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進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
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プラットフォーム競争の意味

2010-05-20 11:10:27 | ビジネス
最近、どこにいっても「日本はプラットフォームを取れない。」という嘆きを聞く。
しかし、よくよく聞いてみると「プラットフォーム競争」などと言っている人が、「なぜプラットフォームを取ったら勝ちなのか?」について全く説明していないことに気づく。
もちろん、専門家の人々は理解しているのだが、その話を聞いた人達がだ。
わからないままに「プラットフォームをとるのだ!」と皆が声を張り上げるもんだから、みんな混乱する。

「ゲームのルールを自分に都合よく作った者が勝つ」と言うが、その意味はなんだろうか。
この言葉は誤解を生みやすいと思う。
まず、どんなゲームでもよいわけでもないし、どんなルールでもよわけでもない。
ゲームは魅力のある人を惹きつけるものでなければならないし、都合のよいルールが認められるためには、ルールに従わせる必然性がなければならない。

そもそも、なぜゲームのルールを作った物が有利なのだろうか。
おそらく理由は2つある。

1つは、自分の得意分野に有利なように、不得意分野によって差が出ないようにルールを決めれることだ。
多くの人は、ルールメーカーが優位な根拠を、この理由に求めるだろう。
だけれども、多分この考えは陥りやすい罠だ。
日本企業がよく口にする言葉「差異化」がその端的な証拠である。
私はこれを「差異化原理主義」と皮肉をこめて呼ぶのだが、このような発想をする時点でプラットフォーム競争の意味を理解していない。
それに、多分このやり方で優位な立場を維持するのは楽ではない。
ルールもルールメーカーも研究されるから、常にルールを変更する立場を維持しなければならない。
だが、これは難しい。
格闘技の絶対王者もいつか敗れるようにだ。

違うのだ。
プラットフォームを取るとなぜいいのか。
その理由は簡単だ。
「競争に巻き込まれないから」だ。
プラットフォームをとると自分は非競争領域に身を置きながら、他者を競争させることができる。
これが優位点なのだ。
差異化という発想自体が「競争」を前提とした発想だと気づかなければならない。

プラットフォームに乗る者は、同じくプラットフォームに乗る者同士で差異化を目指して激しく競争する。
すると何が起きるか?
プラットフォームに乗っかるアプリや商品などが切磋琢磨して品質が向上する。
競争するからコスト競争が起きて、最終サービスなり最終商品の値が下がる。
商品の魅力が向上し、値も下がるから、結果として、市場拡大が起きる。
プラットフォーム自体は非競争領域だから利益を確保することができるが、プラットフォームに乗っかる起業は利益を上げることが難しい。
単純な話だろう。

有名なインテル・インサイド型、アップル・アウトサイド型のビジネスモデルは上記を忠実に指向している。
最近ではGoogleという企業を考えると、面白い。
GoogleがAndroidというOSを無償で作る意味があるか?
プラットフォーム自体では利益を上げないのだ。
しかし、意味は多いにある。
Androidが普及すれば、Androidの上で作られるアプリはGoogleのサービスを使う。
Googleは広告収益で儲けるビジネスモデルだが、ここで稼ぐ。
だからOSというプラットフォームで儲ける必要がない。
だから多くの企業や人が参加する。
Androidというプラットフォームに乗っかる製品が広がる、するとGoogleの検索プラットフォームに乗っかるものが増えるということを同時に意味する。
Googleはフハフハなわけだ。
だから、日本企業がAndroidに乗っかれば、いいところをGoogleに持っていかれるだけ。
日本企業が考えているのは、Androidに乗っかって、その上で他社製品との差異化を・・となるのだが、差異化できるのは最初の数年だけで、あとは低コストの新興国に駆逐され、シェアを落とす。

さて、日本企業はどのような方法でこのプラットフォーム競争を勝ち残るのだろうか。
他にも言いたいことはあるが、とりあえず今は概要レベルにしておこう。

今度、妹尾堅一郎氏の話を聞きに行くので、その前に考えをまとめただけです・・。