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●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》

2025年03月19日 00時00分00秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


 (20250313[])
あれから14年を目前に、あんな酷い無残な判決を出すのだから、またしても最「低」裁だった…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?  FoE Japanの声明《東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか?

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html)によると、《★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさ予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。 ★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。》

   『●もう一度、「幸運に恵まれる」とでも思っているのかね? 《辛うじて難を
     逃れた》にすぎない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●東京電力核発電所人災の教訓も能登半島地震の警告も無視してオンボロ核発電所
        を稼働させたいとはね…ところで、福島は「原状回復」したのですね?
   『●《原発回帰》《原発復権》《原発を最大限活用》核発電全開…《「脱原発依存」
       の看板を下ろすのは、福島の教訓を忘れ去るということだ》(東京新聞)
   『●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発
     回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」

 電気代で回収できるからいいわ…、フ・ザ・ケ・ル・ナ! 何が核発電は電気代が「安い」だ! とっくに破綻しているんだよ! 核発電全開をしておきながら、《電気代に上乗せされた賠償金》、フ・ザ・ケ・ルのも大概にしろ!
 高田奈実記者による、毎日新聞の記事【原発・出口なき迷走/なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金】(https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c)によると、《東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている》。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。
 FoE Japanの【声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ】(https://foejapan.org/issue/20250311/23163/)によると、《東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました》、《東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している。…FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい》。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     われらゆるがずの歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html

コラム
政界地獄耳
2025年3月7日7時36分
福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず

★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。

★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。思い出すのは99年、小渕恵三内閣での東海村JCO臨界事故だ。JCOが事故正規のマニュアル以外に「裏マニュアルで作業を行い、事故当時はそれも簡略化していた。我が国初の臨界事故2人が死亡、1人が重症となったほか、667人の被ばく者を出した。この時は安全履行義務違反が明らかで刑事責任が問われた。責任はJCOに集中したが、情報伝達の手際の悪さも住民らを苦しめた官邸も事の重大さに気づかず、科技庁など役所も事態をのみ込めず的確な指示が遅れ、住民避難指示も二転三転し事態を悪化させた

★今回の判決を見るまでもなくその後、全国の多くの原発は停止に追い込まれ、今は再稼働ラッシュだ。では本当にマニュアルは順守されているか、情報伝達は包み隠さず周知されているか。非常電源は津波などで水没の恐れのある地下から移設されているか。それぞれで改善されただろうが、責任の所在はどうなっているのか多くの教訓がデータに残してあっても次世代に引き継がれなければ意味がない経験のないことを予見するのが専門家ではないのか。最高裁判決が性善説に寄り添う、法の概念に沿っているのなら、いささか心もとない。(K)※敬称略
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https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c

原発・出口なき迷走
なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金
高田奈実 2025/3/11 11:30(最終更新 3/11 16:11)

     (賠償や廃炉費用の負担分が記載されたグリーンコープ
      でんきの明細書のコピー=2024年12月23日、高田奈実撮影)

 東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている

 23・4兆円のうち、被災者らへの賠償費用は9・2兆円。実はこの一部は既に全国の家庭が負担している事故の「加害者」である東電が払うべき費用を、なぜ電気の利用者が負担するのか

 「本来、原子力事業者が負うべき責任を小売りに負わせている」。福岡市の新電力「グリーンコープでんき」の東原晃一郎理事はこう憤る。

 賠償費用は当初、東電と他の原発を持つ電気事業者が負担することになっていた。しかし、事故直後に5兆円と見積もられた費用の総額は倍近くまで拡大。そのため、国は新電力を含めて原発を持たない小売事業者にも負担を課す制度を導入し、2017年に省令を改正した。20年に新たな料金制度を認可し、送電線の利用料である「託送料金に上乗せする形で賠償負担金を回収できるようにした。


「さかのぼって負担」との国の理屈

 ………………。
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https://foejapan.org/issue/20250311/23163/

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ
2025.3.11

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。

FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました。


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2025年3月11日

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ

東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの家屋が倒壊し、道路が寸断され、孤立集落が発生した。現在の原子力防災避難計画が「絵にかいた餅」であり、複合災害に対応できないものであることを改めて私たちにつきつけた。

それにもかかわらず、多くの痛みや苦しみ、矛盾を置き去りにして、日本政府は着実に原発回帰政策を進めている。これは、福島第一原発事故の教訓を蔑ろにするものであるあるばかりか、原発の抱えるコストとリスク、解決不可能な核のごみ問題から目をそむけるものである。

2025年2月18日に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、福島原発事故以降ずっと盛り込まれていた「原子力依存度の可能な限りの低減」という言葉が削除された。また、2040年度電源構成に占める原発の割合を2割とした。これは既存原発の大半に当たる30基以上を再稼働させる想定であり、実現可能性が疑わしく合理性に欠ける。

原発のコストは上昇を続け、今や最も高い電源である。政府は原子力を「他電源と遜色がないコスト水準」としているが、政府のコスト試算は、原発の建設費、安全対策費、廃炉費用、事故発生頻度など多くの箇所にコストの過小評価がみられ、科学的ではない。たとえば原発の新規建設費を7,203億円としているが、近年海外で建設されている原発の実際の費用は数兆円にのぼる。

原発は、ウラン採掘から燃料加工、運転、核燃料の処分、廃炉に至るまで、放射性物質による汚染や人権の問題がつきまとう

2024年11月、福島第一原発事故により溶け落ちた核燃料デブリの試験取り出しが大きく報じられた。何度も遅延とトラブルを繰り返し、作業員の被ばくを伴って取り出されたデブリの量は0.7グラム。東電はこれをもって「デブリの取り出し開始」とみなし、廃炉ロードマップの第3期開始として、今後、本格的にデブリの取り出しを行っていくとしている。しかし880トンにおよぶデブリを取り出して、その先どこでどのように処理するかは決まっていない。デブリの取り出しが至上命題化しているがこれが正しいのか、いったん立ち止まって広く議論を行うべきではないか。

環境省は、除染で生じた放射性物質を含む大量の土を、公共事業等で再利用する方向で、省令案の見直しを進めている。省令案には、責任主体や管理期間、情報公開、住民への説明についての明確な規定はない。放射性物質は集中管理し、環境中に拡散させないことが原則だ。それにも関わらず、批判や不安の声をあげる人たちは「風評加害者のレッテルをはられ黙らせられようとしている

3月6日、福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人について、最高裁は、検察役の指定弁護士の上告を棄却東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する

FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい
―――――――――――――――――――――――――――


「福島の今とエネルギーの未来 2025」発行ーー廃炉と復興の今、国内外の原発の稼働状況を、図と文章でわかりやすく解説
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コメント
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●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね? 環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

2025年03月11日 00時00分02秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年/遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]






[「原子力明るい未来のエネルギー」…「この言葉の意味分かる?」/双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土]]


(2025年03月11日[火])
3.11東京電力核発電人災から14年目。
 3.11以前は考えられない汚染土の拡散…核発電全開なんてやっている場合なのかね? 環境省は環境を守る省庁、それが汚染土を拡散? 正気だろうか? 《大坂恵里・東洋大教授からの「特措法では土の除染などで違反があれば環境相が是正の命令を出す環境相が環境省を処分するのか」との問いにも、担当者は「再利用と規制の機能の分離は検討中」と述べるにとどまった》(東京新聞)。

   『●東京電力、「お前のモノだろう!」
    「政治の無能、企業倫理の欠如、それに加えて司法のあまりの無責任さ
     原発問題に関してまともに司法が機能した例はごくわずかで、
     政治や(公・私)企業の行いへの追随ばかりだ。市民サイドに立て
     とは言わない、でも、せめて公正・中立であってくれ」
    《放射能を「無主物」と言い放つ東電と裁判所の責任
    《東電側は放射性物質は誰の所有にも属さない「無主物」であって、
     飛んでいる虫のようなものだから除去する責任を負わないと主張した。》
     [2011年12月18日]

   『●原状回復が損害賠償の基本:
     東京電力原発人災で「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない
    「「原状回復が損害賠償の基本」。でも、「終始一貫、加害者
     とは思えない立ち位置」の東京電力。東電原発人災で
     「ふるさとをなくした痛み」を癒し、ふるさとの「原状回復」
     してから、東電やアベ様らは原発再稼働等の「(悪)夢」を
     語るべきだ。現状、彼らには「(悪)夢」を語る資格はない」
    《原状回復が損害賠償の基本である。元へ戻せ、ということだ。
     しかし、ふるさとを元に戻すすべはない。原発の安全を保証して
     くれるものはない。福島の事故で明らかになったのは、原発事故の
     責任を負いきれるものもいないということだ。責任があいまいなら、
     事故の教訓もあいまいになるだろうなのに国も電力会社も、
     再稼働へとひた走る。「ひだんれん」の訴えは、
     人ごととは思えない》(東京新聞)
     [2015年06月10日]

   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
     [2019年10月24日]

   『●《除染土》という名の汚染土を全国に拡散する気満々…《除染土の再利用
     「粉じんが飛び、内部被ばくする可能性」指摘 公共事業などに活用する国方針》
   『●核発電全開!? 正気かね? 《行き場がないよ「核のごみ」…汚染土だけじゃ
     ない「中間貯蔵問題」 使用済み核燃料、原発での保管は逼迫》(東京新聞)

 中川紘希宮畑譲両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/汚染土「再利用」理解してほしい? 環境省改正案のパブコメ情報の難易度が高すぎて、問題隠しを疑うひどさ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/385941?rct=tokuhou)によると、《東京電力福島第1原発事故の除染作業で集められた福島県内の除染土」を全国で再利用するための省令改正案を環境省が公表している。15日を締め切りにパブリックコメント(意見公募)を行っているが、その難解な内容に「さっぱり分からない」との批判も続出。汚染拡散を危ぶむ国会議員や専門家による14日の環境省ヒアリングでも、あいまいな説明ぶりに疑問の声が相次いだ。(中川紘希宮畑譲)》

 核発電全開…第7次エネルギー基本計画についてのパブコメも無視。
 《原発回帰》《原発復権》《原発を最大限活用》核発電全開…《「脱原発依存」の看板を下ろすのは、福島の教訓を忘れ去るということだ》(東京新聞)。「教訓」も「警告」も無視して暴走する原子力依存症、核発電「麻薬」中毒者ども。特に許せないのが、コミ、および、玉木雄一郎コミ代表(3カ月役職停止処分中、2025年03月03日まで)だ。福島を元の姿に《原状回復》(する努力すら)することなしに、《原発復権》《原発回帰》を後押しし、《原発依存度「可能な限り低減」の文言削除》され、《原発を「最大限活用する》に舵を切らせた。政権や経産省、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党の背中を押して、「核発電全開」へと向かわせた。
 東京新聞の記事【また原発依存…政策大転換を批判する「かつてない」数のコメント 経産省はスルー「意見の多寡は関係ない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/386629)/《政府は18日、2040年度の電源構成など、国のエネルギー政策の指針を記した第7次エネルギー基本計画を閣議決定した。福島第1原発事故以降、記載が続いた「可能な限り原発の依存度を低減するとの文言を削除し、原発への回帰を決定的にする内容に転換。昨年12月に政府案を示した後のパブリックコメント(意見公募)や説明会で批判が多く寄せられたが、追加の審議や大きな内容変更はなかった》、《◆通常は数千どまりの意見公募に4万件 昨年12月末からのパブリックコメントには、過去最多となる4万1421件が集まった。原発への不安や審議プロセスなどにかつてない数の批判を受けながら、計画の大枠を変えなかった政府に対し、市民が抗議の声を上げた。これまでのエネ基で意見件数が最多だったのは、原発事故後初めての改定だった2014年の第4次計画で、1万8663件。他の計画時は数百〜数千件にとどまる。経済産業省は今回、原発の積極的活用に否定的な声の数が多かったと紹介し、「これまでの『依存度低減』の記述を残してほしい」「放射性廃棄物の最終処分の問題を早急に解決すべきだ」といった意見をウェブ上に公表した》、《◆「不信は払拭できていない」認めてるのに 意見公募と並行し、全国10カ所で実施した経産省の説明会でも、来場者から厳しい意見が相次いだ》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
       復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
     もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所を
       再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/385941?rct=tokuhou

こちら特報部
汚染土「再利用」理解してほしい? 環境省改正案のパブコメ情報の難易度が高すぎて、問題隠しを疑うひどさ
2025年2月15日 06時00分

 東京電力福島第1原発事故の除染作業で集められた福島県内の除染土」を全国で再利用するための省令改正案を環境省が公表している。15日を締め切りにパブリックコメント(意見公募)を行っているが、その難解な内容に「さっぱり分からない」との批判も続出。汚染拡散を危ぶむ国会議員や専門家による14日の環境省ヒアリングでも、あいまいな説明ぶりに疑問の声が相次いだ。(中川紘希宮畑譲


◆「何重にもひどい、史上最悪のとっつきにくさ」

 「何重にもひどい、史上最悪のとっつきにくいパブリックコメントだ」。1月17日に始まった省令案のパブコメのウェブページに、ジャーナリストの政野淳子氏は驚いたという。

     (環境省が省令改正案を公表し、2月15日まで意見を
      募集している政府ポータルサイト「e-gov」パブリック・
      コメントのページ(スクリーンショット))

 「放射性物質汚染対処特措法施行規則の一部を改正する省令」「公共の水域及び地下水の汚染を生じさせるおそれのない除去土壌の要件」…。難解なタイトルのファイルが八つ並ぶ。これらと別に「除去土壌の埋立処分及び再生利用等の基準案のポイント」とある資料をクリックすると別のページに移動。違う資料のファイルが六つ出てくる。政野氏は「環境省は理解の醸成を目指しているはずなのに、どこに基準が書いているかも分かりにくい。一般の人は何の資料なのかも分からないのでは」とあきれる。


◆道路工事や農地整備など公共事業に使おうと…

 環境省によると、福島県内の中間貯蔵施設に集められた除染土などは2024年末時点で1400万立方メートル。2045年3月までに県外で最終処分することを法律で定めている。この最終処分量を減らすため、検討しているのが道路工事や農地整備といった公共事業などでの再利用」だ。5年前にもそのための省令改正案を提示。パブコメも3000件近く寄せられたが、「汚染拡大につながる」「災害時に流出のリスクがある」などの批判も目立ち、見送られた経緯がある。

     (福島各地から運ばれた汚染土は、原発周辺に広がる
      中間貯蔵施設で土と根や石に分別され、長期貯蔵される
      =2020年8月4日、福島県大熊町で、本社ヘリ「あさづる」から)

 有識者の検討が進んだなどとして、再提示されたのが今回の省令案。今年4月の施行を目指すが、政野氏は「前は基準が定まっておらず漠然とした内容でひどかった。今回は膨大な情報の中に問題点を潜ませており、別のひどさがある」と批判した。


◆「復興再生利用」という新しい言葉で…

 今回の省令案で環境省は「復興再生利用」という新しい言葉を打ち出す。「復興のため土壌を資材として利用できる状態に処理して適切な管理の下で利用する」との意味だというが、政野氏は「何をするかという重要な点なのに定義としてあいまい」とばっさり。

 パブコメの締め切りを目前にした14日には東京・永田町で、国会議員や「原子力市民委員会」の専門家などが詳しい説明を求めて、環境省にヒアリングを実施。

     (除染土「再利用」問題で環境省ヒアリングに臨む
      大島堅一教授(奥)=14日、国会で(須藤英治撮影))

 県外で再利用する除染土放射性セシウム濃度で1キロ当たり8000ベクレル以下としているが、廃炉原発から出た放射性廃棄物を再利用できる福島原発事故の前からの「クリアランス基準」は同100ベクレル以下。市民委員会座長の大島堅一・龍谷大教授は「本来、除染土は低レベル放射性廃棄物として最終処分すべきだ」とただすが、環境省の担当者は「原発事故後にできた特措法に基づき一定の管理の下で利用することを検討している。(再利用は)新しい考え方だ」などとかみあわない。

 大坂恵里・東洋大教授からの「特措法では土の除染などで違反があれば環境相が是正の命令を出す環境相が環境省を処分するのか」との問いにも、担当者は「再利用と規制の機能の分離は検討中」と述べるにとどまった。


◆環境省「説明不足」で実証実験の着手もできず

 除染土の再利用をめぐる環境省の「説明不足」は今回に限らない。

 2022年に除染土の再利用の実証事業を環境調査研修所(所沢市)や新宿………
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●《原発周辺自治体の振興を目的とする電源3法交付金》という核発電マネー「原発マネー」に蝟集する核発電「麻薬」中毒な人々…「利権」と「命」の天秤

2025年02月14日 00時00分50秒 | Weblog

(20250122[])
原発周辺自治体の振興を目的とする電源3法交付金》という核発電マネー原発マネーに蝟集…。《原発周辺自治体の振興を目的とする電源3法交付金のうち、大きな割合を占める「電源立地地域対策交付金」…全国の原発稼働率は半減しているのに、交付金は約3割しか減っていなかった》(東京新聞)。「利権」と「命」の天秤。核発電マネー原発マネー」による地域振興という幻想。《原発立地地域への「アメ」》で本当に「幸せ」なのか? そんな虚しい〝地域振興〟など拒否すべきでしょうに。

   『●アメリカのちょっかいとナチソネ氏、原子力の「安全」利用
   『●パンドラの箱を開けたのは誰だ?
    《自民党政権は70年代のオイルショックも原発推進のチャンス
     にした。石油依存の低減を掲げ、74年には「電源開発促進税法
     「電源開発促進対策特別会計法」「発電用施設周辺地域整備法」と、
     いわゆる「電源三法」を制定。電力会社から吸い上げた税金
     特別会計にプールし、そのカネを自治体にバラまく仕組み
     完成させた》

 飯村健太、荒井六貴両記者による、東京新聞の記事【原発マネーで建てた豪華な温泉施設 赤字続きで地元は身を切るハメに… 身の丈に合わないハコモノの末路】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/377441)によると、《原発を推進するために電源3法交付金制度が創設されて半世紀。交付金を原資に原発立地自治体では多くの「ハコモノ」が建設されたが、維持費がかさみ、財政上の重荷になっているケースが少なくない。(飯村健太、荒井六貴)》。
 荒井六貴記者による、東京新聞の記事【原発稼働率が半減したのに立地地域に交付金計3465億円 発電ゼロでも「アメ」を絶やさない仕組みがあった】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/377436)によると、《原発周辺自治体の振興を目的とする電源3法交付金のうち、大きな割合を占める「電源立地地域対策交付金」について、国が直近5年間で約3500億円を自治体などに配分したことが本紙のまとめで分かった。東京電力福島第1原発事故後、全国の原発稼働率は半減しているのに、交付金は約3割しか減っていなかった稼働の有無にかかわらず原発を維持する負担が続く実態が改めて浮かんだ。(荒井六貴)》

   『●FUKUSIMAに何を想う原発タレント
   『●節穴どころか癒着とは…
   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●ババをつかまされた!?
   『●新聞社間の争いの背後
   『●「死の町」にした者が悪いのではないか?
   『●上関町長選での非常に残念な結果
   『●書籍紹介: 三宅勝久さん『日本を滅ぼす電力腐敗』
   『●まだやってる原発癒着: どうぞ哀しい大人にならないで!
   『●原発人災、犯罪者を追求すべし: 
      なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●オンカロと死の灰と、フィンランドとニッポン
   『●東京電力原発人災が続くさ中に「会費」なるものを払うというその無神経さ
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●原発関連交付金・固定資産税などで
      「財政豊かな」玄海町で、3.11東京電力原発人災後初の町長選
   『●「豊かな玄海町」へ: 「原子力郷土の発展豊かな未来」
              「原子力正しい理解で豊かな暮らし」
   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
      再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●「最終処分地に適した地域を色分けして示す日本地図」上に、
                10,0000年間保存可な色付けは在るの?
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
            八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…
     《人が制御できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
      「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●アベ様やウルトラ差別主義者らは政治資金パーティーによる《荒稼ぎ》
               …一方、《やはりなかった「前夜祭」の記述》
   『●金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…
      公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》
   『●《桜疑惑の追及を批判するメディアは、こういう連中のグルだ
          と考えた方がいいだろう。だまされてはいけない》
   『●【2012年3月11日 原発の町・佐賀県玄海町で開かれた「会」】、
       「明るい未来への道筋 原発興国論!」…核発電「麻薬」中毒
   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
      《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
        どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
   『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
     いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
      振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ
    「足抜けできるのかねぇ…NUMOにからめとられて、
     カネにものをいわせて底なし沼に引きずり込まれるのでは?
     申し訳ないのだが、愚かな選択だと思わざるを得ない。
     …空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大
     20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》
     (野村昌二氏)」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/377441

原発マネーで建てた豪華な温泉施設 赤字続きで地元は身を切るハメに… 身の丈に合わないハコモノの末路
2025年1月6日 06時00分

 原発を推進するために電源3法交付金制度が創設されて半世紀。交付金を原資に原発立地自治体では多くの「ハコモノ」が建設されたが、維持費がかさみ、財政上の重荷になっているケースが少なくない。(飯村健太、荒井六貴


福井県敦賀市…建設費36億円の3分の2は交付金

     (2002年の開業から赤字経営が続き、「不採算ハコモノ」の
      象徴となっているリラ・ポート=2024年12月8日、
      福井県敦賀市で(飯村健太撮影))

 建物は一面ガラス張りで、館内には大浴場や露天風呂。フィットネスルームやレストランも入る。

 日本原子力発電 敦賀原発や廃炉中の高速増殖原型炉もんじゅが立地する福井県敦賀市の温浴施設「リラ・ポート」だ。建設費の約36億円のうち、電源3法交付金の「リサイクル研究開発促進交付金」で3分の2を賄った。

 休日利用料が大人750円と割安なこともあり、2023年度の利用者は2022年度比約2万5000人増の約17万3000人と市民に親しまれている。ただ2002年に開業してから休業期間を除いた20年間の営業で、黒字の年度は一度もない。市はリラ・ポートの維持管理のため、指定管理者の事業者に年間1億円以上、計50億円以上の税金を投じてきた

 市の担当者は「年間1億円は安い額ではない。2024年春に敦賀まで延伸開業した北陸新幹線の誘客効果を生かし、事業者と黒字化に向け協議していく」と語る。だが今後、施設の老朽化が進み、修繕でさらなる税金の投入も予想される。


北海道泊村でも…

………
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/377436

原発稼働率が半減したのに立地地域に交付金計3465億円 発電ゼロでも「アメ」を絶やさない仕組みがあった
2025年1月6日 06時00分

 原発周辺自治体の振興を目的とする電源3法交付金のうち、大きな割合を占める「電源立地地域対策交付金」について、国が直近5年間で約3500億円を自治体などに配分したことが本紙のまとめで分かった。東京電力福島第1原発事故後、全国の原発稼働率は半減しているのに、交付金は約3割しか減っていなかった。稼働の有無にかかわらず原発を維持する負担が続く実態が改めて浮かんだ。(荒井六貴


◆54基あった原発も廃炉が進み33基に

     (全国の原発の稼働率は半減しているが…左上から時計回りに
      東京電力の柏崎刈羽原発日本原燃使用済み核燃料
      再処理工場日本原電東海第2原発
      関西電力の高浜原発=いずれも資料写真)

 3法交付金は国民の電気料金が財源で、昨年が制度創設から50年だった。本紙が電源立地地域対策交付金について、経済産業省資源エネルギー庁への取材や会計検査院の資料などを基に集計したところ、2019年度~2023年度で計約3465億円を支出。2011年3月の原発事故前の2006年度~2010年度の5年間では計約5189億円だった。金額ベースでここ最近の5年は事故前に比べて33%減少した

 これに対し原発の稼働状況は、事故直前に「現役」だった原発は54基あったが、現在は廃炉が進み33基に減った。稼働率では、福島原発事故直前は60%前後だったのが、23年度は28.9%でほぼ半減した。

     (立地しているだけで自治体は一定の資金が得られる

 エネ庁によると、交付金と稼働率の減少率に乖離(かいり)があるのは、交付金は未稼働でも発電しているとみなしたり老朽原発に加算したりする規定があるため。担当者は「出力で交付額が決まる枠もある」という。稼働にかかわらず、自治体は立地しているだけで一定の資金が得られる仕組みとなっている。

 交付金は、公共施設の整備費や運営費、保育士や消防職員の人件費などにも充てられ、原発立地地域への「アメ」とされる。

 電源3法交付金に詳しい藤原遥福島大准教授(地方財政)は「財政力の弱い自治体ほど、交付金への依存度が高くなる。国が原発依存を脱却すると言わないと、自治体の脱却は難しい」と指摘。その上で、2024年12月17日に公表された政府の次期エネルギー基本計画の原案で「原発の最大限活用」が掲げられたことを踏まえ「原発を推進すればするほど、自治体が交付金の増額を求め、立地対策の交付金が膨張する可能性はある」としている。


交付額トップ東電柏崎刈羽原発のある新潟県

 電源3法に基づき、原発周辺自治体が受け取る「電源立地地域対策交付金」………
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●長周新聞書評【『原発労働者』著・寺尾紗穂】《稼働、非稼働を問わず…高線量の被曝リスクにさらされた労働者の手作業によって支えられている》

2024年11月15日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2024年11月11日[月])
あまりに愚かだ。石棺しかない…一体どれだけの作業員に被曝労働させれば気が済むのか? もちろん、核発電回帰復権など許されようはずもない。しかも、取り出されたデブリは、放射線量があまりに低く、本当に核燃料が溶け落ちてできた「デブリ」ではない模様で、この《デブリから得られる分析結果》には何の意味もない。さんざん労働者に被曝させておいて、《より現実に近い炉内状況が分かる》はずもない。このデブリでは、《廃炉に向けた作業の安全対策やデブリの保管方法の検討に生かす》ことは、おそらく無理。

   『●小出裕章さんは《国が福島県に約束した廃炉へのロードマップはただの県民を
     ごまかすだけのパフォーマンスであり、…悪質な時間稼ぎであると見ています》

 山下葉月記者による、東京新聞の記事【「耳かき1杯のデブリ」が持つ意義とは 福島第1原発の炉内状況は見えてくるのか 「限界がある」との指摘も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/365464)によると、《「極めて小さいが、デブリから得られる分析結果で、取り出し装置の開発などの知見が得られる」。福島第1原発2号機から初めてデブリを回収した意義について、東京電力の担当者は7日の記者会見でこう説明した。成分を分析し、炉内状況の推定や取り出し工法を決めるために活用するというが、今回取り出したのは「耳かき1杯程度」の微量で、限界があるとの指摘もある》。

 相次ぐ問題、被曝事故…《「被曝労働を下請けに押し付けて成り立っている原発という非人道的発電システムの致命的な欠陥があぶり出された」(エネルギー工学専門家・近藤邦明氏)》。さらに、《高線量の被曝リスクを負って働く原発労働者にインタビューした寺尾紗穂著『原発労働者』(2015年6月、講談社現代新書)は、「原発には必ず被爆を強いられる作業員が必要」だというあたりまえの事実と、「その大部分は電力会社社員ではなく多重下請け構造で雇われる労働者」が担っている現実を表沙汰にすることをはばかる社会構造を告発している》。
 長周新聞の書評【『原発労働者』 著・寺尾紗穂/書評・テレビ評】(https://www.chosyu-journal.jp/review/32609)によると、《福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的な採取作業の失敗は原子力発電所がその稼働、非稼働を問わず、また事故処理から廃炉にいたるまで高線量の被曝リスクにさらされた労働者の手作業によって支えられていることを、万人に知らしめることになった》。

   『●原発銀座の被爆労働者
    「これはイギリスのチャンネル4によるドキュメンタリーである。
     日本のマスメディア、TVメディアはどこまで被爆労働者、
     〝原発ジプシー〟の実情を日本人に知らせてきただろうか? 
     日本の裁判所はどこまでそういった労働者の訴えの声に耳を
     真摯にかたむけてきただろうか?」

   『●被爆労働者なくして成り立たない社会の正当性とは?
    《結果、明らかに被曝だと実感しても、わずかの金で泣き寝入り
     例え労災訴訟を起こしても暴力と御用学者の証言でもみ消される
     広告漬けの大手マスコミもまともな報道はしない
     こうした実態は、20年も前から写真家の樋口健二氏が『原発被爆列島』
     (三一書房)などで告発し続けているが、現在も基本的にその実態は
     変わらない(樋口氏監督のテレビ番組
     「隠された被曝労働者~日本の原発労働者1」95年。
     イギリス Channel4。なぜ、日本でなくイギリスで放映なのか?)》

   『●原発被爆労働という〝原発ジプシー〟の労災
    「〝原発ジプシー〟問題を早くから告発してきた樋口健二さんも
     出てきます。「鳴き殺し」(被爆アラームのスイッチオフ)など
     杜撰な労働実態。結局、梅田さんの労災は不支給となった…」

   『●鳴き殺し・被爆労働者
    《作業をしているのはロボットじゃない
     福島原発の事故以来、現場作業で被曝した労働者は何十人何百人に
     上るのか? 東電は「特例上限の250ミリシーベルトを超えたのは
     6人だけ」と発表しているが、本当のところは誰にも分からない。
     いくらでも隠し事やゴマカシのきく世界が原発労働者なのである。
     世間から隔離され、隠されてきた原発労働者の実態を37年間
     追いかけてきたルポルタージュ問題作が復刊された。
     「闇に消される原発被曝者」(八月書館)だ。写真家の樋口健二氏が
     嫌がらせや妨害の中、体当たりで原発内部と被曝者に直接取材してきた
     ものである》

   『●福島第一原発に潜入したジャーナリスト
    「貴重な潜入記である。山岡さんの過去の記事から、こんなに易々と
     〝潜入〟出来て良いのかと不安になるし、それは山岡さん自身が
     感じられたことではないだろうか。原発作業員の声は、綿井健陽さんら
     ごく少数のジャーナリストからしか届けられていないし、東電や
     マスコミが取り上げることなどあり得ない状況。樋口健二さんへの
     インタビューも注目」

   『●「原発崩壊」樋口健二さん写真展
    「アクセスジャーナル山岡俊介さんの記事…。
     原発の安全神話に早くから批判の目を向けてきた樋口健二さん。
     下請け原発労働者の被曝問題にも早くから取り組んでおられた。
     そのような被曝労働や労働者なくして成り立たない社会や
     原発労働環境の異常さ」
    《「私は原発建設から、崩される風土、反原発運動、核燃料輸送、
      原発被曝労働者、原発下請け労働者、東海村JCO 臨界事故
      福島原発崩壊を写真で記録した。その集大成の写真展としたい」
      (写真展開催にあたっての樋口氏のコメント)。》

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
   『●樋口健二さん《原発建設から、崩される風土…原発被曝労働者、
     原発下請け労働者、東海村JCO臨界事故、福島原発崩壊を写真で記録》

   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》のうち、福島第1原発
     2号機の《1グラム程度を数回採取する予定》…いまだ、それさえも困難?
   『●東京電力福島第一核発電所《1~3号機に計約880トンあると推計されている》
     放射線量が極めて高いデブリ…「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」
   『●《着手》ねぇ? 「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」…《放射線量
        が極めて高》い、その数グラムのデブリをどこで保存するつもりなの?
   『●「8億8千万グラムのデブリも1グラムから」…《現場に東京電力社員がいない
       下請け任せの姿勢と、点検でミスを見抜けない管理のずさんさを露呈…》
   『●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発
     回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/365464

「耳かき1杯のデブリ」が持つ意義とは 福島第1原発の炉内状況は見えてくるのか 「限界がある」との指摘も
2024年11月8日 06時00分

 「極めて小さいが、デブリから得られる分析結果で、取り出し装置の開発などの知見が得られる」。福島第1原発2号機から初めてデブリを回収した意義について、東京電力の担当者は7日の記者会見でこう説明した。成分を分析し、炉内状況の推定や取り出し工法を決めるために活用するというが、今回取り出したのは耳かき1杯程度の微量で、限界があるとの指摘もある。


◆三段階の分析プロセス

 今回のデブリは格納容器底部に転がっていたが、固まって設備に張り付いている場合もあり、砕いたり、穴を開けたりしないと取り出せないことも想定される。取り出し装置の開発には、デブリの硬さや成分の把握が欠かせない。

 デブリの分析は日本原子力研究開発機構の研究所で実施され、主に三つのプロセスに分けられる。

 最初に実施する「非破壊分析」は、電子顕微鏡などを組み合わせた装置で、表面上の元素分布を調べる。その後、デブリを切断したり細かく砕いたりし、電子顕微鏡でより詳しく調べる「固体分析」に入る。

 「固体分析」では、核燃料由来のウランと、一緒に溶け落ちた金属やコンクリートの結晶構造などを特定。より現実に近い炉内状況が分かるという。

 最後の「化学分析」では、切断したデブリを硝酸に溶かして調べる。デブリの成分を特定し、廃炉に向けた作業の安全対策やデブリの保管方法の検討に生かすという。ただ、1~3号機には、核燃料由来が濃いデブリもあれば他の炉内構造物が多く交じっているものもあり、今回取り出した微量のデブリから全体像を把握するのは困難だ。


◆「本当に一歩」結果公表には1年程度

 原子力規制委員会山中伸介委員長は10月31日の記者会見で、「全体工程の中では本当に一歩。次のステップとして広範囲に採取し分析できて、初めて取り出し工法等の大きな参考になる」とくぎを刺した。

 原子力機構は来年3月までに一定の成果をまとめたいとするが、最終的な結果の公表には1年程度かかるという。(山下葉月


【関連記事】デブリの本格取り出し、実現性は? 福島第1原発廃炉作業の最難関 3つの取り出し案も決定打には…
【関連記事】デブリを出さないと汚染水が止まらないのに…3回目の延期は「想定の範囲」なのか
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https://www.chosyu-journal.jp/review/32609

『原発労働者』 著・寺尾紗穂
書評・テレビ評 2024年11月7日

 福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的な採取作業の失敗は原子力発電所がその稼働、非稼働を問わず、また事故処理から廃炉にいたるまで高線量の被曝リスクにさらされた労働者の手作業によって支えられていることを、万人に知らしめることになった。

 東京電力は、福島原発の溶融デブリ(推計880㌧)をとり出す机上の計画で初歩から足踏みしてきたが、8月22日から試験的に3㍉㌘(耳かき1杯程度)の採取に着手する予定だった。しかしその直前に、装置に接続するパイプ5本の配置順が誤っていたことが発覚したことで中断した。その後9月10日に作業を再開し、装置先端の爪でデブリをつかむ遠隔操作に移ったが、先端のカメラが機能せず映像が操作室に送れなくなった

 そのためデブリの微量採取は断念し、カメラ付の装置を格納容器から引き抜く作業に移り、25日になってようやく装置を納入箱に回収することができたと安堵している。こうしたことは多くの専門家が指摘するように、「きわめて高度の放射線を放つデブリを格納容器から取り出す廃炉作業は現在の科学水準では不可能であり、チェルノブイリ(福島原発はその数倍の放射線量)のように石棺化(コンクリートなどで固める方法)する以外にない」ことを物語っている。


ロボットの取りつけは人間

 東京電力はデブリとり出し作業について、短時間でも人が近づくことができないためすべての作業は遠隔操作でおこなうといっている。しかし、今回のパイプ配置順の人為的ミスと映像送信の失敗は、どんな遠隔作業でも大量の放射線量を浴びる「被曝労働者」が決定的な役割を果たしていること、またその現場では孫請、ひ孫請と続く多重下請け構造の最下層の労働者が携わっていることをあぶり出すことになった。

 東京電力は今回起きたパイプ接続ミスについて、現場が高線量下であるにもかかわらず東電自身が「現場確認や事前訓練をせず、協力企業任せにしていた」ことに原因があると釈明している。そのため、「現場作業員が高い放射線量下で早く退出することに気を取られ、確認が不十分でミスに気付かず三菱重工に“5本搬入した”と誤った報告をした」というのだ。

 ミスのあったパイプの接続作業には7月27日から29日までの3日間、各60人ほどで当たったとされる。指示を出していたのは元請の三菱重工業の担当者で、パイプの運搬や接続は下請の作業員が担当した。当初、三菱重工の下請け企業の労働者が原子炉建屋内で装置の手前までパイプを運搬したとき、パイプを1本仮置き場に忘れた。その翌日、パイプをつなぐときに足りないことに気づき、最終日の29日にそれを運んでつないだが、パイプの順番を間違えたという。

 東京電力の説明では、「高線量下での作業は全面マスクで防護服が重装備のため、作業員はパイプに記された接続順を示す数字を見落とした」こと、さらに元請の三菱重工業の担当者が「28日に準備が終わった」と東電に虚偽の報告をしていたことも明らかにしている。

 福島原発の廃炉作業には1日約5000人が携わっているという。うち東電社員は約1000人で、現場作業はおもに元請や下請の約4000人がおこなっている。この廃炉作業でも昨年10月、汚染水の多核種除去設備で作業員が洗浄廃液を浴び、想定外の被ばくをする重大なトラブルがあいつぐなど構造的な作業管理のずさんさが露呈している。今年4月には構内の一部で停電が起きた。このときも地面を掘削する際に電源ケーブルを損傷させる危険性を東京電力が元請に注意喚起しなかったことが要因だとされる。

 そうしたことから、今回のデブリ試験採取の作業ミスで、「被曝労働を下請けに押し付けて成り立っている原発という非人道的発電システムの致命的な欠陥があぶり出された」(エネルギー工学専門家・近藤邦明氏)という指摘もある。


『原発労働者』にみる実態

 高線量の被曝リスクを負って働く原発労働者にインタビューした寺尾紗穂著『原発労働者』(2015年6月、講談社現代新書)は、「原発には必ず被爆を強いられる作業員が必要」だというあたりまえの事実と、「その大部分は電力会社社員ではなく多重下請け構造で雇われる労働者」が担っている現実を表沙汰にすることをはばかる社会構造を告発している。

 電力会社は「線量の高い部分での補修はロボットでやってます」というが、「ロボットをとりつけるのは人」なのだ。自己処理の現場では防護マスクなど重々しい装備を身にまとっての肉体労働で、マスクを外さずには耐えられない肉体的苦痛から外してしまう。労働者が身につけるアラームメーター(作業開始時に上限の線量をセットしておき、そこに達するとアラームが鳴る装置)も「鳴れば仕事にならないから続けてしまう」こともこの業界では茶飯事で、現場管理者もそれを見て見ぬふりをしている。

 「工事は、何月から何月まで完成させねばならないときまっている。試運転に入るまで、何があっても完成させないかんのです。元請けは、危険やからとゆっくりやっているわけにはいかんのですよ」

 高放射線量のなかで働いた労働者の話から、その現場はそもそも「労働者の身の安全が最優先され、教育や監督がきちんとゆきわたる場所」ではありえないことがひしひしと伝わってくる。「被曝の可能性なんか考慮もされず、完全にその場しのぎの作業に労働者が従事する」ことだけが求められるのだ。そこに、被曝線量のごまかしやデータの改ざんが当然のようにまかり通る根拠があるという。

 多重下請け構造のもとで、現場労働者の賃金は元請が1日当り3万~4万円で受けた仕事が一次下請では2万~3万円になるというふうに、下請になればなるほど差額がピンハネ(中抜き)されて減っていく。末端の下請労働者には日給5000円程度しか入らない構造だ

 そうしたことが、原発で働く労働者を遠ざけ「人手不足」を慢性化させている。また、現場で教育に携わる熟練労働者が少なくなり、若手への技術継承がむつかしくなっている。パソコンやAIを駆使しても、現場では「計算だけではできない作業」が勝負になるのだが、そのもとで現場労働者への安全教育が損なわれていることも深刻な問題になっている。

 『原発労働者』では、1回で200㍉~300㍉シーベルト被曝するという使用済み核燃料プールに1回200万円、300万円で潜る外国人労働者の例も紹介している。正式な雇用関係にある日本人労働者にそのような作業をやらせたら線量基準を大幅に超える違法行為になるから、国籍が違うという一点で法の網の目をかいくぐっての使い捨てである。

 こうしたことが明るみになり、2018年に法務局が福島の廃炉作業に外国人技能実習生を働かせないことを決めた。しかしその後も、外国人労働者の実態が発覚している。このように違法すれすれの行為を強いて「すぐ自国に戻れる外国人労働者の大量被曝なしに、原発はたちゆかない」ことも公然の秘密となっている。

 著者の寺尾氏は、そのような「具体的な現場のイメージを持たないまま、そこで働く人の言葉に触れないまま、原発というものを何となく肯定」し、再稼働や輸出などの議論が展開される現実に違和感を感じたことが、同書執筆の動機になったことを明らかにしている。

(講談社現代新書、208㌻、760円+税)
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●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

2024年06月11日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年05月15日[水])
志賀核発電所が《止まっていてよかった》、珠洲核発電所建設計画が凍結されていてよかった …… 地盤の隆起の問題や避難方法など、能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外ということ。
 「能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら」、「小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》」。

 志賀核発電所も情報の公開を渋っているし、マスコミでもあまり報じられなかったが、やはり《能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」》だった。再稼働など以ての外であり、廃炉にすべきだ。《◆「原発に想定外は通用しない」》は3.11東京電力核発電人災の大きな教訓でしょうに。また、《◆「安全なものを造った」と思っていたが…》…「安全な」核発電所なんて、形容矛盾もいいところだ。
 松村裕子記者による、東京新聞の記事【志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978)によると、《能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子)》。

   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
     位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
     日本一避難しにくい原発
」だというのに、昨夜、またしても
     豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
     《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」

   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
                …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978

志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」
2024年5月14日 16時00分

 能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子


 原発の変圧器 変圧器は電気を利用に応じた電圧に変える機器。通常は発電した電気を外部に送るが、志賀原発は稼働していないため、外部から原発内で使う電気を送るのに使う。変圧器の機器は漏電防止や冷却のため、絶縁油で満たされている。油が漏れると変圧器が使えず、電気を送れなくなる。志賀原発1、2号機の主な変圧器は計8基。

     (原発の危機管理について語る伊藤栄次さん
      =2月、石川県宝達志水町で)


◆「原発に想定外は通用しない」

 「あれから何年もあったのに、なぜ変圧器自体の対策をしなかったのか

 2007年の新潟県中越沖地震時、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で起きた変圧器火災に触れ、伊藤さんは「いったん火事になれば、何が起こるか分からない。想定外は通用しない。中越沖地震や東日本大震災以上の対策が必要だ」と北陸電側に対応を求める。

 北陸電によると、柏崎刈羽原発の火災後、志賀原発に化学消防車を配置し、24時間対応できる態勢を組んだ。ただ、変圧器は当初に設置した一般工場の設備並みの耐震性のまま。そもそも、それ以上の耐震性を備えた製品がないという。能登半島地震を受け、担当者は「変圧器を補強できないか検討する」と話す。


◆地盤整備、修繕、危機管理訴える論文も

 伊藤さんは金沢工業大を卒業。土木会社で1987年から17年間、志賀原発の1号機は建設途中、2号機は建設当初から、地盤整備や完成後の修繕に携わった。現場責任者として働く一方、「原発にも危機管理の考え方が必要」との論文を大学教授らとまとめた。

 論文を出した90年代は「まだ原発での危機管理意識は低かった」。07年に北陸電が臨界事故を8年間、隠蔽(いんぺい)していた問題が発覚。懸念したことが現実となった。さらに元日の地震では変圧器の油漏れが起きた。


◆「安全なものを造った」と思っていたが…

     (志賀原発=2022年5月)

 自宅はほぼ全域が志賀原発の30キロ圏内。原発で働く直前に長男が生まれ、「自分の目で確かめ、子や孫のために安全なものを造りたい」と建設に携わった。当時は「基準に合った安全なものを造った」との認識だったが、出入り業者として今そう言い切れるか、じくじたる思いを抱える

 退職後は地域の高齢者サロンを運営。防災士として住民に災害への備えを啓発する。今回の地震時、志賀原発は停止中だった。しかし、30キロ圏内では道路の寸断などで石川県輪島市など3市町の14地区で150人以上が最長16日間孤立したことを内閣府が明かした。

 原発が稼働中に事故が起こっていたら、スムーズに避難できない被災者らが被ばくする可能性があった。自ら関わった原発だが、今は「廃炉にした方がいいとさえ思い始めた」と複雑な胸中を明かす。「油漏れで終わったのは不幸中の幸い。今度こそしっかりと対策をとるべきだ」と訴える。


【関連記事】能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた
【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
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●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…

2024年03月13日 00時00分30秒 | Weblog

[↑ 『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


[↓ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土])]





(2024年03月01日[金])
《小早川社長は「私が先頭に立ち責任を持って再発防止に取り組む」と約束した》(東京新聞)…そうです。2023年10月の、奇しくも第3回汚染水海洋投棄の直前にも、廃液飛散事故があったばかり。《この事故で、東電は安全管理の意識徹底などの再発防止策を打ち出したが、3カ月ほどでまた事故が起きた》。
 《原子力規制委員会の会合で、福島県大熊町商工会の蜂須賀礼子会長は、東電トップの言葉をこう切り捨てた。「社長さんは『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」》、全く同感。「責任の『せ』の字も無し」。《福島第1原発の事故収束作業》もマトモにできない、《原状回復》する気も全く無し。しかも、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》してきたキシダメ首相や経産省、自公お維コミ議員ら。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

 そんな東電に、核発電所を運転する資格や能力は在るのかね? アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいそうですが、正気なのでしょうか? 全く規制しない原子力「寄生」委員会はそれを許し、アノ新潟県知事もそれを許しかねないと思いますよ。周辺住民の皆さん、それでいいのですか? 能登半島地震の「警告」は新潟県には届いていないのか?
 《◆デスクメモ 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)》(東京新聞)。

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310654)、《東京電力福島第1原発(福島県大熊町双葉町)の汚染水処理設備で水漏れ事故が相次いだことを受け、斎藤健経済産業相は21日、東電の小早川智明社長を呼び、再発防止の徹底を指導した。汚染水を浄化処理した水海洋放出の開始から24日で半年。風評被害の影響が続く中で起きた放出の基幹設備でのずさんな管理は、リスクを軽視する東電の体質を浮き彫りにする。(小野沢健太)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/310654

福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ
2024年2月21日 19時16分

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町双葉町)の汚染水処理設備で水漏れ事故が相次いだことを受け、斎藤健経済産業相は21日、東電の小早川智明社長を呼び、再発防止の徹底を指導した。汚染水を浄化処理した水海洋放出の開始から24日で半年。風評被害の影響が続く中で起きた放出の基幹設備でのずさんな管理は、リスクを軽視する東電の体質を浮き彫りにする。(小野沢健太

     (斎藤健経済産業相(右)に再発防止策を説明する
      東京電力の小早川智明社長(左)=21日、
      東京都千代田区で(小野沢健太撮影))


◆人為的なミスが原因

 東電経営陣と面談した斎藤経産相は、事故は人為的なミスが原因だと指摘。「単なるヒューマンエラーとして対処するのではなく経営上の課題として重く受け止めていただきたい」と求めた。小早川社長は「私が先頭に立ち責任を持って再発防止に取り組む」と約束した。

 福島第1原発では、原子炉建屋にたまる汚染水の除染設備で7日、洗浄廃液を建屋外に漏らす事故が発生。昨年10月には多核種除去設備(ALPS)で、洗浄廃液が飛散して作業員2人が被ばくし、一時入院した

 二つの事故はいずれも、東電や下請け企業に過去の作業経験による慣れがあり、状況確認や防護対策を怠ったことが共通している。


◆開いたままの手動弁から廃液漏れ

 除染設備では、屋外の排気口につながる手動弁10カ所が開いたまま洗浄し、廃液が漏れ出た。過去に14回あった同様の作業では、洗浄前の設備点検の際には弁が閉まっていたという。

 今回は、弁が開いた状態だったことの情報共有が東電の部署間で不十分だったため、閉めないまま点検に入った。東電が作成した作業の手順書も、これまでと同様に弁が閉まった前提の手順になっていた。点検した下請け企業の作業員も、弁は閉まっていると思い込み、開閉状況まで確かめなかった


◆かっぱ着用せずに作業、廃液かぶる

 ALPSでの被ばく事故も、従来の洗浄作業では廃液タンクから周囲に飛び散ったことはなく、作業員2人がかっぱを着なかった。しかし、想定していなかった飛散が起き、廃液をかぶって放射性物質が体に付着した。この事故で、東電は安全管理の意識徹底などの再発防止策を打ち出したが、3カ月ほどでまた事故が起きた。

 これらの設備で処理した水の海洋放出は、昨年8月24日に始まった。これまでのところ、原発周辺の海水の放射能濃度測定で異常は確認されていないが、中国やロシアは日本産水産物の輸入停止を継続。東電は今月14日時点で、約30件の風評被害の賠償請求に対し、計約41億円を支払った

 放出の影響が続く一方、福島第1原発の事故収束作業は「緩み」が深刻化している。19日の原子力規制委員会の会合で、福島県大熊町商工会の蜂須賀礼子会長は、東電トップの言葉をこう切り捨てた。「社長さんは『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない

 福島第1原発の汚染水処理 1〜3号機内の溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れた冷却水が汚染水となり、建屋に流入する地下水や雨水と混ざって増加。1日当たり約90トンが発生している。汚染水は除染設備で放射性セシウムやストロンチウムを低減した後、多核種除去設備(ALPS)でトリチウムを除く大半の放射性物質を除去して貯蔵タンクに保管。昨年8月24日に処理水の海洋放出が始まり、処理水に大量の海水を混ぜてトリチウム濃度を国の排水基準の40分の1未満にした上で、沖合約1キロの海底から放出している。


【関連記事】福島第1原発の汚染水処理施設でまた廃液漏れ 周辺環境の240倍の放射線 地面に染みこんだ可能性も
【関連記事】福島第1原発の廃液飛散事故で搬送された作業員2人が入院 作業時にルールで定められた「かっぱ」着用せず
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●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…

2024年03月11日 00時00分32秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月27日[火])
処理水という名の、廃炉作業に全く関係のない汚染水の海洋投棄を強行し、さらには、なにやらアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいという東京電力や自公お維コミ、原子力「寄生」委員会委員ら…3.11の教訓は忘れ去られ、能登半島地震の「警告」を無視。キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》してきた。ホントに正気なのかね? さらには、《1号機の土台損傷》(ペデスタル)〝耐震性〟問題も顕在化した。《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなキシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党。

   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン
   『●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な
     判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
       と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●原発マネーに群がる核発電「麻薬」中毒者の意地汚さ…《辛うじて難を逃れ
     たにすぎ》ない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
     振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 3.11東京電力核発電人災から13年目、デタラメな汚染水投棄をまだ続ける東京電力。この先何十年も…。年間何万トンもの汚染水を…。《3月16日の終了を予定》…3.11など全くお構いなしに。さっさと《原状回復》して見せてくれ、東京電力。無責任極まる、こんなゾンビ企業・東京電力を生き永らえさせてしまったことも大問題だ。
 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563)、《東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
       復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
     もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563

福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで
2024年2月26日 19時39分

 東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している。

     (福島第1原発)

 東電によると、17日間で7800トンを放出する。処理水の放射能濃度測定では、多核種除去設備(ALPS)で取り除けない放射性物質トリチウムの濃度が1リットル当たり17万ベクレル。トリチウム以外で測定対象の29種類は放出基準未満だった。

 放出の際は処理水に大量の海水を混ぜ、トリチウム濃度を国の排水基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満にした上で、沖合約1キロの海底から流す。

 処理水の放出は昨年8月24日に始まった。23年度は4回で計約3万1200トンを放出し、24年度は7回で計約5万4600トンを放出する計画。(小野沢健太


【関連記事】福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ
【関連記事】福島第1原発、3回目の処理水海洋放出を始める 被ばく事故から8日、東京電力はまだ詳しい説明できず
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●原発マネーに群がる核発電「麻薬」中毒者の意地汚さ…《辛うじて難を逃れたにすぎ》ない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働

2024年03月09日 00時00分14秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月24日[土])
辛うじて難を逃れたにすぎません》《辛うじて事なきを得たにすぎない》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…。先の能登半島地震の「警告」も無視。核発電「麻薬」中毒者の皆さん、いい加減にしてくれ。

―――――――――――――――――――――――――――
●女川核発電所2号機を再稼働したい…《辛うじて難を逃れたにすぎません》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…2020年12月08日 00時00分15秒

 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》! これは、震災被害、津波被害に対することだけへの《願い》なのですか? 核発電原発人災にこそ、向けられているのではないのですか。《辛うじて難を逃れたにすぎません》《辛うじて事なきを得たにすぎない》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ。そんなに、故郷を奪われたい、古里を失いたいものかね? 《女川原発2号機の再稼働に「反対という回答が61・5%に上っている。女川町石巻市を合わせた立地自治体でも、60・8%と過半数を占めている》そうだ。〝地元〟が望みもしないのに、一体誰のために核発電を再稼働するのですか? 《原発マネー》に代表される〝意地汚さ〟の中に県知事も居るのか?
―――――――――――――――――――――――――――

 キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の教訓、「警告」はどこに?
 東京新聞の記事【女川原発2号機、9月再稼働想定 東北電、安全対策工事に遅れ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310204)。《東北電力は19日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機について、9月ごろの再稼働を想定していると発表した。これまで2月を予定していた安全対策工事の完了は6月を目指すとしている。再稼働すれば、東日本大震災の被災地で初めてとなる。東北電は昨年9月、安全対策工事の完了時期を見直し、それまで今年2月としていた再稼働を5月ごろに延期すると発表。工事が遅れる見通しとなったため、今年1月、さらに数カ月程度延期すると発表していた。女川原発は2011年の東日本大震災で被災し、定期検査中だった2号機を含め全3基が停止。2号機の原子炉建屋地下が浸水した》。

   『●女川核発電所2号機を再稼働したい…《辛うじて難を逃れたにすぎ
     ません》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
        超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
    《規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。
     大飯だけでなく、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)
     や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格
     した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く

   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
        稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走
    《第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。
     昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に
     宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けて
     いる福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だ
     そのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する
     原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない

   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
      将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
    (狙撃兵)《さらに、炉心溶融によって発生したデブリの回収に
     いたってはメドもないというなかで、今後とも果てしもない年月を
     かけて向き合わなければならないのが廃炉作業であり、過程で
     地震・津波といった自然災害にも見舞われかねないのが現実である
     その度に、福島第一原発は大丈夫か? 女川原発は大丈夫か? 
     を心配し、全国津々浦々にある原発についても同様に大丈夫か?
     を私たちは心配しなければならないのだ。地震列島火山列島
     である以上、それは逃れられない宿命ではあるが、今さらながら
     54基もつくったバカさ加減について考えない訳にはいかない。
     国土のあちこちにとんでもない起爆装置を抱えているのである

   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
    《・2005年8月 宮城県沖地震(M7.2 最大震度6弱) 
     東北電力女川原発で、設計時に想定していた地震の揺れより
     大きな揺れ》
    《・2011年3月 東北地方太平洋沖地震(M9 最大震度7) 
     女川原発福島第一原発東海第二原発で想定を超える揺れ。
     福島第一では津波による電源喪失で3つの原子炉が炉心溶融
     国会の事故調査委員会は「地震による損傷の可能性は否定できない
     としている》

   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
       と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
    《このような情報隠蔽は、原発建設を推進する電力会社、原発メーカー、
     立地自治体、政府を含む“原子力ムラ”の常套手段であり、
     「原発安全神話」を流布する側にとっては体質化して久しい。
     重大事故では、浜岡原発(中部電力)、女川原発(東北電力)、
     東京電力の福島第2原発、柏崎刈羽原発では核燃料の制御棒が
     脱落する事故が起き、福島第1原発(東京電力)でも7時間半に
     わたる臨界事故が発生していたが、電力会社は30年近くも隠ぺい
     していた。また、2007年の新潟県中越沖地震で震度7相当の揺れに
     襲われた東電柏崎刈羽原発では、基礎杭に損傷が見つかった
     と東京電力が公表したのは地震から14年後のことである》

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●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所

2024年02月10日 00時00分56秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月03日[土])
核発電「麻薬中毒」「原発ゾンビ」の皆さん、「想定外」と言う勿れ…能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結断層の上に建つ志賀核発電所。これまでの教訓は何処に? 今回も、再稼働していなかったという幸運が重なったに過ぎない。低層階で変圧器の故障や油漏れ事故を起こしたということは、上部では相当な揺れだったはずで建屋や原子炉、核燃料プールがマトモだったと考えるのは難しいのでは?
 dot.の記事【能登半島地震「想定外」ではなかった 日本海側にも活断層が多数存在/川口穣】(https://dot.asahi.com/articles/-/211469)。《元日の家族団らんを容赦なく襲った能登半島地震。東日本大震災以降の報道や対策の 議論は太平洋岸が中心だったが、日本海側の地震リスクが低いわけではないという。…今回の震源域に活断層があることは、従来知られていた。東日本大震災を受けて2013年から14年にかけて開かれた国土交通省の「日本海における大規模地震に関する調査検討会」では、津波を伴った大地震を起こしうる断層モデルとして今回の地震とほぼ同じ震源域を想定し、最大でM7.6の地震が起こる可能性があるとしている。今回の地震の要因となったのがその断層だったのか、あるいは未知の断層だったのかは今のところはっきりしないものの、地域の地震リスクとしては想定外ではなかったという。東京大学名誉教授で、政府の地震調査委員会委員長を務める平田直(なおし)さんはこう説明する》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

 3.11東京電力福島核発電所人災の教訓もどこに? …「想定外」と言う勿れ。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「孤立」「原発」…生かされなかった阪神・淡路大震災、東日本大震災の教訓】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202401170000102.html)によると、《それに対して、道路が寸断された半島の特性が避難所への水や食べ物、物資の搬入が遅れた理由と言われるが、それらは十分、阪神・淡路大震災、東日本大震災の経験があれば想定でき、リスク回避は自治体レベルで可能だったはずだ。人災という言葉は使いたくないが、あまりに2つの震災の教訓が北陸の自治体で検討され、訓練されていなかったことがわかる。自衛隊の逐次投入が批判されるが、それよりも自治体からの出動要請がまず必要だったのではないか。 ★また、被災地の北陸電力志賀原発(停止中)は設備の故障で外部電源の一部から電気を受けられなく、空間放射線量を測るモニタリングポストも万全とは言えないのに北陸電力は情報公開に消極的だここでも教訓は生かされたとは言えない》。

 樋口英明さん、そもそも《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》。
 長周新聞の記事【地震列島と原発は共存できず 未知も含め全国に6000もの断層 「安全」といえる場所ないと専門家指摘】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28770)。《石川県能登地方で1日、最大震度7(マグニチュード=M7・6)を記録する「令和6年能登半島地震」が発生した。県内での死者は200人以上を数え、交通網が壊滅的打撃を受けるなか、今も被害の全容は明らかになっていない。東日本大震災以後、日本列島は地震活動期に入っているといわれており、全国に2000あるとされる活断層がいつどこで動いてもおかしくないとの指摘を多くの専門家たちがくり返しおこなっている。加えて、南海トラフ地震も今後40年間の発生確率は90%といわれており、迫り来る地震被害への備えは急務となっている。列島直下で何が起きているのかについて専門家の指摘や警鐘に耳を傾け、日本列島が直面している現状を直視することが求められている》。

 さらに、樋口英明さん、《「被害が大きくてかつ事故発生確率も高いという2つが揃ったパーフェクトな危険》であり、「安全」な核発電所など形容矛盾。
 長周新聞の記事【すべての原発を即時停止せよ 安全の根拠ない再稼働基準 情報の後出しと隠蔽が体質化 原発列島に自然からの警告】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28804)。《元日に発生した能登半島地震では、北陸電力・志賀原発が立地する石川県志賀町でも最大震度7の揺れを観測し、あわや福島原発事故の再現かと思わせる原発立地町直撃の地震となった。マグニチュード7・6の地震発生直後、志賀原発原子炉建屋下では震度5強を観測。北陸電力も政府もすぐに異常なしと発表したが、後から変圧器の故障、大量の油漏れ、外部電源の一部喪失などの「異常が次々に小出しで発表されている。北陸電力によれば、現在までに放射能漏れなどの事象は発生していないとされるが、多重防護の一部を欠いた状態のなかで群発地震が継続しており、予断を許さない。地震想定や、原発再稼働の前提となる安全基準の信頼性は根底から崩れており、志賀原発の再稼働撤回のみならず全国の原発を即座に停止し、次なる大規模地震に備えることが急務となっている》。

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28804

すべての原発を即時停止せよ 安全の根拠ない再稼働基準 情報の後出しと隠蔽が体質化 原発列島に自然からの警告
2024年1月16日

再稼働に向け動き出していた志賀原発

 元日に発生した能登半島地震では、北陸電力・志賀原発が立地する石川県志賀町でも最大震度7の揺れを観測し、あわや福島原発事故の再現かと思わせる原発立地町直撃の地震となった。マグニチュード7・6の地震発生直後、志賀原発原子炉建屋下では震度5強を観測。北陸電力も政府もすぐに異常なしと発表したが、後から変圧器の故障、大量の油漏れ、外部電源の一部喪失などの「異常が次々に小出しで発表されている。北陸電力によれば、現在までに放射能漏れなどの事象は発生していないとされるが、多重防護の一部を欠いた状態のなかで群発地震が継続しており、予断を許さない。地震想定や、原発再稼働の前提となる安全基準の信頼性は根底から崩れており、志賀原発の再稼働撤回のみならず全国の原発を即座に停止し、次なる大規模地震に備えることが急務となっている。


「異常なし」でも「実は…」が続々と

 1月1日午後4時10分の地震発生直後、NHKをはじめとするテレビ各局は志賀原発は異常なしとする電力会社の発表を速報で流した。しかし、志賀町の最大震度7は、2011年3月11日の東日本大震災で福島県を襲った震度(6強)を上回っており、「原発が無傷で済むレベルではない」と誰もが直感する揺れだ。さらに能登半島北部では、海底が数㍍隆起して陸地化する現象が海岸線の85㌔にわたって発生【地図参照】。国土地理院が示したデータでは、海岸線の隆起は志賀原発の北7㌔地点にまで迫っていた

 志賀原発は、福島第1原発と同じ沸騰水型BWR)の1号機、改良沸騰水型ABWR)の2号機の2基がある。1号機は1993年7月、2号機は2006年3月に運転を開始した比較的若い原発だが、2011年の福島原発事故後の全原発停止によって稼働を停止。2号機については、2014年から再稼働に向けた新規制基準の適性審査が進んでいた。福島第1原発と違い地震時に原子炉は動いていなかったが、使用済み核燃料貯蔵プールには計1657体の核燃料が保管されていると推定される。

 原発が稼働していなくても、貯蔵プールに常時水を送り核燃料を冷却しつづけなければならない冷却機能が止まれば、数時間で燃料棒が損傷し、放射能漏れを起こす恐れがある。また、電源喪失で冷却水が供給できなくなったり、海岸線隆起で海水がとり込めなくなれば冷却機能が失われる可能性があった。

 当初は「異常なし」とした北陸電力だが、その後の発表・訂正で徐々に実態が明るみに出ている。

 1日、記者会見した林芳正官房長官は、「現時点では(志賀原発に)異常は確認されてない」としながら、記者の追加質問に対して「変圧器に火災が発生したが、すでに消火済み」とのべた。

 さらに同日、原子力規制庁の会見では、地震の影響で外部から原発に電気を送る一部系統が使用不能になっていること、2号機で外部から電気を受けとる変圧器付近で爆発したような音と焦げ臭いにおいがあった」と報告があったが、それは火災ではなく、地震の揺れで変圧器内部の圧力が高まったため消火設備が起動したものと公表。

 さらに1号機でも変圧器周辺で油漏れが確認され、電源の一系統が使用不能となり復旧のメドは立っていないが、他の系統から電力を供給しているため問題なしとした。

 また、核燃料貯蔵プールで地震の揺れによって冷却水放射能を含む1号機では95㍑、2号機では326㍑が飛散して床面にこぼれ冷却水を供給するポンプが一時的に停止したが、午後4時49分に復旧し、核燃料を貯蔵している使用済み燃料プールの冷却に問題はないとした。

 翌2日には、高さ4㍍の防潮壁が数㌢傾いたこと、1、2号機の廃棄物処理建屋の接続部分のカバー約15㍍が脱落していたこと、2号機の使用済み燃料貯蔵プールに2・5㍍のケーブルカバーなどが落下していたことが公表された。


油漏れは当初の6倍 揺れも想定上回る

 当初は「発生しなかった」(1日)、「水位計に有意な変動は確認されなかった」(2日)と説明していた志賀原発への津波到達については、3日に「3㍍の水位上昇が観測された」に変わり、10日には、地震発生後1~3㍍の津波が複数回到達していたことが明らかになった。北陸電力は、津波ではなく水位上昇」と表現している。

 変圧器損傷による油漏れについても、当初は漏れ出した油は「約3500㍑」と発表していたが、5日には漏洩量は約六倍の2万㍑にのぼっていたと訂正した。2万㍑といえばドラム缶(200㍑)100本分に相当する量だ。また北陸電力は「全量を回収済み」としていたが、10日にも新たに海面に油が漏洩していることが発覚した。10日までに2万3000㍑余りの油が漏れ出たことになる。今も全貌は明らかではないが、北陸電力は油に放射能は含まれていないとしている。

     (1日の地震で油漏れを起こした志賀原発の変圧器
      (撮影:北陸電力))

 さらに志賀原発で観測された揺れの加速度が、一部で想定を上回っていたことが10日に開かれた原子力規制委員会の定例会合で明らかになった。原発には施設や設備ごとに揺れやすい周期が異なり、あらかじめ各構造物ごとに揺れの大きさを示す加速度(ガル)を想定する。福島原発後の原発再稼働に向けて設定された新規制基準では、耐震設計に用いる地震動の加速度をおよそ1000ガル(大規模地震の目安)前後に設定している。

 だが、今回の能登半島地震では、志賀原発がある志賀町の観測点での最大加速度は、東日本大震災に匹敵する2828ガルにのぼった。1000ガル以上も計7地点で確認された。志賀原発1、2号機の原子炉建屋の基礎部分でも揺れが想定を上回り、1号機では東西方向の0・47秒の周期で918ガルの想定に対して957ガルを観測したという。規制庁は原子炉建屋などに異常はないと説明しているが、北陸電力が規制庁に報告したのは9日で、みずから公表はせず、関係自治体に説明もしていなかった

 また規制庁は、原発の約30㌔圏内に約120カ所あるモニタリングポスト(空間放射線量の測定器)のうち、輪島市や穴水町など原発の北側20~30㌔付近にある15カ所で、地震発生以降、測定不能の状態にあると発表。空間線量の実測値は、原発事故時に住民避難の判断根拠となるものであり、計測できなければ避難時期やルートも決められない。このモニタリングポストの欠測(故障)も20カ所にのぼることが10日になって明らかになった。道路が寸断されているため、原因の特定ができず、一部では復旧の見通しが立っていないという。

 北陸電力からの重要情報の後出しや訂正があいつぐため、経産省は10日までに、北陸電力に対して正確な情報発信をおこなうよう指示するという事態にもなった。

 現在までのところ、原子炉が停止中だったこともあり、福島原発のような過酷事故には至っていないが、地震そのものが想定を大きく上回る規模で発生し、断層による地割れ、海面隆起、交通網寸断、停電などの多重災害において原発情報はすべて後出しになり、「異常なし異常がないのではなく、パニックを防ぐための政治的アナウンスに過ぎないといえる。

 一部では、主電源が喪失し、核燃料プールから水が漏れ続けているとの報道もあり、今後どのような重大事象が明るみに出るのか、予断を許さない状況が続いている

 いくつもの断層が集中する能登半島周辺では、1700年以降、何度も大地震に見舞われており、そのような地域に原発を立地する無謀さを自然が警告しているとみなさなければならない。


過去に臨界事故隠蔽も 原子炉下には断層

 志賀原発での重大事故と情報隠蔽には、有り余る前科がある。1999年6月の定期検査中に一号機で臨界事故意図せずに核分裂反応を起こし、大量の放射線や熱を発生させる事故)を引き起こしたが、北陸電力は「発表すると2号機(建設)の工程が遅れるなどの理由でデータを改ざんし、必要な記録を隠滅対外的な報告を一切せず、8年後の2007年3月に明るみに出るまでひた隠しにしていた

 事故が発覚したのは、全国の電力会社でデータ改ざんが明らかになったことを契機に原子力安全・保安院が一斉点検を命じ、北陸電力の全社員アンケートで1人の社員が告白したからだった。このときすでに志賀原発2号機は稼働を始めていた

 このような情報隠蔽は、原発建設を推進する電力会社、原発メーカー、立地自治体、政府を含む“原子力ムラ”の常套手段であり、「原発安全神話」を流布する側にとっては体質化して久しい。重大事故では、浜岡原発(中部電力)、女川原発(東北電力)、東京電力の福島第2原発、柏崎刈羽原発では核燃料の制御棒が脱落する事故が起き、福島第1原発(東京電力)でも7時間半にわたる臨界事故が発生していたが、電力会社は30年近くも隠ぺいしていた。また、2007年の新潟県中越沖地震で震度7相当の揺れに襲われた東電柏崎刈羽原発では、基礎杭に損傷が見つかったと東京電力が公表したのは地震から14年後のことである。

 今回の能登半島地震を受け、原子力規制委員会山中伸介委員長)は、再稼働に向けた審査が進む志賀原発二号機について「(今回の地震が)新知見かどうかを確定させるまでに年単位の時間がかかる。審査はそれ以上かかると思う」との見通しを示している。この期に及んで再稼働を前提にした審査を続ける姿勢を崩してはいない

 志賀原発では、2014年に北陸電力が2号機の再稼働を目指して原子力規制委員会に適合性審査を申請。2016年3月には原子力規制委員会の専門家チームが、原子炉建屋直下にある断層【図参照】を「活断層である可能性は否定できない」と評価した。新規制基準では、重要施設の直下に活断層がないことを求めている。断層にずれが生じれば事故につながりかねないため、12万~13万年前以降に活動したことが否定できなければ再稼働はできず、廃炉を迫られることになる

 だが、政府や財界が経済的利害から既存原発の再稼働を熱望するなかで、昨年(2023年)3月、原子力規制委員会は専門家チームの報告を覆して敷地内に活断層はない」とする北陸電力の主張を妥当とし、「活断層問題はクリアとのお墨付きを与えた。委員の1人は「(北陸電が示した)膨大なデータに基づいて評価し直したところ、活断層ではないと判断できる非常に説得力のある証拠がたくさん得られた」とのべていた。

 これが弾みとなり、昨年11月、経団連の十倉雅和会長(住友化学)が志賀原発を視察して「一刻も早く再稼働できるよう心から願っていると訴えるなど、政財界が総力を挙げて再稼働に向けて動き出していた矢先に迎えたのが今回の能登半島地震だ。

 すでに周知のように、能登半島には先端にも根元にも巨大な断層が幾重にも走っており、志賀原発だけでなく、隣接する福井県には日本原電の敦賀原発(1基停止中)、関西電力の美浜原発(1基稼働中)、大飯原発(2基稼働中)、高浜原発(2基停止中、2基稼働中)が林立し、全国で最も原発が集中する「原発銀座」と呼ばれる地域だ。この地域全体にも何本もの断層が連なっており、75年前の1948年6月の福井地震(マグニチュード7・1、最大震度6、死者3769人、負傷者2万2000人以上)をはじめ、近年も近隣では2004年の中越地震、07年の中越沖地震、20年には福井県嶺北でもマグニチュード5、最大震度5の地震などが頻発している。

 また今回の能登半島地震では、本震だけでなく、マグニチュード3・5以上の群発地震が連日のように続いており、日本列島で起きた過去の地震と比べてもその回数は抜きん出て多く、今後いつまで続くのかはわかっていない【気象庁作成のグラフ参照】。

 すぐにでも原発を停止し、廃炉を進め、未曾有の地震に備えて核燃料を厳重に防護しなければならないのが常識であり、再稼働を前提にする発想そのものが気狂い沙汰といえる。原子力規制委員会は「原子力推進委員会」と改名しなければならない。

 今回の地震は、地下に断層があるかないか、それが活断層であるか否かなどに関係なく、人間がソロバンをはじいて計算した想定を帳消しにするほどの被害を広範囲にもたらすことを改めて教えた。再稼働という一部の経済的利害を追求する目標に基づいてつくられた新規制基準そのものが、自然を無視した恣意的かつ非科学的なものであることをシビアに突きつけている。

 今や誰も「原発を建てて安全な場所」と責任をもって認定できないのが現実であり、「想定外では済まされない。意図的に見ないことにしている「万が一」のいつ起きてもおかしくない原発災害によって失われるのは途方もない人々の生活と生命である。


絵空事だった避難計画 自治体に責任丸投げ

 さらに、改めてあらわになっているのは、福島原発事故の教訓から自治体に策定が求められてきた「避難計画と被災の現実との大きな乖離だ。

 福島第1原発事故後、発足した原子力規制委員会は、原発再稼働のためにこえるべきハードルとして「新規制基準」と「原子力災害対策指針」(防災指針)の2つを策定した。そのうち防災指針は、事故発生に備えてとるべき被曝対策を定めるもので、原発の周辺地域ごとに策定される「避難計画」がその中核となっている。福島原発事故までは、「事故は絶対に起きないという安全神話に依存して避難計画はまともに策定されていなかった

 ただし、防災指針における避難計画は、原発を管理運営する電力会社ではなく周辺自治体の責任で策定するものとされており、原発の防護措置の一つであるにもかかわらず、規制委員会による安全審査の対象外とされているあくまで国の原子力防災会議による了承手続きがあるだけで、自治体への責任丸投げというのが実態だ。

 新たな防災指針では、避難計画を策定する対象地域を原発30㌔圏内に拡大(それまでは8~10㌔圏だった)しており、能登半島西岸に位置する志賀原発の30㌔圏内は、激震地の輪島市、穴水町、七尾市など八市町に約15万人が暮らしている。能登町や珠洲市は30㌔圏外だが、半島の先端にあるため、原発災害のさいは原発に向かって逃げることをよぎなくされる

 防災指針によると、原発事故発生時には5㌔圏内の住民がまず避難し、5~30㌔圏内の住民は屋内退避を経て、一定の放射線量(毎時20マイクロシーベルト)をこえたら、あらかじめ確保した避難先に向けて避難を始めるとされている。

 だが今回の地震では、まず第一に避難経路を決めるための指標となる空間放射線量を計測するモニタリングポストが20カ所で故障携帯電話も使えなくなり、停電のためテレビ電波も入らず、情報手段が途絶した。これでは放射線量もわからず、避難に関する情報も住民は知ることができない。

     (1日の地震で崩落した道路(石川県志賀町))

 さらに、避難路となる道路は、24路線54カ所の国道、県道、高速道路が通行止めとなった。原発事故時の「基本的な避難ルート」とされていた金沢市と能登半島を結ぶ自動車専用道「のと里山海道」は、複数カ所で陥没し、一時的に全面通行止め。他の一般道でも発災から1週間たっても、崖崩れによる寸断、路面の亀裂や陥没、崩落などが修復できず、10日現在で3000人以上が孤立状態に置かれている。

 現地に物資が供給できないということは、現地住民が域外に避難することも物理的に不可能ということであり、地震と同時に起きる原発事故での住民の陸上避難は絵空事であることが浮き彫りになった。

 さらに地震直後、珠洲市長は「市内の6000世帯のうち9割が全壊またはほぼ全壊だ」と災害対策本部会議で窮状を訴えた。この時点で防災指針にある「屋内退避は机上の空論であり、このような原発事故の防災指針・「避難計画」は現実とかけ離れていることが浮き彫りになっている。自治体が膨大な時間と労力をかける計画策定や避難訓練などもアリバイに過ぎず、「安全神話」醸成のためのパフォーマンスに過ぎなかった

 現在も能登の被災地では、住居の崩壊や大規模火災、道路寸断、通信遮断、水や電気などのライフラインの途絶、燃料や物資不足、さらに豪雪による低体温症、感染症蔓延などの未曾有の被害のなかで、被災者や支援するボランティアたちの極限状態が続いている。国による早急な救援が必要だが、さらに原発災害が加わっていたら果たしてどんな事態を招いていたか――。救援・救助もおろか、住民の自主避難もできず、能登半島全体が孤立と阿鼻叫喚の渦に飲まれていたことは想像に難くない

 この期に及んで「地震に耐えた」と慢心し、とり返しの付かない過酷事故を引き起こすまで再稼働マインドから抜けきれない「原発ゾンビ」を退場させ、地震列島の現実に立った正気を政治にとり戻すことが急務となっている。
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●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら

2024年01月08日 00時00分07秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年01月06日)
能登半島地震珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという、キシダメ首相や自公お維コミ議員、原子力「寄生」委員会、電力会社などの核発電〝麻薬〟中毒患者ら。《外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」》…火災も起きていた(勘違いって、ホント?)訳で、これでも《大きな異常はなし》って、どういうこと? 《外部電源の一部を喪失》なんて、とんでもない大問題。《変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出》も、その後、大きく修正された。

   『●アベ様派のデタラメの系譜…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
       金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた
     「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理


 3.11以降でさえも、軍事費は倍増しても、防災や復興のための備えが全くなされてこなかったことが残念でなりません。アベ様をはじめ、カルトとヅボヅボな利権政党が云う「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の実情は無残過ぎる。発災から1週間が経とうとしているのに、相も変らぬ遅さと、後手後手対応。
 さらに、キシダメ政権や「利権」「裏金」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? そして、志賀核発電所の不誠実な情報開示。隠蔽体質と言われても仕方ない。「未知の断層」がまだまだ存在する地震大国で、(おそらく活断層であることは否定できない)断層の上に志賀核発電所を造ってしまったデタラメな「利権」「裏金」党政権。

 曽田晋太郎宮畑譲両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/300551?rct=tokuhou)。《元日の北陸を襲った能登半島地震。震度7という激震と津波が大きな被害をもたらしたが、地震直後から大いに気になったのは、震源に近い北陸電力 志賀原発(石川県志賀町)だ。外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」とする。しかし、志賀原発は1度、原子炉建屋直下に活断層ありと判定されるなど、いろいろといわくのある原発。今回耐えたから大丈夫と言えるのか。(曽田晋太郎宮畑譲)》。

   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官
    《2006年3月、金沢地裁―志賀原発訴訟で国策に逆らう判決を
     下すまでの重圧と苦悩 唯一の原発差し止め判事
     (井戸謙一元裁判長)「私がNOを突きつけた理由」》

   『●海渡雄一氏インタビュー「原発と司法」
   『●原発裁判はどれも完敗:
         井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話

   『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、
                       「司法」にも絶望するよな

   『●井戸謙一元裁判官再び:
          最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に

   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官
   『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?
   『●「自民党と政治権力」
        『週刊金曜日』(2013年7月19日、952号)について

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
   『●東京電力原発人災鼻血問題: 
          風評被害に矮小化していて良いのか?
   『●井戸謙一さん「高浜3、4号機再稼働差止仮処分」
        …「仮処分決定は、直ちに効果が発生」、再稼働不能』 

   『●金沢地裁・井戸謙一元裁判長「「原子炉を運転してはならない」。
                自ら発した声に法廷はどよめいていた」
   『●「効率より安全、経済より命」: 井戸謙一元裁判長、
       樋口英明・山本善彦裁判長の声は班目春樹氏には…?
   『●北陸電力志賀核発電所の原子炉直下に活断層の存在を知りながら
               …再稼働のために一千億円以上もドブガネ
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)

 能登半島で、今、起きていることは、将来、伊方核発電所で何が起きるかということを如実に物語っている。たとえ停止中であったとしても…。停止中であった福島第一核発電所の4号炉核燃料プール問題)も思い出すべき。

   『●『細木数子 魔女の履歴書』読了+α
    「昨日テレビで京大の小出裕章さんが電話インタビューに応じて
     おられたが、小出さんでも4号炉で問題となっている
     燃料プールの問題に気付かなかったというようなことを
     仰っていた。驚きだ…」

   『●「逃げて欲しいのです」
   『●「想定不適当事故」と割り切ってきたくせに、いまさら遅いよっ!!
   『●再稼働ありきのストレステストなど、本来、やってはならなかった
   『●大飯原発、本当に再稼働などしている場合か?
           ~東京電力福島第一原発4号機問題~
   『●東京電力原発人災、今頃公開されたわずかな
          捏造・改竄映像からでも分かったこと
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」

   『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
             周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」
   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
     仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失
   『●森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は
      正鵠を得ていた…全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止
   『●大阪地裁《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、水戸地裁《東海
      第二原発の運転禁じる》、広島高裁《伊方原発3号機の運転容認》
   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の
      嘆きが胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発の耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/300551?rct=tokuhou

こちら特報部
志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
2024年1月5日 12時00分

 元日の北陸を襲った能登半島地震。震度7という激震と津波が大きな被害をもたらしたが、地震直後から大いに気になったのは、震源に近い北陸電力 志賀原発(石川県志賀町)だ。外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れ核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」とする。しかし、志賀原発は1度、原子炉建屋直下に活断層ありと判定されるなど、いろいろといわくのある原発。今回耐えたから大丈夫と言えるのか。(曽田晋太郎宮畑譲


◆不安を抱え続ける周辺住民、避難先の高台で「ひと安心」

 「地震が起きた直後は何の情報もなく、東日本大震災の時のように急に事故が起こるかもしれないと思い、とても不安だった

 能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある志賀原発から約10キロの同県七尾市に暮らす友禅染絵作家、志田弘子さん(71)は地震発生時の心境をこう吐露する。当時は自宅におり、倒壊の危険を感じて外に出たが立っていられず、近くの切り株につかまって家族と震えながら揺れが収まるのを待ったという。

     (大きな地震に見舞われた北陸電力志賀原発
      =2日、石川県志賀町で)

 志賀原発は運転停止中といえ、近くに暮らす住民は常に不安と隣り合わせだ。志賀町に住む70代の男性は「大津波警報が出て、すぐに高台に避難した。1日の夜9時ごろにニュースで原発に異常がないことを知り一安心したが、道路が寸断され、すぐには逃げられない状況。放射能は目に見えないので、影響が本当にないのか不安がゼロになることはない」と語る。

 規制委事務局の原子力規制庁は今回の地震で志賀原発に「大きな異常はない」と発表した。ただ、地震による影響は多々あった


◆「火災」は勘違い、変圧器の油漏れ

 同庁や北陸電力の発表などによると、原発内の変圧器で当初、点検した作業員が「爆発音がして焦げ臭い」と報告し、林芳正官房長官も1日午後の会見で「変圧器の火災が発生し、消火した」と説明したが、実際は勘違いで火災は起きていなかった。ただ、地震で同原発の1、2号機の変圧器の配管が壊れ、計約7100リットルの油が漏出外部から受電する系統の一部が使えなくなり、別の系統に切り替えて電源を確保した

 また、地震の揺れで1、2号機の使用済み核燃料プールの水が計約420リットルあふれたが、外部への流出はなかった。一方、北陸電は2日午前の段階で1、2号機の敷地内にある取水槽の水位について「有意な変動はない」としていたが、同日夜に「3メートル変動していた」と訂正した。プラントへの影響はないという。


◆「大事故」は起きなかったものの本当に「大丈夫」か

 確かに東京電力福島第1原発事故のような事態には至っていない。だが、それで「大丈夫」となるのか。

 金沢市在住で「北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会」の中垣たか子さん(72)は「取水槽の水位の訂正もあり、ちゃんと原発を管理できているのかきちんとした情報が公表されているのか心配だ。安全上問題はないと言っているが、外部に放射能が漏れていないからいいみたいな態度が問題で、原発が潜在的に危険という認識が欠けているのでは。小さな異常の積み重ねが大きな事故の引き金になりかねない。大事故が起こる前に立ち止まってもらわないとあまりに危険だ」と訴える。

 前出の志田さんも「のんきに大丈夫と構えていられない」とし、切実な思いを語る。「福島の原発事故が特別ではないと、改めてその怖さを強く感じた。住民はこんなに不安を抱えながら生きている。これだけの地震大国でも原発を推進する国の方針は正しいのか。もう誰もが不安を感じることがないように、原発政策を見直してほしい」


◆住民の反対運動で中止になった幻の原発計画

 地元住民に不安をもたらす志賀原発。その来歴はいわく付きだ。

 そもそも、石川県能登地方では、志賀原発の建設以前に、より北の珠洲市で関西電力、中部電力、北陸電による珠洲原発の建設計画があった。候補地の一つだった同市高屋町は、今回の震源となった地区と隣接する。志賀原発の廃炉を求める活動をしている金沢大の五十嵐正博名誉教授は「珠洲原発は住民による根強い反対運動で計画が中止となったが、もし高屋町に建設していたら、大変なことになっていたと思う」と想像する。

 志賀原発はできてからも、トラブルが続いた。

     (地震による揺れで油漏れを起こした北陸電力志賀原発
      1号機の変圧器=1日(北陸電力提供))

 1993年に稼働した1号機は99年に制御棒3本が脱落し、臨界事故を起こしたが、北陸電が事故を公表したのは2007年になってからで、「事故隠し」と批判された。06年に稼働した2号機は11年3月、東日本大震災が起きた日に定期検査入りして運転を停止した。その後、1、2号機とも動いていない。

 16年には、原子力規制委員会の専門家チームが、1号機の原子炉建屋直下にある「S-1断層」などを「活断層の可能性は否定できない」と評価。事実上、再稼働は不可能とされた。


◆覆った活断層の評価 再稼働を目指していたところで…

 ところが23年3月、隣接する2号機の再稼働の前提となる新規制基準への適合審査会合で、規制委は「敷地内に活断層はないとする北陸電の主張が妥当だとし、16年の判断を覆した。23年11月には、経団連の十倉雅和会長が志賀原発を視察。「一刻も早く再稼働できるよう心から願っていると訴えていた

 まさに今年、再起を図っていた志賀原発だったわけだが、今回の地震は大きな影を落とす。

     (調査用に掘られた溝に降り、福浦断層を観察する
      原子力規制委の調査団
      =2022年10月13日、石川県志賀町で)

 日本原子力発電 敦賀原発(福井県)の断層調査を行った経験がある、名古屋大減災連携研究センターの鈴木康弘教授は「これほど大きな地震を起こす断層が志賀原発の近くにあるという想定はなかった。この地域でどういう地震が起きるのか、抜本的に見直さなくてはいけない。前提条件が相当変わった」と指摘する。

 さらに、能登地方の断層は複雑で、一見、大きな断層と関係がないように見えても、連動する可能性は否定できないという。鈴木氏は「今回の地震を機にもう一度、点検をさせるのか、新たな規制基準を示すのか。これは原子力規制庁の責任問題だ」と強調する。


◆過小評価はできない「外部電力の喪失」

 一方、原発のハード面の安全対策としては、北陸電や政府が「大きな異常ではない」とした外部電力の一部喪失も見逃せない。東京電力福島第1原発事故は、外部電源が喪失、非常用電源も水没したことが原因となったからだ。

 原子力資料情報室上沢千尋氏は「運転中であれば、原子炉を止めるアクションが必要になる。多くの機器を動かさなくてはならず、対応の負荷が全く違う。助かった面はあるだろう」と言う。原発内の使用済み核燃料が十分冷やされていたことも含め、長期にわたって運転停止中だったことが幸いしたとみる。

     (県道23号の片側一車線をふさぐ土砂崩れ
      =3日、石川県志賀町で)

 北陸電は、1、2号機とも不具合が発生したのとは別の系統から外部電力を受け、非常用ディーゼル発電機もあるため、安全上の問題はないとしている。しかし、上沢氏は「今後の余震や別の地震が起きた時のことを考えると、非常に脆弱(ぜいじゃく)な状態になっている」と不安視する。

 その上で、上沢氏もやはり根本的な断層の問題を指摘する。「原発直下の断層が動かなくても、周辺には多くの断層がある。どれかが動けば、影響を受ける可能性は高い北陸電力は不適切な場所に建ててしまったことを認めて廃炉にするべきだ今回の地震はその好機と捉えてほしい」


◆デスクメモ

 今回の地震の震源となった断層は、あらかじめ知られていた断層ではないという。となるとその影響は、今までの志賀原発の断層議論では想定されていなかっただろう。原子炉建屋直下の活断層あるなしといったミクロな話ではなく、トータルで原発の適地かどうかを議論すべきでは。(歩)

【関連記事】震度7の志賀原発で変圧器の配管損傷、油漏れ 火災は発生せず 日本海側のほかの原発で異常やけが人なし
【関連記事】志賀原発の周辺15カ所で放射線量を測定不能 モニタリングポストが「壊れているのか、埋まっているのか…」
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●次世代小型原発「小型モジュール炉SMR」開発頓挫…《日本政府もSMRに肩入れ…そもそもの実現性や経済性に疑問》、やってる場合か?

2023年12月29日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年12月08日[金])
間もなく、13年目だ。
 《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 

 キシダメ政権と、カルト協会とズブズブヅボヅボな「利権」「裏金」党は、いまや、パー券キックバック問題裏金問題でズタボロ状態だ。明々白々な組織的犯罪、《党としての脱税指南》。キックバック金・還流金を政治資金規正法の〝穴〟を通すこともなく、堂々と《裏金》化。さらに、官房機密費という《ヤミ金》問題についても、図らずも、そのデタラメな実態の一部が明らかになった。
 それでも、内閣支持率が十数パーセント台、比例投票先政党として20%程というのが、さっぱり理解できない。そんなアベ様・すがっちキシダメ政権や自公お維コミが着々と《原発回帰》《原発復権》を進めてきた。特に、この1年で言えば、汚染水投棄問題

   『●ドイツは《脱原発を完了》: 彼我の差を感じて情けなくなる…何処まで
     愚かな国なのだろうか。そして、いま、原子炉圧力容器が崩落の危機…
   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
    《次世代革新炉は(1)革新軽水炉、(2)小型モジュール炉SMR)、
     (3)高速炉、(4)高温ガス炉、(5)核融合炉──の五つが想定
     されている。このうち経産省が「本命」とするのは革新軽水炉だ。
     発電に必要な熱を取り出す冷却材に水を使う原発が軽水炉で、
     日本の商用原発はいずれもこのタイプになる。この軽水炉の安全性を
     向上させたものを「革新軽水炉」と呼ぶ。事故時に、溶けた核燃料を
     受け止めて格納容器の損傷を防ぐ「コアキャッチャー」などを
     備えている》(野村昌二記者)

   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●東京電力核発電人災から何年経とうとも、坂本龍一さん《「人々の記憶
      は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」》
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン
   『●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な
     判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?
   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》
   『●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理
     水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない
   『●まさに汚染水、海洋投棄してはいけない…トリチウム以外にも
     《炭素14…コバルト60…ヨウ素129…セシウム137》が含まれる汚染水
   『●【こちら特報部/応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に
     違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも】汚染水の海洋投棄
   『●膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》のうち、福島第1原発2号
      機の《1グラム程度を数回採取する予定》…いまだ、それさえも困難?

 やはり、頓挫。10万キロワット級を10基作れば、100万キロワット級を1基作るよりも、リスクは下がるのかね? モジュール化で、安くなるの? (こちら特報部)《ちょっと考えれば無理筋と分かりそうな話》。アベ様が御存命の頃 ―――― 「元首相にして《火事場ドロボー》1号は核保有論者だもんなぁ~、この国はホントに救いようがない。《原状回復》どころか《原発回帰》。ドタマの中がどうかしている。末代まで語り継ぐべきその愚かしさの象徴として〝アベシンゾウ〟核発電所とでも名付けてはどうかと思うが、《小型モジュール炉への建て替えまで提唱》とはね。さすがアベ様の暴走だ。《火事場ドロボー》1号のアベ様は「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」が持論だもの。(リテラ)《櫻井よしこ氏…は“原発技術は軍事面でも大きな意味を持つなどと主張》《原発技術による核武装論を展開》、つまり、至言《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(故・内橋克人さん)ということです」。
 岸本拓也記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「夢の小型原子炉」開発が頓挫、日本企業も100億円以上を出資 そもそも実現に疑問の声も…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/290726?rct=tokuhou#goog_rewarded)/《次世代の小型原発小型モジュール炉SMR)」開発を進める米新興企業ニュースケール・パワーが米アイダホ州での建設計画を中止した。「安価で安全」という触れ込みの下、米国初のSMR建設計画として注目されたが、世界的なインフレで採算が見込めなくなったという。同社には日本企業も出資日本政府もSMRに肩入れするが、そもそもの実現性や経済性に疑問符が付いた。先行計画の失敗は何を意味するのか。(岸本拓也)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/290726?rct=tokuhou#goog_rewarded

こちら特報部
「夢の小型原子炉」開発が頓挫、日本企業も100億円以上を出資 そもそも実現に疑問の声も…
2023年11月18日 12時00分

 次世代の小型原発小型モジュール炉SMR)」開発を進める米新興企業ニュースケール・パワーが米アイダホ州での建設計画を中止した。「安価で安全」という触れ込みの下、米国初のSMR建設計画として注目されたが、世界的なインフレで採算が見込めなくなったという。同社には日本企業も出資日本政府もSMRに肩入れするが、そもそもの実現性や経済性に疑問符が付いた。先行計画の失敗は何を意味するのか。(岸本拓也


◆「安くて安全」のはずが、資材高騰で採算合わず

 「プロジェクトを継続するのに十分な電力購入者を獲得できる可能性は低い。プロジェクトを終了することが最も賢明な決定であると双方が判断した」

 今月8日、ニュースケール社と、米西部の電力会社などでつくるユタ州自治体電力システム(UAMPS)は、共同で進めていたSMR建設計画を中止するという声明を出した。

     (ニュースケール社が提唱する小型原発の概念図
      =同社ホームページから)

 プロジェクトは、アイダホ州の国立研究所にニュースケール社のSMR6基(1基当たりの出力7.7万キロワット)を設置し、2029年から初号機を稼働する計画だった。太陽光や風力など気象条件によって発電にムラが出る再生可能エネルギーの電力を、SMRの発電でバックアップすることで完全な脱炭素電源を目指しており、SMRが実現すれば米国初の案件だった。

 頓挫したのは、SMRの発電コストが想定を大幅に上回ったためだ。ニュースケール社は今年1月、米政府の補助金を加味しても、SMRの発電単価が1キロワット時当たり8.9セント(約13円)と、それまでの想定単価の約1.5倍になるとの見通しを発表。近年のインフレで、建設に必要な炭素鋼配管や電気機器といった資材価格が軒並み高騰したことが響いたといい、事業の継続性が疑問視されていた。


◆「技術は商用段階」と意欲も市場は懐疑的、株価は8割下落

 SMRは原発を小型化し、規格化された一部の部材(モジュール)を工場で製造して現場で組み立てることで、建設コストが下がるというのが推進派のアピールポイントの一つだった。

 しかし、米エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)のデビッド・シュリセル氏はリポートで、今回のプロジェクトの建設コストが53億ドルから93億ドルへ上昇したと推計。今後のインフレでさらにコストが上がる可能性があるとし、「SMR建設が安価であるという主張は覆される」と指摘した。

 今回中止となったSMRは、米原子力規制委員会(NRC)が設計を認証した唯一のものだった。ニュースケール社は、米ウィスコンシン州やポーランド、ルーマニアなどでSMR建設計画があるとし、ジョン・ホプキンズ社長は「当社の技術は商用段階に達した。今後も国内外の顧客にSMR技術を届けたい」とコメントし、今後の計画に意欲を見せた。

 ただ、市場はSMRの実現性を懐疑的に見ており、現在、ニュースケール社の株価は22年5月の上場時から8割ほど下落している。


◆多額の含み損どうする? 「引き続き支援」の社も

 日本にとっても影響は大きい。同社には、国際協力銀行(JBIC)や中部電力、日揮ホールディングス、IHIが特別目的会社(SPC)を通じて100億円以上を出資同社株を8%程度持つ大株主となっているが、多額の含み損を抱えているとみられる。

 22年4月に1.1億ドルの出資を発表したJBICの広報担当者は今回の計画中止を受け、「ニュースケール側に確認するなど、状況を見極めている。(含み損の)会計処理をするかどうかを含めて、今後の対応を検討している」と話した。日揮は9日の決算会見で「SMR技術は必要。引き続き支援していく」とコメントした。


◆ビル・ゲイツ氏も参入、「SMR」ブーム

 SMRなど小型原発のコンセプト自体は、日本でも1980年代には原子力委員会の長期計画の中で示されており、目新しいものではなかった。転機となったのは、東京電力福島第1原発事故だ。事故後、各国で原発の規制が強化され、建設費が高騰採算が見込めなくなり、新規建設の中止や見直しが相次いだ

 前出のようにモジュール化による建設コストの低下期待や、小型化することで万が一の事故時に原子炉を冷やしやすくなって安全性が高まる、といった「触れ込み」が再評価された。脱炭素につながる次世代の原発として、日本を含め、多くの国が研究・開発に取り組み始めている。

 米国では、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏がSMRを開発するベンチャー企業を立ち上げたことが話題となるなど、「SMRブーム」に沸く。日本政府も、脱炭素社会の実現を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、新増設を念頭に置いた次世代原発の候補の一つにSMRを挙げた。

     (GX実行会議であいさつする岸田首相
      (左から2人目)=7日、首相官邸で)

 しかし、その実現性や経済性、安全性には、かねて国内外から疑問が投げかけられて来た。


◆小泉純一郎氏らは「根拠のない熱狂」とバッサリ

 小泉純一郎元首相が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟原自連)は昨年8月の提言で、SMRについて「根拠のない熱狂」と切り捨てた。その理由を、各国で開発が進むSMRの炉型は軽水炉や高速炉など数十あり、「(モジュール化の)量産効果によるコストダウンが見込めない」と指摘した。

 さらに、SMRは1カ所に小さな原子炉をいくつも並べる想定のため、「福島第1原発のような連鎖メルトダウン(炉心溶融)の恐れもあり得る」と安全性にも疑問を呈した。

 NPO法人「原子力資料情報室」の松久保肇事務局長は、SMRの利点とされるモジュール工法について、「米ウェスチングハウスの開発した大型原発『AP1000』でも採用されたが、工場での製造から現場での組み立てまで数多くの問題が起き、うまくいかなかった。結局、2基で350億ドル(約5.2兆円)と非常に高くついた。モジュール工法だから安くなるわけではない」と話す。

 SMRも原発である以上、放射性廃棄物が出る。米スタンフォード大の核燃料研究者リンゼイ・クラル氏らは22年5月、SMRの場合、大型原子炉で起こる物理反応の違いから「管理と処分を必要とする核廃棄物の量が2〜30倍に増える」との研究結果を発表している。


◆今後もコスト上昇…エネルギー政策転換の時期では?

 課題山積のSMRに限らず、「夢の新型原子炉」を巡る開発は失敗続きだ。日本では高速増殖原型炉もんじゅ」に1兆円を投じながら、トラブル続きで16年に廃炉を決定。日仏共同で開発を進める高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)計画」に軸を移し、日本は約200億円を投じたが、19年に仏側が計画凍結を正式に表明した。

     (廃炉作業が進む「もんじゅ」で今後、解体撤去される
      タービン発電機=6月1日、福井県敦賀市で)

 それでも経済産業省・資源エネルギー庁などは、SMRや高速炉を「革新炉」として開発継続を訴えている。また岸田政権も既存原発の再稼働や運転期間の延長など、原発回帰へと突き進む

 しかし、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は「太陽光のコストは10年で10分の1に下がり、風力も3割下がった再エネは最も安いエネルギー源で、今後もコストは下がるかたや原発は遅延につぐ遅延でコストは世界的にうなぎ上り」と指摘し、エネルギー政策の転換を求める。

 「世界の本流は、再エネであり、蓄電池としても使える電気自動車だ。日本はどちらも取り残されている。SMRもそうだが、将来性のない原発にいつまでも固執すべきではない」


◆デスクメモ

 小型というからには電気出力も小さくなる。仮に既存原発と同じレベルの電力を担わせるのなら、分散してそこら中に小型原発を造らざるを得なくなるだろう。だが、そんな原発建設に適した土地が、日本にどれだけあるだろうか。ちょっと考えれば無理筋と分かりそうな話なのだが。(歩)

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コメント
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●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》

2023年12月16日 00時00分16秒 | Weblog

[『朽ちていった命 被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


(2023年11月10日[金])
欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、東海村JCO事故を彷彿。

   『●福島第一原発廃液飛散事故…ホースが抜けて廃液が飛び散り、指示を出す
     班長は当日病欠、代理の監督者も不在、ことごとく東電の説明もいい加減

 何故にマスコミは沈黙?
 リテラの記事【原発廃液飛散で東電が飛散量を数十分の1に矮小化も、東電の隠蔽・無責任体質を批判しないマスコミ 一方、復活する電力広告】(https://lite-ra.com/2023/11/post-6304.html)。《本日2日、3回目となる処理汚染水の海洋放出がおこなわれたが、そんななか、東京電力の隠蔽体質があらわとなる事態が発生した。10月25日、福島第一原発の汚染水の処理をおこなう「ALPS」施設のひとつで配管の内部洗浄をおこなっていたところ、放射性物質を含む汚染廃液をタンクに流すためのホースが外れ、作業員5人に汚染廃液が飛散。東電は飛散した汚染廃液の量が100ミリリットルだったとし、うち2人は除染しても放射能量が基準を下回らず福島県立医科大学に搬送されたと公表した。ところが、30日におこなわれた会見で東電は…》。

   『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ
        無視できない存在としての小出裕章さん
   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
       この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
    「日刊スポーツ…【政界地獄耳/薄っぺらい政治の「責任」】」
    《★1999年9月30日。東海村JCO臨界事故の際、時の官房長官・
     野中広務は…は10キロ圏に拡大して発表。「事なきを得て
     10キロが無駄だといわれれば私が謝れば済むこと」とした。
     ★不祥事に際し、首相・安倍晋三は「責任は私にある
     と連呼する。だがその責任という言葉の軽さが危険だ。
     …政府の統計不正も役人がのらりくらりで遅々として
     解明できない。机上の数字の操作だからか。公金を動かす
     という公務員の重みがないから責任も軽いものになるのか。
     政治の「責任」を薄っぺらくしたのは誰か。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
        なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

 何もかも杜撰な東京電力。これは3回目の汚染水投棄に向けての作業中だったのでは? なぜマスコミは大騒ぎしないのか、理解できない。それにしても、「ホース」ねぇ…、唖然とする。
 この杜撰さ、《1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーJCO)の東海事業所で臨界事故》を彷彿とさせませんか? 

   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》
   『●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理
     水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない
   『●まさに汚染水、海洋投棄してはいけない…トリチウム以外にも
     《炭素14…コバルト60…ヨウ素129…セシウム137》が含まれる汚染水
   『●【こちら特報部/応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に
     違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも】汚染水の海洋投棄

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https://lite-ra.com/2023/11/post-6304.html

原発廃液飛散で東電が飛散量を数十分の1に矮小化も、東電の隠蔽・無責任体質を批判しないマスコミ 一方、復活する電力広告
2023.11.02 08:25

     (11年ぶりに復活した東電の「でんこちゃん」)

 本日2日、3回目となる処理汚染水の海洋放出がおこなわれたが、そんななか、東京電力の隠蔽体質があらわとなる事態が発生した。

 10月25日、福島第一原発の汚染水の処理をおこなう「ALPS」施設のひとつで配管の内部洗浄をおこなっていたところ、放射性物質を含む汚染廃液をタンクに流すためのホースが外れ、作業員5人に汚染廃液が飛散。東電は飛散した汚染廃液の量が100ミリリットルだったとし、うち2人は除染しても放射能量が基準を下回らず福島県立医科大学に搬送されたと公表した。

 ところが、30日におこなわれた会見で東電は、飛び散った汚染廃液は当初公表の数十倍の「数リットル」にのぼるとみられると修正。さらに、被曝した作業員について、東電は当初、1次下請けの作業員だと説明していたが、この日になって「3次請け企業の3社にまたがって所属」していたと訂正したのだ。

 今回の事故にかんしては、被曝した作業員2人が作業ルールで必要な防水性のあるカッパ(アノラック)を着用しておらず東電が作業管理上の規則遵守を徹底していなかった可能性も指摘されているほか、土屋品子復興相が「(事故について)報道で知ったと国会で答弁するなど情報共有がまったくなされていなかったことも露呈。また、事故が発生したのは25日の午前10時40分ごろだったにもかかわらず、事故発生について報道関係者向け一斉メールで公表されたのは20時20分。NHKが第一報を報じたのは23時すぎのことだった。

 東電は「緊急搬送の決定を基点にして30分以内にメディアに一斉メールでお知らせした」などと説明しているが、作業員が汚染廃液をかぶるという人命にもかかわる重大な事故を起こしておきながら発生から9時間40分後の公表というのは、あまりに遅すぎるものだ。しかも、この日は会見を開かず、翌日、「中長期ロードマップの進捗状況」という名目で毎月行われている会見のなかではじめて事故の説明をおこない、汚染廃液を浴びた作業員の入院を発表したのである。

 挙げ句、事故から5日も経てから飛散量を当初の数十倍となる「数リットル」だと言い出す──。このような東電の杜撰な対応を見ると、海洋放出されている処理汚染水についても東電発表を信用しろと言われても無理があるだろう。

 だが、さらに問題なのは、メディアの報道姿勢だ。

 今回の事故について、東電発表後には大手新聞やNHK・民放キー局が報じたが、いずれも扱いは小さいものだった。飛散した汚染廃液の量を100ミリリットルから数リットルに訂正したことを報じた大手メディアもわずかだ。とくにテレビのワイドショーなどはストレートニュースのコーナーで触れた程度で、まったく話題として取り上げていない


■東電会見のひどさ! 飛散量の少なさの指摘に反論、汚染濃度を「計算に疎いので」とゴマカシ

 言っておくが、今回の事故は「小さい扱い」で済むような話ではない。そもそも、今回の事故は〈放射性物質を除去する吸着塔に入る前の配管内を硝酸水で洗浄していたところ、洗浄廃液をタンクに送り込む仮設ホースが発生したガスによって外れ〉起こった(東京新聞10月26日付)。つまり、飛散した洗浄廃液には多核種の放射性物質が含まれており、紛うことなき汚染廃液」にほかならない。しかも、汚染廃液の濃度は43億7600ベクレル/ℓにものぼることを東電も認めている。にもかかわらず、日本テレビやテレビ朝日、読売新聞などは、これを「放射性物質を含む水」「放射性物質を含む液体」「放射性物質を含む洗浄水」と伝えたのである。

 さらに、報道されるべきなのにまったく報じられていないのが、東電による会見での信じがたい無責任ぶりだ。

 前述したように、東電は10月30日の会見で、飛散した汚染廃液の量を「数リットル」と修正したが、この修正にいたるまでには前段があった。

 というのも、事故翌日の10月26日におこなわれた会見で東電は「(飛散した量は)数百ミリリットルより少ない量であると考えている」などと発言。これには共同通信の記者が「数百ミリリットル以下の飛散で顔を除く全身汚染するという状況がイメージしづらい」と追及したのだが、東電は「高濃度な洗浄廃液がミスト状でかかったため」と反論。だが、今度はNHKの記者が「100ミリリットルより少ないのに、2重にタイベックを着ていた方の全身に付着するというのは一般的な理解として無理があるのではないか」「根拠はあるのか」と追及すると、東電は「先程の回答は訂正する。現段階では正しい数字は言えない」と前言を撤回したのだ。つまり、東電は根拠も示さず「100ミリリットルより少ない量」などと無責任極まりない回答をおこない、記者の追及によってこれを撤回していたのである。

 しかも、東電は30日の会見でも、退院した作業員へのヒアリングによって飛散した量は「数リットル程度」だったと確認したと数字を修正したが、このヒアリングも元請け企業が実施したもので、東電は直接ヒアリングをおこなっていないことが記者との質疑応答で露呈。過去の汚染水で作業員が被曝した事故では汚染水が漏洩した範囲と深さによって量が出されていたが、今回はそうした計量がおこなわれていないことも、記者の追及によってあきらかになったのだ。

 さらに酷かったのが、前述した洗浄廃液の汚染濃度についてだ。通常、最初に公表すべきデータでありながら、東電は公表資料でもこれを記載していなかった。そこで26日の会見では、東京新聞の記者が「廃液の汚染水の濃度」について質問したのだが、東電の回答は「汚染水のこのときの全ベータは、4.376✕10の9乗ベクレル/ℓということになる」という、人を食ったようなものだったのだ。

 これには、ジャーナリストのまさのあつこ氏が計算をおこなったうえで「今回の汚染水は43億7600ベクレル/ℓという理解で良いか」と問うたのだが、東電はこう言い張った。

「計算に疎いのでアレですけど、4.376✕10の9乗というのは先程申したとおり。あと、そもそも汚染水ではないということもご認識ください。あくまで『洗浄廃液』だということ」

 約44億ベクレル/ℓにものぼっているのは多核種が除去されていない汚染水が含まれていることを明確に示しているにもかかわらず、それを「洗浄廃液だ」と言い張る──。これは、トリチウムが除去できない上、汚染物質が検出されている処理汚染水を「処理水」と呼んでいることとも通底する欺瞞ではないか。


■復活する電力会社広告 東電は自粛していたキャラ「でんこちゃん」がCMに登場

 あれほどの原発事故を起こしておきながら、作業員の被曝という人の命にもかかわる重大事故を起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電ビッグモーターの会見を徹底批判したように、本来、会見における東電の無責任なこの態度や発言こそ、新聞やテレビは報じるべきだ

 ところが、東電の杜撰な対応や隠蔽体質について批判的に取り上げたマスコミは、一部の地元メディアのみ。大手マスコミは、修正を報じるだけで、東電の無責任さをまったく報じようとしないのだ。

 この大手マスコミの弱腰の背景には、電力会社による“原発広告”の復活も考えられるだろう。原発事故以前は、東電をはじめとする電力各社やその司令塔・電力事業連合会電事連)は新聞、テレビ、週刊誌などのマスコミに広告を大量出稿することで、原発に批判的な論調を封じ込めてきた。しかし、原発事故後は、安全神話をつくり出してきたマスコミ、広告に出演していた芸能人や学者たちにも批判が高まり、電力会社からの広告は一時なりをひそめたかに見えた。

 しかし、事故から3、4年が経ったころから、メディアでは“原発広告”が完全に復活。さらに、原発再稼働政策を推し進めた安倍政権と歩調を合わせるように、電力業界は広告費を増やし、再びマスコミを“カネ”で漬け込んで“原発タブー”をつくり出してきた。実際、東電は今年に入ってから、原発事故後からテレビCMで姿を消していた広報キャラクター「でんこちゃん」をテレビCMで復活。電事連も人気女優の今田美桜を起用したCMを大々的に展開している。

 そして、こうした電力業界の動きに呼応するように、大手マスコミは汚染処理水の海洋放出でも批判らしい批判をほとんどせず、中国による日本の水産物輸入全面停止の話題に集中。朝日新聞のようなリベラルメディアでさえ「科学的根拠を無視した一方的な嫌がらせだ!」と大合唱し、そうした報道はいまもつづいている。

 汚染処理水を「処理水」などと呼び、中国に矛先を向けることで議論すべき問題をスルーし、ただ政府と東電の主張を垂れ流すだけ……大手マスコミのこの体たらくが、東電を増長させ、いまだに無責任会見を許してしまっているのだ。いや、そればかりか、海洋放出に対する中国の反発をやたら煽情的に取り上げナショナリズムにすり替え、内閣支持率がダダ下がりの岸田政権に対する世論調査では汚染処理水の海洋放出に関しては評価する声が大きいように、政権評価にさえ与してしまっているのである。

 今回の事故における東電の杜撰な対応や情報隠蔽は、海洋放出されている処理汚染水でも同じことが起こる可能性があるものだ。大手マスコミが再び“安全神話”を振りまき、東電の実態を批判的に報じないことで、またも福島第一原発事故のような惨劇が繰り返される──その危険は高まっていると言わざるを得ないだろう。

(編集部)
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●福島第一原発廃液飛散事故…ホースが抜けて廃液が飛び散り、指示を出す班長は当日病欠、代理の監督者も不在、ことごとく東電の説明もいい加減

2023年12月09日 00時00分53秒 | Weblog

[『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


(20231105[])
何もかも杜撰な東京電力。これは3回目の汚染水投棄に向けての作業中だったのでは? なぜマスコミは大騒ぎしないのか、理解できない。それにしても、「ホース」ねぇ…、唖然とする。
 この杜撰さ、《1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーJCO)の東海事業所で臨界事故》を彷彿とさせませんか? 

   『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ
        無視できない存在としての小出裕章さん
   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
       この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
    「日刊スポーツ…【政界地獄耳/薄っぺらい政治の「責任」】」
    《★1999年9月30日。東海村JCO臨界事故の際、時の官房長官・
     野中広務は…は10キロ圏に拡大して発表。「事なきを得て
     10キロが無駄だといわれれば私が謝れば済むこと」とした。
     ★不祥事に際し、首相・安倍晋三は「責任は私にある
     と連呼する。だがその責任という言葉の軽さが危険だ。
     …政府の統計不正も役人がのらりくらりで遅々として
     解明できない。机上の数字の操作だからか。公金を動かす
     という公務員の重みがないから責任も軽いものになるのか。
     政治の「責任」を薄っぺらくしたのは誰か。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
        なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

 佐々木凌記者による、アサヒコムの記事【福島第一原発の廃液飛散量を修正 約100ミリ→数リットルでした】(https://www.asahi.com/articles/ASRBZ6DN2RBZULBH00N.html?iref=pc_ss_date_article)。《飛び散った廃液の量は数リットルだったと発表した。発生当初は約100ミリリットルと説明していた》、そして、《廃液をタンクに流すホースが抜け、廃液が飛び散った》、さらに、《また、東電は入院した2人について、1次請け企業の作業員と説明していたが、3次請け企業だったことを明らかにした》、《さらに、この2人らに指示を出す班長は当日病欠しており、代わりに2次請けの監督者が入っていたが、廃液が飛び散った時は別の作業現場にいて立ち会っていなかった》もあきらかになり、《東電は「責任者は作業中に現場にいなければならないという社内ルールが守られていなかった」と説明した》そうだ。
 こういうのを「杜撰」というのでは?

   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》
   『●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理
     水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない
   『●まさに汚染水、海洋投棄してはいけない…トリチウム以外にも
     《炭素14…コバルト60…ヨウ素129…セシウム137》が含まれる汚染水
   『●【こちら特報部/応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に
     違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも】汚染水の海洋投棄

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https://www.asahi.com/articles/ASRBZ6DN2RBZULBH00N.html?iref=pc_ss_date_article

福島第一原発の廃液飛散量を修正 約100ミリ→数リットルでした
佐々木凌 2023年10月30日 20時00分

     (東京電力福島第一原発=2023年7月4日、
      朝日新聞社ヘリから)

 東京電力福島第一原発の多核種除去設備(ALPS=アルプス)で配管を洗浄作業中に汚染廃液を浴び、協力会社の作業員2人が入院した問題で、東電は30日、飛び散った廃液の量は数リットルだったと発表した。発生当初は約100ミリリットルと説明していた。

 東電によると、25日午前10時40分ごろ、多核種除去設備の建屋内で、汚染水が通る配管に硝酸液を流して洗浄していたところ、廃液をタンクに流すホースが抜け、廃液が飛び散った

 20代と40代の男性2人が除染と経過観察のため入院していたが、28日に退院した。ともに汚染した部位の皮膚の外傷は確認されておらず、体調にも特段の変化はないという。

 東電は、入院した2人のほかに現場で作業をしていた3人への聞き取り結果から、飛び散った量を約100ミリリットルと判断。その後、退院した2人に元請け企業を通じて聞き取り調査をした結果、数リットルだったことが明らかになったという。

 東電は30日の記者会見で、具体的な飛び散った量については「計算できず、分からない」と説明した。

 また、東電は入院した2人について、1次請け企業の作業員と説明していたが、3次請け企業だったことを明らかにした

 東電の担当者は「正しい情報が収集できていなかった。おわびして訂正し、原因と対策を確認したい」と話した。

 さらに、この2人らに指示を出す班長は当日病欠しており、代わりに2次請けの監督者が入っていたが、廃液が飛び散った時は別の作業現場にいて立ち会っていなかったことも明かした。東電は「責任者は作業中に現場にいなければならないという社内ルールが守られていなかった」と説明した。(佐々木凌
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●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》

2023年09月25日 00時00分12秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年08月20日[日])
《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分先》…NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。百万歩譲って、せめて核発電所を止めてからにしませんか? 全ての核発電所の廃炉作業に着手してからにしませんか? マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流先どこにするのか、なんて考えるのは変でしょ?

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
     増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流
      先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する
     人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」
     があるという》…意味が分からない? 
     そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

 対馬市の続報…。あぁ~あ、やっちゃったよ…。
 東京新聞の記事【対馬、核ごみ調査促進の請願採択 市議会特別委、業界団体が提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/270606)。《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について、長崎県対馬市議会は16日、特別委員会を開き、地元の建設業団体が提出した調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択した。9月12日の本会議でも採択される見通し。文献調査に慎重な姿勢を示してきた比田勝尚喜市長は採択を受け「さらに熟慮する」とのコメントを発表し、今後の対応に注目が集まる。文献調査を巡っては、市内の建設業団体が人口減少や経済衰退を理由に受け入れを要請していた。請願の議決は賛成9人、反対7人、欠席が1人。一方、漁協の一部や市民団体が出した反対の請願6件は一括して不採択となった》。

   『●SLAPPと祝島
   『●SLAPPと原発、沖縄
   『●祝島の人たちは海を売っていない(1/2)
   『●祝島の人たちは海を売っていない(2/2)
   『●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~
   『●立ち止まるなら今…「原発政策を福島第一原発
        事故以前に先祖返りさせたのが自民党安倍政権」
    《祝島の閧いは終わらない政府、中国電力の非道
    《ところで人口3300人の上関町は原発誘致に熱心なようだが、
     巨大な原発2基から入ってくる莫大(ばくだい)な金(上関町には
     1984年度以降原発関連交付金として約70億円が支払われている)を、
     何に使おうとしているのだろうか。財政需要額の小さな町に多額の金が
     入ってきて町政が、いや町全体が狂うことはないだろうか。
     老婆心ながら心配になる》

   『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
            大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
     といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》
   『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
      町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》

 そして……はぁ? 《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》したというのに、またしても驚愕の大愚。核燃料サイクルは破綻し、サイクルの「環」は閉じないまま。使用済み核燃料中間貯蔵施設は、すなわち、《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分》場ということ。(東京新聞)《◆核燃料サイクルが破綻しているのに活用に前のめり 日本国内で原発で貯蔵している使用済み核燃料は、膨大な量だ。およそ2万トンに上り、多くは貯蔵プールで保管する。政府は「核燃料サイクル」を掲げて再利用をもくろむが、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場は完成が延期され続けている。再利用で減らそうにも、要の施設が機能せず、思うようにいかずにいる》。使用済み核燃料中間貯蔵施設なので、上関町から、「六ケ所村の再処理工場が完成したら、搬出してね」って、そんなことは無理でしょ!? しかも、《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》…。

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】

 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。
 長周新聞の記事【上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390)。《中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた》。

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390

上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!
社会 2023年8月13日

     (原発建設に反対し中電のボーリング調査を阻止する
      漁業者たち(2005年6月、上関町))

 中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた。


心してかかってこいよ!関電

 A 降って湧いたような中間貯蔵施設の誘致話で、「どうして上関なのか」「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好だ。中電の必要性からすると、島根原発の施設内に建設するのが妥当で、わざわざ上関まで使用済み核燃料を運んでくるというのは非効率でしかない。費用からしても非効率なのだ。中間貯蔵施設の必要性に迫られているのは誰がどう見ても関電で、原発銀座でもある福井県内の美浜高浜大飯の7基の原発施設内の核燃料プールにため込んだ使用済み核燃料が容量上限に近づいており、これを福井県外に持って行けということで、福井県ともめていた。

 B 核燃料プールの貯蔵容量の上限に対して関電は8割に上り、島根原発のみの中電は68%(約7割)で比較的余裕があるというが、実際のトン数を見たらわかるように、関電の美浜原発が抱えている使用済み核燃料の貯蔵量が480㌧(容量上限620㌧)、高浜原発が1380㌧(同1730㌧)、大飯原発が1820㌧(同2100㌧)で、あわせて3680㌧にものぼる。島根原発で中電が抱えているのは460㌧(同680㌧)とその差は歴然としている。上関に建設しようとしている中間貯蔵施設がどれだけの規模なのかははっきりしていないが、要するに関電の使用済み核燃料のゴミ捨て場にされるということだ。3000㌧クラスの規模になってもおかしくない。
 美浜原発は1、2号機が廃炉作業中で、3号機は40年以上稼働した老朽原発でありながら、これが再稼働している。高浜原発も1号機、2号機はもうじき50年になろうかという老朽原発で、3号機、4号機とて40年近く稼働している老朽原発だ。大飯原発も1号機、2号機は40年ごえ、3号機、4号機は40年ごえしているような原発だ。そこに溜め込んできた使用済み核燃料を福井県外に持ち出さないといけないため、関電が場所を求めている関係だ。なぜに山口県が関電のゴミ捨て場にされないといけないのかだ

 C 福井県が県外に持ち出せ」といっているものを喜んで受け入れるのが山口県・村岡知事なのだろうか。バカではあるまいか? と思うが、日本中どこを探しても「中間貯蔵施設をうちに建設して下さい」というような自治体は珍しい。地獄の沙汰もカネ次第で長年にわたって原発や米軍基地に郷土を売り飛ばす政治をやってきたとはいえ、山口県政界の態度も問われている。県民としては見過ごせない重大な問題で、「上関町の政策選択なのでコメントする立場にはない」では済まされない。当事者は立地自治体の上関町民のみとはならない。山口県東部の住民のみならず、山口県民全体が当事者として考えなければならない重大な問題なのだ。何か事が起これば無関係では済まないのだから。

 A 中間貯蔵施設などといっているが、核燃料サイクルそのものは破綻しており、実質的には最終処分場にされかねない。原発は建っていないのに、まさに「原発の墓場」にしようというのだ。核燃料サイクルでいうと、青森県六ヶ所村に30年前から建設している再処理工場がトラブル続きでメドがたたず、完成時期をずらしにずらして今日に至っている。総事業費として14兆7000億円を注ぎ込んで行き詰まっている。そのために全国の原発で敷地内なり貯蔵プールに使用済み核燃料を抱え続け、福島原発事故でもまさかあれほど大量の使用済み核燃料を原発内に抱えていたとは誰も思っていなかった。あの事故によって、使用済み核燃料をとり出すだけでも少々でない労力だったことはニュースでも報じられてきた。厳重に冷やし続けないといけないのだ。
 斯くして行き場のない使用済み核燃料が増え続けているのに原発は再稼働してさらに使用済み核燃料を増やし、かといって再処理工場がないために、急場凌ぎで中間貯蔵施設をつくろうといっている。原発を止めてしまえば使用済み核燃料は増えないのだから止めればよいのに、それはやらずに「たいへんだー!」「満杯になったら原発が止まるー!」と騒いでいる本末転倒も甚だしい
 使用済み核燃料は仮に再処理されても高レベルの放射性廃棄物となり、地下深くに埋めて数万年から10万年かけて安全に管理して、ようやく天然ウラン並みの放射能になるという。この建設場所も決まっていないのが現状だ。原発はよく「トイレなきマンション」とも揶揄されるが、そのように後先のことを何も考えていない政策なのだ。
 核燃料サイクルという実現できもしない建前を掲げることで原発政策を正当化し、無責任に使用済み核燃料だけが増え続けている
 これらを推進しているのは経済産業省であり、上関に中間貯蔵施設を作れと背後で糸を引いているのも国にほかならない。福井に断られたからといって山口県をゴミ捨て場にしようとする関電も厚かましいが、国の存在抜きに動くような話ではない


原発推進40年の挙げ句 町民の反発は必至

 B
 上関町内で住民に意見を聞いて回ったが、誰もが一様に驚いている。寝耳に水で、テレビのニュースで初めて聞かされて仰天した人がほとんどだ。事前に何らの話もなく、全国版ニュースでいきなり「上関町に中間貯蔵施設」が報じられた。これには推進派の住民も「えっ?」と戸惑っていたし、「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にするのだから「ふざけるな!」という感情になるのは当然だ。
 候補地として中電が示しているのは、90年代に入ってもともと原発用地として買い占めてきた土地で、より四代地区(予定地に最も近い集落)に近い。この土地を別目的である「中間貯蔵施設としてどうぞ」といって利用しようとしている。地権者からすると「話が違うではないか」という思いもあって、「こんなことが許されるのだろうか」「いまになって詐欺みたいな話だ」と話す住民もいた。いくら中電の所有地になっているからといって、こんな勝手な真似が許されるのか? と――。

 A 上関については長年取材にもあたってきて、推進派住民ともよく話はするのだが、さすがに今回のやり方については憤っている人が少なくない。頭越しですべてが勝手に動いており、住民そっちのけなのだ。一言の説明もなくいきなり報道で知らされ、住民感情としては穏やかでないものがある。中電の驕りというか、上関を好きなようにできるという思い上がりを感じとっている。
 それで町長と議会が飼い慣らされた賛成マシンとして同意したとしても、ちょっと単純にはいかないだろうな…という感触だ。住民同意がまるでない。現状では中電が町の上層部を例の如く丸め込んで、好き勝手に計画を持ち込んでいるだけなのだ。40年かかって原発1基建てられずにきた中電が、何をいい出すのかと思ったら「中間貯蔵施設をつくります」などといい始め、しかも上関に持ち込まれるのはその原発でできた行き場のない核のゴミ。傍から見ると、上関を公衆便所か何かのように扱っているし、「中電いい加減にしろよ!」という感情になるのも当たり前だ。
 ただこれは、中電の都合で動いているというよりも、関電と国の意向で動いている要素の方が強い。中電としてはカルテル問題でやり玉に挙がって社長の首が吹っ飛んでおり、監督官庁の経産省や電力業界のなかで首根っこを抑えられている。上関については原発計画もお手上げ状態なのは一番わかっているはずだ。近年は上関へのかかわりもどこか引き気味できていたが、そんな矢先に「中間貯蔵施設をつくります」などといい出しており、推進派住民からしても「なにをいまさら」という思いを口にする人は少なくない。長年にわたって踊らされてきたが、興ざめしている人々が大半だ。もう40年かけて今度は中間貯蔵施設を巡って大騒ぎが続くのかと思うとうんざりするのも当然で、「あいだ(飽きた)」という。


次期衆院選の重要争点 計画背後に自民岸派

     (漁業権を守るため中国電力の上陸を阻止する
      上関町祝島の島民や漁民たち(2010年))

 A 2011年以後は工事もストップして、上関原発建設計画については建設のメドがまるでない。これは福島事故を受けて国の原子力政策が揺らいだことも関係しているが、上関については福島事故以前からメドなどない。原発用地も虫食いで売却に応じていない地権者も複数いるし、極めつけは祝島が受けとりを拒否しているために漁業補償が成立していない。だから「着工」パフォーマンスはできても、実際に埋め立て工事などやれば漁業権侵害で訴えられるのは中電であり、手を付けられない関係だ。漁業補償が成立していない海域の公有水面埋立免許を出したのが村岡知事であり、これまた全国でも例がないことをやっている。
 漁業補償については2000年代に126億円が関係8漁協にばらまかれたが、すでに20年以上が経過しており、その間に漁業者もずいぶんと入れ替わった。民法上も債権は10年といわれるが、20年も前の契約と補償金をもって「漁業補償は成立している」といって現在の海に手を付けるというのも無理がある。漁業補償交渉は一からやり直さなければ、現在の漁業者の権利を侵害することになる。一銭も補償金をもらっていない現在の若手漁師にとっては容認し難いものだ。つまり、振り出しに戻っているということだ。ただ、振り出しに戻っているとはいえ、買い占めた広大な土地だけは擁している。そこに、ならば「中間貯蔵施設を作ります」というのだ。

 C 山口県では、1979年の豊北原発建設計画の断念から上関町に舞台を移して原発計画とのたたかいがくり広げられてきた。この間、山口県では1基も原発を建てさせていない。この最大の原動力は県民の反対世論の強さにある。自民党が牛耳る県政は中国電力の最大株主でもあり、中電とタッグを組んで推進してきたが、町内外の反対世論が圧倒している状況は変わらない。
 JCO東海村臨界事故が起きた後、佐藤栄作の息子である信二が「わたししか上関原発を建設できない」と原発建設の巻き返しを叫んで衆院山口2区で落選したこともあった。佐藤信二としては新規立地の突破口である上関を前に動かすことで中央政界において得点稼ぎをしようとしたのだろうが、逆に2区の有権者から総スカンを食らって、以後は国政に返り咲くことなどできなかったそれほど反対世論は根強いものがあるし、2区は米軍岩国基地と上関は重要な争点になる。

 A この時期に中間貯蔵施設が降って湧いて思うのは、次の衆院山口2区が大注目されるということだ。補欠選では岸信千世がかつがつ当選したものの、無所属で挑んだ平岡との差は僅かだった。中間貯蔵施設への態度如何によっては「岸家の命脈」は絶たれることになるに違いない。西村経産大臣は岸信介の後継者として地元岸派を引き継いだ吹田の娘婿で、これが上関をゴミ捨て場にしようと画策しているというのなら信千世も無関係では済まない。平岡が再度2区で挑もうとしているが、「上関への中間貯蔵施設建設は認めないとはっきり態度を打ち出せば、残り数千票の差など恐らくひっくり返る。保守層も含めてこの地域では国策に対してギリギリとした思いが鬱積しているのだから。逆に立憲民主党が日和った場合は自爆だろう

 C 上関への原発建設なり中間貯蔵施設の建設というのは、前段でも論議になったように上関町内、2300人の町民だけの問題ではない。仮に上関町長と議会が「作っていいですよ」といったからといって、「はい、そうですか。仕方ないですね」では済まない。広く山口県民全体の問題として考えなければならない性質のものだ。住民同意は上関だけで良いとはならない。周辺自治体の首長たちも態度が迫られることになる
 中央構造線断層帯が走っている目と鼻の先に中間貯蔵施設を建設して、仮に巨大地震に見舞われたらどうなるのか、あるいは台湾有事などを叫んでいる折に、ミサイル攻撃の格好の標的になることも歴然としている。何千㌧という使用済み核燃料を抱えた施設にもしかの事態が起こった時にどうなってしまうのか、何が起こりうるのか現実的に想定しなければ話にならない。上関以外の人には無関係という性質の話ではないのだ。いずれは県知事の同意も必要になるだろうし、そのときは村岡も態度が迫られることになる。山口県民としては選挙において厳正に審判を下さなければならない時がくる。


地域振興どころか衰退 中電による飼い殺し

 A 中電としては40年かけて狭い上関町は買収し尽くした。町長や町議は頭が上がるヤツなど一人もいないし、おかげで好き放題ができる関係だ。町は計画が浮上した頃には7000人以上いた人口が、いまや2300人と激減している。高齢者が多く、現役世代は都会に出て帰ってこない。それもこれも、40年間も原発騒動に時間を費やし、「原発ができれば町が発展する」とバカの一つ覚えの如く旗を振ってきたことと無関係ではない。
 「原発ができれば町財政が豊かになる」「原発ができればそこで働けて人口が増える」「原発ができれば…原発ができれば…」の夢追いをしてきて、産業振興に無関心なものだからますます人口が減少して人が住めない町になってきた
 この間、町内に取材に行ってみても、ずいぶんとこれまでに知り合ってきた町民の皆さんが亡くなられていて、空き屋の多さも尋常ではなかった。40年も経てば無理もない話ではあるが、「原発ができれば…」の罪深さを感じさせる。
 産業としては漁業が主力なのだが、その振興には不真面目で投機的に電源交付金に飛びついて箱物をこしらえたりするのだけは大好きなのが特徴だ。2000年代にかけて巨額の原発関連の交付金も下りたが、温泉を掘ったり、学校を新しくしたり、道の駅を作っても、身にならないから人口はますます減少する。町財政が厳しいというが、カネがいくらあってもこれではどうにもならない。
 北海道の小さな町がふるさと納税で年間100億円をこえる金額を集めたとかが話題になっているが、地方の魅力を発信して農産物を返礼品として掲げるだけでも、ずいぶんなことができるものだと感心する一方で、そんな努力もせずに口を開けて餌を与えられるまで待っているようなのが上関町政だ。「原発ができれば…」の投機的な姿勢が転換されないまま、ずるずると40年も経過してしまった。

 C もっとも罪作りなのは中電で、買収し尽くして町全体をコントロール下に置いてしまった。7000人を買収するより2300人を買収するほうが楽で済むし、人口など減れば減るほど楽に町全体をコントロールできる関係にほかならない。選挙をコントロールするのも、少なければ少ないほど対象が小さくて済む。買収選挙など当たり前で、町民の就職先や縁故関係から切り込んだり、住民間の矛盾であったりを調べ尽くして、それらすべてを原発推進に利用してきた。弱みを突いて反対派だった住民を転向させたり、反対派に手先を潜り込ませたり、実は裏でつながって飼い慣らしていたり何でもありだ
 上関の反対派といったとき、一般の住民たちは一生懸命に反対を貫いてきた一方で、インチキな輩、実は中電とつながっている(ぬえ)みたいな輩とかさまざまいるわけで、決して単純ではない。長周新聞としてはインチキな反対派幹部が運動を敗北に誘っていくことについては公然と批判を加えてきたし、裏切りについては記事にもしてきた。そういった連中は結局のところ住民のなかで正体が暴露されて力を失ってきた。そのことも上関原発が建設できなかった大きな要素になっている。
 今回の中間貯蔵施設についても柏原前町政の時期から町議会の全員協議会には話が振られていたというのに、いわゆる反対派といわれる町議たちはなぜダンマリをしていたのか? という疑問がある。盆明けには町議会で判断するといっており、8月中に全議員の態度が迫られる。郷土上関を核のゴミ捨て場にするのかどうかが問われている。
 関電から核のゴミ捨て場扱いをされているのに、「やったー! カネが入ってくる」「これで人口が増えます」みたいなことをいっているならどうかしている。福井県すら「県外に持ち出せ!」と激怒している代物大喜びで「上関に持ってきて!」といっているに等しいからだ。

 A いずれにしても上関だけの問題ではないし、広く山口県民の世論を結集して対峙しないことにはどうにもならない。原発にせよ、米軍基地にせよ、郷土を売り飛ばして中央政界で大きい顔をしているのが山口県の政治家たちで、これらも一緒になって中間貯蔵施設を山口県に持ち込むというのなら、上関原発闘争40年ではないが、本腰入れてやり合わないといけないということだ。最も手っ取り早い初めの一手としては、岸信千世を大差で落選させることになる。2区の有権者が激怒した選挙がどうなるのか、計画を持ち込んだ自民党岸派は補欠選挙以上に痺れたら良い。

 B 佐藤信二が落選した選挙では長周新聞も選挙区に乗り込んで号外を何万枚と戸別配布したが、大いにやりあったら良いのではないか。県民世論に火を付けていくほかない。現状では「中間貯蔵施設を作ります」と勝手にいっているだけで、作らせるも作らせないもすべて世論との力関係で決まる。原発を一基も建てさせていない山口県民相手に関電が豪腕を振るうというなら、なおさら県民感情としては燃えるものがある。
 普通に考えて、関西の電力供給のために溜め込んだ核のゴミを持ってこられて喜ぶ県民などいないし、「どうして山口県が受け入れないといけないのか?」と思うのが一般的だ。山口県は核の肥だめではないし、ふざけるな! と思っている人が大半だ。それらの世論をつなげて全県と現地がつながっていくことが大切だ。上関現地の問題に切り縮めたがっているのに対して、上関だけの問題では済まないことをはっきりさせて、運動を作っていくことが重要だ。この40年もそうやって対抗してきたのだ。
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●ドイツは《脱原発を完了》: 彼我の差を感じて情けなくなる…何処まで愚かな国なのだろうか。そして、いま、原子炉圧力容器が崩落の危機…

2023年05月25日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年05月11日[木])
ドイツは脱原発を完了》。彼我の差を感じて情けなくなる…何処まで愚かな国なのだろうか。そして、いま、土台が崩壊して原子炉圧力容器が崩落の危機。<ぎろんの森>《読者が…「…取り返しのつかない原発事故を起こした国が、その教訓に学ばず『原発に回帰する』片や他国の『原発事故』に学び、『脱原発』を決断し、実行する。…」》。
 坂本龍一さん「人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」…それにしても東京電力の無責任ぶりが酷過ぎる。 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周にわたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》? 《巨大な地震はいつ起きてもおかしくない》というのに。東電の主張する《根拠》から、大地震が起こっても、次も幸運に恵まれると思っているのか…。《「支持機能は維持されている」…東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者はそう強調した。…圧力容器を支えるのに問題はないという意味だ。昨年3月の震度6強の地震でも容器が落下しなかったことなどが根拠という》…あぁぁ、絶望的な気分になる。

   『●東京電力核発電人災から何年経とうとも、坂本龍一さん《「人々の記憶
     は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」》
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?

 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>原発存廃巡る 日独の対比】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/247027?rct=discussion)によると、《二十四日付でいただいたのは二十一日付に掲載した二本の社説「脱炭素電源法案 フクシマ忘却宣言だ」「独の脱原発完了 危険性を踏まえた賢慮」についてです。毎日二本ある社説では通常異なるテーマを取り上げますが、この日はともに原発に関するものでした。原発回帰という岸田文雄首相の方針転換を具体化するため、東京電力福島第一原発事故を忘却するかのような強引な手法で法改正を進める日本の政権と、事故を受けて原発停止を決断し、実現したドイツの賢明な判断とを対比したかったのです》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●東京電力核発電人災から何年経とうとも、坂本龍一さん《「人々の記憶
      は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」》
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン
   『●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な
     判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/247027?rct=discussion

<ぎろんの森>原発存廃巡る 日独の対比
2023年4月29日 07時48分

 東京新聞の社説などを読んで、ほぼ毎週「ぎろんの森」宛てにお手紙をくださる読者がいらっしゃいます。川崎市の笹岡敏紀さん。出版の仕事をされていたそうです。

 ご本人は備忘録のようなもので、送り先がないと励みにならないから、と謙遜されますが、社説を深く読み込んだ感想や鋭い意見がいつも記され、文面からは洞察の深さが伝わってきます。日々社説を書く論説委員にとっては励みと同時に刺激になります。

 笹岡さんのお許しを得て、お手紙の一部を紹介します。二十四日付でいただいたのは二十一日付に掲載した二本の社説「脱炭素電源法案 フクシマ忘却宣言だ」「独の脱原発完了 危険性を踏まえた賢慮」についてです。

 毎日二本ある社説では通常異なるテーマを取り上げますが、この日はともに原発に関するものでした。

 原発回帰という岸田文雄首相の方針転換を具体化するため、東京電力福島第一原発事故を忘却するかのような強引な手法で法改正を進める日本の政権と、事故を受けて原発停止を決断し、実現したドイツの賢明な判断とを対比したかったのです。

 笹岡さんの手紙にはこうありました。「この社説を読みながら、私は思いました。取り返しのつかない原発事故を起こした国が、その教訓に学ばず『原発に回帰する』片や他国の『原発事故』に学び、『脱原発』を決断し、実行する。なぜなのか。何が違うのか、と」

 私たち論説室の編集意図を読み取っていただいた笹岡さんをはじめ読者の皆さんに感謝しつつ、あらためて新聞の使命に気付かされました。

 笹岡さんには「この二つの社説は、読者に『その理由を追究しろ』と呼びかけているように思えます」と受け止めていただきましたが、暮らしへの影響が大きい原発のような課題は本来、私たち新聞が率先して追究すべきですし、これまでも、そしてこれからも、その報道姿勢を変えてはならないと思うからです。

 日々の社説は論説室での議論を経て書きますが、読者とともに議論を深めることも大切だと考えます。「ぎろんの森」を読者の皆さんとの意見交換の場にしたい…。笹岡さんのお手紙は、その願いが少しかなえられたように感じさせてくれます。 (と)
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