進化する魂

フリートーク
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人と違うことは良いことなのか? ~独自性欲求~

2012-07-20 15:58:17 | AKB48_行動原理系
さて、ニワカな知識でAKB48について語るシリーズの続編です。


「変化」も重要だが、本質的な「絶対量」を忘れてはいけない。いつだって基本が大事。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/bdf7548f7139201858d41566e5880152


指原莉乃が背負ったカルマ ~優越性ルールの侵害~ [途中] ←途中のままだ・・
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如何にして顧客の日常となり得るか ~ 「ゼロの力」とググタスの未来 ~
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エンターテイメントが感動を求めてやまない理由 ~ピーク・エンドの法則~ [作成中]
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AKB48と自分のモノという意識の深い関係 ~所有意識~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e763b2d0812b7407b30562276345df02


今回の参考図書はダン・アリエリー『予想通りに不合理(増補版)』です。




◆◆◆◆◆◆


■チーム4などについて語る前に


「独自性欲求」について知っておくことは有意義と考えますので、その話をしたいと思います。



■ビールの注文実験


これから説明する話は、多くの人が遭遇するであろう"あの状況"についてだ。


とあるバーで、客に無料でビールを配る実験をする。

メニューの中に無料ビールを載せるのだ。

ただし、一つだけ条件がある。

店員が客のところに行って無料ビールの注文をとっていいのは、客が席についてから1分以内に限る。

時間が過ぎてしまった場合は、通常の注文を取る。


無料のビールは4種類あり、それぞれに説明がついている。

(1) コパーライン・アンバー・エール
バランスのとれたホップとモルトが特徴で、伝統的なエールのフルーティさがある、ミディアム・ボディのレッド・エール。


(2) フランクリン・ストリート・ラガー
ソフトなモルトの風味と爽やかなホップの後味をもつ、ボヘミア・ピルスナー・スタイルのゴールデン・ラガー


(3) インディア・ペール・エール
イギリスからアフリカの喜望峰を回ってインドまでの長い船旅を耐え抜くように醸造された、ホップをよく効かせた力強いエール。誇り高いフローラルな後味のために、カスケードホップをドライホッピングしている。


(4) サマー・ウィート・エール
小麦50%で醸造されたバイエルン・スタイルのエール。ホップはやわらかめで、本物のドイツのイースト株によるバナナとクローブを彷彿させる独特の香りがする、ライトで爽快な夏向きのビール



あなたなら、どれを選ぶだろう?


・実験結果の例 1:皆が見ているところで注文を取る


ダブルデートをしている二組のカップルが席に着いた。

まず男性の1人にどれにするか尋ねた。

彼は「(3)インディア・ペール・エール」を選んだ。

続いて女性に尋ねると、

彼女は「(2) フランクリン・ストリート・ラガー」を選んだ。

もう1人の女性に尋ねる。

彼女は「(1) コパーライン・アンバー・エール」を選んだ。

最後に、その女性の彼氏に尋ねると、

彼は「(4) サマー・ウィート・エール」を選んだ。

この4人が、他の人のビールを味見するかどうかを確認したが、誰も仲間とビールを交換することはなかった。


・実験結果の例 2:個別に注文を取る


今度は口頭で注文を取るのではなく、4種類のビール名を載せたメニューを1人ひとりに配り、どのビールがいいか記入してもらった。

個別に注文を取るので、他の人が何を注文したかわからない。


はたして結果はどうなったか?


想像がつくと思うが、結果が異なった。

口頭で注文を取る時の方が、一つのテーブルで注文されるビールの種類が多かったのだ。

つまり、多様性が好まれるということだ。


この理由を理解するのに「(4) サマー・ウィート・エール」について考察してみるのがよい。

このビールは大半の人にとってあまり魅力的ではないようだった。

ところが、他のビールが先に取られてしまうと、客はそれ以外のビールを注文しなければならないと考えて、おそらくは他人を真似しているのではなく、自分自身の意見を持っていると示すために、誰も注文していないビールを選んだ。

はじめに注文しようと決めていたものではないかもしれないが、個性を顕示できるビールだ。


・満足度はどう変わったか?


実は、ビールを注文した客にアンケートを取っていた。

選んだビールの満足度を観測するためだ。

人々がもし、独自性を顕示するためだけに誰も注文していないビールを選ぶのだとしたら、本当は望んでもいないし好きでもないビールを飲むはめになるのも納得がいく。

結果は?

はい、予想通り、実験結果はそうなることを示していた。

口頭でビールを注文した人たちは、人知れず注文したために他人の意見に左右されなかった人たちよりも満足度が低かった。


ただし、一つ重要な例外がある。

口頭で注文したグループの中でも最初に注文した人は、他の人の選択に左右される余地がなかったため、最も満足度が高く、人知れず注文したグループの人たちと同じくらい満足していた。


■独自性欲求


デューク大学で行われた研究によって、「同じテーブルの他の人たちと違うアルコール飲料を注文する傾向」と、「独自性欲求」と呼ばれる性格特性の間に相関があることがわかった。

独自性を表現することに興味がある人ほど、テーブルではまだ誰も頼んでいないアルコール飲料を選んで、自分が本当に個性的だと示そうとする傾向が強いのだ。


この結果は、人がときとして、他人に何らかの印象を与えるために、消費行動から得られる快楽を犠牲にすることを示している。

人が食べ物や飲み物を注文する場合、目標は2つあるようだ。

「自分が最も楽しめるものを注文すること」「仲間に好感を持たれるように自分を表現すること」の2つだ。

問題は、料理なりなんなりを注文した後、好きでもない料理に閉口させられる場合があるということだ。

ちょくちょく後悔するはめになる。

つまり、独自性への欲求が強い人たちは、評判等の効用を得るために、個人の効用を犠牲にすることがある。


■文化が違っても当てはまる独自性欲求


独自性欲求を望ましい特性と考えない文化では、結果は変わるのだろうか?

香港で実験を行ったところ、人前で口頭で注文する場合、グループへの帰属意識を示すために、他の人に同調したものを選ぶという結果が得られた。

また、人知れず注文した時より、人前で注文した時の方が、好みでない料理を選びやすいという点では同じだった。

香港の人たちの場合、先に他人が注文したものと同じ料理を選ぶ傾向が強かったが、料理を注文する時の失敗として、後悔が残る失敗であるという点では同じである。


■ちょっとしたアドバイス


レストランでは、ウェイターがやってくる前に注文を決め、それを変えないことだ。

まわりの人が選んだものに影響されると、イマイチなものを選んでしまいかねない。

どうしても他人に左右されてしまうと心配なら、ウェイターが来る前に自分の注文をテーブルのみんなに宣言するといいだろう。

そうすれば、それを注文するのは自分の権利だと主張したことになり、たとえ誰かが同じ料理を選んだとしても、テーブルの他の人はあなたに独自性がないとは思わないだろう。

だが、もちろん最善の策は、一番に注文することである。

(「わたし無意識にそれやってる!」と気づいた人もいるのでは?)


■独自性欲求をどう捉えなおすか


「独自性欲求」が私たちに訴えかける本質的な問題は、私たちの意思決定が環境や状況に左右されてしまうということだ。

私たちは環境や状況によって、意思決定を良い意味でも悪い意味でも変えてしまう。

もし、「独自性欲求」が悪い方向に作用してしまっているようなのであれば、その意思決定のやり方を修正する必要がある。

先述したように、ウェイターが来る前に注文する内容を宣言するようにすることもその一つだ。

マネジメントのレベルでは、「独自性欲求」が望ましくない方向に作用していると気づいた時には、環境や状況を変える努力をすることが必要だろう。


ただ、「独自性欲求」にはメリットもある。

なんといっても「多様性」の確保ができることだ。

私たちは、独自性欲求があることによって多種多様な言動を獲得することができる。


一方で、「独自性欲求」は意思決定をする側だけではなく、意思決定をされる側にも影響を与える。

誰かがした意思決定が独自のものであるのかを、私たちは気にかけてしまうのだ。

(だからこそ、意思決定をする側は独自性を追求してしまう。)

それゆえ、独自性欲求が示唆するものは「一番初めの先行者が最も満足度も高く、また受け手も独自性が高いという評価をしやすい」ということだ。

心理的な面からも「先行者利益」の一端を説明することができるのだ。


ただ、当Blogの主張としては「先行者利益」を単純に受け入れるものではない。


「独自性欲求」が投げかける問題提起は、むしろ私たちは「先行者利益」に釣られやすいということなのだと思う。

このことが、個人レベルで「先行者利益」を獲得しようと合理的に行動することが、組織レベルではある種の不整合を引き起こすのだ。

そして、これがチーム4に関して考察する上で、非常に重要な問題であると私は考えているのだが、これについてはまた後程語ることにする。


個人レベルでも組織レベルでも、メリットとデメリットをよく考察して、考える必要がある。

という玉虫色の結論を最後に述べてこのエントリは終了することにする。


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