粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

苛政は虎よりも猛なり

2012-06-02 10:19:03 | 国際時事

有名な孔子の言葉だが、それは今の北朝鮮にぴったり当てはまるだろう。国民の飢餓を顧みず、軍拡に奔走する政権、金正恩に変わっても方向性は変わらない。

しかし最近の北朝鮮に関する報道だと、国内が5月は50年ぶりに干ばつに見舞われているという。5月は平年70~90ミリの降雨があるが、今年は2~5ミリ程度全然雨が降っていない状況だ。これが6月まで続く見込みらしいから、この深刻さは尋常でない。

しかし4月のミサイル発射でアメリカの食料援助が停止され、近隣の韓国・日本の現政権も厳しい態度だ。頼みの中国も無償の食料援助は20~30万トン程度であり、今年予想される食料不足分100万トンの残りは正規の輸入を求めているようだ。中国もその辺は冷淡である。外貨不足に苦しむ北朝鮮には大きな負担だ。

北朝鮮のとるべき最良の選択は、軍拡を特に核開発を放棄し経済優先に方向転換を計り、近隣の日韓、米国との平和交渉を進めることだ。しかしこれは北朝鮮政権が最もできない政策である。政権の体面は現在軍拡でしか保てないからだ。それこそ体制の存続に関わることで嘗ての東ドイツと同じ運命をたどる。場合によってはルーマニアのチャウチェスク政権やリビアのカダフィ政権の末路と同じになるかもしれない。

しかしもしかしたら、今度の北朝鮮の干ばつがこのまま深刻化すれば、政権崩壊の引き金になる可能性がある。国民を飢餓の極地に追い込む「苛政」は終局を迎えるのか、今年後半までの動きを注目したい。