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進化する魂

フリートーク
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中高教育で「これからの『正義』の話をしよう」を使っては如何?

2010-08-26 13:05:39 | 社会
サンデル教授の授業が日本で行われたようです。

サンデル教授、東大で白熱授業 正義について熱く討議(asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0825/TKY201008250419.html

人気の「白熱教室」の日本出前授業が実現した。米ハーバード大で空前の履修者数を誇るマイケル・サンデル教授(57)の来日特別講義が25日、東京大(東京都文京区)で開かれた。身近な題材から問いを投げかける有名な対話型講義に聴衆が積極的に参加し、本家さながらの熱い討議が繰り広げられた。

[中略]

サンデル教授の講義は日本でも今春から「ハーバード白熱教室」と題して連続放映され、大きな反響を呼んだ。講義をまとめた「これからの『正義』の話をしよう」の翻訳本は30万部を超えるベストセラーになっている。今回の特別講義は10月下旬以降にNHK教育テレビで放映予定という。


「これからの『正義』の話をしよう」は30万部を超えるベストセラーだそうです。
そういう私もすぐ買って読みました。

書評もそれなりに出ていて「わかりやすさ」を評価するものが多いようですが、
私の感想としては、普段から政治哲学に関心のある人を除いては、
突然この本を読んで、内容を理解できるほど簡単でもないと思います。
わかった気になることはできますけれど、
言っていることは、それほど簡単でもないと思います。

もちろん、サンデル教授の講義は「哲学」ではなく、あくまで「教養」ですから
哲学書を読むよりもずっと簡単です。
(実際の講義は、事前に多くの哲学書を読む必要があるようですが)
小難しい哲学書を幾つも読むよりは、この本は議論が整理されているので、
時間を短縮して政治哲学の論点をつかむことができる価値は多いにあります。
でも、だからといって内容が簡単ということにはなりません。
サンデル教授の説明がわかりやすいというだけで、言ってる内容は簡単ではないという意味です。

私がそう思うのは、もし30万人の人が、この本の議論に参加できるレベルであれば、
日本の政治的混乱ももっとマシになっているはずだと思うからです。

そういう意味では、ちょっと強引な意見ですが、
この本を学校教育に取り込んではどうでしょうか。
先生に読ませる意味もありますし、先生に説明させて、
そして生徒間で議論してはどうでしょうか。
噛み砕けば、中学生、高校生でも議論できる内容になると思います。

日本で道徳教育というと、なにか強制的な価値観の押し付けのイメージがあり、
多くの反論が生まれるのが必定ではありますが、
サンデル教授の本などを使って道徳議論をすることは可能なのではないでしょうか。

小沢の民主主義の限界 

2010-08-26 12:24:09 | 政治
小沢も老いたか。
どうしたのか。
残念極まりない。

一部分を除いては、非常に素晴らしい講演だが、
そのたった一部分がこの講演の全てを台無しにしている。
自分で自分の講演を無価値に陥れてしまっている。

まずは、素晴らしい内容から。
以前から当Blogで小沢を支持するのは、日本で唯一、民主主義を理解する政治家であるからだ。

【小沢氏講演要旨】「日本のあらゆる分野で精神の荒廃、劣化が急速に進む」(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100825/stt1008251212007-n1.htm

絶対にあり得ないと思っていたアメリカ社会で、黒人大統領が誕生した。危機にあって変革を訴えた(オバマ)大統領を選択した。私は決してアメリカ人を利口だと思っていないが、自分の意志による選択を実行していることを高く評価している。

 政治経済ともに困難な時にあたって、日本人自身が自立した人間(になって)、自分で判断し、行動し、責任を持ち、きちんとしたモラルを身につけることが大事だ。今こそ急がば回れ、教育に思いを馳せなければならない。


小沢氏「米国人は単細胞、英国は紳士面してる」(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100825-OYT1T00995.htm

米国のオバマ大統領について「絶対、黒人大統領はあり得ないと思っていた社会で、黒人大統領が誕生した。黒人が出たら暗殺されるといううわささえ以前にはあったが、この危機にあたって変化を強調したオバマ氏を選んだ」と指摘。「決して米国人は利口だと思っていないが、民主主義、危機にあたって国民の意思による選択がきちんと実行されていることを非常に高く評価している」と強調した。

第2次世界大戦を舞台にした映画「戦場にかける橋」に登場する英国人捕虜の規律正しさを紹介し、英国を「さんざん悪いことをして紳士面しているから好きではない」としながらも「祖国のために戦う軍隊も、自分たちの意思で(作った)という意識がある。自分たち自身の社会であり、国であるという民主主義の基本の意識が徹底している」と評価した。


そして全てを台無しにしている部分がこれだ。

【小沢氏講演要旨】「日本のあらゆる分野で精神の荒廃、劣化が急速に進む」(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100825/stt1008251212007-n1.htm

今後のことを考えると、外需に頼りきりの日本経済は大きな打撃を受ける。中国は経済的崩壊が政治的動乱につながる恐れがある。政治経済は不安定な状況になりつつある。本来の日本人の精神力と知恵と力さえ持っていれば、このくらいの困難を克服するのは容易に可能だ。しかし、今日の日本社会を見るとあらゆる分野で、政界、官界、財界、一般社会においても、精神の荒廃、劣化が急速に進んでいる。規律、モラルという美徳がかけらもみられなくなった。


小沢氏「米国人は単細胞、英国は紳士面してる」(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100825-OYT1T00995.htm

小沢氏は「政界でも官界でも財界でも、精神の荒廃、日本人の劣化が急速に進んでいる」と問題提起。


民主主義感は私も同意するところだが、日本の現状認識が全く間違っている。
「日本人の劣化が進んでいる」などと考えているとは・・情けない。
マスコミ批判なのか、小沢も老いたのか。

日本人が過去に素晴らしく高い美意識を持っていたとかいう話を一切信じない。
有り得ないことである。
そうであるなら、なぜ太平洋戦争で日本は焼け野原と化した?
そうであるなら、なぜ高度経済成長期、バブル経済の負の遺産を今も背負う?
そうであるなら、なぜ行方不明の高齢者が多く存在する?

「古き良き時代」など人間がつくった「幻想」である。
我々の頭の中にしかない「虚像」である。

人が劣化することなど生物学的には有り得ない。
変るのだとすれば、それは環境が変ったのである。

構造的な部分に問題意識が向かないのだとすれば、
小沢による日本の民主化も危ういものになるだろう。