AKB48を語るときに知っておきたい「フリー」
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/82ed0d579063ea817ff35cfff964832d
つい先日、↑上で「フリーミアム」について触れたが、「フリーミアムは時代遅れ」と言われた。
「Facebookの体たらくを見ていたらフリーミアムも流行言葉だったね。」と。
何を言っているのかわからない。
クリス・アンダーソンは、「フリーミアム」は「時間と金の方程式」に基づいているといっている。
クリス・アンダーソン『FREE フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』
フリーミアムというのは、95%の無料ユーザに「時間」を使わせて、5%の金持ちユーザに「金」を使わせるのだ。
例えば、子供の時は、お金よりも時間を多く持っている。
だから、手間がかかっても無料のMP3ファイルの交換をするしかない。
かつてスティーブ・ジョブズは次のように指摘した。
P2Pのサービスで音楽をダウンロードすれば、問題のあるファイルフォーマットを扱うことになりやすい。
アルバム情報がなかったり、目当てでない歌がダウンロードされたり、音質が悪かったりする可能性がある。
お金を払わないために時間をかけることは、最低賃金以下で働いていることを意味するのだ。
それでも、時間がたくさんあってお金がなければ、それは合理的行動になる。
そういう人にとってはタダは正当な価格なのだ。
だが、歳を取って時間とお金の関係が逆になると、正規のダウンロードにかかる99セントはたいした金額に思えなくなる。
そうすると、フリーミアムの世界において、お金を払う顧客になるのだ。
(これがiTunesというサービスの理念的な支柱である)
無料オンラインゲームでは、いろいろなアイテムを買うことができる。
たとえば、お金を払えば一瞬で場所を移動できるので、長い時間を歩く必要もバスを待つ必要も無い。
アイテムを購入することで時間をかけずに能力を向上させることもできる。
もう一つは、我々が有料のものを選ぶ理由は、目当てのものが得られないリスクを下げるためだ。
有料のものには保証がつくが、一般にフリーには保証がない。
だが、フリーは信用を広めるのに役立つ。
例えば、オープンソースを使ってユーザはそれをリスクなしに検査し、試すことができる。
さらに、自分のニーズに合うように改良可能な無料版があるという事実は、より大きなユーザ・コミュニティを引きつける。
だから、その製品に関して多くのユーザから知識が寄せられるし、困ったときには助けてもらえることもある程度に保証されている。
フリーと有料との連携がうまく機能するのは、これが理由だ。
お金よりも時間がある人、その逆の人、自分の技能に自信があって自分の手で物を作りたい人、その逆に誰かにやってもらいたい人など、幅広い消費者心理が存在する。
フリーと有料をうまく組み合わせれば、そうした幅広い心理をすべてカバーできる。
フリーを使って、消費者があつまるコミュニティを作る。
それは結局、物語性の問題であり、人々は物語の始まりや中盤、結末や筋を知りたがる。
その上で、心理学でいうところの、他人がしていることも自分もしたいと思う「模倣欲求」をたきつけて、時間はないがお金を持っている消費者に有料サービスを売るのだ。
95%の無料ユーザを5%の有料ユーザが支えるフリーミアムの構図は、高い規模拡張性を持つインターネットと、模倣コストが低いデジタル技術が可能にしたのだ。
これをAKB48に転じてみると、フリーミアムの要素が変形した形で入っている。
インターネットを通じて膨大な情報(映像やテキスト)に無料でアクセスできる環境があり、それを使ってより大きな物語性の強いユーザー・コミュニティを作り、5%の上顧客からたんまり料金を取るのだ。
(実際、AKB48のファンの95%は在宅ファンだといわれている。)
これはAKB48にとって規模が必要になる一つの理由でもある。
それらを踏まえて、当Blogで以前から指摘しているのは、物語性の部分が弱くなってきてることなのである。
------------------------
如何にして顧客の日常となり得るか ~ 「ゼロの力」とググタスの未来 ~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/4c9821ec2aceb2416ab5aa3af807c062
「潤沢さ」を理解し利用することで、フリーを武器にする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/8ba5c9561ee4339a13781c118036e9ee
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/82ed0d579063ea817ff35cfff964832d
つい先日、↑上で「フリーミアム」について触れたが、「フリーミアムは時代遅れ」と言われた。
「Facebookの体たらくを見ていたらフリーミアムも流行言葉だったね。」と。
何を言っているのかわからない。
クリス・アンダーソンは、「フリーミアム」は「時間と金の方程式」に基づいているといっている。
クリス・アンダーソン『FREE フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』
フリーミアムというのは、95%の無料ユーザに「時間」を使わせて、5%の金持ちユーザに「金」を使わせるのだ。
例えば、子供の時は、お金よりも時間を多く持っている。
だから、手間がかかっても無料のMP3ファイルの交換をするしかない。
かつてスティーブ・ジョブズは次のように指摘した。
P2Pのサービスで音楽をダウンロードすれば、問題のあるファイルフォーマットを扱うことになりやすい。
アルバム情報がなかったり、目当てでない歌がダウンロードされたり、音質が悪かったりする可能性がある。
お金を払わないために時間をかけることは、最低賃金以下で働いていることを意味するのだ。
それでも、時間がたくさんあってお金がなければ、それは合理的行動になる。
そういう人にとってはタダは正当な価格なのだ。
だが、歳を取って時間とお金の関係が逆になると、正規のダウンロードにかかる99セントはたいした金額に思えなくなる。
そうすると、フリーミアムの世界において、お金を払う顧客になるのだ。
(これがiTunesというサービスの理念的な支柱である)
無料オンラインゲームでは、いろいろなアイテムを買うことができる。
たとえば、お金を払えば一瞬で場所を移動できるので、長い時間を歩く必要もバスを待つ必要も無い。
アイテムを購入することで時間をかけずに能力を向上させることもできる。
もう一つは、我々が有料のものを選ぶ理由は、目当てのものが得られないリスクを下げるためだ。
有料のものには保証がつくが、一般にフリーには保証がない。
だが、フリーは信用を広めるのに役立つ。
例えば、オープンソースを使ってユーザはそれをリスクなしに検査し、試すことができる。
さらに、自分のニーズに合うように改良可能な無料版があるという事実は、より大きなユーザ・コミュニティを引きつける。
だから、その製品に関して多くのユーザから知識が寄せられるし、困ったときには助けてもらえることもある程度に保証されている。
フリーと有料との連携がうまく機能するのは、これが理由だ。
お金よりも時間がある人、その逆の人、自分の技能に自信があって自分の手で物を作りたい人、その逆に誰かにやってもらいたい人など、幅広い消費者心理が存在する。
フリーと有料をうまく組み合わせれば、そうした幅広い心理をすべてカバーできる。
フリーを使って、消費者があつまるコミュニティを作る。
それは結局、物語性の問題であり、人々は物語の始まりや中盤、結末や筋を知りたがる。
その上で、心理学でいうところの、他人がしていることも自分もしたいと思う「模倣欲求」をたきつけて、時間はないがお金を持っている消費者に有料サービスを売るのだ。
95%の無料ユーザを5%の有料ユーザが支えるフリーミアムの構図は、高い規模拡張性を持つインターネットと、模倣コストが低いデジタル技術が可能にしたのだ。
これをAKB48に転じてみると、フリーミアムの要素が変形した形で入っている。
インターネットを通じて膨大な情報(映像やテキスト)に無料でアクセスできる環境があり、それを使ってより大きな物語性の強いユーザー・コミュニティを作り、5%の上顧客からたんまり料金を取るのだ。
(実際、AKB48のファンの95%は在宅ファンだといわれている。)
これはAKB48にとって規模が必要になる一つの理由でもある。
それらを踏まえて、当Blogで以前から指摘しているのは、物語性の部分が弱くなってきてることなのである。
------------------------
如何にして顧客の日常となり得るか ~ 「ゼロの力」とググタスの未来 ~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/4c9821ec2aceb2416ab5aa3af807c062
「潤沢さ」を理解し利用することで、フリーを武器にする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/8ba5c9561ee4339a13781c118036e9ee
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます