました。

 「ごろうじろ」なんて辞書には無いだろうなと思いながらページをめくると、
意外にもありました。
<ごろうじろ(御覧じろ):御覧なさいの意の老人語>
なるほど、御覧じろとはそんな漢字をかくのかぁ。
 更に解説の続きがあって<細工は流々~ 細工を参照にせよ>と書かれています。
今度はそちらをめくると<細工:細かい部分まで手を抜かず工夫を凝らすこと>
とあり<細工は流々仕上げを御覧じろ:私なりに工夫を十分こらしてあるので、
出来上がりを見てください>(新明解国語辞典 より)と解説されていました。
 何となく大雑把には理解できたけれど、「細工」や「流々」がまだしっくり
きません。

大工の口癖

 そちらの解説をネットで探りました。
<細工は手先を使った細かい作業で物を作ること。
流々はそれぞれの流儀・流派のこと。
御覧じろはご覧になるの命令形。
仕事にはそれぞれのやり方があるから、途中でとやかく言わないで出来上がり
を見てから批判して欲しい、が全体の意味>と説明されていました。
 大工などの腕に覚えのある職人が口にしたのが切っ掛けだそう。
それがだんだんに広まって、職人仕事以外でも比喩的に使われる様になったと
推察されると書かれていました。

 間違った使い方としては<「細工は隆々」「細工は粒々」を用いる場合が
あるがそれは誤り>のご指摘。
 類義語として「細工は流々仕上げが肝腎」の言い回しもあるそうで。
こちらは<「御覧じろ」が強い命令口調になっているので優しく言い換えた
表現として用いられた>と書かれていました。
(引用は全て ことわざのナルゾウ より)
 これで昭和風のセリフを令和の若者にも懇切丁寧に説明できるってもんで。
多少なりとも満足を覚えて今週のおさらいは終了。
 と思ったけれど実はちょっとした懸念もあります。
説明を終えた途端にこんな質問が出てきたらどうしよう。
「五郎次郎は分かった、ところで三郎四郎はどこにいる?」




コメント
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