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●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う

2012年03月11日 01時38分45秒 | Weblog


NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク様の記事(http://nonukes.exblog.jp/15363070/)。末尾に、「「その日」に合わせて・・・」に関しての綿井健陽さんの記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)も。
 引用はしませんが、ポット出版http://www.pot.co.jp/)のWPにある、「松沢呉一の黒子の部屋」の「お部屋2367/セシウム牛を食べる会」(http://www.pot.co.jp/matsukuro/20120308_082355493927832.html)は必読です。是非、読んでみてください。

 あの3・11から1年。あの時、個人的な事情もあり、こと(原発人災)の重大さに全く気付いていなかったし、ブログにも何も書いていない。2日後からようやく、それについて書き始めている。刻一刻と人災の側面が浮き彫りになり、いまに至っても、解決したと言える側面はほとんど無いといって過言ではない。メルトダウンした原子炉についても、冷温停止「状態」という言葉遊びで糊塗している。原発内部の状況はつかめていないし、知ることもできないのに。何が一体事故「収束」宣言なのか。ストレステストという計算ごっこでお茶を濁し、その〝計算された〟結果を易々と受け入れる原子力ムラお抱えの委員会。マスコミやネット、市民が騒ぎ過ぎる、不安を煽りすぎるという大御所〝ジャーナリスト〟子供にとっては20倍のリスクでは収まらないであろう年間20ミリシーベルトどころか、笑っていれば100でもオッケーと嘯く学者。市民、特に、罪なき子供達の側に立とうともしない司法。ジャーナリズムの根本としての批判精神なきマスコミ。その結果として、原子力ムラの望む原発再稼働・原発建設再開原発輸出に向けて着々と進んでいる。

 小出裕章さんの云う「たかが電気のために・・・」をよく考えるべきである。この1年目の節目に再度、松下竜一さんの「暗闇の思想」を想う。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ


 再々度?、しつこく、再掲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b263002193a77c5f47ca07c54ff5f2)。『松下竜一 未刊行著作集4/環境権の過程』より。

《「電気需要増加は必至ではないかという問いかけ・・・。・・・現在の電力に頼りきった文化生活そのものへの反省と価値転換であり、少数の被害者には目をつぶって成り立つ多数の幸福という暗黙裡の差別的発展への懐疑であり、さらに大きく根本的には、電力をとめどなく食いつぶしてやまぬ高度経済成長政策の拒否である」(p.107)。「・・・だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬと。/じゃあチョンマゲ時代に帰れというのか、と反論が出る。必ず出る短絡的反論である。・・・今ある電力で成り立つような文化生活をこそ考えようというのである。・・・/・・・ただひたすらに物、物、物の生産に驀進して行き着く果てを、私は鋭くおびえているのだ。/「一体、物をそげえ造っちから、どげえすんのか」という素朴な疑問は、・・・開発を拒否する風成で、志布志で、佐賀関で漁民や住民の発する声なのだ。・・・/・・・都会思考のキャッチフレーズで喧伝されるのなら、それとは逆方向の、むしろふるさとへの回帰、村の暗がりをもなつかしいとする反開発志向の奥底には、〈暗闇の思想〉があらねばなるまい」(pp.116-117)。
 内橋克人さんの〈浪費なき成長〉につながる〈暗闇の思想〉。》

  ブログ『ちあの散歩道』様によると(http://blog.goo.ne.jp/cheer_001/e/61113af9db921e05758daf32b04a4dc6)、松下竜一さんを偲ぶ今年6月16日の「第8回竜一忌」のゲストは小出裕章さんだそうです。すごい!!

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http://nonukes.exblog.jp/15363070/

松下竜一暗闇の思想館プレオープンします
脱原発市民による市民資料館を開設します

私たちの師であった中津の作家、松下竜一氏が亡くなって今年で8年目になります。松下竜一氏は私たちと一緒に大分の地で脱原発運動をチェルノブイリ原発事故以後、行っていました。氏は1972年に「暗闇の思想を」という文章を朝日新聞に書きました。その翌年に朝日新聞に同名の単行本を出しました。氏はなぜこの文章を書いたのかという説明を1991年に話しています。以下はその内容です。

   「暗闇の思想」という文章の中で私が書きましたことは、
   たいへん単純なことでありました。要するに「今(一九七二年時点の
   ことですが)のような、とめどない電力需要を続けていれば、
   これはもう本当に、とどまるところがないんじゃないか。
   新たな発電所を建てれば、その建てた発電所によって、
   またしても電力需要が喚起されていく。だから、もうここらで
   立ち止まるべきだ」ということを言ったに過ぎないわけですね。
   それは七〇年代、全国の色んな反開発運動、あるいは反公害運動が
   実感的にそういうことを主張していたわけです。
   皆さんもよくご存じの、非常に有名な言葉として、四日市公害の被害を
   受けた人々が、「汚れた空の下でビフテキを食べるより、きれいな空の下で
   梅干しを食べたい」と言っていましたし、あるいは、大分県の臼杵
   この近くの風成という所で、漁村のお母さんたちが目の前の湾が
   埋め立てられることに反対して、大変激しいたたかいを展開しましたけれど、
   そういう中で、風成の人たちが「もうこんなにモノ、モノ、モノを作り出して
   どうするんでしょうな」ということを私に訴えていました。要するに、
   高度経済成長の弊害面が際立って出てきたのが七〇年代の初めだったわけですね。

「暗闇の思想」資料館の資料収集にご協力をお願いいたします。

そのような思いから、私たちは当NPOに松下竜一「暗闇の思想館」を開設する準備を行っています。3月にオープンの予定ですが、そこには元慶応大学の藤田祐幸氏の慶応大学時代の資料も搬入済みです。そのほかにも自然エネルギー関係の資料や映像やグッツなども集める予定です。皆さんのご協力をお願いいたします。なお、この資料館はペレットストーブの展示室も兼ねています。写真のストーブはシモタニ製のコンコードです。ぜひ皆さんも一度お越しください。

by nonukes | 2012-02-01 20:46 |
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 一方、綿井健陽さんの『逆視逆考PRESS』に以下の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)あり。前述の松沢呉一さんの記事も是非どうぞ

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08

Twitterまとめ投稿 2012/03/08

wataitakeharu「…から1年」という“メディア・カレンダー”から逃れることは、結構困難なことです。それがマスメディアでも、ミニメディアでも、ミドルメディアでも。何せ私もこれまで、「その日」に合わせて、いろんなことをしてきた身です。それで、張り切ったときあり、待ち構えたときあり。身過ぎ世過ぎです03/07 18:00

wataitakeharu「絆」「復興」「再生」「がんばろう日本」「心ひとつに」……どれも嫌な言葉です。特に今週末は従いたくございません。「不謹慎」で、「いかがわしく」て、「破たん」して、「ボロボロ」で、「ズタズタ」で、「最悪」で、「終わってる」……「が、しかし」「それでも」というものに惹かれております03/07 17:26

wataitakeharuあの日の、あの時間に合わせて、眼を閉じて、手を合わせて、頭を垂れて、涙を流して…という写真や映像とは、「違うもの」は何なのかということを考えている。今週末の3・11の日のテレビニュース映像や新聞写真が早くも眼に浮かぶので、「…じゃないもの」を探している。この選択って、間違ってる?03/07 16:54

wataitakeharuしかし……みんながみんな、今週末の日曜日の日に、何かしなければならないのだろうか?みんな同じ時間に「追悼」する必要があるのだろうか?周りからの強迫観念のようにも感じてきて、だんだん憂鬱になってきたので、逆に一人で別のことをしようかという気もしているが、それもまた「居心地の悪さ」03/07 16:35
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