今年も又、この季節がやってきました。フランコプリンツィバリのオーダー会の季節です。本当に月日が経つのが早いですね。今年もあっという間に終わりそうです。既にフランコさんとのおつきあいも10年、毎夏、毎冬欠かさずオーダーしたので20着以上はフランコプリンツィバリのスーツがある勘定になります。床屋とテーラーは一生の付き合いとフランコさんがおっしゃいますが正にその通りですね。
場所は伊勢丹メンズ館8階、チャーリーバイスとはまた違う隠し部屋にてオーダー会は一人一人行われます。いつも通り近況報告から。今回も通訳はクララさん。17年前からフランコさんの通訳をずっとされているので言いたい事もすぐに伝わり安心してお話ができます。落合正勝氏が初めてフランコさんに会ってスーツをフィッティングした時にその着やすさ、特にアームホール回りの動きやすさなどに感動した様子などをリアルに再現してくれてとても盛り上がります。
まずは、今回私が事前に選んだ生地をチェックしてもらいます。KYNOCH(カイノック)社の青みががったヘリンボーンの生地です。目付は400g近くあるかなりヘヴィーウェイトの生地。杢糸(もくいと)に2色の撚り合わせた糸を使っているのでとても複雑な深みのある色合いの生地になります。三陽商会でもこういった生地を扱っているのは意外でした。カイノック社はスコットランドLANGHOLMのミルでその歴史は175年と言われていますが、1970年代になくなってしまったミルです。しかし近年復活したようですね。フランコさんは時々、全く商売を考えず、「この生地はダメ」と言って、日本人スタッフを慌てさせたりしますが、今回チョイスした生地はとても良いとのお墨付きを頂きました。
前回オーダーしたソラーロのスーツのフィッティングのチェックです。既に私の型紙は完成しているので何も修正するところありません。でも念のためチェック。結果はやはりいじらないほうが良いとの事になりました。
最後にスーツに合わせて裏地とボタンを選びます。以前は裏地に奇抜な色を選んだりしましたが、クラシックなスーツにはやはりオーソドックスな組み合わせがいいですね。フランコさんと色々話しながら同色系の落ち着いた裏地とボタンをセレクトしました。
スーツの仕様は3Pです。出来上がりはおおよそ一ヶ月半後くらいかと思います。楽しみですね。
服飾業界では再編やブランドの整理が行われていますが、稀にみる非常に完成度の高いフランコプリンツィバリのスーツ。フランコさんが元気なうちはこのブランドを継続してもらいたいと強く思った次第です。
さて、次回はまた英国編に戻っていきます。
17年間という長きに渡ってブランド展開していた
フランコプリンツィバリですが
今回、三陽商会の大規模なブランドの整理で
なくなることが決まったとのこと。
この件はフランコさんも来日するまで
知らなかったようです。
恐らく売り場も年末か来年1月末位までには
なくなると思います。
私も10年間、20着以上スーツを作り
型紙も完成しとても気に入っていました。
また、フランコさんのお人柄が素晴らしいので
中々会えなくなると思うと非常に残念です。
今後はミラノに行ってビスポークするしか
ないですかね、、、
本当に残念です。