粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

庭山市議の放射能「保守」主義

2012-06-22 13:53:19 | プロ市民煽動家

群馬県桐生市の庭山由紀市議が、ツイッターでの「輸血忌避」のつぶやきで市内外で問題になり、市議会で除名処分を受けた。庭山市議は過去にも市内の農産品拒否で地元の農家の怒るをかっており、その放射能忌避は折り紙付きだ。

市議として立場上今回の除名は当然だと思うが、今その是非を問題にするつもりはない。ただその放射能忌避はどういう性格で如何に政治活動に反映されているかが興味をもつ。「由紀日記」なる彼女のブログにそれが如実にでている。

私と桐生市議会議員の皆様と根本的な違いは、放射能がいかにキケンであるかという認識の違いです。放射能が与える健康被害について、専門家の意見が両極端に分かれています。私たちが愛してやまない子どもたちの命と健康は、誰も責任のとりようがありません。そうであるならば、命と健康の問題については保守的になるべきです。放射能はどんなに少量でも健康に影響があるという考え方に立って、私たちが愛してやまない子ども達を放射能から守ることをすべきです。

特に、「命と健康の問題については保守的になるべき」という箇所だ。おそらく彼女の立ち位置からすると、いわゆる市民活動家であり、思想的には「左翼的色彩」が強い感じがする。その彼女が、この件に関しては「保守」を強調する。しかしここでの「保守」の実態はそんなきれいごとではない。彼女がいみじくも指摘する通り「放射能はどんなに少量でも健康に影響があるという考え方」=「放射能危険原理主義」に基づいているのだ。

その最たるものが今回の「輸血拒絶ツイッター」なのだが、「桐生市は放射能に汚染されている」という決めつけにも表れている。彼女によれば桐生市が「放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染廃棄物対策地域、除染特別地域及び汚染状況重点調査地域の指定を受けている」ことが「桐生は汚染地域」の同義となる。

しかし桐生市内の放射線量を見てみると、日常の生活圏は0.1マイクロシーベルト毎時以下であり、一部山間部が0.2を超えているに過ぎない。0.1マイクロシーベルト毎時など山口県の通常時の線量と変わりがない。「汚染状況重点調査地域」などとある通り、調査は必要だというのに過ぎず、彼女が曲解しているとしか思えない。

こうした見解が、市内の学校給食やガレキの広域処理の取り組み方に如実に表れている。子供の食品はセシウム不検出でなければならず、岩手のがれきは汚染を拡散させる以外の何ものでもない。

彼女の「放射能危険原理主義」が全ての抗議活動の基本となっている。そして「子供たちの健康」が枕詞につく。これは反原発活動家に共通した原理だ。特に有名作家・芸能人の独特の情緒によって拡散していく。坂本龍一しかり、瀬戸内寂聴しかり、山本太郎しかりだ。