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●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…

2024年03月13日 00時00分30秒 | Weblog

[↑ 『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


[↓ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土])]





(2024年03月01日[金])
《小早川社長は「私が先頭に立ち責任を持って再発防止に取り組む」と約束した》(東京新聞)…そうです。2023年10月の、奇しくも第3回汚染水海洋投棄の直前にも、廃液飛散事故があったばかり。《この事故で、東電は安全管理の意識徹底などの再発防止策を打ち出したが、3カ月ほどでまた事故が起きた》。
 《原子力規制委員会の会合で、福島県大熊町商工会の蜂須賀礼子会長は、東電トップの言葉をこう切り捨てた。「社長さんは『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」》、全く同感。「責任の『せ』の字も無し」。《福島第1原発の事故収束作業》もマトモにできない、《原状回復》する気も全く無し。しかも、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》してきたキシダメ首相や経産省、自公お維コミ議員ら。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

 そんな東電に、核発電所を運転する資格や能力は在るのかね? アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいそうですが、正気なのでしょうか? 全く規制しない原子力「寄生」委員会はそれを許し、アノ新潟県知事もそれを許しかねないと思いますよ。周辺住民の皆さん、それでいいのですか? 能登半島地震の「警告」は新潟県には届いていないのか?
 《◆デスクメモ 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)》(東京新聞)。

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310654)、《東京電力福島第1原発(福島県大熊町双葉町)の汚染水処理設備で水漏れ事故が相次いだことを受け、斎藤健経済産業相は21日、東電の小早川智明社長を呼び、再発防止の徹底を指導した。汚染水を浄化処理した水海洋放出の開始から24日で半年。風評被害の影響が続く中で起きた放出の基幹設備でのずさんな管理は、リスクを軽視する東電の体質を浮き彫りにする。(小野沢健太)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/310654

福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ
2024年2月21日 19時16分

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町双葉町)の汚染水処理設備で水漏れ事故が相次いだことを受け、斎藤健経済産業相は21日、東電の小早川智明社長を呼び、再発防止の徹底を指導した。汚染水を浄化処理した水海洋放出の開始から24日で半年。風評被害の影響が続く中で起きた放出の基幹設備でのずさんな管理は、リスクを軽視する東電の体質を浮き彫りにする。(小野沢健太

     (斎藤健経済産業相(右)に再発防止策を説明する
      東京電力の小早川智明社長(左)=21日、
      東京都千代田区で(小野沢健太撮影))


◆人為的なミスが原因

 東電経営陣と面談した斎藤経産相は、事故は人為的なミスが原因だと指摘。「単なるヒューマンエラーとして対処するのではなく経営上の課題として重く受け止めていただきたい」と求めた。小早川社長は「私が先頭に立ち責任を持って再発防止に取り組む」と約束した。

 福島第1原発では、原子炉建屋にたまる汚染水の除染設備で7日、洗浄廃液を建屋外に漏らす事故が発生。昨年10月には多核種除去設備(ALPS)で、洗浄廃液が飛散して作業員2人が被ばくし、一時入院した

 二つの事故はいずれも、東電や下請け企業に過去の作業経験による慣れがあり、状況確認や防護対策を怠ったことが共通している。


◆開いたままの手動弁から廃液漏れ

 除染設備では、屋外の排気口につながる手動弁10カ所が開いたまま洗浄し、廃液が漏れ出た。過去に14回あった同様の作業では、洗浄前の設備点検の際には弁が閉まっていたという。

 今回は、弁が開いた状態だったことの情報共有が東電の部署間で不十分だったため、閉めないまま点検に入った。東電が作成した作業の手順書も、これまでと同様に弁が閉まった前提の手順になっていた。点検した下請け企業の作業員も、弁は閉まっていると思い込み、開閉状況まで確かめなかった


◆かっぱ着用せずに作業、廃液かぶる

 ALPSでの被ばく事故も、従来の洗浄作業では廃液タンクから周囲に飛び散ったことはなく、作業員2人がかっぱを着なかった。しかし、想定していなかった飛散が起き、廃液をかぶって放射性物質が体に付着した。この事故で、東電は安全管理の意識徹底などの再発防止策を打ち出したが、3カ月ほどでまた事故が起きた。

 これらの設備で処理した水の海洋放出は、昨年8月24日に始まった。これまでのところ、原発周辺の海水の放射能濃度測定で異常は確認されていないが、中国やロシアは日本産水産物の輸入停止を継続。東電は今月14日時点で、約30件の風評被害の賠償請求に対し、計約41億円を支払った

 放出の影響が続く一方、福島第1原発の事故収束作業は「緩み」が深刻化している。19日の原子力規制委員会の会合で、福島県大熊町商工会の蜂須賀礼子会長は、東電トップの言葉をこう切り捨てた。「社長さんは『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない

 福島第1原発の汚染水処理 1〜3号機内の溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れた冷却水が汚染水となり、建屋に流入する地下水や雨水と混ざって増加。1日当たり約90トンが発生している。汚染水は除染設備で放射性セシウムやストロンチウムを低減した後、多核種除去設備(ALPS)でトリチウムを除く大半の放射性物質を除去して貯蔵タンクに保管。昨年8月24日に処理水の海洋放出が始まり、処理水に大量の海水を混ぜてトリチウム濃度を国の排水基準の40分の1未満にした上で、沖合約1キロの海底から放出している。


【関連記事】福島第1原発の汚染水処理施設でまた廃液漏れ 周辺環境の240倍の放射線 地面に染みこんだ可能性も
【関連記事】福島第1原発の廃液飛散事故で搬送された作業員2人が入院 作業時にルールで定められた「かっぱ」着用せず
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●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》

2023年12月16日 00時00分16秒 | Weblog

[『朽ちていった命 被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


(2023年11月10日[金])
欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、東海村JCO事故を彷彿。

   『●福島第一原発廃液飛散事故…ホースが抜けて廃液が飛び散り、指示を出す
     班長は当日病欠、代理の監督者も不在、ことごとく東電の説明もいい加減

 何故にマスコミは沈黙?
 リテラの記事【原発廃液飛散で東電が飛散量を数十分の1に矮小化も、東電の隠蔽・無責任体質を批判しないマスコミ 一方、復活する電力広告】(https://lite-ra.com/2023/11/post-6304.html)。《本日2日、3回目となる処理汚染水の海洋放出がおこなわれたが、そんななか、東京電力の隠蔽体質があらわとなる事態が発生した。10月25日、福島第一原発の汚染水の処理をおこなう「ALPS」施設のひとつで配管の内部洗浄をおこなっていたところ、放射性物質を含む汚染廃液をタンクに流すためのホースが外れ、作業員5人に汚染廃液が飛散。東電は飛散した汚染廃液の量が100ミリリットルだったとし、うち2人は除染しても放射能量が基準を下回らず福島県立医科大学に搬送されたと公表した。ところが、30日におこなわれた会見で東電は…》。

   『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ
        無視できない存在としての小出裕章さん
   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
       この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
    「日刊スポーツ…【政界地獄耳/薄っぺらい政治の「責任」】」
    《★1999年9月30日。東海村JCO臨界事故の際、時の官房長官・
     野中広務は…は10キロ圏に拡大して発表。「事なきを得て
     10キロが無駄だといわれれば私が謝れば済むこと」とした。
     ★不祥事に際し、首相・安倍晋三は「責任は私にある
     と連呼する。だがその責任という言葉の軽さが危険だ。
     …政府の統計不正も役人がのらりくらりで遅々として
     解明できない。机上の数字の操作だからか。公金を動かす
     という公務員の重みがないから責任も軽いものになるのか。
     政治の「責任」を薄っぺらくしたのは誰か。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
        なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

 何もかも杜撰な東京電力。これは3回目の汚染水投棄に向けての作業中だったのでは? なぜマスコミは大騒ぎしないのか、理解できない。それにしても、「ホース」ねぇ…、唖然とする。
 この杜撰さ、《1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーJCO)の東海事業所で臨界事故》を彷彿とさせませんか? 

   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》
   『●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理
     水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない
   『●まさに汚染水、海洋投棄してはいけない…トリチウム以外にも
     《炭素14…コバルト60…ヨウ素129…セシウム137》が含まれる汚染水
   『●【こちら特報部/応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に
     違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも】汚染水の海洋投棄

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https://lite-ra.com/2023/11/post-6304.html

原発廃液飛散で東電が飛散量を数十分の1に矮小化も、東電の隠蔽・無責任体質を批判しないマスコミ 一方、復活する電力広告
2023.11.02 08:25

     (11年ぶりに復活した東電の「でんこちゃん」)

 本日2日、3回目となる処理汚染水の海洋放出がおこなわれたが、そんななか、東京電力の隠蔽体質があらわとなる事態が発生した。

 10月25日、福島第一原発の汚染水の処理をおこなう「ALPS」施設のひとつで配管の内部洗浄をおこなっていたところ、放射性物質を含む汚染廃液をタンクに流すためのホースが外れ、作業員5人に汚染廃液が飛散。東電は飛散した汚染廃液の量が100ミリリットルだったとし、うち2人は除染しても放射能量が基準を下回らず福島県立医科大学に搬送されたと公表した。

 ところが、30日におこなわれた会見で東電は、飛び散った汚染廃液は当初公表の数十倍の「数リットル」にのぼるとみられると修正。さらに、被曝した作業員について、東電は当初、1次下請けの作業員だと説明していたが、この日になって「3次請け企業の3社にまたがって所属」していたと訂正したのだ。

 今回の事故にかんしては、被曝した作業員2人が作業ルールで必要な防水性のあるカッパ(アノラック)を着用しておらず東電が作業管理上の規則遵守を徹底していなかった可能性も指摘されているほか、土屋品子復興相が「(事故について)報道で知ったと国会で答弁するなど情報共有がまったくなされていなかったことも露呈。また、事故が発生したのは25日の午前10時40分ごろだったにもかかわらず、事故発生について報道関係者向け一斉メールで公表されたのは20時20分。NHKが第一報を報じたのは23時すぎのことだった。

 東電は「緊急搬送の決定を基点にして30分以内にメディアに一斉メールでお知らせした」などと説明しているが、作業員が汚染廃液をかぶるという人命にもかかわる重大な事故を起こしておきながら発生から9時間40分後の公表というのは、あまりに遅すぎるものだ。しかも、この日は会見を開かず、翌日、「中長期ロードマップの進捗状況」という名目で毎月行われている会見のなかではじめて事故の説明をおこない、汚染廃液を浴びた作業員の入院を発表したのである。

 挙げ句、事故から5日も経てから飛散量を当初の数十倍となる「数リットル」だと言い出す──。このような東電の杜撰な対応を見ると、海洋放出されている処理汚染水についても東電発表を信用しろと言われても無理があるだろう。

 だが、さらに問題なのは、メディアの報道姿勢だ。

 今回の事故について、東電発表後には大手新聞やNHK・民放キー局が報じたが、いずれも扱いは小さいものだった。飛散した汚染廃液の量を100ミリリットルから数リットルに訂正したことを報じた大手メディアもわずかだ。とくにテレビのワイドショーなどはストレートニュースのコーナーで触れた程度で、まったく話題として取り上げていない


■東電会見のひどさ! 飛散量の少なさの指摘に反論、汚染濃度を「計算に疎いので」とゴマカシ

 言っておくが、今回の事故は「小さい扱い」で済むような話ではない。そもそも、今回の事故は〈放射性物質を除去する吸着塔に入る前の配管内を硝酸水で洗浄していたところ、洗浄廃液をタンクに送り込む仮設ホースが発生したガスによって外れ〉起こった(東京新聞10月26日付)。つまり、飛散した洗浄廃液には多核種の放射性物質が含まれており、紛うことなき汚染廃液」にほかならない。しかも、汚染廃液の濃度は43億7600ベクレル/ℓにものぼることを東電も認めている。にもかかわらず、日本テレビやテレビ朝日、読売新聞などは、これを「放射性物質を含む水」「放射性物質を含む液体」「放射性物質を含む洗浄水」と伝えたのである。

 さらに、報道されるべきなのにまったく報じられていないのが、東電による会見での信じがたい無責任ぶりだ。

 前述したように、東電は10月30日の会見で、飛散した汚染廃液の量を「数リットル」と修正したが、この修正にいたるまでには前段があった。

 というのも、事故翌日の10月26日におこなわれた会見で東電は「(飛散した量は)数百ミリリットルより少ない量であると考えている」などと発言。これには共同通信の記者が「数百ミリリットル以下の飛散で顔を除く全身汚染するという状況がイメージしづらい」と追及したのだが、東電は「高濃度な洗浄廃液がミスト状でかかったため」と反論。だが、今度はNHKの記者が「100ミリリットルより少ないのに、2重にタイベックを着ていた方の全身に付着するというのは一般的な理解として無理があるのではないか」「根拠はあるのか」と追及すると、東電は「先程の回答は訂正する。現段階では正しい数字は言えない」と前言を撤回したのだ。つまり、東電は根拠も示さず「100ミリリットルより少ない量」などと無責任極まりない回答をおこない、記者の追及によってこれを撤回していたのである。

 しかも、東電は30日の会見でも、退院した作業員へのヒアリングによって飛散した量は「数リットル程度」だったと確認したと数字を修正したが、このヒアリングも元請け企業が実施したもので、東電は直接ヒアリングをおこなっていないことが記者との質疑応答で露呈。過去の汚染水で作業員が被曝した事故では汚染水が漏洩した範囲と深さによって量が出されていたが、今回はそうした計量がおこなわれていないことも、記者の追及によってあきらかになったのだ。

 さらに酷かったのが、前述した洗浄廃液の汚染濃度についてだ。通常、最初に公表すべきデータでありながら、東電は公表資料でもこれを記載していなかった。そこで26日の会見では、東京新聞の記者が「廃液の汚染水の濃度」について質問したのだが、東電の回答は「汚染水のこのときの全ベータは、4.376✕10の9乗ベクレル/ℓということになる」という、人を食ったようなものだったのだ。

 これには、ジャーナリストのまさのあつこ氏が計算をおこなったうえで「今回の汚染水は43億7600ベクレル/ℓという理解で良いか」と問うたのだが、東電はこう言い張った。

「計算に疎いのでアレですけど、4.376✕10の9乗というのは先程申したとおり。あと、そもそも汚染水ではないということもご認識ください。あくまで『洗浄廃液』だということ」

 約44億ベクレル/ℓにものぼっているのは多核種が除去されていない汚染水が含まれていることを明確に示しているにもかかわらず、それを「洗浄廃液だ」と言い張る──。これは、トリチウムが除去できない上、汚染物質が検出されている処理汚染水を「処理水」と呼んでいることとも通底する欺瞞ではないか。


■復活する電力会社広告 東電は自粛していたキャラ「でんこちゃん」がCMに登場

 あれほどの原発事故を起こしておきながら、作業員の被曝という人の命にもかかわる重大事故を起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電ビッグモーターの会見を徹底批判したように、本来、会見における東電の無責任なこの態度や発言こそ、新聞やテレビは報じるべきだ

 ところが、東電の杜撰な対応や隠蔽体質について批判的に取り上げたマスコミは、一部の地元メディアのみ。大手マスコミは、修正を報じるだけで、東電の無責任さをまったく報じようとしないのだ。

 この大手マスコミの弱腰の背景には、電力会社による“原発広告”の復活も考えられるだろう。原発事故以前は、東電をはじめとする電力各社やその司令塔・電力事業連合会電事連)は新聞、テレビ、週刊誌などのマスコミに広告を大量出稿することで、原発に批判的な論調を封じ込めてきた。しかし、原発事故後は、安全神話をつくり出してきたマスコミ、広告に出演していた芸能人や学者たちにも批判が高まり、電力会社からの広告は一時なりをひそめたかに見えた。

 しかし、事故から3、4年が経ったころから、メディアでは“原発広告”が完全に復活。さらに、原発再稼働政策を推し進めた安倍政権と歩調を合わせるように、電力業界は広告費を増やし、再びマスコミを“カネ”で漬け込んで“原発タブー”をつくり出してきた。実際、東電は今年に入ってから、原発事故後からテレビCMで姿を消していた広報キャラクター「でんこちゃん」をテレビCMで復活。電事連も人気女優の今田美桜を起用したCMを大々的に展開している。

 そして、こうした電力業界の動きに呼応するように、大手マスコミは汚染処理水の海洋放出でも批判らしい批判をほとんどせず、中国による日本の水産物輸入全面停止の話題に集中。朝日新聞のようなリベラルメディアでさえ「科学的根拠を無視した一方的な嫌がらせだ!」と大合唱し、そうした報道はいまもつづいている。

 汚染処理水を「処理水」などと呼び、中国に矛先を向けることで議論すべき問題をスルーし、ただ政府と東電の主張を垂れ流すだけ……大手マスコミのこの体たらくが、東電を増長させ、いまだに無責任会見を許してしまっているのだ。いや、そればかりか、海洋放出に対する中国の反発をやたら煽情的に取り上げナショナリズムにすり替え、内閣支持率がダダ下がりの岸田政権に対する世論調査では汚染処理水の海洋放出に関しては評価する声が大きいように、政権評価にさえ与してしまっているのである。

 今回の事故における東電の杜撰な対応や情報隠蔽は、海洋放出されている処理汚染水でも同じことが起こる可能性があるものだ。大手マスコミが再び“安全神話”を振りまき、東電の実態を批判的に報じないことで、またも福島第一原発事故のような惨劇が繰り返される──その危険は高まっていると言わざるを得ないだろう。

(編集部)
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●福島第一原発廃液飛散事故…ホースが抜けて廃液が飛び散り、指示を出す班長は当日病欠、代理の監督者も不在、ことごとく東電の説明もいい加減

2023年12月09日 00時00分53秒 | Weblog

[『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]


(20231105[])
何もかも杜撰な東京電力。これは3回目の汚染水投棄に向けての作業中だったのでは? なぜマスコミは大騒ぎしないのか、理解できない。それにしても、「ホース」ねぇ…、唖然とする。
 この杜撰さ、《1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オーJCO)の東海事業所で臨界事故》を彷彿とさせませんか? 

   『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ
        無視できない存在としての小出裕章さん
   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●《政僕化したり官僕化》する官僚の「滅公奉僕」再び…
       この国ニッポンでは行政府の長が《愛僕者》ですもの
    「日刊スポーツ…【政界地獄耳/薄っぺらい政治の「責任」】」
    《★1999年9月30日。東海村JCO臨界事故の際、時の官房長官・
     野中広務は…は10キロ圏に拡大して発表。「事なきを得て
     10キロが無駄だといわれれば私が謝れば済むこと」とした。
     ★不祥事に際し、首相・安倍晋三は「責任は私にある
     と連呼する。だがその責任という言葉の軽さが危険だ。
     …政府の統計不正も役人がのらりくらりで遅々として
     解明できない。机上の数字の操作だからか。公金を動かす
     という公務員の重みがないから責任も軽いものになるのか。
     政治の「責任」を薄っぺらくしたのは誰か。》

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
        なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

 佐々木凌記者による、アサヒコムの記事【福島第一原発の廃液飛散量を修正 約100ミリ→数リットルでした】(https://www.asahi.com/articles/ASRBZ6DN2RBZULBH00N.html?iref=pc_ss_date_article)。《飛び散った廃液の量は数リットルだったと発表した。発生当初は約100ミリリットルと説明していた》、そして、《廃液をタンクに流すホースが抜け、廃液が飛び散った》、さらに、《また、東電は入院した2人について、1次請け企業の作業員と説明していたが、3次請け企業だったことを明らかにした》、《さらに、この2人らに指示を出す班長は当日病欠しており、代わりに2次請けの監督者が入っていたが、廃液が飛び散った時は別の作業現場にいて立ち会っていなかった》もあきらかになり、《東電は「責任者は作業中に現場にいなければならないという社内ルールが守られていなかった」と説明した》そうだ。
 こういうのを「杜撰」というのでは?

   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     を進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》
   『●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理
     水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない
   『●まさに汚染水、海洋投棄してはいけない…トリチウム以外にも
     《炭素14…コバルト60…ヨウ素129…セシウム137》が含まれる汚染水
   『●【こちら特報部/応じないと非国民? 岸田政権が旗を振る「国民運動」に
     違和感 国産水産物の風評被害を招いたのはそもそも】汚染水の海洋投棄

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https://www.asahi.com/articles/ASRBZ6DN2RBZULBH00N.html?iref=pc_ss_date_article

福島第一原発の廃液飛散量を修正 約100ミリ→数リットルでした
佐々木凌 2023年10月30日 20時00分

     (東京電力福島第一原発=2023年7月4日、
      朝日新聞社ヘリから)

 東京電力福島第一原発の多核種除去設備(ALPS=アルプス)で配管を洗浄作業中に汚染廃液を浴び、協力会社の作業員2人が入院した問題で、東電は30日、飛び散った廃液の量は数リットルだったと発表した。発生当初は約100ミリリットルと説明していた。

 東電によると、25日午前10時40分ごろ、多核種除去設備の建屋内で、汚染水が通る配管に硝酸液を流して洗浄していたところ、廃液をタンクに流すホースが抜け、廃液が飛び散った

 20代と40代の男性2人が除染と経過観察のため入院していたが、28日に退院した。ともに汚染した部位の皮膚の外傷は確認されておらず、体調にも特段の変化はないという。

 東電は、入院した2人のほかに現場で作業をしていた3人への聞き取り結果から、飛び散った量を約100ミリリットルと判断。その後、退院した2人に元請け企業を通じて聞き取り調査をした結果、数リットルだったことが明らかになったという。

 東電は30日の記者会見で、具体的な飛び散った量については「計算できず、分からない」と説明した。

 また、東電は入院した2人について、1次請け企業の作業員と説明していたが、3次請け企業だったことを明らかにした

 東電の担当者は「正しい情報が収集できていなかった。おわびして訂正し、原因と対策を確認したい」と話した。

 さらに、この2人らに指示を出す班長は当日病欠しており、代わりに2次請けの監督者が入っていたが、廃液が飛び散った時は別の作業現場にいて立ち会っていなかったことも明かした。東電は「責任者は作業中に現場にいなければならないという社内ルールが守られていなかった」と説明した。(佐々木凌
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●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》

2023年09月25日 00時00分12秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年08月20日[日])
《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分先》…NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。百万歩譲って、せめて核発電所を止めてからにしませんか? 全ての核発電所の廃炉作業に着手してからにしませんか? マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流先どこにするのか、なんて考えるのは変でしょ?

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
     増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流
      先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する
     人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」
     があるという》…意味が分からない? 
     そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

 対馬市の続報…。あぁ~あ、やっちゃったよ…。
 東京新聞の記事【対馬、核ごみ調査促進の請願採択 市議会特別委、業界団体が提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/270606)。《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について、長崎県対馬市議会は16日、特別委員会を開き、地元の建設業団体が提出した調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択した。9月12日の本会議でも採択される見通し。文献調査に慎重な姿勢を示してきた比田勝尚喜市長は採択を受け「さらに熟慮する」とのコメントを発表し、今後の対応に注目が集まる。文献調査を巡っては、市内の建設業団体が人口減少や経済衰退を理由に受け入れを要請していた。請願の議決は賛成9人、反対7人、欠席が1人。一方、漁協の一部や市民団体が出した反対の請願6件は一括して不採択となった》。

   『●SLAPPと祝島
   『●SLAPPと原発、沖縄
   『●祝島の人たちは海を売っていない(1/2)
   『●祝島の人たちは海を売っていない(2/2)
   『●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~
   『●立ち止まるなら今…「原発政策を福島第一原発
        事故以前に先祖返りさせたのが自民党安倍政権」
    《祝島の閧いは終わらない政府、中国電力の非道
    《ところで人口3300人の上関町は原発誘致に熱心なようだが、
     巨大な原発2基から入ってくる莫大(ばくだい)な金(上関町には
     1984年度以降原発関連交付金として約70億円が支払われている)を、
     何に使おうとしているのだろうか。財政需要額の小さな町に多額の金が
     入ってきて町政が、いや町全体が狂うことはないだろうか。
     老婆心ながら心配になる》

   『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
            大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
     といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》
   『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
      町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》

 そして……はぁ? 《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》したというのに、またしても驚愕の大愚。核燃料サイクルは破綻し、サイクルの「環」は閉じないまま。使用済み核燃料中間貯蔵施設は、すなわち、《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分》場ということ。(東京新聞)《◆核燃料サイクルが破綻しているのに活用に前のめり 日本国内で原発で貯蔵している使用済み核燃料は、膨大な量だ。およそ2万トンに上り、多くは貯蔵プールで保管する。政府は「核燃料サイクル」を掲げて再利用をもくろむが、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場は完成が延期され続けている。再利用で減らそうにも、要の施設が機能せず、思うようにいかずにいる》。使用済み核燃料中間貯蔵施設なので、上関町から、「六ケ所村の再処理工場が完成したら、搬出してね」って、そんなことは無理でしょ!? しかも、《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》…。

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】

 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。
 長周新聞の記事【上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390)。《中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた》。

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390

上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!
社会 2023年8月13日

     (原発建設に反対し中電のボーリング調査を阻止する
      漁業者たち(2005年6月、上関町))

 中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた。


心してかかってこいよ!関電

 A 降って湧いたような中間貯蔵施設の誘致話で、「どうして上関なのか」「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好だ。中電の必要性からすると、島根原発の施設内に建設するのが妥当で、わざわざ上関まで使用済み核燃料を運んでくるというのは非効率でしかない。費用からしても非効率なのだ。中間貯蔵施設の必要性に迫られているのは誰がどう見ても関電で、原発銀座でもある福井県内の美浜高浜大飯の7基の原発施設内の核燃料プールにため込んだ使用済み核燃料が容量上限に近づいており、これを福井県外に持って行けということで、福井県ともめていた。

 B 核燃料プールの貯蔵容量の上限に対して関電は8割に上り、島根原発のみの中電は68%(約7割)で比較的余裕があるというが、実際のトン数を見たらわかるように、関電の美浜原発が抱えている使用済み核燃料の貯蔵量が480㌧(容量上限620㌧)、高浜原発が1380㌧(同1730㌧)、大飯原発が1820㌧(同2100㌧)で、あわせて3680㌧にものぼる。島根原発で中電が抱えているのは460㌧(同680㌧)とその差は歴然としている。上関に建設しようとしている中間貯蔵施設がどれだけの規模なのかははっきりしていないが、要するに関電の使用済み核燃料のゴミ捨て場にされるということだ。3000㌧クラスの規模になってもおかしくない。
 美浜原発は1、2号機が廃炉作業中で、3号機は40年以上稼働した老朽原発でありながら、これが再稼働している。高浜原発も1号機、2号機はもうじき50年になろうかという老朽原発で、3号機、4号機とて40年近く稼働している老朽原発だ。大飯原発も1号機、2号機は40年ごえ、3号機、4号機は40年ごえしているような原発だ。そこに溜め込んできた使用済み核燃料を福井県外に持ち出さないといけないため、関電が場所を求めている関係だ。なぜに山口県が関電のゴミ捨て場にされないといけないのかだ

 C 福井県が県外に持ち出せ」といっているものを喜んで受け入れるのが山口県・村岡知事なのだろうか。バカではあるまいか? と思うが、日本中どこを探しても「中間貯蔵施設をうちに建設して下さい」というような自治体は珍しい。地獄の沙汰もカネ次第で長年にわたって原発や米軍基地に郷土を売り飛ばす政治をやってきたとはいえ、山口県政界の態度も問われている。県民としては見過ごせない重大な問題で、「上関町の政策選択なのでコメントする立場にはない」では済まされない。当事者は立地自治体の上関町民のみとはならない。山口県東部の住民のみならず、山口県民全体が当事者として考えなければならない重大な問題なのだ。何か事が起これば無関係では済まないのだから。

 A 中間貯蔵施設などといっているが、核燃料サイクルそのものは破綻しており、実質的には最終処分場にされかねない。原発は建っていないのに、まさに「原発の墓場」にしようというのだ。核燃料サイクルでいうと、青森県六ヶ所村に30年前から建設している再処理工場がトラブル続きでメドがたたず、完成時期をずらしにずらして今日に至っている。総事業費として14兆7000億円を注ぎ込んで行き詰まっている。そのために全国の原発で敷地内なり貯蔵プールに使用済み核燃料を抱え続け、福島原発事故でもまさかあれほど大量の使用済み核燃料を原発内に抱えていたとは誰も思っていなかった。あの事故によって、使用済み核燃料をとり出すだけでも少々でない労力だったことはニュースでも報じられてきた。厳重に冷やし続けないといけないのだ。
 斯くして行き場のない使用済み核燃料が増え続けているのに原発は再稼働してさらに使用済み核燃料を増やし、かといって再処理工場がないために、急場凌ぎで中間貯蔵施設をつくろうといっている。原発を止めてしまえば使用済み核燃料は増えないのだから止めればよいのに、それはやらずに「たいへんだー!」「満杯になったら原発が止まるー!」と騒いでいる本末転倒も甚だしい
 使用済み核燃料は仮に再処理されても高レベルの放射性廃棄物となり、地下深くに埋めて数万年から10万年かけて安全に管理して、ようやく天然ウラン並みの放射能になるという。この建設場所も決まっていないのが現状だ。原発はよく「トイレなきマンション」とも揶揄されるが、そのように後先のことを何も考えていない政策なのだ。
 核燃料サイクルという実現できもしない建前を掲げることで原発政策を正当化し、無責任に使用済み核燃料だけが増え続けている
 これらを推進しているのは経済産業省であり、上関に中間貯蔵施設を作れと背後で糸を引いているのも国にほかならない。福井に断られたからといって山口県をゴミ捨て場にしようとする関電も厚かましいが、国の存在抜きに動くような話ではない


原発推進40年の挙げ句 町民の反発は必至

 B
 上関町内で住民に意見を聞いて回ったが、誰もが一様に驚いている。寝耳に水で、テレビのニュースで初めて聞かされて仰天した人がほとんどだ。事前に何らの話もなく、全国版ニュースでいきなり「上関町に中間貯蔵施設」が報じられた。これには推進派の住民も「えっ?」と戸惑っていたし、「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にするのだから「ふざけるな!」という感情になるのは当然だ。
 候補地として中電が示しているのは、90年代に入ってもともと原発用地として買い占めてきた土地で、より四代地区(予定地に最も近い集落)に近い。この土地を別目的である「中間貯蔵施設としてどうぞ」といって利用しようとしている。地権者からすると「話が違うではないか」という思いもあって、「こんなことが許されるのだろうか」「いまになって詐欺みたいな話だ」と話す住民もいた。いくら中電の所有地になっているからといって、こんな勝手な真似が許されるのか? と――。

 A 上関については長年取材にもあたってきて、推進派住民ともよく話はするのだが、さすがに今回のやり方については憤っている人が少なくない。頭越しですべてが勝手に動いており、住民そっちのけなのだ。一言の説明もなくいきなり報道で知らされ、住民感情としては穏やかでないものがある。中電の驕りというか、上関を好きなようにできるという思い上がりを感じとっている。
 それで町長と議会が飼い慣らされた賛成マシンとして同意したとしても、ちょっと単純にはいかないだろうな…という感触だ。住民同意がまるでない。現状では中電が町の上層部を例の如く丸め込んで、好き勝手に計画を持ち込んでいるだけなのだ。40年かかって原発1基建てられずにきた中電が、何をいい出すのかと思ったら「中間貯蔵施設をつくります」などといい始め、しかも上関に持ち込まれるのはその原発でできた行き場のない核のゴミ。傍から見ると、上関を公衆便所か何かのように扱っているし、「中電いい加減にしろよ!」という感情になるのも当たり前だ。
 ただこれは、中電の都合で動いているというよりも、関電と国の意向で動いている要素の方が強い。中電としてはカルテル問題でやり玉に挙がって社長の首が吹っ飛んでおり、監督官庁の経産省や電力業界のなかで首根っこを抑えられている。上関については原発計画もお手上げ状態なのは一番わかっているはずだ。近年は上関へのかかわりもどこか引き気味できていたが、そんな矢先に「中間貯蔵施設をつくります」などといい出しており、推進派住民からしても「なにをいまさら」という思いを口にする人は少なくない。長年にわたって踊らされてきたが、興ざめしている人々が大半だ。もう40年かけて今度は中間貯蔵施設を巡って大騒ぎが続くのかと思うとうんざりするのも当然で、「あいだ(飽きた)」という。


次期衆院選の重要争点 計画背後に自民岸派

     (漁業権を守るため中国電力の上陸を阻止する
      上関町祝島の島民や漁民たち(2010年))

 A 2011年以後は工事もストップして、上関原発建設計画については建設のメドがまるでない。これは福島事故を受けて国の原子力政策が揺らいだことも関係しているが、上関については福島事故以前からメドなどない。原発用地も虫食いで売却に応じていない地権者も複数いるし、極めつけは祝島が受けとりを拒否しているために漁業補償が成立していない。だから「着工」パフォーマンスはできても、実際に埋め立て工事などやれば漁業権侵害で訴えられるのは中電であり、手を付けられない関係だ。漁業補償が成立していない海域の公有水面埋立免許を出したのが村岡知事であり、これまた全国でも例がないことをやっている。
 漁業補償については2000年代に126億円が関係8漁協にばらまかれたが、すでに20年以上が経過しており、その間に漁業者もずいぶんと入れ替わった。民法上も債権は10年といわれるが、20年も前の契約と補償金をもって「漁業補償は成立している」といって現在の海に手を付けるというのも無理がある。漁業補償交渉は一からやり直さなければ、現在の漁業者の権利を侵害することになる。一銭も補償金をもらっていない現在の若手漁師にとっては容認し難いものだ。つまり、振り出しに戻っているということだ。ただ、振り出しに戻っているとはいえ、買い占めた広大な土地だけは擁している。そこに、ならば「中間貯蔵施設を作ります」というのだ。

 C 山口県では、1979年の豊北原発建設計画の断念から上関町に舞台を移して原発計画とのたたかいがくり広げられてきた。この間、山口県では1基も原発を建てさせていない。この最大の原動力は県民の反対世論の強さにある。自民党が牛耳る県政は中国電力の最大株主でもあり、中電とタッグを組んで推進してきたが、町内外の反対世論が圧倒している状況は変わらない。
 JCO東海村臨界事故が起きた後、佐藤栄作の息子である信二が「わたししか上関原発を建設できない」と原発建設の巻き返しを叫んで衆院山口2区で落選したこともあった。佐藤信二としては新規立地の突破口である上関を前に動かすことで中央政界において得点稼ぎをしようとしたのだろうが、逆に2区の有権者から総スカンを食らって、以後は国政に返り咲くことなどできなかったそれほど反対世論は根強いものがあるし、2区は米軍岩国基地と上関は重要な争点になる。

 A この時期に中間貯蔵施設が降って湧いて思うのは、次の衆院山口2区が大注目されるということだ。補欠選では岸信千世がかつがつ当選したものの、無所属で挑んだ平岡との差は僅かだった。中間貯蔵施設への態度如何によっては「岸家の命脈」は絶たれることになるに違いない。西村経産大臣は岸信介の後継者として地元岸派を引き継いだ吹田の娘婿で、これが上関をゴミ捨て場にしようと画策しているというのなら信千世も無関係では済まない。平岡が再度2区で挑もうとしているが、「上関への中間貯蔵施設建設は認めないとはっきり態度を打ち出せば、残り数千票の差など恐らくひっくり返る。保守層も含めてこの地域では国策に対してギリギリとした思いが鬱積しているのだから。逆に立憲民主党が日和った場合は自爆だろう

 C 上関への原発建設なり中間貯蔵施設の建設というのは、前段でも論議になったように上関町内、2300人の町民だけの問題ではない。仮に上関町長と議会が「作っていいですよ」といったからといって、「はい、そうですか。仕方ないですね」では済まない。広く山口県民全体の問題として考えなければならない性質のものだ。住民同意は上関だけで良いとはならない。周辺自治体の首長たちも態度が迫られることになる
 中央構造線断層帯が走っている目と鼻の先に中間貯蔵施設を建設して、仮に巨大地震に見舞われたらどうなるのか、あるいは台湾有事などを叫んでいる折に、ミサイル攻撃の格好の標的になることも歴然としている。何千㌧という使用済み核燃料を抱えた施設にもしかの事態が起こった時にどうなってしまうのか、何が起こりうるのか現実的に想定しなければ話にならない。上関以外の人には無関係という性質の話ではないのだ。いずれは県知事の同意も必要になるだろうし、そのときは村岡も態度が迫られることになる。山口県民としては選挙において厳正に審判を下さなければならない時がくる。


地域振興どころか衰退 中電による飼い殺し

 A 中電としては40年かけて狭い上関町は買収し尽くした。町長や町議は頭が上がるヤツなど一人もいないし、おかげで好き放題ができる関係だ。町は計画が浮上した頃には7000人以上いた人口が、いまや2300人と激減している。高齢者が多く、現役世代は都会に出て帰ってこない。それもこれも、40年間も原発騒動に時間を費やし、「原発ができれば町が発展する」とバカの一つ覚えの如く旗を振ってきたことと無関係ではない。
 「原発ができれば町財政が豊かになる」「原発ができればそこで働けて人口が増える」「原発ができれば…原発ができれば…」の夢追いをしてきて、産業振興に無関心なものだからますます人口が減少して人が住めない町になってきた
 この間、町内に取材に行ってみても、ずいぶんとこれまでに知り合ってきた町民の皆さんが亡くなられていて、空き屋の多さも尋常ではなかった。40年も経てば無理もない話ではあるが、「原発ができれば…」の罪深さを感じさせる。
 産業としては漁業が主力なのだが、その振興には不真面目で投機的に電源交付金に飛びついて箱物をこしらえたりするのだけは大好きなのが特徴だ。2000年代にかけて巨額の原発関連の交付金も下りたが、温泉を掘ったり、学校を新しくしたり、道の駅を作っても、身にならないから人口はますます減少する。町財政が厳しいというが、カネがいくらあってもこれではどうにもならない。
 北海道の小さな町がふるさと納税で年間100億円をこえる金額を集めたとかが話題になっているが、地方の魅力を発信して農産物を返礼品として掲げるだけでも、ずいぶんなことができるものだと感心する一方で、そんな努力もせずに口を開けて餌を与えられるまで待っているようなのが上関町政だ。「原発ができれば…」の投機的な姿勢が転換されないまま、ずるずると40年も経過してしまった。

 C もっとも罪作りなのは中電で、買収し尽くして町全体をコントロール下に置いてしまった。7000人を買収するより2300人を買収するほうが楽で済むし、人口など減れば減るほど楽に町全体をコントロールできる関係にほかならない。選挙をコントロールするのも、少なければ少ないほど対象が小さくて済む。買収選挙など当たり前で、町民の就職先や縁故関係から切り込んだり、住民間の矛盾であったりを調べ尽くして、それらすべてを原発推進に利用してきた。弱みを突いて反対派だった住民を転向させたり、反対派に手先を潜り込ませたり、実は裏でつながって飼い慣らしていたり何でもありだ
 上関の反対派といったとき、一般の住民たちは一生懸命に反対を貫いてきた一方で、インチキな輩、実は中電とつながっている(ぬえ)みたいな輩とかさまざまいるわけで、決して単純ではない。長周新聞としてはインチキな反対派幹部が運動を敗北に誘っていくことについては公然と批判を加えてきたし、裏切りについては記事にもしてきた。そういった連中は結局のところ住民のなかで正体が暴露されて力を失ってきた。そのことも上関原発が建設できなかった大きな要素になっている。
 今回の中間貯蔵施設についても柏原前町政の時期から町議会の全員協議会には話が振られていたというのに、いわゆる反対派といわれる町議たちはなぜダンマリをしていたのか? という疑問がある。盆明けには町議会で判断するといっており、8月中に全議員の態度が迫られる。郷土上関を核のゴミ捨て場にするのかどうかが問われている。
 関電から核のゴミ捨て場扱いをされているのに、「やったー! カネが入ってくる」「これで人口が増えます」みたいなことをいっているならどうかしている。福井県すら「県外に持ち出せ!」と激怒している代物大喜びで「上関に持ってきて!」といっているに等しいからだ。

 A いずれにしても上関だけの問題ではないし、広く山口県民の世論を結集して対峙しないことにはどうにもならない。原発にせよ、米軍基地にせよ、郷土を売り飛ばして中央政界で大きい顔をしているのが山口県の政治家たちで、これらも一緒になって中間貯蔵施設を山口県に持ち込むというのなら、上関原発闘争40年ではないが、本腰入れてやり合わないといけないということだ。最も手っ取り早い初めの一手としては、岸信千世を大差で落選させることになる。2区の有権者が激怒した選挙がどうなるのか、計画を持ち込んだ自民党岸派は補欠選挙以上に痺れたら良い。

 B 佐藤信二が落選した選挙では長周新聞も選挙区に乗り込んで号外を何万枚と戸別配布したが、大いにやりあったら良いのではないか。県民世論に火を付けていくほかない。現状では「中間貯蔵施設を作ります」と勝手にいっているだけで、作らせるも作らせないもすべて世論との力関係で決まる。原発を一基も建てさせていない山口県民相手に関電が豪腕を振るうというなら、なおさら県民感情としては燃えるものがある。
 普通に考えて、関西の電力供給のために溜め込んだ核のゴミを持ってこられて喜ぶ県民などいないし、「どうして山口県が受け入れないといけないのか?」と思うのが一般的だ。山口県は核の肥だめではないし、ふざけるな! と思っている人が大半だ。それらの世論をつなげて全県と現地がつながっていくことが大切だ。上関現地の問題に切り縮めたがっているのに対して、上関だけの問題では済まないことをはっきりさせて、運動を作っていくことが重要だ。この40年もそうやって対抗してきたのだ。
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●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》

2023年01月13日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2022年12月30日[金])
[※230213: タイトルの「信千代」を「信千世」に修正しました。コラム【狙撃兵】中はそのままとしています。]

すっげぇなぁ、山口4区。呆れたねぇ~。国会が終わったかと思ったら、総務政務官を漸く〝馘首〟されたが、本来ならば議員辞職でしょうにね。この半年ほど、一体何を成し遂げたのか。福島みずほさんらとの参院予算委員会 (221202) での酷い質疑しか記憶にないのだが?
 地元のアベ様事務所が閉鎖だそうだが、いいのかね。数多のアベ様案件が放置されたままなのだが…。最後あたりの案件としての統一協会票の差配問題や、また、統一協会の名称変更問題などはどう決着をつけるつもりなのかね、ヅボヅボ党やその下駄の雪党は?

   『●安倍昭恵氏に羞恥心があれば補欠選に立候補しないし、羞恥心あれば
     山口4区の自公支持者の皆さんも安倍昭恵氏には投票しないでしょ?
    「お得意の閣議決定で「私人」認定された安倍昭恵氏が《経営していた
     東京・内神田の居酒屋「UZU」》についての記事。ところで、
     詐欺師《48HD淡路社長は安倍首相の地元・下関市で昭恵氏が経営
     する複合型ゲストハウス「uzuhouse」(ウズハウス)》…の方は、
     どうなっているんでしょう? 《この「ウズハウス」に、淡路社長が
     出資していたことまで判明している》。淡路明人元会長の48HD
     (48(よつば)ホールディングス)。」

   『●お維系の杉田水脈議員を、櫻井よしこ氏の助言を基に引き抜いたのは
     アベ様であり、なんとキシダメ首相は総務政務官に指名してしまったょ…

 毎日新聞の記事【安倍氏後継に杉田水脈氏? 昭恵さんの擁立断念 衆院補選の人選難航】(https://mainichi.jp/articles/20221213/k00/00m/010/329000c)によると、《安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区(下関市、長門市)の補欠選挙で、安倍氏の後継候補選びが難航をきわめている。これまでに安倍氏の妻昭恵さんや実弟の長男、現職参院議員らの名前が挙がったが、いずれもまとまらなかった。県連内では、窮余の一策として、お騒がせの「あの人を擁立する奇策まで浮上している》、《江島潔参院議員や前田晋太郎・下関市長らの名前が挙がるが決め手に欠け、一時は昭恵さんを擁立する案もあった。だが、昭恵さんの説得は不調に終わった模様だ。下関と長門にある安倍氏の事務所は11月、22年12月末で事務所を閉鎖すると発表した》、《そこで取り沙汰されるのが、安倍氏に近かった杉田水脈(みお)総務政務官(55)=衆院比例中国ブロック=の擁立だ》。
 しかし、酷い面子ばかりの名が挙がっています。

   『●《ジャパンライフ…最後の荒稼ぎをやろうとしたときに手を貸したのが、
      この総理の招待状》…これも忘れてはいけない数多のアベ様案件の一つ

 すっげぇなぁ、山口2区、4区
 日刊ゲンダイのコラム【ラサール石井 東憤西笑/「後継は息子に」なんてお殿様みたいな発言…もう議員の世襲はやめにしませんか?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315943)によると、《まだ3年も任期があるのになぜ今表明するのか。山口4区では亡くなった安倍晋三氏の補選が来年4月にあり、信夫氏の長男の信千世氏の擁立の動きがある。2区である信夫氏はその動きをストップさせ自分の後継にする路線を固めるべく、このタイミングで発表したのではないかと言われている。なにやら話は鎌倉幕府の後継者争いを描いた「鎌倉殿の13人」のような様相だが、そもそも政治家という職業は世襲するのが当たり前と考えるのもおかしいし、それをそのままの表現で伝えるメディアもおかしい》。

   『●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日の
     エセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》
    《晋三氏の父方の系譜をたどった『安倍三代』の著者でジャーナリストの
     青木理さんとともに、「三代目世襲政治家・安倍晋三」の実像に迫った》

   『●息吐く様にウソをつくアベ様は如何に〝誕生〟したのか? そして、
     数多のアベ様案件の〝トドメ〟が統一協会とのズブズブ壺壺ヅボヅボ

 「安倍三代」。
 同コラム【ラサール石井 東憤西笑/「後継は息子に」なんてお殿様みたいな発言…もう議員の世襲はやめにしませんか?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/315943)によると、《信介信和信夫、そして信千世と続く、まるで日本史で暗記する将軍の家系図のようなつながり。これは日本の家長制度の象徴であり、世襲議員がなくならない理由でもある。こんな中で育てば「後継は息子に」なんてお殿様みたいな発言もするだろう。さらに、不勉強ながら知らなかったのだが、安倍晋三氏の祖父安倍寛氏は、戦前から非戦・平和主義を貫き、東条英機氏らの軍閥主義を鋭く批判、大政党の金権腐敗を糾弾し清廉潔白な人格者として知られ、地元では「今松陰」と呼ばれていた政治家だったことがわかった。とすれば、その孫たちが今や敵基地攻撃能力だ防衛費倍増だと謳っているのは誠に皮肉な話だ》。

 すっげぇなぁ、山口2区、4区…その実情は?
 長周新聞の【コラム 狙撃兵/追い込まれてんじゃないの?】(https://www.chosyu-journal.jp/column/25288)によると、《岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうかという思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千世も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもないもともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る》。

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https://www.chosyu-journal.jp/column/25288

追い込まれてんじゃないの?
コラム 狙撃兵 2022年12月16日

 防衛大臣当時から病を患って車いす生活を余儀なくされていた岸信夫がこのほど政界引退を表明し、「わたしも60を過ぎたので、次の世代を考えなければいけない」「このあたりで息子に譲りたい」として、後継に長男の信千代を指名した。岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうか…という思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千代も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない。もともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る

 岸信夫が地盤にしてきた衆院山口2区といえば、古くは中選挙区時代に岸信介、佐藤栄作が兄弟で競って選挙区内に派閥を築いた地域として知られる。年配の保守層のなかでは佐藤派と岸派は明確に分かれていたし、同じ自民党といえど自派閥のプライドみたいなものを持っていた人も少なくなかった。県西部の下関における安倍vs林ではないが、県東部でくり広げられていた岸vs佐藤にもどこか似たようなところがあった。そういう意味では血のつながった兄弟・一族といえど、選挙区では同じ政党でありながら火花を散らしていた時代もあったのだ。

 その後、岸信介の後継としては吹田愰(元自治大臣、西村康稔の義父)がボスとして君臨し、これが90年代の政界再編を通じて自民党県連のなかでは浮き上がる一方で、小選挙区になった2区では佐藤栄作の子息である佐藤信二が地盤を継いだ。ところが、2000年代に東海村臨界事故によって原子力政策が行き詰まったさい、巻き返しで通産大臣経験者として得点稼ぎに走ったのか、「上関原発計画は私しか推進できない!」と選挙区内でも有権者から反発の強かった原発計画推進を叫んで落選するという番狂わせが起こった。民主党から対抗馬として出ていた平岡秀夫に議席を奪われ、鉄壁と思われていた「岸・佐藤の地盤」は落城。山口2区はしばらく民主党の国会議員を輩出していた。選挙区内には上関原発計画を抱え、さらに岩国市では極東最大の米軍基地の拡張問題、厚木基地からの艦載機移転問題などを抱え、強権的にこれらの国策を進める自民党への反発が平岡を押し上げていた。それは2区の有権者の意地にも見えるものだった

 自民党としては選挙区奪還に何度挑んでも跳ね返されていたが、米軍再編問題を含めた民主党政権の大裏切りによって今度は平岡及び民主党が有権者から見離され、あろうことか当て馬として擁立され、落選するはずだった福田(当時岩国市議、吹田愰の元秘書)が国会議員に当選したものだから、1期でこれを引っ込めて(代わりに岩国市長のポストを与えられた)本家・岸信夫のデビューとなって今日に至る。こうした過程には中央政界で権力を欲しいままにしていた実兄の安倍晋三や吹田愰の豪腕や影響力が及んだことは想像に難くないが、2区で途切れたかに見えた岸家のお家存続が叶ったのは、いわば民主党自爆のおかげでもあり、もとを正せば佐藤信二自爆のおかげであり、世襲政治家同士の地盤争奪において、佐藤家を押しのけての選挙区奪還でもあった。そして、佐藤信二の娘婿もまた、バーターなのかちゃっかりと自民党山口県連所属の参議院議員として比例でポストをもらい、血はつながらずとも准世襲議員として政界にイスを得ているのが実態なのである。

 「息子に譲りたい」――。選挙区で実力を持った地方議員等々を差し置いて、一族による露骨な選挙区私物化と30そこらのお兄ちゃんの緊急登板であるが、果たして父及びゴッドマザーの願い通りになるかどうか――。2000年代に自民党山口県連にとって鬼門だった2区において、「ええ加減にせいよ!」の有権者の世論に火が付いた時には、いかに候補者が岸・佐藤の末裔であろうと叩き落とされるというのは実証されており、すべては有力な受け皿となり得る対抗馬が出てくるか否かがカギとなる。その後、自爆の民主党にたいそう幻滅した有権者は少なくなく、非自民を標榜する野党も含めて「ええ加減にせいよ…」という思いがくすぶり続けているものの、既存の選挙構図を乗り越えてバチバチの選挙になった場合、お祭りになりかねない選挙区でもあるように思う。何も知らない外野席から一概に「世襲を輩出するバカな選挙区の有権者」と括ることなかれ。その地に暮らしながら、分厚い保守政治、自民党支配のもとで米軍基地や原発計画に抗い、時として為政者を震え上がらせてきた暗闘の歴史もあるのだ

 岸信夫といえば、壺に選挙で支援を受けていたことでもわかるように、選挙地盤における存在感といってもかつて岸派vs佐藤派が火花を散らしていた時代に比べればスッカラカンで、それは地元の秘書の体制を見ても歴然としている。猫の手でも借りたいくらいなのだろう。岸家としては安倍晋三逝去によって山口4区を失い、いよいよ最後の牙城が先祖返りとなる山口2区で、なおかつ30そこらのお兄ちゃんに命運を委ねるという。それ自体、傍から見ていて結構苦し紛れの光景に見えて仕方ないものがある。昭和の妖怪の末裔は追い込まれてんじゃねぇか! と――。

                        吉田充春
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●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

2019年10月07日 00時00分32秒 | Weblog

[『朽ちていった命 ―被曝治療83日間の記録―』 NHK「東海村臨界事故」取材班」(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41AlC-AwBGL._SX357_BO1,204,203,200_.jpg)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>金のために魂を売ってはならない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1001110.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/原発マネー、倫理も正義も治外法権!?】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910040000209.html)。

 《「人が制御できないなんて恐ろしい。政府はいつも『大丈夫』と発表するが、本当のことを言っていない」。1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の東海事業所で臨界事故が発生した。当時、近所に住んでいた女性は8歳の頃に感じた恐怖を語った》。
 《★原発を巡りノーと言える人と言えない人の明暗がくっきりと浮かぶ。東北電力女川原発から30キロ圏にある宮城県美里町長・相沢清一…★政治家として町長として立派な発言だ。相沢でなくとも、国が安全だと言ったところで何かあればその責任は現場の町長に及ぶ。…★一方、関西電力の経営陣の対応社会常識と乖離(かいり)している問題。》


 JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? 《女性は窓を閉め切り、クーラーを止め、蒸し風呂のような室内で家族と報道番組を見ていた「重体」と伝えられた作業員2人はその後、死亡した ▼事故で住民600人以上が被ばくした。冒頭の女性は2011年、福島第1原発の事故を受けて取材に応じた》。

   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

 《事故後も「安全神話」は生き続け、福島の事故につながった》…なのに、核発電を続けたいという。
 そして、そのためには何でもする核発電「麻薬」中毒な皆さん方。《一方で現在、関西電力役員らの金品受領が明らかになっている。金品は高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から贈られた》。《11年9月、東海村の村上達也村長(当時)は「原子力に向き合う姿勢を正し、金のために魂を売ってはならない」》という警告を無視して。

 やはり核発電は「金のなる巨大木」…原発マネーの《還流》どころか、政治家のセンセのお名前もポチポチと…。
 自民党以外は? お維は、どうなんでしょうねぇ?

 日刊ゲンダイの記事【政界に飛び火 原発マネー“還流”で関電が挙げた議員の名前】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262733)によると、《稲田朋美幹事長代行との関係性に“焦点” 八木誠会長、岩根社長ともに「悪いのは森山氏」と言わんばかりだったが、まずかったのは、報告書に〈森山氏は、高浜町、福井県庁、福井県議会および国会議員に広い人脈を有して(いた)〉と記載したことだ…政界への“飛び火”に今ごろ、安倍官邸は激怒しているに違いない》。

 核発電「金のなる巨大木」に蝟集する人々。
 週刊朝日の記事【関電3億2千万円“裏金” 元助役の関連会社が稲田朋美元防衛相ら自民党議員に献金 後援会長も】(https://dot.asahi.com/wa/2019100300042.html)によると、《その関連会社の「アイビックス」(本社・福井市)が、自民党の稲田朋美元防衛相に献金していたこともわかった。アイビックスの吉田敏貢会長は稲田氏の後援会長を務めていた。稲田氏が代表を務める自民党福井県第一選挙区支部の政治資金収支報告書によると…。また、衆院議員の高木毅氏(福井2区)が代表を務める自民党福井県第二選挙区支部は、16年に警備費用としてオーイングに約19万4千円を支払っていた。…ある野党幹部が話す。「…高木氏がなぜかアポもなく野党の控室にふらっと現れてびっくりした。…野党が何か探ってないか偵察にきたんじゃないか。関電スキャンダルと政治については今後、国会で追及したい」》。
 《“パンツ大臣”高木毅復興相》、大丈夫?

 《倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では治外法権だといわんばかりだ

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
               浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●阿部岳さん【「東電無罪」の論理】《「…運転はおよそ
    不可能になる」…判決は意図せず原子力制御の限界を認めている》
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》
     ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」

   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
     取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1001110.html

<金口木舌>金のために魂を売ってはならない
2019年10月4日 06:00
原発 電力会社 金口木舌

 「人が制御できないなんて恐ろしい。政府はいつも『大丈夫』と発表するが、本当のことを言っていない」。1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の東海事業所で臨界事故が発生した。当時、近所に住んでいた女性は8歳の頃に感じた恐怖を語った

女性は窓を閉め切り、クーラーを止め、蒸し風呂のような室内で家族と報道番組を見ていた「重体」と伝えられた作業員2人はその後、死亡した

事故で住民600人以上が被ばくした。冒頭の女性は2011年、福島第1原発の事故を受けて取材に応じた。「原子力のデメリットを国民は知っておく必要がある」と語っていた

▼JCOの事故は安全を守るマニュアルを無視し、簡略化した手順で作業が行われる中で起こった。根拠のない「安全神話」が命を奪い、住民を危険にさらした

▼事故後も「安全神話」は生き続け、福島の事故につながった。一方で現在、関西電力役員らの金品受領が明らかになっている。金品は高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から贈られた

▼11年9月、東海村の村上達也村長(当時)は「原子力に向き合う姿勢を正し、金のために魂を売ってはならない」と述べた。東海村と福島の事故を経験しても、なお原子力の利用は必要と考えるのか。住民主体で議論を深めていく必要がある。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910040000209.html

政界地獄耳
2019年10月4日10時1分
原発マネー、倫理も正義も治外法権!?

★原発を巡りノーと言える人と言えない人の明暗がくっきりと浮かぶ。東北電力女川原発から30キロ圏にある宮城県美里町長・相沢清一は朝日新聞のインタビューに答え「やはり再稼働はするべきでないと思う。福島の原子力事故から8年半たった今も大勢が避難している。女川原発の30キロ圏内の住民はもとより、宮城県民が原子力の安全性を本当に信頼して再稼働に踏み切るのか、心配がある。特に宮城は農業県』なので事故はあってはならない。もし国が認めてもノーと言わざるを得ない。私たちには住民の命を守る責任があり、万が一の時にはその責任がとれないからだ」。

政治家として町長として立派な発言だ。相沢でなくとも、国が安全だと言ったところで何かあればその責任は現場の町長に及ぶ。慎重になるのは技術的な安全だけではない。福島原発の事故では東京電力や国は事態を絶えず隠蔽(いんぺい)し、発覚してから公表まで時間をずらすなど住民や国民に不誠実に対応してきた。また事故とさまざまなその後に起こった事象との因果関係にも不誠実に対応してきた。つまり、技術の安全宣言よりも信頼関係があるか否かの方がずっと重要でもある。

★一方、関西電力の経営陣の対応社会常識と乖離(かいり)している問題。同社の幹部ら20人が福井県高浜町の故人の元助役から受け取ったとされる3億2000万円相当の金品を断るすべはなかったと説明。幹部らは一様に、怖くて言えないとか、その原資はどこからのものかと考えなかったの問いに、1度も考えなかったと答えている。原発に万が一があってはいけないと町長は体を張って住民を守ろうとしているが、関電幹部は数億円の金が助役から行ったり来たりすることを迷惑だとは感じていたものの、そういった金が飛び交うことに全く注力していないさまが幾度かの会見で垣間見える。原発マネーには調整費や賄賂、裏金が常識で支払うべき側が、金品を受け取る異常なロンダリングが通常行われていたことを示唆するとともに、この金に違和感すら感じていない。倫理観も正義感、透明性、そのすべては原発という国策の前では治外法権だといわんばかりだ。今日からの国会で少しは解明されるのだろうか。(K)※敬称略
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●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ無視できない存在としての小出裕章さん

2012年01月26日 00時00分13秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tokyoshinbun-jan1/#more-2779)。

 懲りずに原発推進の旗を振る者達がまだ蠢いている。東京電力原発人災以来、地下に潜っていた者たちが、近頃は、堂々と地表に出て来て、やれ原発再稼働だ、原発工事再開だ、原発輸出だ、と〝オラビ散らかして〟いる。指摘するまでもなく、ストレステストなどという茶番でお茶を濁し、お金(マネー)儲けのために原発を再開しましょ~うョ、と『暗闇の思想』派に精神的ストレスを与え続けている。
 そんな懲りない推進派でさえへもが、近ごろ、小出裕章さんを無視できなくなっているようだ。廃炉に向けてのボディーブローがジワジワと効き始めていると信じたい。
 記事中の「活躍は「小出ブーム」といっても過言ではない」とか、「ネット上にはファンサイト」というのは、東京新聞の記者も見誤っていると思う。武田邦彦氏じゃあるまいし。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tokyoshinbun-jan1/#more-2779

19 今までにない広がりで原発を考えてくれるようになった。ここまで来たんだから、今度こそは止めたい 小出裕章(こちら特報部)

201219日(月)、東京新聞の「こちら特報部」が小出裕章氏を扱った記事を掲載しました。
コメント欄にてしんちゃんさまより教えていただきました。ありがとうございました。

以下転載。
=====
1月9日(月) 東京新聞 「こちら特報部」の記事を転載します。(1)

「脱原発のココロ」


ー「ムラ」も無視できぬ存在ー

昨年10月30日、東京都港区のJR浜松町駅近くの喫茶店。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章(62)は約2時間、日本原子力学会会長で東京大学大学院教授の田中知(61)らと向き合った。
東京電力福島第一原発事故後、原発の危険性を訴え続けて40年の小出は「不屈の研究者」として広く知られるようになった。一方の田中は、原発を推進することで互いに利益を得る企業や研究者の排他的集団「原子力ムラ」の中心人物だ。
「原子力の学問をどうしたらいいか」と問われた小出は諄々と説いた。

   「原子力を推進するような学問はすべてやめるべきだ。ただ、今回の事故処理、
    使用済み核燃料、各原発の廃炉の問題などが残ってる。これらの負の遺産を
    乗り越えるための専門家を育成する必要がある」


面談を申し入れたのは田中側だ。小出は多忙を理由に一度は断るが、再三の申し入れに根負けし、上京した際に時間をつくった。
田中は、面談の狙いについて「東大グローバルCOEの活動の一環で、いろんな人の意見を聞いている」と説明する。グローバルCOEとは、大学院の先端研究拠点を文部科学省が重点支援する事業のこと。田中らの拠点の名前は「世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ」だ。小出の主張は届いたか。田中は「今はノーコメント。シンポジウムなどで成果を公表する機会はあるかもしれない」と言葉少なだ。
小出自身もかつては原子力学会に所属していたが、30年前、関西電力の副社長が会長に就任したのを機に脱会した。学会誌から名指しで批判され、小出の反論文を載せる載せないでもめたこともある。いわば因縁の相手だ。
小出は皮肉まじりに田中らの意図を推し量る。

   「東大は原子力を推進してきた学問の中心、学会は安全神話一辺倒の集まり
    私のことは無視すればよかったが、事故が起きてからは、そうもいかなくなった
    彼らも、ものすごい危機感を感じている。懲りずに推進の旗を振ろうとするだろうが、
    少なくとも私の意見も聞いたという形を作らざるを得なくなった

「こちら特報部」は福島事故発生翌日の昨年3月12日、いち早く小出に電話取材した。小出は「政府や電力会社の説明はウソだった。もういいかげん、原発はやめろと言いたい」と声を荒げた。4月9日の特報面では単独インタビュー記事を掲載した。


ー講演の参加者急増1000人規模ー

その後の活躍は「小出ブーム」といっても過言ではない。
毎週末は講演で全国各地を飛び回る。既に3月末まで予定はいっぱいだ。事故前も月に2、3回は講演をこなしていたが、参加者は十数人、多くても100人程度。それが事故後は千人規模も珍しくない。講演内容などをまとめた「小出本」は16冊も発行され、ネット上にはファンサイトも登場した。マスコミの取材は引きも切らない。


   「とてつもなく忙しくなった。自分の仕事も手が付けられない状態だ」


助教は昔で言うところの助手。事故前まで、助手よりも教授の方がありがたがられた。それが一転、事故を過小評価した「御用学者」の権威は失墜。放射能の恐怖におびえる人たちは、小出の言葉に救いを求めた。ついには、原子力学会会長までが「小出詣で」に出掛けたのだ。

<デスクメモ>
厚遇されないとわかっていても、自ら正しいと信じる道を歩む。そういう生き方はなかなか実践できるものではない。まして、それを貫こうとすればなおさらだ。しかし、清貧さなくして、心理は探求できるものなのだろうか。万年助手を良しとする科学者には、確かに「ムラ」は似合わない。

   「今度こそ止めたい」


ー「収束宣言」でも事故は進行中ー

自身は「小出ブーム」をどう見ているのか。

   「事故を引き起こした東京電力と政府は犯罪者だ。犯罪者が自らの罪を
    きっちり言うことなどあり得ない。小さく、小さく見せようとする情報は隠す
    それは3・11から今日まで全く変わっていない。だから私のような人間の話を
    聞きに来る。ありがたいとは思うが、こんなことにならなければ良かったと思う」


英雄視されることを極端に嫌う。

   「運動の指導者になれとか、もっと政治とコンタクトを取れとか、さまざまなことを
    言ってくる人がいるが、政治もヒーローも大嫌いだ」


事故後、原子力政策や再生可能エネルギーに関する政府の審議会や委員会のメンバーに、原発に批判的な学者が起用されるようになったが、小出は「あまり興味がない。私には声はかからないし、かかってもやらない」と素っ気ない。

万年助手の清貧な雰囲気に変化はない。大阪府熊取町の京大原子炉実験所研究室は昼なお暗く、エアコンは「スイッチを入れたことがない。たぶん壊れている」。学内には「御用学者」のレッテルを貼られた教授もいるが、

   「そういう人たちは私とすれ違う時は横を向いている。事故後も相変わらずだ」。


1979年の米スリーマイル島事故86年の旧ソ連チェルノブイリ事故99年の東海村臨界事故・・。大事故のたびに反原発運動は盛り上がるが、いずれも尻すぼみに終わってきた。今度こそ勝てるのか。原発を止められるのか。


   「今までにない広がりで原発を考えてくれるようになった。ここまで来たんだから、
    今度こそは止めたい。でも、政府や電力会社の圧倒的な力の前に、
    私は負け続けてきた。今、この戦いに勝てるのかと問われれば、大変不安だ」


首相の野田佳彦は昨年12月16日、「事故収束」を高らかに宣言した。政府と電力各社は、原発の再稼働をあきらめていない

   「事故は進行中だ。溶けた核燃料は原子炉格納容器の底を突きぬけているかもしれない。
    東電の発表によれば、格納容器床面のコンクリートを最大65センチ溶かしているが、
    外殻の鋼鉄まで37センチ余裕があるという。これは単なる計算にすぎない
    仮定の置き方で答えはいくらでも変わる」


   「火力発電所と水力発電所があれば電力は足りるのに、政府と電力会社は
    毎日のように「停電するぞ、節電しろよ」というウソの宣伝を流し続けている
    多くの人が、まただまされようとしているように感じる」


ー「何かしたい」思いを行動にー

「収束宣言」の翌日、北九州市内で小出の講演会が開催された。ある女性が質問した。
「3・11以来、何かしなければいけないという気持ちがあったが、何もしていない。何かできますか」
小出はこう答えた。


   「こういう集会に行くと「どうしたら原発をなくせるか」と聞かれるが、
    知っていればやっている。私は、原子力の学問の場にいる人間として
    やらなければならないことを続ける。歌のうまい人は歌えばいい。
    署名もデモも一つの手段だ。これだけは自分がやりたいと思うことを、
    皆さんがやるようになった時、原発は必ず止まる」   

 (敬称略、佐藤圭)

==以上、転載おわりです==
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