『フリー』つながりで。
■哺乳類たる人類
我々、人間の脳はムダなことに抵抗を感じるように配線されている。
それは我々が哺乳類だからであり、自然界では比較的珍しいことだ。
哺乳類は動物の世界で最も子供の数が少なく、その結果、我々は子供が大人になるまで守るために膨大な時間と手間を費やす。
人間ひとりの死は悲劇であり、時には残された者が二度と立ち直れないこともある。
そして、我々は個人の命を何よりも大切にしている。
そのため、我々はムダに関して非常に発達した倫理観を持っていて、気に入らない玩具や食べ残しを捨てることに罪悪感を覚える。
その感情にちゃんとした理由がある時もある。
浪費によって社会的コストが増えることを理解している時だ。
だが、たいていは、単に我々の哺乳類としての脳が、罪悪感を覚えるようにプログラムされているからなのだ。
■自然界の多くの生き物
自然界の他の生き物はそうではない。
クロマグロは一回の産卵で1000万個もの卵を放出する。
成体になるのは、おそらくそのうちの10個くらいだ。
ひとつが生き残るために100万個が死ぬ計算になる。
自然は、よりよい命を探すために命をムダにする。
失敗に失敗を重ねながら、新しいDNA配列がときに古い配列を駆逐することを期待して遺伝子を変異させる。
そのようにして種は進化する。
生殖の優位性を決める過酷な争いによってその創造物のほとんどをすばやく殺すことで、自然はみずからの創造物をテストするのだ。
■進化戦略
自然界にこれほどムダが多い理由は、数学者が言う「ありうべき空間の完全な探査」を行うためには、やみくもに撃ちまくる戦略が最良の方法だからだ。
砂漠に少し離れて二つのオアシスがあるところを想像してほしい。
片方のオアシスのふちに生えた木には、子孫を残すためにふたつの戦略のどちらかをとることが出来る。
自分の根の近くに種子を落とせば、その種子が水を得られる可能性は非常に高い。
これは安全だが、すぐに過密状態を招くことになる。
あるいは、種子を空中に投げ上げ、遠くまで風に運ばせることも出来る。
これは、ほとんど全ての種子が死ぬことを意味するが、もうひとつのオアシスを見つける唯一の方法だ。
そこを新しい生息地として、おそらくはより豊かに繁栄することができる。
数学者が言うところの「局所的最大値」から「大域的最大値」へ至る道とは、その途上で多くの「最小」を探索して、消していくことなのだ。
ムダは多いが、最終的にはうまくいく可能性がある。
SF作家のコリイ・ドクトロウは、これを「タンポポの考え方」と呼んでいる。
タンポポの視点から見れば、個々の、というよりほとんどの種子の損失は重要ではない。
重要なのは、春が来るたびに全ての舗装道路のすべての裂け目がタンポポで埋まることだ。
タンポポはただひとつの貴重な自分のコピーを世話して、それがやがて自分の元を離れ、注意深く道を選んで生育に最適な環境へと到達し、そこで家系を永続させることを望んだりしない。
タンポポが望むのは、あらゆる繁殖の機会を利用することなのだ。
■進化状態によって異なる進化戦略
哺乳類は、地球上では最も知的に進化した部類に入る。
それも、他の追随を許さない圧倒的な強者だ。
だから、進化のスピードは速くなくていい。
少なくても短期的には、進化せずとも生き残れるからだ。
急激な変化をするよりも、一つ一つの命を大切にすることによって、最も生き残る可能性が高くなる。
だから子供の数は少なくていいし、一つ一つの物事に安定を求める。
これは、生物だけの話ではなく、組織に置き換えても同じである。
イノベーションを求める企業は、クロマグロと同じく多くの施策を試す探索型の組織でなければならない。
逆に持続的イノベーションに力を入れる企業は、一つの事業を大切に育てていくことになるだろう。
理想を言えば、出来る限り多くのことをやりながら、その一つひとつを大切に育てることだが、そこにはコストとのトレードオフがある。
矛盾する双方を追求していきながらも、しかし、どこかで妥協点を見出さなければならない。
「フリーランチはない。」である。
■転じてAKB48
可能な限り大量に取って、出来うる限り一つひとつを大切に育てる。
が、いろんな可能性を探す方にバランスをとっているので、あえてをムダを作って、それを排出もしていくのは致し方ない。
という方向性であるのだよなぁ・・。
こればっかりはぁ・・。
いや、誰が悪いという話ではないんだよなぁ・・。
--------------------------------
如何にして顧客の日常となり得るか ~ 「ゼロの力」とググタスの未来 ~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/4c9821ec2aceb2416ab5aa3af807c062
AKB48を語るときに知っておきたい「フリー」
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/82ed0d579063ea817ff35cfff964832d
「潤沢さ」を理解し利用することで、フリーを武器にする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/8ba5c9561ee4339a13781c118036e9ee
AKB48とフリーミアム
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/967345b9aeaa28b123bdca39a426e4d8
■哺乳類たる人類
我々、人間の脳はムダなことに抵抗を感じるように配線されている。
それは我々が哺乳類だからであり、自然界では比較的珍しいことだ。
哺乳類は動物の世界で最も子供の数が少なく、その結果、我々は子供が大人になるまで守るために膨大な時間と手間を費やす。
人間ひとりの死は悲劇であり、時には残された者が二度と立ち直れないこともある。
そして、我々は個人の命を何よりも大切にしている。
そのため、我々はムダに関して非常に発達した倫理観を持っていて、気に入らない玩具や食べ残しを捨てることに罪悪感を覚える。
その感情にちゃんとした理由がある時もある。
浪費によって社会的コストが増えることを理解している時だ。
だが、たいていは、単に我々の哺乳類としての脳が、罪悪感を覚えるようにプログラムされているからなのだ。
■自然界の多くの生き物
自然界の他の生き物はそうではない。
クロマグロは一回の産卵で1000万個もの卵を放出する。
成体になるのは、おそらくそのうちの10個くらいだ。
ひとつが生き残るために100万個が死ぬ計算になる。
自然は、よりよい命を探すために命をムダにする。
失敗に失敗を重ねながら、新しいDNA配列がときに古い配列を駆逐することを期待して遺伝子を変異させる。
そのようにして種は進化する。
生殖の優位性を決める過酷な争いによってその創造物のほとんどをすばやく殺すことで、自然はみずからの創造物をテストするのだ。
■進化戦略
自然界にこれほどムダが多い理由は、数学者が言う「ありうべき空間の完全な探査」を行うためには、やみくもに撃ちまくる戦略が最良の方法だからだ。
砂漠に少し離れて二つのオアシスがあるところを想像してほしい。
片方のオアシスのふちに生えた木には、子孫を残すためにふたつの戦略のどちらかをとることが出来る。
自分の根の近くに種子を落とせば、その種子が水を得られる可能性は非常に高い。
これは安全だが、すぐに過密状態を招くことになる。
あるいは、種子を空中に投げ上げ、遠くまで風に運ばせることも出来る。
これは、ほとんど全ての種子が死ぬことを意味するが、もうひとつのオアシスを見つける唯一の方法だ。
そこを新しい生息地として、おそらくはより豊かに繁栄することができる。
数学者が言うところの「局所的最大値」から「大域的最大値」へ至る道とは、その途上で多くの「最小」を探索して、消していくことなのだ。
ムダは多いが、最終的にはうまくいく可能性がある。
SF作家のコリイ・ドクトロウは、これを「タンポポの考え方」と呼んでいる。
タンポポの視点から見れば、個々の、というよりほとんどの種子の損失は重要ではない。
重要なのは、春が来るたびに全ての舗装道路のすべての裂け目がタンポポで埋まることだ。
タンポポはただひとつの貴重な自分のコピーを世話して、それがやがて自分の元を離れ、注意深く道を選んで生育に最適な環境へと到達し、そこで家系を永続させることを望んだりしない。
タンポポが望むのは、あらゆる繁殖の機会を利用することなのだ。
■進化状態によって異なる進化戦略
哺乳類は、地球上では最も知的に進化した部類に入る。
それも、他の追随を許さない圧倒的な強者だ。
だから、進化のスピードは速くなくていい。
少なくても短期的には、進化せずとも生き残れるからだ。
急激な変化をするよりも、一つ一つの命を大切にすることによって、最も生き残る可能性が高くなる。
だから子供の数は少なくていいし、一つ一つの物事に安定を求める。
これは、生物だけの話ではなく、組織に置き換えても同じである。
イノベーションを求める企業は、クロマグロと同じく多くの施策を試す探索型の組織でなければならない。
逆に持続的イノベーションに力を入れる企業は、一つの事業を大切に育てていくことになるだろう。
理想を言えば、出来る限り多くのことをやりながら、その一つひとつを大切に育てることだが、そこにはコストとのトレードオフがある。
矛盾する双方を追求していきながらも、しかし、どこかで妥協点を見出さなければならない。
「フリーランチはない。」である。
■転じてAKB48
可能な限り大量に取って、出来うる限り一つひとつを大切に育てる。
が、いろんな可能性を探す方にバランスをとっているので、あえてをムダを作って、それを排出もしていくのは致し方ない。
という方向性であるのだよなぁ・・。
こればっかりはぁ・・。
いや、誰が悪いという話ではないんだよなぁ・・。
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如何にして顧客の日常となり得るか ~ 「ゼロの力」とググタスの未来 ~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/4c9821ec2aceb2416ab5aa3af807c062
AKB48を語るときに知っておきたい「フリー」
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/82ed0d579063ea817ff35cfff964832d
「潤沢さ」を理解し利用することで、フリーを武器にする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/8ba5c9561ee4339a13781c118036e9ee
AKB48とフリーミアム
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/967345b9aeaa28b123bdca39a426e4d8
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