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●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?

2022年06月19日 00時00分00秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


(20220618[])
小沢慧一記者による、東京新聞の記事【原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断「津波対策命じても防げなかった可能性高い」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/184060)。

 《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》

 苦しむ市民を救わない司法、最「低」である
 「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一氏、岡野和美氏も同意見なの? 正気なのかな? 《「大量の海水が敷地に浸入することを防ぐことはできなかった可能性が高い」と指摘。国が東電に対策を義務付けなかったことと、原発事故の発生に因果関係はないと結論づけた》?
 「安全な原発」という形容矛盾を表していて、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」のならば、国は核発電所を稼働させてはいけなかったのだ。国に明確な責任がある。
 《「地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい》。






[※ ↑ 朝日新聞 (2022年06月18日[土])]

 「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とってやめたか申し訳ないと謝罪したか」!
 誰も責任をとらない…。《誰も事故の責任を取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》。いまの政治状況と全く同じ。アベ様らの《無責任体質》、腐敗が連鎖。最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。《火事場ドロボー》として戦争を煽っている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?
 核発電「麻薬」中毒患者の皆さんのやることはデタラメばかり。最「低」裁を頂点とした裁判所も「司法判断」を放棄し、アベ様らに忖度した「政治判断」を繰り返してきた。
 「原発さえなければと思います」―――《原状回復》なき《原発回帰》は許されない。

 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし…もう11年半が経とうとしている。
 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ…安倍晋三》様だ。リテラ《3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった》。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


 最「低」裁による究極の《国の責任隠し》、なんのため? 何食わぬ顔で《最大の戦犯》なアベ様を守るため。これも、数多のアベ様案件の一つだ。最高裁の裁判官を、ひたすらアベ様派で固めていたとの噂だが、それが大きく実を結んだ。
 しかも、菅直人氏についてのデマメルマガ事件」の犯人もアベ様だ。今も何食わぬ顔で、原子力「寄生」委員会のデタラメな「お墨付き」の下、核発電所再稼働を強行し、司法も役立たず、核発電所まで輸出しようと暴走していた…大迷惑な核発電「麻薬」中毒者のトップがアベ様。《最大の戦犯》が犯罪を犯し続けており、それさへも《継承》する自公政権。いまだに《ベースロード電源》などと嘯く始末だ。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
    《実は、東電の福島第一は津波に弱く、炉心溶融の危険性があることは、
     5年前から指摘されていた想定外などではない。福島第一で
     想定されている津波、チリ地震津波クラスに遭遇すると、大きな引き波に
     よって冷却用の海水を取水できなくなるといわれる。この引き波による
     取水停止が、炉心溶融に発展する可能性を、2006年に国会で共産党の
     吉井英勝議員が質問している。
       二階俊博経産相(当時)は善処を約したが、東電は具体的な改善を
     行なわなかった。東電には地元から改善の要望書も出されているので、
     津波による炉心溶融の「危険性の指摘」を知らなかったはずはない
     百も承知だったのに、素知らぬ顔ですべての原因が想定外の巨大地震に
     あるかのように振舞っているとしたら、なかなかの役者である》

   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
    《この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員
     (共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、
     電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」
     と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは
     深く反省をしている」と述べた。 
       これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹
     ・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが
     起こらないようにしたい」と答えた。 
       また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長
     (現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に
     大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えて
     こなかったことは「正しくなかった」とした》

   『●SLAPPと原発、沖縄
    《[CML 019566] 甘利明の名誉棄損訴訟にSLAPP批判
       甘利明・自民党衆議院議員がテレビ東京を提訴した名誉棄損訴訟が
     恫喝訴訟SLAPPであると批判されている。甘利氏は安倍政権の
     経済産業大臣であった。テレビ東京『週刊ニュース新書』は2011年
     6月18日に甘利氏へのインタビューを放送した。
       インタビューで取材陣は福島原発事故を自公政権の安全対策の
     不備に起因するのではないかと追及した。甘利氏は「津波は想定外」と
     責任回避するが、取材陣は日本共産党の吉井英勝・衆議院議員の
     「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の
     安全を守ることに関する質問主意書」を提示した。そこでは津波被害など
     による電源喪失に起因する原発事故の危険が指摘されている。
       福島原発事故が想定外でないことを示す事実
であるが、この趣意書を
     突き付けた直後にインタビューは中断された。インタビュー中断の事実は
     番組で報道された。この番組放送に対して甘利氏は名誉毀損として
     1000万円もの損害賠償を求めてテレビ東京を提訴した》

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/184060

原発事故、国の責任認めず 避難者訴訟、最高裁が統一判断「津波対策命じても防げなかった可能性高い」
2022年6月18日 06時00分

 東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一

 裁判官4人中3人の多数意見で、三浦守裁判官(検察官出身)は「原子力安全・保安院(当時)と東電が法令に従って真摯(しんし)な検討を行っていれば事故を回避できた可能性が高い」として国の責任を認める反対意見を出した。

 主な争点は①原発事故の原因となった津波を予想できたかどうか②防潮堤の設置や原子炉建屋の浸水対策などの対策を講じていれば事故が防げたか—の2点。

 判決は、国の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、津波が最大15メートルを超えると予測した08年の東電の試算には合理性があると判断。国が東電に対策を義務付けていれば、防潮堤が設置された可能性は高かったとした。

 しかし、実際に発生した地震はマグニチュード(M)9.1で、想定された8.2前後よりも規模が大きく、津波の到来方向も異なっていたことから、試算を基に防潮堤を設計していたとしても「大量の海水が敷地に浸入することを防ぐことはできなかった可能性が高い」と指摘。国が東電に対策を義務付けなかったことと、原発事故の発生に因果関係はないと結論づけた。

 原告側が主張した原子炉建屋の浸水対策については「事故以前は防潮堤設置が津波対策の基本だった」とし、浸水対策は当時は知見がなく一般的な対策ではなかったとして必要性を認めなかった津波が予測できたかどうかや長期評価の信頼性については、明確な判断を示さなかった

 4訴訟は福島、群馬、千葉、愛媛の各県で起こされ、原告総数は約3700人。2審では群馬以外の3件で国の責任が認められた。東電の賠償責任については今年3月に最高裁で確定し、賠償総額は4件で計約14億円となっている。国の責任はないとの判断が確定したため、東電が全額を支払う。

 原発事故による避難などを巡り、国と東電に賠償を求める同種訴訟は全国で約30件ある。


最高裁第2小法廷の裁判官4人は「国の責任」をどう判断したのか?
  名 前              前 職       判断
――――――――――――――――――――――
 菅野博之              大阪高裁長官            
 草野耕一              弁護士                       認めず
 岡野和美              消費者庁長官
――――――――――――――――――――――
 三浦守                  大阪高検検事長         
                                                                 認める
――――――――――――――――――――――


【関連記事】「被災者の苦しみ無視」 原発避難者訴訟で国の責任認めず 原告ら落胆「国に原発動かす資格ない」

     (東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に
      損害賠償を求めた集団訴訟で、最高裁前で判決文を手に
      結果を報告する原告団の馬奈木厳太郎弁護士=17日、
      東京都千代田で)


◆「加害者」あいまいなまま

 原発避難を巡る17日の最高裁判決は、国が東電に津波対策を指示していても事故は防げなかったとして、国の責任を認めなかった。地震、津波は想定外だから仕方なかったと言っているに等しい

 高裁段階で国の責任を認めた愛媛、千葉訴訟では、国は原発建屋などの浸水対策も取っていたら津波の影響が相当程度軽減され、事故は起きなかったと推認した。これに対して最高裁判決は、想定津波で設計した防潮堤では実際の津波は防げず、浸水対策は事故前には一般的な対策ではなかったため、事故は防げなかったとした。

 だが、防潮堤だけで津波を防げるという国側の発想にこそ問題があったのではないか。国の長期評価を基にした2008年の東電の試算でも、原発建設当初の想定の5倍超の津波が算出されている。それまでの安全性が根底から覆される事態であり、浸水を前提とした設計にかじを切るべきだった。

 実際には、国も東電も具体的な対策を「全く」しなかった。高度な専門性を有する原発で、事故から住民の命を守るには国の規制しかないが、国はその役割を放棄したといえる。事故の影響で現在も3万人以上が避難生活を送っている

 再発防止には、責任の所在の明確化が欠かせない。未曽有の被害を出した原発事故で「加害者」が曖昧なままでは、将来の世代に対し「2度と事故は起きない」とは到底言えない。(小沢慧一)


◆唯一反対意見の三浦裁判官、確実に防ぐ対策必要

 原発事故について国に責任があるとした三浦守裁判官の反対意見は、原発事故被害の深刻さを重く捉えた上で、想定を超える事態に備えて、確実に事故を防ぐための対策が必要だったと判示した。

 反対意見は、2002年公表の国の地震予測「長期評価」の信頼性を認めた上で、公表から1年たった03年ごろには、国は津波による被害を予見できた、とした。

 津波や地震は正確な予測が困難で、浸水すれば深刻な事態が生じることを踏まえ、長期評価に基づく試算では浸水が想定されなかった方向からの津波についても「想定することはむしろ当然」と指摘。多数意見が認めなかった浸水対策についても「想定を超える事態への多重的な防護の必要性を、東電も国も認識することが十分可能だった」とした。

 浸水対策が講じられ防潮堤が完成していれば、実際の事故より浸水は相当減り、事故を回避できる可能性は高かったと言及。長期評価は、実際に起きたような巨大地震は想定していなかったものの「『想定外』という言葉によって、すべての想定がなかったことになるものではない」と述べ、「地震や津波の規模などにとらわれて、問題を見失ってはならない」と厳しく断じた。(小嶋麻友美


【関連記事】原発事故の賠償責任「なし」でも…国には賠償基準を見直す責務ある 原発避難者訴訟
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●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり…政策に大きな影響》(1/2)

2022年06月17日 00時00分50秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年06月16日[木])
[その2へ]

原発さえなければと思います」―――《原状回復》なき《原発回帰》は許されない。
 長周新聞の記事【なぜ電力不足が起きているのか? 「儲からぬ」と火力を休廃止 再エネに必須なバックアップ電源なし】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/23747)によると、《政府は7日、電力不足に備えた対策を協議するための関係閣僚会議を開いた。電力需給のひっ迫は東日本大震災直後に深刻さが指摘され「計画停電」などがおこなわれたが、その後全国の原発がすべて停止するなかでも電力不足や停電は起こらなかった。それが今ここにきて政府が「深刻な電力不足」を騒ぎ、家庭や企業での節電を呼びかける方針を出すなど慌てている。本当に電力は不足しているのか、それはどこからきているのかについて見てみた》《電力の安定供給はどこへ?》《電力自由化後の変化》《「脱炭素」がもたらす弊害》《原発の再稼働促す狙いも》。

 そして、最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
      国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が起こした
        訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●東電核発電人災、仙台高裁上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京
      高裁白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決―――この判決の意義とは?
   『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
      到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》


 東電や自公政府、《火事場ドロボー》の皆さんは、さっさと「原状回復」して見せてくれよ。


[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


 さて、生業訴訟…「生業を返せ、地域を返せ!」がようやく最「低」裁に。
 東京新聞【福島第一原発事故、国の責任は 17日に最高裁が初判断 原発避難4訴訟の争点とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183386)によると、《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決が17日、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)で言い渡される。原発事故の国の責任について最高裁が判断を示すのは初めてとなる。判決次第で国と東電を相手取った同種訴訟をはじめ、避難者への賠償の見直し議論や今後の原発政策など広範に影響が及ぶ可能性がある。(小沢慧一)…福島訴訟弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は「現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり、除染や汚染水の海洋放出問題など、原発事故に関わる多くの政策に大きな影響を与える」と意義を強調する》。



[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]

 そして、東京新聞のシリーズ記事【「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747)。《原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった》。
 【「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959)。《◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」 10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治杉江さん(65)はマイクを握っていた。「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない」 2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される》。
 【「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201)。《「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった。「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」》。
 【「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388)。《15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だと、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか」》。

   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる
     疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、
     とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を
     改めようと思う》

   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ご
     せる未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●子ども甲状腺がん裁判《東電側…弁護団…「原告らは…甲状腺の健康
     リスクの上昇には関わりがない」などと因果関係を否定》…血も涙も無し

 一方、米山隆一さんのツイート(https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1535472059093876736)で知りました…《福島甲状腺検査の立役者星北斗氏を擁立した自民党》。こんなデタラメが許されるのですか? 「ふくしまの”命”を守る。」(https://hoshi-hokuto.jp/)って、何かの冗談か?

   『●3.11から11年で、この有様…《配管は…事故直後…炉内の汚染蒸気を
     放出する排気(ベント)で使われた。11年が過ぎても、人が近づけない》

 さらに、この有様でも《原発回帰》したい? まず、《原発回帰》してから言いなさい。
 【器具がまた食い込み動かず 汚染配管2本目の切断を中断 東電福島第一原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182880)によると、《東京電力は10日、福島第一原発(福島県大熊町双葉町)の1、2号機間にある高濃度の放射性物質で汚染された配管の撤去作業を18日ぶりに再開し、2本目の配管の切断を始めたが、トラブルで中断した。チェーン状の切断器具が配管に食い込み、動かなくなった。3月にも同じトラブルがあり、食い込み防止策を準備していたが、うまくいかなかった。工法の見直しを迫られる》《3月末にあった同様のトラブルも、配管の片側9割を切った際に起きた。食い込み防止策を検討して2カ月後に作業を再開した際、配管が自然に切れてしまっていたため、用意した対策を現場で試せなかった。配管は計135メートル。2011年3月の事故当初、原子炉格納容器の破裂を防ぐため、炉内にたまった高濃度の放射性物質を含む蒸気を外部に放出するベント(排気)に使われた。今後の工事の支障になるため、26分割して取り除く。2月末に始まった作業はトラブルが続き、1本目(長さ約12メートル)の切断は5月23日に成功。この配管の切断面では、毎時3シーベルトと人が数時間浴びれば死亡する高線量が検出され、作業手順を見直していた。(小野沢健太)》。

[その2へ]

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●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり…政策に大きな影響》(2/2)

2022年06月17日 00時00分01秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年06月16日[木])
[その1へ]

…さて、生業訴訟…「生業を返せ、地域を返せ!」がようやく最「低」裁に。
 東京新聞【福島第一原発事故、国の責任は 17日に最高裁が初判断 原発避難4訴訟の争点とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183386)によると、《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決が17日、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)で言い渡される。原発事故の国の責任について最高裁が判断を示すのは初めてとなる。判決次第で国と東電を相手取った同種訴訟をはじめ、避難者への賠償の見直し議論や今後の原発政策など広範に影響が及ぶ可能性がある。(小沢慧一)…福島訴訟弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は「現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり、除染や汚染水の海洋放出問題など、原発事故に関わる多くの政策に大きな影響を与える」と意義を強調する》。



[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]

 そして、東京新聞のシリーズ記事【「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747)。《原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった》。
 【「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959)。《◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」 10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治杉江さん(65)はマイクを握っていた。「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない」 2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される》。
 【「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201)。《「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった。「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」》。
 【「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388)。《15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だと、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか」》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747

「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
2022年6月11日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島

     (中島孝さんは市場で自ら選んだ地元産を中心とした
      鮮魚をさばいて刺し身にし、息子が継いでくれた
      店に並べる=福島県相馬市で)

◆店、つぶしちゃうかもしれないな

 「原告団長になってもらえませんか」。2012年12月、東京から訪れた馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士(46)からそう頼まれた時、福島県相馬市で地元鮮魚を扱うスーパーを営む中島孝さん(66)は即答できなかった。「店、つぶしちゃうかもしれないな」。

 東日本大震災直後、スーパーには水や食べ物を求めて毎日、たくさんの人が詰め掛けた。買い置きの店の米を炊き、交渉して市場の冷凍倉庫から魚を買い、漂白したいけすで水を運んだ。ガソリンがなく自転車や歩きで遠方から来る人も。1日1500人が長蛇の列を作った。周辺の店が閉まる中、地域の人を餓死させてはならないと、死に物狂いで食材を確保した。

 東京電力福島第一原発事故の後、福島の漁業は操業停止に。仲買業者も中島さんが組合長を務める小売業者組合も、地元の魚が手に入らず困窮した。「首つるしかねぇ」。そんな声が日々、入ってきた。弁護士の力も借りて東京電力に損害賠償を直接請求したが、遅々として進まなかった


◆売り上げ3割減、妻と無給で年金暮らし

 東電と国に損害賠償を求める訴訟の原告団長に請われたのはそんな時だった。妻和美さん(66)からは「みんな首つりそうなんだべ。息子に魚の切り方教えっから。店は何とかすっから」と背中を押された。弁護団に「私財をなげうっても勝つ覚悟です」と言われたことも脳裏をよぎった。

 「逃げるわけにはいかない」

 原告団の会合、訴訟、国や東電との交渉…。店を頻繁に空けるようになった。原発事故の影響もあり、売り上げは多い時で3割減り、現在、妻と自分は無給にして年金で暮らす

 原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった


◆再稼働進めようとする国 判決で終わりではない

 事故から11年超が過ぎ、100人以上の原告が亡くなった。中島さんは15年に自殺した福島県南相馬市のラーメン屋だった高木光雄さん=当時(71)=が忘れられない。法廷で「子どもたちが家族で店に来てくれるのが喜びだった。避難指示区域となり、その店さえできない。悔しさが分かるか」と意見陳述した姿が心に残る。遺書はなかった。

 中島さんは言う。「最高裁判決で国の責任が認められると信じている。亡くなった仲間にも聞かせたかった。国は今、再稼働を進めようとしている。判決で終わりではない。原告団は解散せず、二度と原発事故が起きない社会を次世代に引き継げるまで闘い続ける」(片山夏子、写真も)


福島訴訟 「生業を返せ、地域を返せ!」をスローガンに2013年3月11日に提訴した。原告は福島県や茨城県などの住民ら約5000人で、原発事故の被災者訴訟として最多。一審福島地裁(金沢秀樹裁判長)は国の責任を東電の2分の1としたが、二審仙台高裁(上田哲裁判長)は東電と同等と判断し、賠償金も一審の倍となる総額10億1000万円にした。高裁判決は、国の賠償基準「中間指針」で帰還困難区域だけに認められた「ふるさと喪失」の慰謝料の対象地域を拡大。避難指示区域の外にある福島・会津地方などや栃木、宮城両県の一部の被災者への賠償も認めた。

   ◇

 最高裁第2小法廷は17日、福島、群馬、千葉、愛媛の各県の原発事故被災者たちが東電と国に損害賠償を求めた4つの訴訟について、国に賠償責任があるかどうかの統一判断を示す。全国約30ある集団訴訟に絶大な影響を与える可能性がある判決を前に、4訴訟の原告にこれまでの11年と、これからを聞いた。


【関連記事】原発避難4訴訟が結審 最高裁、夏前にも統一判断へ 避難者「痛み、放置せず判断を」
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【関連記事】「忖度せず、国の責任を認めて」原発事故避難者の集団訴訟で初の最高裁弁論
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959

「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
2022年6月12日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬

     (「原発事故の原因をはっきりさせたい」と訴える
      丹治杉江さん(左)=10日、前橋市のJR前橋駅北口で)


◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」

 10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治(たんじ)杉江さん(65)はマイクを握っていた。

 「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない

 2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される。

 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県内に避難した一人として、13年9月に裁判を起こした。世界最悪レベルの事故の責任は東電だけではなく、国にもあると認めさせるためだった。

 「過酷な事故を防げる機会は何度も何度もあったのに、国は対策をしたとしても事故は防げなかったと主張した。やりもしないでやっても無駄だったなんて、一番腹が立つ

 法廷に毎回通い、他の避難者の訴訟を応援するため、各地に足を運んだ。交通費や休業手当が出るわけでもない。自宅には、読みあさった原発関連の本や資料が山のように積んである。

 「勉強し、人の話を聞き、発信して。こんな濃密な日々はなかった。後悔はない。でも、これが自分の望んだ人生だったのかな


◆罵声のような言葉 一人で泣き、叫んだ

 あの日事故が起きなければ、今ごろ沖縄で夫の幹夫さん(68)と暮らしていた。新婚旅行の地で、夫は家電修理の仕事を続けながら、自分は観光ガイド-。かつて将来を語り合った2人は今、「あのころは…」と昔のことばかり思い出す。

 幹夫さんが全国の愛用者から届くワープロの修理を手掛けて経営が順調だったころ、原発事故が起きた。福島第一原発から35キロのいわき市北部にあった自宅から、前橋市に移ったのは11年7月。政府の避難指示区域の外からの「自主避難」だった。原告団の約半数は同じ自主避難者だ。

 放射能への不安、子どもを安心して育てられないなど、それぞれの事情で避難を余儀なくされた。にもかかわらず、自主避難には「勝手に逃げた」とレッテルを貼られた

 裁判が福島の復興を邪魔していると、罵声のような言葉を浴びた時もあった。「何度も車の中で一人、泣いたり、大声で叫んだりした」。それでも、原告団の先頭に立ち続けた。原告は4人が亡くなり、末期がんで苦しんでいる人もいる。「くじけなかったのは、悔しいからですよ


◆裁判が終わってもするべきことがある

 国の責任を巡る最高裁の統一判断は、約30ある他の訴訟に絶大な影響を与える。「怖い。これで終わりだから。考えると、眠れない」。勝っても劇的に生活が変わるわけではないでも、責任を認めさせたい

 「原発事故の被害者が安心して暮らせるよう、たくさん施策を作っていかないと。原発事故後を生きる大人の責任として」。裁判が終わっても、するべきことがある。幹夫さんと将来を語り合うのは、まだもう少し先だ。(小川慎一


群馬訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県内に避難した住民と家族ら137人が国と東電に慰謝料を求め、2013年9月11日に提訴。17年3月17日の一審前橋地裁判決原道子裁判長)は集団訴訟では最初の判決で、国について「規制権限に基づき対策を取らせるべきなのに怠った」と責任を認め、東電と国に計3855万円の支払いを命じた。だが21年1月21日、二審の東京高裁判決(足立哲裁判長)は一転、国の責任を否定。東電のみに計1億1972万円の支払いを命じた。東電の賠償責任は最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)が22年3月2日付で東電の上告を退け、確定した。


【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
【関連記事】原発避難者側、国の責任あらためて主張 群馬訴訟、最高裁で弁論 夏にも統一判断
【関連記事】「忖度せず、国の責任を認めて」原発事故避難者の集団訴訟で初の最高裁弁論
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201

「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん
2022年6月14日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉

     (最高裁の統一判断を前に「9年間は長すぎる」
      と語る南原聖寿さん)

◆福島ナンバーだけで嫌な視線

 「すっかり体力が落ちちゃったね。5月に出場した障害者スポーツ大会の100メートル走は21秒。精神的なものもあるけど、白髪が増えるわけだ」

 足に障害がある南原聖寿(せいじゅ)さん(62)はスマートフォンに保存された過去の写真を見返し、年月の経過を実感することが多くなった。

 東京電力福島第一原発の20キロ圏内にある福島県南相馬市小高区の自宅から、家族で千葉県君津市に避難して11年が過ぎた。東電と国の責任を追及するため千葉地裁に提訴してから既に9年を超え、ようやく17日に最高裁が国の責任について判断する。

 「原告団の中には亡くなった人もいるし、加齢で表舞台に立てなくなった人もいる。長すぎる

 君津市は妻の園枝(そのえさん)(63)の実家が近くにあったが、苦労は尽きなかった。「乗る車が福島ナンバーというだけで、嫌な視線を感じた」。疎外感を覚えずにはいられなかった

 就職した長男(25)は事故当時、転校先の中学校で「放射能がうつる」と言われるなどのいじめに遭い、不登校に。知的障害のある長女(22)は事故後、車いすでの生活に変わった。園枝さんも足の障害が悪化し、車いすを手放せない。


◆最高裁は忖度しないで判断を

 住み慣れた地からの転居で、長年勤めていた半導体メーカーの退職を余儀なくされた。消化器系の持病が悪化し、アルバイトもあきらめた。生活保護で家賃と生活費をやりくりしながら、園枝さんと長女の3人でアパート暮らしを続ける。

 「福島にいたころはいろいろな人と交流があったけど、現在の自宅周辺は住民同士のつながりが薄く、家族で外出するのは買い物や病院に行く時ぐらい。町内会活動でもあればいいけどね」

 小高のアパートには、ひな人形や写真のアルバムなど思い出の品が残っていた。だが、運び出せぬまま、数年前に所有者の意向で取り壊された建物とともに処分された

 「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。

 裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。

 南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった

 「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」(山口登史、写真も)


千葉訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県内から千葉県内に避難した住民47人が2013年3月11日、国と東電に損害賠償を求めて提訴。17年9月22日の一審千葉地裁判決(阪本勝裁判長)は国の責任を認めず、東電に計3億7600万円を支払うよう命じた。21年2月19日、二審の東京高裁判決(白井幸夫裁判長)は、国の責任について東電に津波対策を講じるよう「規制権限を行使しなかったのは違法」と認め、国と東電に計2億7800万円の支払いを命じた。東電の賠償は最高裁第2小法廷が22年3月2日付、東電の上告を退け、確定した。5月末までに原告7人が亡くなった。


【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
<群馬>「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388

「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん
2022年6月15日 06時00分
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛

     (「国の責任をはっきりと認め、若者に希望を与えてほしい」
      と話す渡部寛志さん=9日、愛媛県松前町で)

【関連記事】】福島第一原発事故、国の責任は 避難者賠償訴訟、17日に最高裁判決


◆避難、離婚…家族はバラバラに

 「フクシマさん、フクシマさん」。福島県南相馬市から愛媛県に避難した渡部寛志さん(43)は、愛媛で知り合った人からこう呼ばれることがある。東京電力福島第一原発事故から11年がたっても、「避難者」であり続けるそして、差別もなくならない

 福島から愛媛に避難しているのは、わずか22人(4月時点、復興庁調べ)。人数が少ないだけに「避難者が目立ち、差別につながりやすい」。住居を購入しても、近所の人たちに福島から来たことを隠し続けている避難者もいる。

 事故前、原発の北約12キロにある南相馬市小高区で妻と娘2人と暮らし、専業農家をしていた。政府の避難指示で町を離れ、事故から1カ月後、大学時代を過ごした愛媛に避難した。

 遠く離れた地での避難生活が長引き、妻と意見が衝突することが増え、2019年に離婚した。渡部さんと次女(13)が残り、長女(17)は元妻と福島県須賀川市に移った。家族がバラバラになった現実に、「原発事故が起きなかったなら…との思いが拭えない


◆国の冷酷な態度見せつけられ

 国と東電を相手に裁判を起こすきっかけとなったのは、松山市内の住職の呼びかけで事故直後に始まった避難者の交流会。月1回集まると、「経済的に苦しい」と窮状を訴える声が相次いだ。賠償を東電に任せ、避難者支援も不十分なまま放置している国が許せなかった

 交流会に参加する避難者を一軒一軒訪ねて説明し、原告を募った。子育て世代の避難者が多く、事故時に20歳未満だった原告は8人と3割に上る。

 15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だと、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか


◆「避難者の学校ほしかった」

 それでも、声を上げなければ自分たちの苦しみがなかったことにされてしまう。最高裁の法廷で避難者の思いを伝えようと、5月に原告たちを訪ねて回った。

 その中に、いじめに遭い不登校になった兄弟がいた。弟は20年秋に自殺した。22歳の兄は「避難者同士が通える避難者学校を全国につくってほしかった」と吐露し、「『悪かった』と素直に謝罪ができる国だったら、そもそも事故は起きなかった」と憤った。

 渡部さんの中学2年の次女は「同級生は原発事故をあまり知らない。知らないとまた事故を起こすから、判決が出たら『国の政策によって起きた事故』と教科書に載せてほしい」。

 若い原告の声を聞き、渡部さんは思う。「これからも事故を背負って生きていく若者が、希望を持てる判決を言い渡してほしい」(小野沢健太


愛媛訴訟 東京電力福島第一原発事故で福島県内から愛媛県内に避難した住民が2014年3月から順次提訴し、25人が国と東電に慰謝料を請求。一審松山地裁久保井恵子裁判長)は19年3月26日、国と東電に計2743万円の支払いを命じた。21年9月29日、二審高松高裁神山隆一裁判長)も、東電に津波対策を講じさせなかったのは「許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと国の責任を認め、計4621万円の支払いを命じた。東電の賠償責任は最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)が22年3月30日付で東電の上告を退け、確定した。


【連載】「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」
<福島>「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた 原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長
<群馬>「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん
<千葉>「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん
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●アベ様「桜を見る会」前夜祭にサントリーが酒を無償提供…《一方、同業のキリン…「…政治家に無償で製品を提供することはない」》

2022年06月08日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2022年05月28日[土])
〝独立〟を謳うアベ様の〝子会社〟日銀…その総裁やアベ様はホントにバズーカならぬ、ズ抜けた●ーカだったとさ。市民の生活はボロボロだ。自公お維コミに投票したツケ。
 日刊ゲンダイの記事【黒田総裁「物価高一時的」は真っ赤なウソ! “本当の上昇率”はすでに3%】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/305785)によると、《それでも日銀の黒田総裁は現在の物価上昇について「一時的」という評価を崩そうとしない。…給与も上がらず、年金も減額では庶民の暮らしは圧迫の一途だ》。

 その一方で、税金を湯水のように浪費し、私物化し、選挙違反といった犯罪にまで。
 日刊ゲンダイの記事【公選法違反隠し? 安倍氏側は「桜前夜祭」会場に大量の酒を持ち込んでいた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/305817)によると、《「赤旗砲が炸裂だ。安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、安倍氏側が参加者から集めた会費(1人当たり5000円)を上回る差額を補填していた問題で、安倍氏側は補填を隠すためにホテルの外部から大量の酒を会場に持ち込んでいた──と「しんぶん赤旗日曜版」(29日付)が報じている》。
 小沢慧一奥村圭吾記者による、東京新聞の記事【「桜を見る会」夕食会にサントリーが3年間、酒を無償提供 識者「違法な寄付の可能性」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/180005)/《安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会で、サントリーホールディングス2017〜19年、計400本近い酒類を無償で提供していたことが分かった。政治資金規正法企業の政治家個人への寄付を禁じており、「違法な企業献金に当たる可能性がある」との指摘が出ている》。

 東京新聞の同記事によると、《一方、同業のキリンホールディングスは「たとえ要請があっても政治家に無償で製品を提供することはない」と説明。アサヒグループジャパンも「お客さまにお金を支払って購入していただくものなので、政治家のパーティーなどに提供することはない」と話した》そうだ。当たり前。サントリーが異常過ぎ。
 日刊ゲンダイは《つまり、差額を補填した手段が「カネ」か「アルコール」かの違いだっただけ安倍氏側は公選法違反罪に当たると知っていて巧妙に隠蔽工作していたわけで、確信犯だったのだ》と指摘。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
      《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…
    《憲法を変えて“戦争のできる国”にする安倍首相のスケジュールは、
     まさに「待ったなし」で進んでいる。そんななか、12月25日付の
     しんぶん赤旗が「アパグループ 改憲派支援要請」と題して、
     興味深いスクープを報じた。記事によれば、10月の衆院選の際、
     大手ホテルチェーン・アパホテルを手がけるアパグループが、
     組織する企業間クラブを通じ〈正しい国家観、歴史観を持って
     いるとした改憲派の候補者への応援を呼びかける文書を
     取引先企業に送っていた〉ことがわかったというのだ》

 上のブログで引用したリテラの記事【アパホテルが親しい企業に極右ヘイト政治家の支援要請! サントリー、パナソニック、楽天など有名企業がずらり】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3690.html)に面白いことが書いてあった。《「アパクラブ」に参加した有名企業は国際社会から抗議を受ける可能性も たとえば、鹿島建設大成建設大林組西松建設などのゼネコン。アサヒ飲料、アサヒビール、キリンビール、コカ・コーライーストジャパン、サントリー、ネスレ日本、伊藤ハム、ハーゲンダッツジャパン、ヤクルトなどの大手飲料・食品系。ホーチキ、セコム、ALSOKなど警備関連に、サンゲツ、LIXILなどのなどのインテリア・設備系。大塚商会などの商社。エイチ・アイ・エス、JTB、京王観光などの旅行代理店。パナソニックや富士通のグループ会社。さらには楽天、ソフトバンクなど通信・IT企業に、なぜか球団の千葉ロッテマリーンズの名前もある。ほかにも、資生堂グループの資生堂アメニティなどなど、上げていけばきりがない。もし、こうした多数の社員を抱える有名企業が、アパの元谷代表が呼びかける極右政治家の当選運動に協力していたとしたらまさに大問題ではないのか》。
 また、前述の東京新聞の同記事には、《◆安倍政権に近いサントリー社長 サントリーホールディングスの新浪剛史社長は安倍政権下の2014年9月以降、政府の経済財政諮問会議の民間議員を務めている。同社は自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、毎年500万円前後を献金している》とあり、自民党おズブズブ、はっきり言えば、アベ様とズブズブと言われても仕方ないのではないか。トンだ《協賛》。

 数多のアベ様案件、せめて一つくらいは責任を取っては如何か?

   『●アベ様には一体何枚の舌? 「118回」息吐く様にウソをつき
     国会がコケにされたのに、無《責任政党》から誰一人声を上げない…
   『●《総理大臣経験者が検察に任意聴取されるのは異例中の異例だ》…刑事
      責任を問えない? ならば、アベ様を国会で証人喚問して政治責任を
   『●アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用
     …それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?
    「野尻民夫氏による、リテラの記事【「桜前夜祭」問題で辞職した
     安倍事務所の配川秘書が密かに復職か! 安倍前首相が切れない理由は
     …河井案里の不正選挙にも関与】…《そもそも、安倍前首相は
     重鎮ヅラして政治活動する資格はない。その前に責任をとるべきことが
     いくつもあるだろう。その一つが「桜を見る会」問題だ。なかでも
     「桜を見る会」前夜祭会費補填問題は、政治資金規正法違反も
     疑われている。…ところがここにきて、案の定、その配川氏が、
     また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上したのだ》。」

   『●《完全に横領》なはずの配川博之氏復職…《つまり、復職させている=
      安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか》
   『●配川博之元公設秘書《費用を補塡すれば違法な「寄付」になりかねず、
      「後援会の収支報告書に載せることはできない」と…当初から認識》
   『●アベ様は《本当に秘書の不正を知らなかったのか、118回も虚偽
     答弁を繰り返した…国民の政治不信を招いた事件》…さっさと責任を

 《国民を舐めている》。数多のアベ様案件、その一つでも解決し、アベ様はその一つでも責任をとったのか? そして、《その配川氏が、また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上》。舐めてるでしょ? さんざん国会をコケにし、主権者に息吐く様にウソをつき続けておいて。元公設秘書の横領を告発もせず、わずか3カ月で、私設秘書に。《前夜祭の補填について安倍氏が把握していた、あるいは安倍氏の指示のもと補填が行われたことの決定的な証明》。
 《むしろ、公選法違反になることを理解しながら費用補填をおこない、さらには収支報告書に記載しないという違反行為まで働いたのは、安倍氏自身が前夜祭を開くことに固執し、違法性を認識しながらもGOサインを出したということではないのか》《当初から前夜祭の費用を事務所側が負担することの違法性を理解しながら、費用の補填をおこない、政治資金収支報告書に記載しないことで問題の発覚を防ごうという「確信犯」だったことがはっきりとした》。それでもまだ支持者がいて、未だに国会議員で居るのだから、壊れているよニッポン。《118回も虚偽答弁をおこなったような人物がいまだに国会議員を辞職もせず、ロシアのウクライナ侵略に乗じて軍拡を叫んでいること自体が異常なのだが、そんな主張を繰り広げるより前に、政治の私物化と腐敗を象徴する「桜を見る会」前夜祭問題における安倍元首相の責任について、あらためて検証と追及が必要だ》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/305817

公選法違反隠し? 安倍氏側は「桜前夜祭」会場に大量の酒を持ち込んでいた
公開日:2022/05/27 06:00 更新日:2022/05/27 06:00

     (2016年の桜を見る会(C)日刊ゲンダイ)

 「赤旗砲が炸裂だ

 安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、安倍氏側が参加者から集めた会費(1人当たり5000円)を上回る差額を補填していた問題で、安倍氏側は補填を隠すためにホテルの外部から大量の酒を会場に持ち込んでいた──と「しんぶん赤旗日曜版」(29日付)が報じている。

 前夜祭は2013~19年に東京都内のホテルで行われ、会費は1人5000円。16~19年分の参加者から集めた収入は1157万円、ホテルに支払った支出は1865万円で、差額の708万円は安倍側が補填していたことが判明。この補填額などを政治資金収支報告書に記載していなかったとして、安倍氏の公設第1秘書だった男が政治資金規正法違反罪で東京地検に略式起訴された。

 一方、補填は「有権者への寄付」を禁じた公職選挙法違反に当たるとして安倍氏自身も刑事告発されたが、東京地検は「参加者に寄付を受けた認識がなかった」として不起訴処分に。検察審査会で「不起訴不当」議決となったものの、21年12月に再び不起訴処分となっていた。

 同紙がこの事件について、刑事確定訴訟記録法に基づき、東京地検に記録の閲覧を請求したところ、安倍氏側は17~19年の前夜祭会場にビールやウイスキー、ワイン、焼酎などを持ち込んでいたことが分かったという。

 記事の詳述は避けるが、この持ち込みについて、安倍氏の秘書は「(会費の)不足分を負担すれば寄付行為に当たり、公選法違反になる」「飲食代を抑えるために酒を持ち込んだ」などと供述していたというから呆れるばかりだ。

 つまり、差額を補填した手段が「カネ」か「アルコール」かの違いだっただけ安倍氏側は公選法違反罪に当たると知っていて巧妙に隠蔽工作していたわけで、確信犯だったのだ

 そもそも参加者だって、まさか高級ホテルの会場に並んでいるアルコール飲料が「外部からの持ち込み」だったとは思わなかっただろう。「寄付を受けた認識がなかった」のも当然ではないか。

 ちなみに事件発覚当時、当時の菅義偉官房長官は「5000円で出来ないことはないんじゃないでしょうか私どもは、いろいろやってます」などと答えていたが、これも嘘八百だった
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/180005

「桜を見る会」夕食会にサントリーが3年間、酒を無償提供 識者「違法な寄付の可能性」
2022年5月28日 06時00分

 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会で、サントリーホールディングス2017〜19年、計400本近い酒類を無償で提供していたことが分かった。政治資金規正法企業の政治家個人への寄付を禁じており、「違法な企業献金に当たる可能性がある」との指摘が出ている。

 本紙に開示された配川博之元公設第一秘書=同法違反罪で略式命令=の刑事確定記録で、会場のホテル側が作成した資料に「持ち込み」として酒類の記載があり、同社の電話番号も書かれていた。同社広報担当者は無償提供を認めた上で「安倍議員事務所から多くの方が集まると聞き、製品を知ってもらう機会と考え、夕食会に協賛した」と説明17〜19年だけでなく16年を加えた4年間に毎年約15万円分を提供したという。

 夕食会は毎年参加者から1人5000円を徴収し、不足分を安倍氏側が補填していた。酒を持ち込んだ理由について、東京の秘書は供述調書で、補填が有権者への違法な寄付に当たる恐れから「ホテルでの飲食代金を抑えるため」としている。

 安倍氏関連の政治資金収支報告書に同社からの寄付の記載はない。岩井奉信日大名誉教授(政治学)は「政治的集会の認識もあったはずで、純粋な宣伝目的とは言えず、主催した後援会への違法な寄付に当たる可能性が高い」と指摘。一方、元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は「夕食会への協賛との説明では寄付を受ける主体が明確ではない。参加者に振る舞うためなら実質的な寄付先は参加者で、違法とは言えない」と述べた。安倍氏の事務所は「担当者がおらず、答えられない」とした。(小沢慧一


◆安倍政権に近いサントリー社長

 サントリーホールディングスの新浪剛史社長は安倍政権下の2014年9月以降、政府の経済財政諮問会議の民間議員を務めている。同社は自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、毎年500万円前後を献金している。

 一方、同業のキリンホールディングスは「たとえ要請があっても政治家に無償で製品を提供することはない」と説明。アサヒグループジャパンも「お客さまにお金を支払って購入していただくものなので、政治家のパーティーなどに提供することはない」と話した。(奥村圭吾

【関連記事】「桜を見る会」夕食会の補填 本紙に開示された秘書の供述調書、安倍元首相の答弁との矛盾次々と
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●最高裁(裁判長・大谷直人長官)《海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは…憲法15条に違反》《違憲》

2022年06月07日 00時00分47秒 | Weblog

[※↑ 映画『テレビで会えない芸人』(tv-aenai-geinin.jp)]


(20220528[])
東京新聞の4つの記事。
小沢慧一記者による記事【形骸化した国民審査制度「市民感覚を意識した司法に」 在外邦人の投票権訴えた想田和弘監督 25日に最高裁判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/178935)、
【最高裁裁判官の国民審査、在外投票できないのは違憲 国に賠償命じる 最高裁大法廷】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/179462)、
【最高裁裁判官の国民審査、在外投票できないのは違憲 最高裁大法廷、国の不作為を認定「長きにわたって立法措置を行わず」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/179533)、
コラム【筆洗/衆院選と同時に行う最高裁裁判官の国民審査は、有権者が辞めさ…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/179780?rct=hissen)。

 《海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲かどうかが争われた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、判決を言い渡す。一審、二審は違憲判断をしており、原告の1人で昨年まで米国に住んでいた映画監督想田和弘さん(51)は「デモクラシーの大事な権利が形骸化している判決が多くの人の関心が向くきっかけになれば」と期待する。(小沢慧一)》
 《海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは、公務員を選任・罷免する権利を保障した憲法15条に違反するとして、ブラジル在住の男性(43)や映画監督の想田和弘さん(51)ら5人が国に損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「違憲」と判断した。国会が立法措置を怠ったと認め、国に賠償を命じた次回審査で投票できないことも違法とした》。
 《海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、在外邦人に審査権を全く認めていない現行の国民審査法を「違憲」とする初判断を示した。国会が投票を可能とする立法措置を長期に怠った不作為も認め、原告1人当たり5000円の賠償を国に命じた。国会は法改正を迫られる。15人の裁判官全員一致の意見。法令に対する最高裁の違憲判断は、女性の再婚禁止期間を定めた民法の規定を巡る2015年の判決以来で、11例目》。
 《▼在外邦人が国民審査に参加できないのは違憲との判断をおととい、最高裁が示した。国政選挙の在外投票は行われており、当然の判断だろうが、制度の形骸化が指摘される。裁判官がどんな人かを知らないまま×印をつけずに投票する人は少なくないよう。判断材料の周知は課題だろう》。

   『●憲法53条…《明白な政府の違憲行為を見逃しては、憲法が死文化
     する》《これでは条文の死文化になるし、立憲主義も危うくなる》

 見事な勝訴、国民審査《在外投票できないのは違憲》。あの最「低」裁で、しかも、あの最高裁裁判長・大谷直人長官であり、かつ、《15人の裁判官全員一致の意見》。《制度の形骸化》により、最高裁の裁判官らも「違憲」とすることは屁でもない、自分らには全く影響がないとの判断か?

 現状、三権分立が聞いてあきれる状況だ。
 (自民党「電力安定供給推進議連」会長でもある)細田博之衆院議長の〝勇退〟が囁かれている…「国会議員は給料が少ないから増やしても罰は当たらない」「一体、いくら歳費をもらっていると思いますか。議長になってもね、毎月もらう歳費は100万円しかない。会社の社長は、1億円は必ずもらうんですよ、上場の会社は」「1人あたり月給で100万円未満であるような手取りの議員を多少増やしたって罰は当たらないと私は思っている」。前の参院議長も酷かった…「三権の一角…伊達忠一参院議長「発言をやめなさい…連れて行けって…やめさせて連れて行けっちゅうの」」、「《行政の長である内閣は首相・安倍晋三、司法の長である最高裁判所長官・大谷直人、そして立法の長は衆院議長・大島理森、参院議長・伊達忠一となる》…《三権同一》(目取真俊さん)というか、立法府の長を気どる行政府の長・アベ様が三権を掌握。近年、司法判断せず、政治判断を乱発する最「低」裁を頂点とした司法の堕落ぶりを感じていたが…。とうとう、参院議長までもが《権威も見識も品位も》無しな悲惨な状況に」。大島理森氏や山東昭子現・参院議長も酷かったが、細田博之衆院議長は輪をかけて酷い。

   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏…
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
    「【2017年最高裁判所裁判官国民審査】によると、以下の7名だ
     そうです。
      ①小池裕
      ②戸倉三郎
      ③山口厚 
      ④菅野博之
      ⑤大谷直人
      ⑥木澤克之
      ⑦林景一
     …最後にもう一度、思い出そう…《はたしてこれらは、単なる偶然なのか
     つまり、安倍首相は最高裁人事まで私物化し、“オトモダチのオトモダチ”
     のために、ポストを用意してやったのではないか。そういう疑念が
     頭をもたげてくるのである》」

   『●「完全に司法に影響を与えようとする
     露骨な圧力にほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
         もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り
      続けるのか?》 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
    《ツイッターに不適切な投稿をしたとして東京高裁が懲戒を申し立てた
     岡口基一裁判官(52)の分限裁判で、最高裁大法廷
     (裁判長・大谷直人長官)は十七日、投稿内容が「裁判官の品位を
     辱める行状」にあたると判断し、同高裁の岡口裁判官を戒告とする
     決定をした。裁判官十四人全員一致の意見
    「《さまざまな社会事象への裁判官の考えは、個人として
     発信していいのではないか》に賛成です。《問題の核心は、
     高裁長官が「ツイートを続ければ、分限裁判を検討する」
     と岡口氏に言ったことではないのか。もし私的な表現行為の
     自由を封殺する意図ならゆゆしき問題だ》…《今回の決定で、
     裁判官たちが萎縮しないか閉鎖的環境の中に逼塞するのを
     懸念する
》」

   『●《第二次安倍政権以降、司法の独立は脅かされつづけている》…〝本土〟
       マスコミの無関心も相まってソレが沖縄では如実に表れ続けている
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
    「たとえ地裁・高裁レベルで勝訴しても、最高裁はいまや最「低」裁
     そして今や、最「低」裁判事の人事は…アベ様が掌握。
     大谷直人最高裁長官をはじめ、現最高裁判事14人全員、アベ様の息が
     かかっているアベ様派と言われている。三権分立が聞いてあきれる状況。
     アベ様らのやり口はデタラメ」

   『●東京新聞の小野沢健太記者によるシリーズ記事【<原発事故
      「無罪」>】…《判決に表情変えず 遺族ら「うそー」悲鳴》
    「永渕健一裁判長の「無罪」の「判決当日午前、
     大谷直人最「低」裁長官がアベ様を御訪問…事前に政治判断を
     ご報告ですか? 〝つぶやき〟上では、田中耕太郎長官を想起する、
     というものもありました。大谷直人最高裁長官は…」
     どのような方かも知っておいたほうが良いようです」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/178935

形骸化した国民審査制度「市民感覚を意識した司法に」 在外邦人の投票権訴えた想田和弘監督 25日に最高裁判決
2022年5月23日 06時00分

     (原告の想田和弘監督=本人提供)

 海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲かどうかが争われた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、判決を言い渡す。一審、二審は違憲判断をしており、原告の1人で昨年まで米国に住んでいた映画監督想田和弘さん(51)は「デモクラシーの大事な権利が形骸化している判決が多くの人の関心が向くきっかけになれば」と期待する。(小沢慧一

【関連記事】「海外在住100万人の国民審査権奪うな」 在外邦人の投票、夏までに憲法判断へ 最高裁大法廷で結審

 ミシガン大で客員教授をしている際、米国留学中の谷口太規弁護士(弁護団)に誘われ、2018年の提訴時から原告に加わった。もともと問題意識を持っていたが、制度を「もっと機能させるべきだ」と強く思ったのは昨年6月、選択的夫婦別姓を認めない民法の規定を最高裁が「合憲」と判断したことだった

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在外国民審査違憲訴訟 憲法79条に基づき、最高裁裁判官を罷免すべきか判断する国民審査は、任命後初などの衆院選に合わせて行われる。海外の有権者は国政選挙では投票できるが、国民審査は認められていない。2017年の国民審査で在外投票できなかったのは審査権を侵害し違憲だとして、海外在住の5人が次回投票できる地位の確認と損害賠償を国に求めて18年に提訴。19年5月の一審東京地裁は違憲として賠償を命令。20年6月の二審東京高裁も違憲と認めたが、賠償請求は退けた。
―――――――――――――

 想田さんは米国で別姓のまま結婚し、自身も日本での婚姻関係の確認を求める訴訟を起こしたが、21年に東京地裁は棄却。一方、別の原告が起こした裁判で、最高裁は裁判官15人中4人が違憲とした。判事の構成次第では夫婦別姓は、すでに認められていた可能性があるのでは―。想田さんは「国民審査で『×』が増えれば裁判官にも緊張感が生まれ、もっと市民感覚を意識した司法に変わるはずだ」と訴える。

【関連記事】海外で別姓婚の日本人夫婦 「法的な婚姻関係を認めて」 相続、税制で不利益



◆「知らない間に『誰か』が判事になっている」

 米国では、連邦最高裁判事の保守派・リベラル派の構成比が、人工妊娠中絶や銃規制など国論を二分する問題に大きな影響を与える。任用を巡って激しい政治的駆け引きがあり、国民の関心も高い。「日本では知らない間に『誰か』が判事になっている国もマスコミも認知度を上げる努力をするべきだ」。

 国民審査は、罷免したい裁判官名に「×」を付ける投票方法のため、国側は、裁判官名を記した用紙を短期間で世界中に配布するのは「技術的に困難」などと強調。さらに先月、最高裁で開かれた弁論では、最高裁裁判官が内閣の任命または指名で決まることから「国民審査は民主主義の下で不可欠の制度とまで言えない」とし、国会議員を選ぶ選挙権より軽い権利だと主張した。想田さんは「最高裁判事は国民の信託を受けているから違憲審査権という強い権限を持っているのではないのか。主張は裁判官の正統性を否定するようにも聞こえた」と指摘する。

 判決に求めることは、海外に住む日本人約130万人の権利回復にとどまらない。「最高裁裁判官は『雲の上の偉い人』で、国民は『お上の言うこと』と無条件で受け入れていないか。三権分立の一翼を担う人の判断が適切かどうか、国民のチェックが行き届く制度に生まれ変わるきっかけとなるような判決が、審査される側の裁判官自身から出ることを願う」


【関連記事】最高裁裁判官の国民審査「判断材料が少ない」 裁判での判断まとめ動画を配信すれば? 資料の参照は?


 そうだ・かずひろ 映画監督。栃木県生まれ。東京大文学部卒業後、1993年、23歳で渡米してニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ映画学科で映像制作を学ぶ。「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの手法を提唱。日本流どぶ板選挙を追ったドキュメンタリー映画「選挙」は米放送界で権威あるピーボディ賞を受賞した。「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」など著書も多数。昨年帰国し、現在は岡山県在住。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/179462

最高裁裁判官の国民審査、在外投票できないのは違憲 国に賠償命じる 最高裁大法廷
2022年5月25日 16時05分

     (最高裁裁判官国民審査の在外投票を巡る訴訟の
      上告審判決のため、最高裁に向かう原告団。前列中央は
      想田和弘さん=25日午後、東京都千代田区(共同))

 海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは、公務員を選任・罷免する権利を保障した憲法15条に違反するとして、ブラジル在住の男性(43)や映画監督の想田和弘さん(51)ら5人が国に損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「違憲」と判断した。国会が立法措置を怠ったと認め、国に賠償を命じた次回審査で投票できないことも違法とした

【関連記事】形骸化した国民審査制度「市民感覚を意識した司法に」 在外邦人の投票権訴えた想田和弘監督 25日に最高裁判決

 法令に対する最高裁の違憲判断は、女性の再婚禁止期間を定めた民法の規定を巡る2015年の判決以来で、11例目。

 総務省によると、昨年10月の衆院選では在外選挙人名簿に登録された約9万6千人のうち、約1万9千人が比例代表と小選挙区で投票した。衆院選と同時実施の国民審査には、在外邦人に関する規定がなく、投票は認められていない。

 原告5人は、17年の国民審査の際、海外在住を理由に審査用紙が配られず、投票できなかった。(共同)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/179533

最高裁裁判官の国民審査、在外投票できないのは違憲 最高裁大法廷、国の不作為を認定「長きにわたって立法措置を行わず」
2022年5月25日 21時56分

     (海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査に
      投票できないことの違憲性が争われた訴訟の判決が
      言い渡された最高裁大法廷。中央は大谷直人裁判長
      (25日午後2時57分、東京都千代田区))

 海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、在外邦人に審査権を全く認めていない現行の国民審査法を「違憲」とする初判断を示した。国会が投票を可能とする立法措置を長期に怠った不作為も認め、原告1人当たり5000円の賠償を国に命じた。国会は法改正を迫られる。15人の裁判官全員一致の意見。法令に対する最高裁の違憲判断は、女性の再婚禁止期間を定めた民法の規定を巡る2015年の判決以来で、11例目。

【関連記事】形骸化した国民審査制度「市民感覚を意識した司法に」 在外邦人の投票権訴えた想田和弘監督 25日に最高裁判決


◆選挙権と同様「制限は許されない」

 判決は、国民審査権は選挙権と同様に国民に平等に保障された権利とした上で、「審査権やその行使を制限することは原則として許されない」と指摘。国政選挙では1998年に制度が創設されて以降、在外投票が行われており、国民審査でも可能にする立法措置を取ることが「著しく困難とは言えない」と判断した。

 2006年に国政選挙の選挙区でも在外投票を可能とする改正公選法が、前年の最高裁違憲判決を受けて成立したことに言及。「約10年の長きにわたって立法措置を何も行わなかった」として国の不作為を認めた。次回の国民審査で在外邦人が投票できないことについても違法だと認めた

 原告はブラジル在住の平野司さん(43)や米国に住んでいた映画監督想田和弘さん(51)ら5人。原告側は、17年の国民審査で在外邦人の有権者が投票できなかったのは審査権を侵害し違憲だとして18年に提訴。一審東京地裁、二審東京高裁ともに現行法は違憲と認めていた。

 総務省によると、昨年9月時点の在外選挙人名簿登録者は約9万6000人で、10月の衆院選では約1万9000人が投票した。外務省の統計では、昨年の在外邦人の総数は約130万人。


◆原告「国会は使いやすい環境を整えて」

 「国民審査制度が活発に使われるようになるために重要な判決だ」。最高裁裁判官の国民審査の在外投票に道を開いた25日の最高裁判決に、原告・弁護団は喜びにわいた。

 原告の1人で映画作家の想田和弘さんは「最高裁は非常に強い権力を有する国家組織で、主権者が罷免できる制度を留保しないと三権分立にはならない国民が使いやすい環境を国会は整えてほしい」と訴えた。弁護団長の吉田京子弁護士は「最高裁は制度の重要性を認め、全員一致で違憲判断を出した今後は制度を生かすも殺すも国民次第バトンは最高裁から渡され、国民の手の中にある」と話した。

 国政選挙では1998年、比例代表で在外投票制度が導入され、2005年の最高裁の違憲判決を受けて07年には選挙区でも可能に。海外の有権者は、在外公館での投票や郵便投票ができるようになった。だが国民審査は一時帰国して国内で投票することも認められず、投票手段が全くないまま放置されてきた。


◆国側「投票用紙を世界中に送るのは難しい」

 訴訟で国側は、衆院選公示と同日の国民審査の告示後、投票用紙を印刷して海外に送ることなどが「技術的に不可能」と主張してきた。白紙の枠内に候補者名を記す「自書式」の国政選挙とは違い、国民審査では裁判官名が書かれ、辞めさせたい裁判官に「×」を入れる「記号式」。告示後に審査対象の裁判官を確定した上で印刷する必要があり「審査に間に合うように世界中に送るのは難しい」と総務省の担当者は話す。現地で印刷する方法についても「公正の観点からも一定の質を担保した投票用紙が必要。全ての国で手配できるかわからない」と説明する。

 25日の最高裁判決は、具体的な方法は明示しなかったが「現在の取り扱いとは異なる方式を採用する余地がないとは断じがたい」と指摘した。金子恭之総務相は判決を受け「国民審査の在外投票を可能とするための方策について、関係各方面とも協議しつつ、早急に検討する」とのコメントを出した。(小沢慧一)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/179780?rct=hissen

筆洗
衆院選と同時に行う最高裁裁判官の国民審査は、有権者が辞めさ…
2022年5月27日 07時02分

 衆院選と同時に行う最高裁裁判官の国民審査は、有権者が辞めさせたい裁判官の欄に×印を記す。有効投票の過半数となった裁判官は罷免されるが、過去に例はない ▼×の比率の過去最高は、一九七二年に審査を受けた故・下田武三氏の15・17%。ポツダム宣言の翻訳に関わった元外交官だが、外務事務次官時代に沖縄返還をめぐり「核付き返還やむなし」という趣旨の発言をし、反発を招いていた ▼臆せずに自説を述べる人は翌七三年、両親などを殺した場合に通常の殺人より刑を重くするのは憲法の「法の下の平等」に反すると最高裁が判断した際、裁判官十五人で唯一、合憲と唱えた ▼在外邦人が国民審査に参加できないのは違憲との判断をおととい、最高裁が示した。国政選挙の在外投票は行われており、当然の判断だろうが、制度の形骸化が指摘される。裁判官がどんな人かを知らないまま×印をつけずに投票する人は少なくないよう。判断材料の周知は課題だろう ▼下田氏は退官後、江川卓選手の巨人入団をめぐる騒動で世の不興を買っていたプロ野球界に請われ、コミッショナーになっている。公平さなどを重んじて飛ぶボールや飛ぶバットを規制し、試合時間短縮を促し、日本シリーズに指名打者制を導入した。改革姿勢は一部球団の首脳に疎まれたと伝わる ▼評価は分かれても、その判断材料に困らぬ人ではあった。
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●アベ様は《本当に秘書の不正を知らなかったのか、118回も虚偽答弁を繰り返した…国民の政治不信を招いた事件》…さっさと責任を

2022年05月20日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220504[])
東京新聞の二つの記事【「桜を見る会」夕食会の補填 本紙に開示された秘書の供述調書、安倍元首相の答弁との矛盾次々と】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/175147)と、
【桜を見る会 安倍元首相は本当に秘書の不正知らなかった? 118回も虚偽答弁した理由は? 刑事確定記録開示も残る疑問】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/175136)。

 《安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、配川博之元公設第一秘書(62)が政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた事件で、関与した東京の秘書が「夕食会はあくまで後援会とホテルとの契約だった」と供述していたことが、本紙の請求で開示された配川氏の刑事確定記録で分かった》。
 《「桜を見る会」前日の夕食会を巡る疑惑は、安倍晋三元首相の当時の秘書2人の供述調書などが検察庁から開示され、全容解明に一歩進んだ。だが今回の記録は、略式起訴された配川博之元公設第一秘書の政治資金規正法違反事件に関する証拠に限られる。安倍氏は本当に秘書の不正を知らなかったのか118回も虚偽答弁を繰り返した理由は何か、国民の政治不信を招いた事件への疑問は残ったままだ》。

   『●配川博之元公設秘書《費用を補塡すれば違法な「寄付」になりかねず、
       「後援会の収支報告書に載せることはできない」と…当初から認識》

 《ホテル名義の領収書を参加者に渡した》?? そんなもの出てきたんでしたっけ??
 一方、《開示記録の中にホテル側提出の明細書があった》。何なんだよ、《明細書があった》んじゃないかよ。ウソつきもいいところだ。
 (東京新聞)《安倍氏の責任は、秘書の監督はもちろん、国会での説明責任もある。だが、安倍氏はこの問題で百十八回も虚偽答弁を繰り返したことが衆院調査局の調査で判明している。…森友学園問題でも政府答弁が百三十九回も事実と異なっていた安倍氏が臨時国会を長期にわたり開かなかったこととも併せ、議会政治への冒とくに対するけじめはつけなければならない》。
 アベ様が国会をこれだけコケにしておいて、自公お維支持者は何にも感じないのかね? ニッポンのリーダーが少なくとも118回もウソをつき、息吐く様にウソをつき続けたのに…。こんな首相、世界のどこに居ますか? 恥ずかし過ぎる。

   『●アベ様には一体何枚の舌? 「118回」息吐く様にウソをつき
     国会がコケにされたのに、無《責任政党》から誰一人声を上げない…
   『●《総理大臣経験者が検察に任意聴取されるのは異例中の異例だ》…刑事
      責任を問えない? ならば、アベ様を国会で証人喚問して政治責任を

 《完全に横領》の配川博之氏、そして、アベ様は政治資金規正法違反でしょ?

   『●アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用
     …それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?
    「野尻民夫氏による、リテラの記事【「桜前夜祭」問題で辞職した
     安倍事務所の配川秘書が密かに復職か! 安倍前首相が切れない理由は
     …河井案里の不正選挙にも関与】…《そもそも、安倍前首相は
     重鎮ヅラして政治活動する資格はない。その前に責任をとるべきことが
     いくつもあるだろう。その一つが「桜を見る会」問題だ。なかでも
     「桜を見る会」前夜祭会費補填問題は、政治資金規正法違反も
     疑われている。…ところがここにきて、案の定、その配川氏が、
     また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上したのだ》。」

   『●《完全に横領》なはずの配川博之氏復職…《つまり、復職させている=
      安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか》

 《国民を舐めている》。数多のアベ様案件、その一つでも解決し、アベ様はその一つでも責任をとったのか? そして、《その配川氏が、また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上》。舐めてるでしょ? さんざん国会をコケにし、主権者に息吐く様にウソをつき続けておいて。元公設秘書の横領を告発もせず、わずか3カ月で、私設秘書に。《前夜祭の補填について安倍氏が把握していた、あるいは安倍氏の指示のもと補填が行われたことの決定的な証明》。
 《むしろ、公選法違反になることを理解しながら費用補填をおこない、さらには収支報告書に記載しないという違反行為まで働いたのは、安倍氏自身が前夜祭を開くことに固執し、違法性を認識しながらもGOサインを出したということではないのか》《当初から前夜祭の費用を事務所側が負担することの違法性を理解しながら、費用の補填をおこない、政治資金収支報告書に記載しないことで問題の発覚を防ごうという「確信犯」だったことがはっきりとした》。それでもまだ支持者がいて、未だに国会議員で居るのだから、壊れているよニッポン。《118回も虚偽答弁をおこなったような人物がいまだに国会議員を辞職もせず、ロシアのウクライナ侵略に乗じて軍拡を叫んでいること自体が異常なのだが、そんな主張を繰り広げるより前に、政治の私物化と腐敗を象徴する「桜を見る会」前夜祭問題における安倍元首相の責任について、あらためて検証と追及が必要だ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/175147

「桜を見る会」夕食会の補填 本紙に開示された秘書の供述調書、安倍元首相の答弁との矛盾次々と
2022年5月3日 06時00分

     (「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる
      安倍首相(中央) =2019年4月13日)

 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、配川博之元公設第一秘書(62)が政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた事件で、関与した東京の秘書が「夕食会はあくまで後援会とホテルとの契約だった」と供述していたことが、本紙の請求で開示された配川氏の刑事確定記録で分かった。


◆安倍氏「ホテルとの契約は個々人で」→秘書「後援会が契約」

 安倍氏は国会答弁で、契約主体について当初「あくまでも個々の参加者だ」とし、政治資金収支報告書に記載すべき収支はないと強調していた。秘書は「ホテル側と個々人で契約を結ぶという意識は全くなかった」と述べており、答弁との矛盾が改めて浮き彫りとなった。

 安倍氏は一人5000円の参加費について「ホテル側が設定した」と当初述べていたが、秘書は「飲食の無料提供を問題視されないよう、一人5000円徴収することを配川氏と決めた」と供述。ホテル名義の領収書を参加者に渡したことに「普通でないやり方なのでホテル側も応じないと思ったが、発行してくれて驚いた」と語っている。


◆「ホテルから明細書発行なし」→開示記録に存在

 都内の高級ホテルで一人5000円は安すぎるという指摘に、安倍氏は「何回も使って信用のできる方といちげんの方とでは商売において当然違う」と釈明していたが、秘書は「新規客ならまだしも、安倍事務所は付き合いが長く、値引きされることはないと思っていた」と真逆の見解。「ホテル側から明細書、見積書の発行はなかった」と繰り返した安倍氏だが、秘書は「見積書などを見せられていたと思う」と話しており、開示記録の中にホテル側提出の明細書があった

 夕食会の費用補填や収支の不記載は19年11月以降、国会で追及されたが、安倍氏は一貫して否定。東京地検特捜部が配川氏を20年12月に略式起訴した後、安倍氏は説明を訂正し、謝罪した。衆院調査局によると、それまでの安倍氏の虚偽答弁は118回に及んだ。

【関連記事】桜を見る会 安倍元首相は本当に秘書の不正知らなかった?118回も虚偽答弁した理由は?刑事確定記録開示も残る疑問
【関連記事】略式起訴された配川博之・元公設第一秘書の供述全文「不正、十分理解していた」
【関連記事】安倍元首相の東京事務所の秘書の供述全文「領収証の発行方法、普通でなかった」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/175136

桜を見る会 安倍元首相は本当に秘書の不正知らなかった? 118回も虚偽答弁した理由は? 刑事確定記録開示も残る疑問
2022年5月3日 06時00分

     (「桜を見る会」で乾杯をする安倍首相
      (当時、最後列右から2人目))

 「桜を見る会」前日の夕食会を巡る疑惑は、安倍晋三元首相の当時の秘書2人の供述調書などが検察庁から開示され、全容解明に一歩進んだ。だが今回の記録は、略式起訴された配川博之元公設第一秘書の政治資金規正法違反事件に関する証拠に限られる。安倍氏は本当に秘書の不正を知らなかったのか118回も虚偽答弁を繰り返した理由は何か、国民の政治不信を招いた事件への疑問は残ったままだ


◆補填分700万円の原資は?

 安倍元首相は「桜を見る会」前日に開かれた夕食会の費用補填問題について、首相在任中、国会などで事実と異なる説明を繰り返した。

 会費5000円の金額設定に関して「800人規模を前提に、その大多数がホテルの宿泊者である事情などを踏まえ、ホテル側が設定した価格だ。価格設定通りのサービスが提供された」と説明。「事務所側が(差額を)補填したという事実も全くない」などと強調した。

 だが自らの不起訴処分後の20年12月、現職首相としての国会答弁が事実に反していたと認め、謝罪。発行がなかったと断言したホテルの明細書については「事務所の者に確認しても、明細書を見た記憶はないということだった」と変更し、「請求書を見て費用を支払った」と付け加えた。

 夕食会の費用を補填した約700万円の原資については、自分の預金を下ろして事務所に預けていた「手持ち資金」から支出したと語った。ただ補填の原資はなおも判然としていない。(村上一樹


◆安倍氏の記録なし 検察の忖度?

 「安倍氏に責任が及ばないよう、秘書たちが示し合わせている印象だ」。告発人の上脇博之・神戸学院大教授(憲法)は、供述調書の内容を踏まえてそう語る。「公職選挙法違反の恐れがある問題を報告しないとは普通考えられないプール金から何百万円も勝手に補填したのも不可解だやはり安倍氏が知らなかったとは思えない

 秘書らの調書では、安倍氏の答弁については言及がなかった。また2020年末に東京地検特捜部が行った安倍氏への任意聴取の調書は開示記録になかった

 自身も記録を閲覧した「『桜を見る会』を追及する法律家の会」の泉沢章弁護士は「国会を空転させた虚偽答弁の経緯は国民が知るべき情報だった」と強調。安倍氏の調書についても「共犯の可能性もあるのだから調書はあってもおかしくない検察の忖度が働いたのでは」とみる。

 泉沢弁護士は、秘書らが当初から、補填が寄付に当たると違法性を認識していたことを問題視し「実態は明らかに公選法違反だ」と指摘。「結局安倍氏は何の責任も取らず、政治とカネを巡る法制度の見直し機運も高まらなかった。これだけの証拠が明らかになった今、再び安倍氏の責任追及に世論が高まるかどうか、この国の民主主義が問われている」と語る。(小沢慧一


◆開示の申請、閲覧方法は?

 憲法の公開裁判の原則にのっとり、刑事訴訟法は「何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる」としており、略式起訴の場合もこの対象となる。確定後の記録は一審を担当した検察庁が保管。東京地検の場合は総務部の記録担当に申請する。

 確定が3年以上前の記録は「正当な理由」が認められない限り公開されない。許可が出るまでに通常数カ月かかる。閲覧には収入印紙150円が必要。被告や被害者などの当事者以外はコピーや撮影は不可。ノートやパソコンでメモを取ることは可能だが、東京地検では電源は使わせてもらえなかった。

 今回公開されたのは、起訴状や配川氏らの供述調書のほか、ホテル側が提出した明細書や領収書、参加者に配られた領収書などで、厚さ約十数センチ分の資料がファイルにとじられていた。調書は、配川氏と安倍氏以外の名前は全て黒塗りだった。

 不開示に異議がある場合、準抗告が可能。裁判記録の公開に詳しい専修大の澤康臣教授は「制度は使わなければ検察側もますます情報を出さなくなる。積極的に活用すべきだ」と話す。(小沢慧一)

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●配川博之元公設秘書《費用を補塡すれば違法な「寄付」になりかねず、「後援会の収支報告書に載せることはできない」と…当初から認識》

2022年05月13日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2022051[])
小沢慧一記者による、東京新聞の記事【安倍元首相の元秘書、違法性を当初から認識 「桜を見る会」夕食会補填問題で供述 本紙請求に開示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/173889)。
リテラの記事【安倍晋三「桜前夜祭」事件で秘書たちが「違法性を認識していた」と供述していたことが判明! なのになぜ不起訴に? 安倍元首相の関与は…】(https://lite-ra.com/2022/04/post-6186.html)。
東京新聞の【<社説>桜を見る会 安倍氏にも政治責任が】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/174158)。

 《安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会前日に主催した夕食会を巡り、2020年12月に政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた配川博之元公設第1秘書(62)=山口県下関市=の刑事確定記録が25日、本紙の請求により開示された。配川氏は、費用を補塡すれば違法な「寄付」になりかねず、「後援会の収支報告書に載せることはできない」と2013年当初から認識秘書同士で責任を押し付け合った結果、収支報告書に記載しないまま放置していたずさんな会計処理が明らかになった。(小沢慧一)》
 《ロシアによるウクライナ侵略以降、核共有だの防衛予算増額だの火事場泥棒的発言を連発している安倍晋三・元首相だが、ここにきて、あの問題で重大な事実が判明した。「桜を見る会」前夜祭の費用補填問題で、東京地検が作成した供述調書といった刑事確定記録が一部開示され、なんと安倍氏の秘書や事務所関係者らが当初からその「違法性」を認識していたことがわかったからだ》。
 《だが、安倍氏にも道義的責任はあり、その政治責任は厳しく問われるべきだ。二〇年に罰金刑を受けた当時の公設第一秘書は後援会代表でもあった。夕食会は後援会が主催した。支援者の会費は五千円としたが、会費だけでは費用が賄えないのは明らかだった安倍氏側が費用を補填(ほてん)すれば公職選挙法上の違法な寄付になりうるため、「後援会の収支報告書に載せることはできないとし、政治資金収支報告書に記載しないまま放置した。言語道断である。…安倍氏の責任は、秘書の監督はもちろん、国会での説明責任もある。だが、安倍氏はこの問題で百十八回も虚偽答弁を繰り返したことが衆院調査局の調査で判明している。…森友学園問題でも政府答弁が百三十九回も事実と異なっていた安倍氏が臨時国会を長期にわたり開かなかったこととも併せ、議会政治への冒とくに対するけじめはつけなければならない》。

   『●アベ様には一体何枚の舌? 「118回」息吐く様にウソをつき
     国会がコケにされたのに、無《責任政党》から誰一人声を上げない…
   『●《総理大臣経験者が検察に任意聴取されるのは異例中の異例だ》…刑事
      責任を問えない? ならば、アベ様を国会で証人喚問して政治責任を

 《完全に横領》の配川博之氏、そして、アベ様は政治資金規正法違反でしょ?

   『●アベ様のポケットマネーを《前首相に断りもなく秘書が勝手に流用
     …それは完全に横領》なはずなのに、配川博之氏が私設秘書に復帰?
    「野尻民夫氏による、リテラの記事【「桜前夜祭」問題で辞職した
     安倍事務所の配川秘書が密かに復職か! 安倍前首相が切れない理由は
     …河井案里の不正選挙にも関与】…《そもそも、安倍前首相は
     重鎮ヅラして政治活動する資格はない。その前に責任をとるべきことが
     いくつもあるだろう。その一つが「桜を見る会」問題だ。なかでも
     「桜を見る会」前夜祭会費補填問題は、政治資金規正法違反も
     疑われている。…ところがここにきて、案の定、その配川氏が、
     また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上したのだ》。」

   『●《完全に横領》なはずの配川博之氏復職…《つまり、復職させている=
      安倍前首相もやはり共謀していたと思われても仕方ないのではないか》

 《国民を舐めている》。数多のアベ様案件、その一つでも解決し、アベ様はその一つでも責任をとったのか? そして、《その配川氏が、また安倍事務所で秘書として働いている疑いが浮上》。舐めてるでしょ? さんざん国会をコケにし、主権者に息吐く様にウソをつき続けておいて。元公設秘書の横領を告発もせず、わずか3カ月で、私設秘書に。《前夜祭の補填について安倍氏が把握していた、あるいは安倍氏の指示のもと補填が行われたことの決定的な証明》。
 《むしろ、公選法違反になることを理解しながら費用補填をおこない、さらには収支報告書に記載しないという違反行為まで働いたのは、安倍氏自身が前夜祭を開くことに固執し、違法性を認識しながらもGOサインを出したということではないのか》《当初から前夜祭の費用を事務所側が負担することの違法性を理解しながら、費用の補填をおこない、政治資金収支報告書に記載しないことで問題の発覚を防ごうという「確信犯」だったことがはっきりとした》。それでもまだ支持者がいて、未だに国会議員で居るのだから、壊れているよニッポン。《118回も虚偽答弁をおこなったような人物がいまだに国会議員を辞職もせず、ロシアのウクライナ侵略に乗じて軍拡を叫んでいること自体が異常なのだが、そんな主張を繰り広げるより前に、政治の私物化と腐敗を象徴する「桜を見る会」前夜祭問題における安倍元首相の責任について、あらためて検証と追及が必要だ》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/173889

安倍元首相の元秘書、違法性を当初から認識 「桜を見る会」夕食会補填問題で供述 本紙請求に開示
2022年4月26日 06時00分

     (2019年4月、「桜を見る会」であいさつする
      安倍元首相=東京・新宿御苑)

 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会前日に主催した夕食会を巡り、2020年12月に政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた配川博之元公設第1秘書(62)=山口県下関市=の刑事確定記録が25日、本紙の請求により開示された。配川氏は、費用を補塡すれば違法な「寄付」になりかねず、「後援会の収支報告書に載せることはできない」と2013年当初から認識秘書同士で責任を押し付け合った結果、収支報告書に記載しないまま放置していたずさんな会計処理が明らかになった。(小沢慧一

 配川氏の供述などによると、夕食会は地元山口県の「安倍晋三後援会」が主催し、ホテルとの契約などは東京の事務所が担当。支援者の会費は5000円と決めていたが、東京の秘書から「参加費だけでは費用が賄えないので後援会で処理してほしい」との連絡を受けて「何をやっているんだ」と不信感を強めたという。

 配川氏は後援会の実質的な会計責任者で、収支報告書に記載する義務があると認識していたが、開催後も秘書間で連絡を取らないまま、収支の記載もしなかった。翌14年以降も「記載すれば辻褄つじつまが合わなくなる」として記載を見送り続けたとした。

 一方、東京の秘書は供述で、「寄付」とみられないように参加費を受付で徴収し、ホテル名の領収書を渡していたと述べた。だが費用補塡について打開策は見つからず、収支の記載は「地元事務所がやるもの」と考え、配川氏と話し合いをしないまま「互いに相手に対応を任せる形になった」と釈明した。16年以降、ホテルからの請求書はシュレッダーで処分したという。

 安倍氏の関与について、東京の秘書は「秘書らが不正な処理をしていることを伝えられるはずがなかった」と一切伝えていなかったと述べている。補塡の原資については、安倍夫妻の個人的な支払いなどのための「プール金」を使ったとし「いちいち安倍氏の了承や報告をするお金ではなく、当然、補塡についても伝えなかった」と供述した。

 特捜部は不起訴とした安倍氏にも任意で聴取したが、安倍氏の供述調書は今回の記録には含まれていなかった。

【関連記事】安倍元首相、再び不起訴に失望の声「事件にふたをしたいのだろう」 検察は追加捜査の説明せず
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https://lite-ra.com/2022/04/post-6186.html

安倍晋三「桜前夜祭」事件で秘書たちが「違法性を認識していた」と供述していたことが判明! なのになぜ不起訴に? 安倍元首相の関与は…
2022.04.27 09:26

     (2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより))

 ロシアによるウクライナ侵略以降、核共有だの防衛予算増額だの火事場泥棒的発言を連発している安倍晋三・元首相だが、ここにきて、あの問題で重大な事実が判明した。「桜を見る会」前夜祭の費用補填問題で、東京地検が作成した供述調書といった刑事確定記録が一部開示され、なんと安倍氏の秘書や事務所関係者らが当初からその「違法性」を認識していたことがわかったからだ。

 ご存知のとおり、東京地検は2020年12月、安倍元首相の公設第1秘書だった配川博之氏を政治資金規正法違反(不記載)の罪で略式起訴。しかし、前夜祭の費用負担が選挙法違反、公職選挙法違反の寄附にあたるとして告発された件では容疑不十分で2度にわたって不起訴となった。一方、安倍氏は公職選挙法(選挙区内の寄附)違反容疑などで不起訴となり、その後、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受けたが、2021年11月に再び不起訴処分(容疑不十分)とした。

 だが、今回明らかにされた、前夜祭の開催にかかわった秘書らの供述調書を読むと、当初から前夜祭の費用を事務所側が負担することの違法性を理解しながら、費用の補填をおこない、政治資金収支報告書に記載しないことで問題の発覚を防ごうという「確信犯」だったことがはっきりとしたのだ。

 刑事確定記録を開示請求で入手した東京新聞の報道、「論座」に掲載された奥山俊宏・朝日新聞編集委員による詳報など(外部リンク https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2022042600003.html)によると、2020年10月27日に東京地検検事が作成した供述調書において、安倍氏の地元事務所で公設第1秘書を務めていた配川氏は、桜を見る会」前夜祭をはじめて開催した2013年の段階から1人5000円の会費では賄えない費用が発生することを認識し、こう考えていたというのだ。

「後援会の持ち出しが生じ、公職選挙法で禁止されている寄附と見られかねない収支となってしまう」

 さらに、東京の安倍事務所で秘書を務める者も、配川氏と同様に、2013年の段階から以下のように危惧していたという。

「地元支援者ら有権者を夕食会に招待し、飲食の提供などを行うようなことをすれば、安倍が公職選挙法上で規制されている有権者に対する寄附を行ったなどと問題視されかねない」
「1人5000円の会費を集めたところで代金を賄うことはできないだろう」
不足分を安倍側で補った場合、公職選挙法で規制された寄附に該当し、そのことが発覚して問題視されるおそれがある。対策をよく考えておかなければいけない」
「とにかく公職選挙法上の寄附の問題については、シビアな問題となりかねないと当時認識していた」


安倍事務所の秘書たちは前夜祭の違法性を認識 安倍晋三の関与は…

 つまり、地元側の公設第1秘書である配川氏も東京側の秘書も、費用補填が選挙区の有権者に対する寄附行為となり、公選法違反にあたることを十二分に理解していた、というわけだ。そして、「そのまま後援会の収支報告書に到底実際の収支を載せることなどできない」と考えた配川氏は、2013年分の安倍晋三後援会の収支報告書の作成時、事務員に「載せんでもええけぇ」と指示したというのだ。

 これほどの確信犯で公選法違反がおこなわれたというのに、費用補填の問題では誰ひとりとして起訴されず、不問に付された──。これはどう考えてもおかしいだろう。

 前述したように、配川氏は収支報告書への不記載では略式起訴されたが、費用負担の問題では東京地検は「参加者に寄附を受けた認識がなかった」などとして不起訴にし、検察審査会が「不起訴不当」と議決したあとも再び不起訴とした。だが、そもそも最初の捜査で東京地検が聴取をおこなった参加者は約30人にすぎない上、検察幹部が〈「会費が安すぎる」という認識が参加者のほぼ全員にない限り、寄付の認識を立証できない〉(東京新聞2021年12月28日付)などと語っていたように、ハナから起訴する気がまったくなかった

 しかし、安倍事務所の秘書らがその違法性を理解し、確信犯で費用の補填と収支報告書への不記載を実行するという悪質性を考えれば、あらためてこの捜査がいかにお手盛りなものだったかがはっきりしたといえるだろう。

 しかも、最大の問題は、すべてで不起訴となった安倍元首相の関与だ

 今回明らかになった供述調書では、これまで安倍元首相がおこなった説明と同様、費用を補填していることについて秘書らは安倍氏に「伝えていなかった」と話している。

 だが、これはどう考えてもありえない話だ。前述したように、公設第1秘書の配川氏をはじめとする安倍事務所の秘書たちは、前夜祭の開催前から揃って費用補填が公選法違反になることを理解し、「シビアな問題となりかねない」と認識していたのだ。しかも、当時の安倍氏は悲願の総理大臣に返り咲いたばかりで、カネのスキャンダルを抱えるなどもってのほかだったことは言うまでもない。配川氏は「収支報告書を提出、公表すれば、マスコミなどから逐一、チェックされる」、東京事務所の秘書も「逐次安倍の行動を追っていたマスコミなども関心を寄せるだろう」と供述しており、明確に危機感を持っていたのだ。当然、総理大臣に仕える秘書たちが“バレれば即辞任”になりかねない犯罪行為を黙って実行するなんてことが、ありえるわけがないのだ

 実際、「週刊文春」(文藝春秋)2020年12月10日号では、配川氏について、地元市議はこう証言している。

「彼はお金のことに限らず、何でも安倍さんに報告します。酒席の他愛ない会話まで伝えていて、東京で安倍さんにその話を振られて驚いたことがありました。前夜祭の件も、配川氏が安倍さんに報告していないとは考えにくいのです」


「桜前夜祭」問題で辞職した安倍事務所の配川秘書が密かに復職疑惑

 むしろ、公選法違反になることを理解しながら費用補填をおこない、さらには収支報告書に記載しないという違反行為まで働いたのは、安倍氏自身が前夜祭を開くことに固執し、違法性を認識しながらもGOサインを出したということではないのか

 現に、安倍氏は、首相在職中に国会で桜前夜祭の会費をめぐり「補填していない」「ホテルとの契約主体は参加者個人」「(ホテルを)何回も使って信用できる方と、いちげんの方とでは商売の上において違う」などと実に118回以上も虚偽答弁を繰り返し、会費を補填していた事実が明らかになっても「私が知らないなかでおこなわれていた」と強弁。国会で追及を受けているときも「事務所に幾度も確認」したにもかかわらず、事務所の秘書たちは嘘の説明を繰り返し、そのために虚偽答弁をしてしまったのだと主張してきた。つまり、安倍氏は“自分は配川氏ら秘書に騙されてきた被害者”だと強調したのだ。そして、その責任を取って、公設第1秘書である配川氏と東京の私設秘書2人は「辞職」した、と説明をおこなったのである。

 ところが、配川氏が公設秘書を辞職してから半年も経たない2021年4月には、配川氏が安倍事務所に復職したと「しんぶん赤旗 日曜版」がスクープ。同紙ではスーツ姿の配川氏が分厚いファイルを片手に下関市の安倍晋三事務所に入っていく姿を写真に捉え、「配川氏が現在も安倍事務所で活動している」という複数の自民党関係者の証言を紹介。さらに、公設秘書辞職からわずか1カ月ほど経った2021年1月、配川氏が山口県内の会合に出席し「公設秘書から私設秘書になった」と周辺に説明していたことも報じた。

 自分を騙し国会で118回も虚偽答弁をさせた張本人である秘書を、クビにもせずに秘書としてそのまま働かせる──。本サイトでは安倍氏が配川氏の「辞職」を発表した時点から「なぜ懲戒解雇でないのか」と指摘してきたが、解雇どころかそのまま私設秘書として復帰させていたとしたら、これこそが前夜祭の補填について安倍氏が把握していた、あるいは安倍氏の指示のもと補填がおこなわれたことの決定的な証明と言っていいだろう。

 そもそも、安倍元首相の供述調書はいまだに開示されておらず、安倍元首相の関与について徹底追及がなされていないのが現状だ。118回も虚偽答弁をおこなったような人物がいまだに国会議員を辞職もせず、ロシアのウクライナ侵略に乗じて軍拡を叫んでいること自体が異常なのだが、そんな主張を繰り広げるより前に、政治の私物化と腐敗を象徴する「桜を見る会」前夜祭問題における安倍元首相の責任について、あらためて検証と追及が必要だ。

(編集部)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/174158

<社説>桜を見る会 安倍氏にも政治責任が
2022年4月27日 07時44分

 「桜を見る会」の前日に安倍晋三元首相の後援会が主催した夕食会を巡る金銭問題は、二〇一三年当初から秘書が違法性を認識していた。政治資金規正法違反罪で罰金百万円の略式命令を受けた元公設第一秘書の刑事確定記録が開示され、判明した。

 もっとも安倍氏には「伝えていなかった」といい、東京地検は不起訴。検察審査会の「不起訴不当」の議決を踏まえても、不起訴は揺るがなかった。だが、安倍氏にも道義的責任はあり、その政治責任は厳しく問われるべきだ

 二〇年に罰金刑を受けた当時の公設第一秘書は後援会代表でもあった。夕食会は後援会が主催した。支援者の会費は五千円としたが、会費だけでは費用が賄えないのは明らかだった

 安倍氏側が費用を補填(ほてん)すれば公職選挙法上の違法な寄付になりうるため、「後援会の収支報告書に載せることはできないとし、政治資金収支報告書に記載しないまま放置した。言語道断である

 かつ、寄付とみられないように参加費を受付で徴収し、ホテル名の領収書を支援者に渡した。一六年以降はホテルからの請求書もシュレッダーで処分した。これらは偽装工作や証拠隠滅に等しく、極めて悪質といえる。

 安倍氏の責任は、秘書の監督はもちろん、国会での説明責任もある。だが、安倍氏はこの問題で百十八回も虚偽答弁を繰り返したことが衆院調査局の調査で判明している。後援会からの収入、支出は一切ないから収支報告書への記載は必要ない」「補填の事実はない」などとウソを積み重ねたのだ。国会も国民も愚弄(ぐろう)している。

 そもそも「桜を見る会」でも地元の支援者を招待し、安倍氏が政治家枠により年々、増やした。これも自らの支持拡大に利用した私物化に他ならない。一連の問題について、安倍氏が積極的に調査しなかった姿勢も問題である。

 森友学園問題でも政府答弁が百三十九回も事実と異なっていた安倍氏が臨時国会を長期にわたり開かなかったこととも併せ、議会政治への冒とくに対するけじめはつけなければならない
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●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》

2022年02月06日 00時00分22秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年01月29日[土])
片山夏子記者による、東京新聞の記事【「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/154959)。

 《東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が27日、東電に対して総額6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。弁護団によると、子どもの時に甲状腺がんになった患者が原発事故を起因として東電を訴えるのは初めて》。

   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
              …2011年から「X年後」を怖れる
   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●黙殺される東電原発人災『X年後』: 
     「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」
   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●「福島の子どもたちの健康など一顧だにしていない」…
        「福島の小児甲状腺がんの多発の原因は原発事故」
   『●「津田敏秀教授が「甲状腺がん多発は原発被曝と
      関係ない」派に反論」…ヒトデナシな核発電「麻薬」中毒者
   『●《10年前、村を襲った福島原発放射線量の数字を「公表するな」
     「安全だ」と強弁していた専門家らは今、どう思っているのだろうか。》
    「日刊ゲンダイの記事【長谷川健一さん死因は「甲状腺がん」…
     福島原発事故と戦った飯舘村の酪農家が投げかけたもの】」

 《Forgotten》させてはいけない…「子供達の『X年後』の現実」

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●【放射線を浴びたX年後】…《半世紀以上前の列強国による…核実験に
       関わったイギリス軍の元兵士や遺族…その海で何があったのか》?
   『●『放射線を浴びたX年後』…『ビキニ事件』は終わっていない。
     「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「The Forgotten Sailors」(トモダチ作戦)…
           子供達の『X年後』を忘却したがる…

 『NNNドキュメント’17』で「2017年10月8日(日) 25:00」に放映"The Forgotten Sailors ~Operation Tomodachi~"……メルトダウンあるいはその放射能プルームについての情報は福島の市民には提供されず、ましてや、いち早く情報提供を受けたらしい米空母ロナルド・レーガンでさえもが手遅れで、著しい汚染を受け、著しい《健康被害》…。艦上での作業中の被曝、食物や水を介して内部被曝してしまったことを、軍や米政府は認めない。「甲状腺がん放射線の影響とは考えにくい」と言う人々、ニッポンのオトナ達と全く同じではないか。視聴後、大きな衝撃を受けたとともに、福島で起こっていること、「子供達の『X年後』の現実」に改めて、怒りが湧く。忘却したがる大人たち。東電やアベ様ら、核「寄生」委員会の面々は、これでも核発電を続け、核発電輸出をしようと言うのだろうか? 裁判に訴える元乗組員米兵達は、福島の人たちのために自らの「健康被害」の情報を提供する意思があると言う。この番組がその一環だ。

 《Forgotten》でいいのだろうか、「子供達の『X年後』の現実」。
 東京新聞の記事【「沈黙を余儀なくされてきた」東電甲状腺がん訴訟で弁護団が会見 27日に提訴へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/155162)によると、《東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が東電に損害賠償を求めて提訴する方針について、弁護団が19日、東京都内で記者会見した。弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》。

 何一つ解決していない東電核発電人災。立憲民主党の核発電推進議員や、政府や自公お維コミ議員、核発電「寄生」委員会、東電はさっさと《現状回復》して見せて下さい。話はそれからだ。

   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
    《「私の住んでる農地は、日本でも美味しいお米がとれる
     土壌だったんです。それが壊されたからね、土壌汚染によって。
     だから、東電に原状回復してもらう。」》

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
     みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?

 一方、キシダメ首相ときたら、《自身の看板政策「新しい資本主義」の柱と位置づけ、再生可能エネルギーだけでなく、原子力の技術開発を推進する考えだ》…。アタマ、大丈夫か? 何の反省も無く、教訓も得ない自公お維コミ。《Forgotten》させてはいけない…「子供達の『X年後』の現実」。
 アサヒコムの【核といのちを考える/原発活用へ透ける思惑 首相が「クリーンエネルギー戦略」策定を指示】(https://www.asahi.com/articles/ASQ1L6QK0Q1LULFA008.html)によると、《岸田文雄首相は18日、脱炭素社会の実現にむけた「クリーンエネルギー戦略」の策定を関係閣僚に指示した。自身の看板政策「新しい資本主義」の柱と位置づけ、再生可能エネルギーだけでなく、原子力の技術開発を推進する考えだ。欧州では原発を脱炭素の電源として再評価する動きがあり、国内でも推進派の期待が強まっている。首相官邸で開かれた有識者会議で、岸田首相は「持続可能性の欠如など、資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題だ。炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野の投資を早急に少なくとも倍増させる」と述べた。政府は2050年の脱炭素化を掲げるが、多くの化石燃料を使う産業では事業の見直しなど負担が増える。新たな戦略で脱炭素への道筋を示すことで投資をしやすい環境を整え、経済成長との両立をめざす。経済産業省によると、重要な論点と位置づけるのが、再生エネを大量導入するための送電網の増強や、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素・アンモニア、国民の生活スタイルの転換などに加え、原子力だ。日本メーカーも参加して米国で開発が進む小型モジュール炉(SMR)や、高レベル放射性廃棄物が出ないとされる核融合といった次世代技術の研究を推進するという》。
 もう正気とは思えない。勝手にやってろ!、という気分。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/154959

「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ
2022年1月19日 06時00分

     (東京電力を提訴することを決めた女性。甲状腺を全摘し、
      手にする薬を生涯飲み続ける必要がある=福島県内で)

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が27日、東電に対して総額6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。弁護団によると、子どもの時に甲状腺がんになった患者が原発事故を起因として東電を訴えるのは初めて。(片山夏子


◆弁護側「被ばく以外の原因は考えられない」

 提訴するのは、福島市や郡山市などに住んでいた4人と、県西部の会津地方と県東部の浜通りの両地域に住んでいた各1人。事故当時は6~16歳で、現在は県内や東京都内で高校生だったり、会社員やアルバイトとして働いていたりする。

 6人は、福島県の県民健康調査などで甲状腺がんと診断された。2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発により全摘し、放射線治療を実施または予定している。4回手術した人や肺に転移した人もいる。治療や手術で希望職種への就職を断念し、大学中退や退職を余儀なくされたりした。再発だけではなく、結婚や出産ができるかなど強い不安を抱えている

 弁護団は、6人を含む子どもたちに見つかった甲状腺がんの多くがチェルノブイリ原発事故で小児・若年層で確認された乳頭がんで、遺伝性ではなく被ばく以外の原因は考えられないと主張。井戸謙一弁護団長は「再発している人も多く、過剰診断は考えにくい東電は原因が原発事故と認め、早急に救済すべきだ」と話した。


◆専門家会議は「因果関係認められない」との立場

 原発事故による被ばくと甲状腺がんの因果関係について、福島県の専門家会議は「現時点で認められない」という立場だ。

 原発事故後、県は県民健康調査の一環として、事故当時おおむね18歳以下と事故後の2012年4月1日までに生まれた(県外避難者を含む)計約38万人を対象に、被ばくにより発症の可能性がある甲状腺がんの検査をしている。

 通常、小児甲状腺がんの発症数は年間100万人に1~2人程度とされるが、調査などでは、昨年6月までに約300人が甲状腺がんまたはその疑いと診断された。医療費の全額は、国の財政支援や東電の賠償金で創設した「県民健康管理基金」から交付されている。

 診断結果について専門家会議は「将来治療の必要のないがんを見つけている過剰診断の可能性が指摘されている」としつつ、調査を継続している。


【関連記事】甲状腺がんの26歳「結婚、出産、将来のこと。考えられない」 東電提訴で「今できることを」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/155162

「沈黙を余儀なくされてきた」東電甲状腺がん訴訟で弁護団が会見 27日に提訴へ
2022年1月20日 06時00分

     (会見をする弁護団。右から海渡雄一弁護士、井戸謙一弁護士、
      河合弘之弁護士=19日、東京・霞が関の司法クラブで)

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が東電に損害賠償を求めて提訴する方針について、弁護団が19日、東京都内で記者会見した。弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた。

 小児甲状腺がんは通常、発症数は年間100万人に1~2人程度とされている。福島県の県民健康調査などでは、事故後から昨年までに約300人が甲状腺がん、またはその疑いと診断されたが、同県の専門家会議は被ばくとの因果関係について「現時点で認められない」としている。

 事故から10年を経て訴訟を起こす理由として副団長の河合弘之弁護士は「原発事故が原因で甲状腺がんになったと声をあげると社会からバッシングを受ける雰囲気があり、6人は沈黙を余儀なくされてきた」と説明。「福島県では通常より数十倍も多くの子が甲状腺がんになっている因果関係がないというのなら、東電側はそれ以外の原因を立証しなくてはならない」と主張した。

 同じく副団長の海渡雄一弁護士は「結婚や就職など普通の人生の望みを奪われ、生涯苦しい治療を続けなくてはいけない人もいる」と述べ、「6人以外でも同様に苦しんでいる人は弁護団に相談してほしい」と呼び掛けた。

 弁護団によると、原発事故による甲状腺がんの責任を問う訴訟は初。27日に東京地裁に提訴する。会見を受け、東電は「訴状が送達された場合、誠実に対応する」とコメントした。(小沢慧一


【関連記事】「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ
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●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》

2019年09月28日 00時00分35秒 | Weblog

元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ東京新聞2019年9月27日)↑]



東京新聞の二つの記事【原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html)と、
【関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html)。

 《関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていた…森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある》。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
              浜岡原発という「金のなる巨大木」
    「東京新聞の3つの記事、森本智之記者による【「中部電
     浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー】…、
     小沢慧一・森本智之・勝間田秀樹記者による【浜岡地元に
     30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 
     原発受け入れ晩年まで自問】…、
     夏目貴史記者によるインタビュー【浜岡原発停止5年 
     御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」】」
    「地元の住民組織にまで「麻薬」が配られていたそうです。
     中部電力と「なれ合って」いた訳です。おカネは何に使われて、
     どこに消えたのでしょうね。唖然とします。
      核発電所立地の地元民までが、砂上にペラペラの壁を造って
     までも再稼働したくなる訳です。核発電「麻薬」中毒患者が実り、
     3.11人災のような、そして、地域の分断のような「悲劇」が
     実る「金のなる巨大木」だったようです。」

 やはり核発電は「金のなる巨大木」のようです。浜岡原発に絡んで、中部電力から住民組織「佐倉地区対策協議会(佐対協)」に流れた原発マネーはどこに消えたのか不思議でした。政治家に流れたのか…? 
 しかし、今回は、高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に明確に、見事に《還流》されています。驚きです。「原発マネー」をお返しすれば済む、という単純な話ではないでしょう。

   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです

 関西電力八木誠会長は電気事業連合会電事連)の会長を、2011年4月~2016年6月の間、勤めています。知らなかったのですが、現在の電事連の会長は岩根茂樹社長。
 ウィキペディアの電気事業連合会の項に以下の記述があります: 「福島第一原子力発電所事故が発生した2011年、東京電力から連合会宛に年会費として18億円が支払われていた事が判明した(同時期には公的資金での財政支援が行なわれている)が、納入された会費の具体的使途を連合会は開示していない…東電、電事連へ会費18億円 11年度、料金に上乗せ 朝日新聞デジタル2013年3月31日」。
 下記ブログの通りです。

   『●東京電力原発人災が続くさ中に「会費」なるものを
                 払うというその無神経さ

 《関電の岩根茂樹…「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。…岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい返せなかったと話した》…一体、どんな言い訳なのでろう。唖然とする。
 《菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」》そうだが、どこまで本気なのか。結果が見ものだ。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html

原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から
2019年9月27日 朝刊



【元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/images/PK2019092702100052_size0.jpg)】

 関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査で分かった。複数の関係者が共同通信の取材に明らかにした。

 森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある。

 関電広報室は二十六日夜、社内に調査委員会を設置して調べたとし「現時点では儀礼の範囲内以外のものは既に返却を完了した」とコメントした。

 八木会長は取材に「森山さんは地元の有力者で、原子力に対しても理解のある方。そういう意味でお付き合いがあった」と述べた。資金の授受については「広報に聞いてほしい」と繰り返した。岩根社長は「中元とか歳暮はあった。通常の付き合い以上のものはいけないという認識でお返しした」と話した。

 森山氏は一九七七~八七年、高浜町助役を務めた。

 複数の関係者によると、金沢国税局は昨年一月、高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手。この会社から工事受注に絡む手数料として森山氏へ約三億円の資金が流れていることが確認された。さらに森山氏の税務調査を進めると、森山氏が関電役員ら六人の個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を関電側に届けたりしていたことが判明。総額は七年間で約一億八千万円に上る

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注していた。

 森山氏は、受け取った約三億円を所得として申告していなかったため、金沢国税局は申告漏れを指摘し、追徴課税した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html

関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」
2019年9月27日 夕刊

      (厳しい表情で記者会見する関西電力の岩根茂樹社長
       =27日午前、大阪市で)

 関西電力の八木誠会長(69)を含む役員ら六人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から多額の金品を受領していた問題を受け、関電の岩根茂樹社長(66)が二十七日、大阪市の本店で臨時の記者会見を開き「二〇一一年からの七年間で二十人が計三億二千万円を受け取っていた」と明らかにした。辞任は否定した。

 「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。既に自身と八木会長は報酬減の処分を受けたとし「それ以外の処分人数と内容は差し控える」と語った。

 「調査の結果、見返りとなるような行為はなかった。(原発関連工事費が経営陣に還流したという認識はない」「(工事の)発注プロセスに問題がない」と強調した。

 菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」と述べた。同日午前に関電側から事情を聴いていることも明らかにした。

 関係者によると、森山氏への金沢国税局による税務調査の過程で六人は一七年までの七年間に計約一億八千万円を受領していたことが確認された。四人は調査が始まった昨年、すぐに全部や一部の返還を始めた。ただ、受領から既に相当の期間が経過し、自身の所得に当たるとみなされる可能性があったため、自主的に雑所得として税務申告もした。

 岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい、返せなかったと話した。

 関係者によると、国税局は税務調査の結果、森山氏が高浜原発などの関連工事を請け負う高浜町の建設会社から、工事受注に絡む手数料名目で約三億円を受領していたことをつかんだ。さらに調査を進め、森山氏から関電役員ら六人への資金の流れを確認したという。

 資金は個人口座に送金したり、現金入りの菓子袋を届けたりして関電側に渡したとされる。森山氏は国税局に「関電にはお世話になっているから」と説明したという。

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注原発関連の工事費として立地地域に流れた原発マネーが経営陣個人に還流した可能性がある。

     ((左)故森山栄治氏(右)八木誠会長)


◆社長一問一答「関係悪化恐れた」

 岩根茂樹関西電力社長の二十七日午前の記者会見での一問一答は次の通り。

 -金品受領の概要を。
 「二十人が計三億二千万円を受け取っていた。報酬減の処分を受けている」

 -社長の責任は。
 「会社として対処すべきものが個人の管理となっており、トップのリーダーシップの問題を感じている」

 -社長や(岩根氏が務める)電気事業連合会会長職の辞任は。
 「再発防止を行うことで責任を全うする」

 -金品の原資への認識は。発注した原発工事の資金が還流したのか。
 「そのような認識はない」

 -背広券を使ったとの話もある。
 「儀礼的なもので返却できていないものはある」

 -福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏から金品を拒めなかった理由は。
 「地元の有力者で、地域調整の観点でお世話になっている。先方も厳しい態度で返却を拒まれたので関係悪化を恐れた」

 -岩根社長自身が金品を受け取った状況は。
 「社長就任後に本社にごあいさつに来られた。原子力事業運営と地域に関して話した後、直接受け取った。役員から高額なものかもしれないと言われ別に管理した」

 -税務調査前に返す努力はしたか。
 「私が直接ではないが、社としては試みた」

 -東日本大震災後の節電時期も金品を受け取っていた。
 「原子力の信頼を回復する必要がある時で、心よりおわびする」

 -元助役が、原発関連工事を請け負う建設会社と関連している認識はあったか。
 「認識はあった
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●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」

2016年05月12日 00時00分47秒 | Weblog


東京新聞の3つの記事、森本智之記者による【「中部電、浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000132.html)、
小沢慧一:森本智之・勝間田秀樹記者による【浜岡地元に30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 原発受け入れ晩年まで自問】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000135.html)、
夏目貴史記者によるインタビュー【浜岡原発停止5年 御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000146.html)。

   『●浜岡原発と大飯原発: 「当面」「いったん」が
                       ポイント、「一切」「永久に」ではない
   『●浜岡原発〝一時〟停止のみでいいのか?

   『●浜岡原発: 元原発技術者の叫び
   『●まずは第一歩目かな・・・??
   『●浜岡原発: 安全対策工事という
         砂上の楼閣に期待する人たち
    「安全対策工事後って、物理的にも砂上の楼閣が
     出来たからと言って、何なんでしょうか?? 
     何の役に立つというのでしょう?? 東京電力人災の
     教訓が全く活かされていません」

   『●浜岡原発という凶器:  
      砂上にペラペラの壁を造って、な~にが「安全」なのか?

 《中部電力浜岡原発静岡県御前崎市)1~4号機を建設するのに伴い、地元の住民組織に総額三十億七千九百万円余りが渡っていたとする文書が見つかった…電力会社が原発の立地自治体に行う寄付は、なれ合いを生むなどとして批判されてきたが、浜岡原発の場合は一住民組織にまで継続的に行われていたことになる》。
 《地域の振興と引き換えに原発を受け入れてきた。それが正しかったのか、晩年まで自身に問い続けた》。
 《原発はお金がなる木だった》。

 地元の住民組織にまで「麻薬」が配られていたそうです。中部電力と「なれ合って」いた訳です。おカネは何に使われて、どこに消えたのでしょうね。唖然とします。
 核発電所立地の地元民までが、砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる訳です。核発電「麻薬」中毒患者が実り、3.11人災のような、そして、地域の分断のような「悲劇」が実る「金のなる巨大木」だったようです。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000132.html

「中部電、浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー
2016年5月11日 07時02分

 中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)1~4号機を建設するのに伴い、地元の住民組織に総額三十億七千九百万円余りが渡っていたとする文書が見つかった。組織の代表者を務めた男性(故人)の自筆メモで、関係者から提供を受けた一連の資料とともに、立教大共生社会研究センターが十日、公開を始めた。

 電力会社が原発の立地自治体に行う寄付は、なれ合いを生むなどとして批判されてきたが、浜岡原発の場合は一住民組織にまで継続的に行われていたことになる。こうした資料が明らかになるのは異例だ。

 男性は旧浜岡町議の鴨川源吉氏。原発の建設用地の地権者の一人でもあり、中部電が1号機の受け入れを町に打診した翌年の一九六八年、地権者らの代表組織として「佐倉地区対策協議会(佐対協)」が発足すると、理事に就任した。

 その後、原子炉増設の際には佐対協の同意が不可欠となるなど原発運営に強い影響力を持つようになった。鴨川氏は3~4号機を受け入れた七八~九〇年には会長を務め、九九年に八十四歳で亡くなった。

 資料は「中電協力金集計表」と題され、日付は「(平成)元年8月31日現在調査」とある。

 資料によると、協力金は原子炉増設のたび支払われた浜岡原発の真下を想定震源域とする東海地震説が発表(七六年)されたり、米スリーマイル島原発事故(七九年)が起きたりし、受け入れ交渉が難航した3号機増設の際には、総額の六割強に当たる十九億円余りに達したとみられる。

 旧浜岡町は従来、中部電からの寄付金を人口などに応じて町内六地区に平等に分配していた。だが3号機増設の際には、中部電との直接取引を指すとみられる「中電直入」の金が計十三億四千万円生じている。「中電直入」は4号機分でも五億円ある。

 鴨川氏が会長を務めた当時幹部の男性は、資料について「知らない。知っていてもお金のことは言えないし、墓場まで持って行く話」と答えた。同時期に町長だった鴨川義郎氏(88)は「佐対協は中電と直接、補償交渉をしていた。金額までは分からないが、三十億円くらいはもらっているかもしれない」と話した。

 鴨川源吉氏はこの資料のほか佐対協の議事録や自筆メモなど大量の資料を残しており、立教大で公開されるのは計約五百六十点に上る。資料は、立教大共生社会研究センター(東京都豊島区西池袋三)へ申請し、許可が得られれば閲覧が可能。


◆「振興の手伝い」中部電コメント

 中部電力広報部は取材に「地元の振興を手伝いたいとの考えから、協力金を支払うことがある。個別の協力内容は相手方もあることから差し控える」とコメントした。


「地区の同意」に巨費

<解説> 今回明らかになった文書からうかがえるのは、地震大国・日本で原発を建設することの難しさだ

 原発の立地、建設を円滑に進めるために電力会社は多額の寄付金を地元自治体に落としてきた。旧浜岡町も一九七〇~八〇年代、中部電から少なくとも百十四億円を受け取っていたことが本紙の過去の報道で明らかになっている。今回のケースではこれに加え、人口三千~四千人規模だった一地区にまで、巨費が投じられていたことになる。

 浜岡原発は東海地震や南海トラフ地震で大きな被害が想定されるエリアにあり、「世界一危険な原発」と呼ばれる。手厚い地元対策の背景には、地震や過酷事故への住民の懸念があったはずだ。ところが、「立地交渉は、ブラックボックス。社内でも担当部署以外は事情を知らされない」(中部電の元役員)というようにその実態はほとんどベールに包まれてきた。

 東日本大震災を経験し、地震や津波対策は日本中の原発に突きつけられた共通の課題になった。日本で原発を建設し、運営するにはどれだけの費用がかかるのか。そして、これまでどんな交渉が行われてきたのか。電力を消費し、電気料金を払い続ける国民にとって、今回公開された大量の資料は、現在の原発政策を考える上でも大きな示唆に富むはずだ。(森本智之


 <佐倉地区対策協議会(佐対協)> 中部電の浜岡原発建設予定地に土地を持つ佐倉の地主たちを中心に1968年に発足した。当時の地主は約300人。現在の佐倉地区は1927世帯、4746人(3月末現在)。中部電の寄付金で建てられた旧公民館内に事務所がある。他の原発立地自治体視察などの事業をしている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000135.html

浜岡地元に30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 原発受け入れ晩年まで自問
2016年5月11日 朝刊

     (1960年代後半、浜岡原発建設の申し入れが
       あったころの鴨川源吉さん(右))

 「喜び、悲しみ、苦しみ」。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の建設をめぐり、地元佐倉地区の故鴨川源吉さんが残した資料には、手書きでそんな対義語が記されている。原発増設の際、住民組織「佐倉地区対策協議会(佐対協)」の中心人物として中部電と交渉し、地域の振興と引き換えに原発を受け入れてきた。それが正しかったのか、晩年まで自身に問い続けた。 (小沢慧一、森本智之、勝間田秀樹)

 浜岡原発1号機が建つとき「泥田に鶴が舞い降りた」と言われるほど産業に乏しかった佐倉地区。鴨川さんはここで育った。公開された自筆のメモのほとんどは、ノートなどを使わず、新聞チラシの裏に細かい字でびっしりと書き込まれている。立教大によると、資料を収めたファイルは紙製で、日焼けやシミができていたが、中身はきちんと整頓されていた。

 一九一五年生まれ。四〇年に農業技術者として旧満州の会社に就職し、四五年の終戦三カ月前、中国の黒竜江省牡丹江市に出征した。戦後はシベリアに二年間抑留された。四七年に帰郷を果たすと農業に従事し、後に原発用地となる土地でミカンやウメ、茶を栽培した。親分気質で住民の信頼も厚く、六七年から旧浜岡町議を四期務めた。佐対協の会長だったのは七八年から十二年間。九九年に八十四歳で世を去った。

 普段は温厚だが、中部電との交渉には「地元のため」と、厳しい姿勢で臨み、自宅応接間で中部電の担当者と大声でやり合うこともあった。

 メモ魔の一面もあり、中部電との交渉や佐対協の議事録などを細かく記録。書斎の壁一面に作った本棚を、テーマ別に並ぶファイルが埋めた。その資料を頼って、中部電の幹部も過去の経緯を調べにたびたび来たという。

 暮らしぶりは質素で、あるとき、袖口が破れ、尻の部分がすり減った背広を見て、妻が新調を勧めた。だが、源吉さんは「そんなもので人は決まらない」と聞かず、家族が無理やりスーツ量販店に連れて行ったこともあった。

 資料には、七九年の米スリーマイル島原発事故を受け「地域へのメリットがあるならと推進してきた。しかし起きないと言った事が起きたと困惑を吐露したり、八六年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故では「4号機増設了解を撤回し(東海地震説で想定されていた)マグニチュード8以上の地震を乗り切って、判断すべきではないか」と後悔をつづったり。

 当時町長だった鴨川義郎さん(88)は「原発受け入れ判断の重圧は、大きかっただろう」と述懐する。

 源吉さんは会長から退くと、「5号機はもういらんな」と話していたという。ある日のこと、長女が「原発同意したことをどう思っているの」と尋ねた。「そうだな…」としばらく考え「豊かになっただけ、よかったんだろう」と窓の外を見つめた。1号機から一キロの自宅から見る風景に、かつて手塩にかけたミカンの木はもう見えなかった。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000146.html

浜岡原発停止5年 御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」
2016年5月11日 朝刊

     (市長時代を振り返る前市長の石原茂雄さん
                  =静岡県御前崎市役所で)

 「原発はお金がなる木だった」。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全炉の運転が、政府の要請で停止してから十四日で五年。全国の原発停止の発端となったものの、その後の国内の原発を巡る動きは迷走している。浜岡原発に携わってきた同市の石原茂雄前市長(69)に思いを聞いた。 


 -浜岡原発停止から五年間を振り返って。

 東日本大震災後の二〇一一年五月五日朝、中電から海江田万里経済産業相(当時)が原発を視察すると突然の連絡が入った。視察に立ち会ったが、安全対策に問題ないと判断した印象を受けた。ところが翌六日夜、総理官邸から、菅直人首相(当時)が浜岡の停止について発表する、との電話を受けた。あまりに唐突で、なぜ浜岡だけが危険なのかと思った。国策として応援してきたのに、浜岡だけを止めるのは納得できなかった。かなり興奮し、関係機関に暴言を吐いた。東京のために一番近くの浜岡を止めるのかと疑った。

 冷静に考えると震災以降、原発の安全神話は完全に崩れた。国は、国民の生命や財産を守ろうと判断し、浜岡を止めたと思う。そのおかげで浜岡の安全対策が進んだ。首相の判断は重要だったと感じている。


 -市長として、どう原発と向き合ってきたか。

 この五年間、原発問題の取り組みには進展がなかったと言わざるを得ない。中電は対策を進めたが、行政は常に受け身だった。将来を考えて新エネルギーや企業誘致などに努力したが、原発の安全神話が崩れて市のイメージが最悪になった。何をするにしても難しく、中電に対して本社を浜岡に移転しろと文句を言ったこともある。


 -原発施策でやり残したことは。

 安全性のチェック体制を整え、中電のミスなどをもっと指摘するべきだった。原発に頼らない徹底した行政改革も必要だった。原発交付金で造った公共施設の維持についても見直していく必要がある。中電の安全対策に対しては評価するが、百パーセントの安全はなく、評価しない人も多いと思う。


 -原発の存在とは。

 多くの先人が言うように、原発は「お金がなる木」だった。市長就任時、周りから財政豊かで市政運営が楽だとうらやましがられた。確かに原発のおかげで恵まれていた。今となっては、その甘え体質をなくさないといけない。予算の無駄遣いなどが目立ち、新たなアイデアを生み出すことも少ない。旧浜岡町時代からの悪癖として続いている。自分も甘えていたかもしれないと反省している。


 -再稼働の判断は。これからも原発は必要か。

 再稼働は、活断層の調査や安全対策を確認し、まず原子力規制委員会が判断する。その後は、県や国が納得できる説明責任を果たす義務がある。最終決定は市民に託されるが、住民投票で白黒付けることなく、じっくりと話し合うことが大切だと考えている。原発はずっと存在する。新市長は再稼働推進の立場だが、課題は山積しており、厳しい判断が迫られる。

  (聞き手・夏目貴史)


 <いしはら・しげお> 静岡県旧浜岡町議を経て、2004年の同町と旧御前崎町の合併で誕生した御前崎市の初代市長に就任。3期12年間の任期を務め、今年4月に退任した。
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