[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年07月13日[土])
伊方、柏崎刈羽、女川…大地震や核発電所事故時に避難できるのですか? たかが電気のために命をかける意味は何? キシダメ政権や経産省、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党、お維やコミ、経団連や〝勝共・家庭〟連合が望むがままに核発電所を再稼働する…あまりの愚かさ。「教訓」や「警告」を無視して、次も「幸運のくじ引き」に当たる気満々な愚者達。
(東京新聞)《県の避難計画…無理な話》《実効性がない》《いたる所で道路が崩壊していた。逃げようにもどうすればいいか》。それを知った上で、再稼働しようというヒトデナシ。
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていて
よかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外』
『●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年
に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」』
『●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難
計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?』
『●命のリスクをカネと天秤にかける愚かさ…核発電所の《リスクを隠し、
再稼働せんがための世論誘導だとしたら、非常に悪質だ》(こちら特報部)』
『●<ふくしま作業員日誌>「熱中症出すなって言われても、俺らだって
人間だもんね。この猛暑じゃ無理だよな」(聞き手・片山夏子記者)』
3.11東京電力核発電人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさよ。避難計画一つとっても、無茶苦茶。アノ東電に、アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働って、正気ですか? 特に、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か?
《首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する》前に、皆で、《避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求》(古賀茂明さん)しましょう。《実際には審査されていないからだ。国民は「えっ? 避難計画は規制委の審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》からです。えっ、原子力「規制」委員会は核発電「寄生」委員会なので、「規制」するつもりはないし、「審査」する法的な建てつけになっていない? 「利権」「裏金」「脱税」党の国会議員の犯罪や不法は許し、こういう時だけ「法」を持ち出すのね? いい加減にしてほしい。とっくに法治主義国家ではなくなり、人治主義国家に堕ちています。
《少なくとも154人が最長16日間孤立》…核発電推進派にとって、なんてことないんでしょうね。使いたくはない言葉だが、「棄民」する気満々なヒトデナシ核発電推進派。
東京新聞の記事【国や県の避難計画は机上の空論だった… 能登半島地震半年、志賀原発30km圏内で孤立した14集落の証言】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/336611)。《元日の能登半島地震で、北陸電力志賀原発(石川県)30キロ圏内の14地区で道路の寸断などのため、少なくとも154人が最長16日間孤立した。原発事故が起きていたら避難できなかった恐れがあり、住民からは不安の声が上がる。地震から半年が過ぎ、原子力防災のあり方が改めて問われている。(取材・大野沙羅、青山尚樹、脇阪憲、構成・荒井六貴)》。
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/336611】
国や県の避難計画は机上の空論だった… 能登半島地震半年、志賀原発30km圏内で孤立した14集落の証言
2024年7月1日 06時00分
元日の能登半島地震で、北陸電力志賀原発(石川県)30キロ圏内の14地区で道路の寸断などのため、少なくとも154人が最長16日間孤立した。原発事故が起きていたら避難できなかった恐れがあり、住民からは不安の声が上がる。地震から半年が過ぎ、原子力防災のあり方が改めて問われている。(取材・大野沙羅、青山尚樹、脇阪憲、構成・荒井六貴)
◆「原発事故なら半島の先端へ向かえと言われたが」
原発から15キロ余りの石川県七尾市中島町河内(かわち)地区(地図の①)。県道2カ所で山が崩れ、地区内にある岩穴(いわな)集落の5世帯10人が4日間にわたり孤立した。80、90代の高齢者らが暮らしていたが、いずれも地区外に避難したため、今は人の気配がない。
「人生で初経験。道がなくなるなんて想定していなかった」。河内地区の町会長、井平(いへら)秀一さん(65)は当時を振り返る。自宅は岩穴集落とは別の集落だが、そこも一時孤立した。県道が土砂や倒木で寸断。住民たちが山道を車で無理やり走って道を切り開き、避難路が確保できたのは翌日になってからだった。
(自宅に戻って生活を続ける町会長の井平秀一さん=七尾市で)
県の避難計画では原発事故時、地区の住民は半島先端の奥能登へ向かうことを想定しているが、見直しが必要だと考える。「国や県がそれなりに考え想定していると思っていたが、(奥能登への)北上は無理な話」と実感を語る。
◆情報も遮断「原発事故ならパニック」
14地区のうち、最多となる61人が孤立した輪島市諸岡地区(地図の②)は原発から27キロほど。ヘリコプターなどでの避難が完了したのは1月13日だった。住民の直江久信さん(73)は「情報も何もかも遮断された」と話し「(原発について)もし考えないかんとなっていたら、逃げるに逃げられず住民全体がパニックになっていた」と振り返る。
地区は道路が寸断された上、住民全員が過ごせる避難所がなかった。電気や水道も使えなかった。被害が少ない家に分散避難するなどして、各自で発電機や非常食などを持ち寄り、助けを待つしかなかった。
地区に住む六田(ろくた)明憲さん(73)は以前、原発からの放射能漏れを想定した訓練に参加。その時は市のマイクロバスで市中心部に避難する手はずだったが、今回のような地震では実効性がないと感じた。寸断されにくい道路の整備が必要だと考えているが「この辺の地形では(整備は)難しいだろう」とつぶやく。
◆「いたる所で道路が崩壊、どうやって逃げれば」
約20人が孤立した穴水町麦ケ浦地区(地図の③)は原発から26キロ余り。前区長の細川次郎さん(70)によると地震直後、住民らは津波を心配し、高台に避難した。「原発の危険性を肌身に感じていた住民は少なかった」という。
(山崩れで寸断された道路。奥にほぼ孤立した集落が見える
=七尾市で)
地震発災時は津波に加え、原発事故に備える必要性を感じているが、地震当日、町中心部へ向かう道路は護岸が崩落。歩いて通ることはできたが、車は通行不能だった。「いたる所で道路が崩壊していた。逃げようにもどうすればいいか」と不安を口にする。
◆屋内退避は難しく、ビニールハウスや寺院で過ごす
内閣府は、集落の「孤立」の定義として道路や海上交通で外部からのアクセスが途絶し、人の移動や物資の流通が困難もしくは不可能となる状態とする。今回、孤立した14地区のうち11地区が山間部で、原因はのり面崩壊による土砂堆積や倒木のほか、道路損壊や橋の接合部の段差だった。
倒壊などで自宅にとどまれなかった人はビニールハウスや寺院で過ごしていた。原発事故の避難計画では、避難しない人は屋内退避することが求められているが、地震や津波が同時に発生した場合は難しいことが改めて感じられた。
◆志賀原発は震度5強 外部電源2回線は未だ使えず
(地震で被害が出た北陸電力志賀原発=志賀町で)
志賀原発は地震当日、1、2号機ともに停止中。震度5強を観測し、地震の揺れで1、2号機の変圧器の配管接続部が破損し油が計約2万3400リットル漏れた。変圧器の故障のため、外部電源5回線のうち2回線が使えなくなった。復旧のめどは立っていない。
1号機放水槽の基礎や物揚げ場などが沈下し、9月末までに復旧させたいとしている。1号機の制御棒を駆動させるための設備関連の部品も脱落した。
【関連記事】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
【関連記事】志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年07月26日[金])
片山夏子記者の<ふくしま作業員日誌>、読むと、毎回、辛くなる。この酷暑の中、東京電力核発電人災の「後始末」に翻弄される作業員の皆さんは本当にご苦労さまだと思う。東京電力のいい加減な対応で、「後始末」は混迷を深めている。避難し続けている皆さんや福島在住の皆さんも、いい加減、呆れているのでは?
それにしても東電やその他の電力会社。再稼働なんてやってる場合なの? デブリは1gも取り出せていない。東電核発電人災は何一つ解決していませんが? 3.11東京電力核発電人災の「教訓」はどこに行ってしまったのでろうか。本年2024年1月1日の「警告」も、もう既に、忘却だ。能登の皆さんは、使いたかないが、「棄民」じゃないか。
片山夏子記者による、東京新聞の記事【<ふくしま作業員日誌・53歳男性>猛暑の中でも防護服…今夏はヤバい 福島第1原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/342771)。《梅雨明けして夏本番になったら、どうなっちゃうんだろう。今年はミスやけがが続いてゴールデンウイーク明けに点検が入ったりして、作業が遅れている。熱中症出すなって言われても、俺らだって人間だもんね。この猛暑じゃ無理だよな。(聞き手・片山夏子)》
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていて
よかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外』
『●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年
に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」』
『●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難
計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?』
『●命のリスクをカネと天秤にかける愚かさ…核発電所の《リスクを隠し、
再稼働せんがための世論誘導だとしたら、非常に悪質だ》(こちら特報部)』
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/342771】
<ふくしま作業員日誌・53歳男性>猛暑の中でも防護服…今夏はヤバい 福島第1原発
2024年7月26日 06時00分
(福島第1原発では、高線量や汚染の高い場所では
全面マスクに防護服、さらにビニールのかっぱを着る
作業もあり、夏は熱中症との闘いになる)
梅雨明けもしていないのに、暑さが大変なことになっている。昨年も酷暑だったけど、今年はさらに厳しい夏になると感じている。7月初旬に福島県浪江町で観測史上最高の38.8度を記録したのには驚いたけど、各地で40度近い気温になり、暑さで窓ガラスが割れたり、夜室内で寝ていて熱中症で亡くなった人がいたり、今年の夏はやばい。
サマータイムで作業は明け方から始まる。真っ暗なうちに家を出るが、外に出た途端、もわーっと熱い空気に包まれる。装備を着ける室内は、作業員がたくさんいるとエアコンが効かない。下着の上に防護服を着て全面マスクをつけ、作業によってはその上にビニールのかっぱを重ねる。太陽が上がってくると、全身から汗が噴き出す。手袋や靴下も何枚も重ね、ゴム手やビニールカバーもつけるから、どうしようもない。
その日の装備の分を2度とか3度とか計算して気温に足し、34度以上になると作業は30分しかできない。33度だと1時間できる。この1度の差は大きい。
敷地内は雨が地面に染みこんで汚染水が増えないように、アスファルトやコンクリートで覆われている上、林立するタンクの照り返しで暑さは倍増。明け方から1時間作業して、一度休憩を挟むが、ゴム手袋を外すと汗が飛び散る。下着までべちょべちょだから、本当は着替えたいけど、着替えは1枚しか持って行かないから、スーッとする汗ふきシートで全身を拭って耐える。2度目に作業に出るときは、暑さはもう最高潮。いつもしている仕事でも、大量に汗をかいた分、ぐったりする。今週に入って3日で2キロ痩せた。
梅雨明けして夏本番になったら、どうなっちゃうんだろう。今年はミスやけがが続いてゴールデンウイーク明けに点検が入ったりして、作業が遅れている。熱中症出すなって言われても、俺らだって人間だもんね。この猛暑じゃ無理だよな。(聞き手・片山夏子)
【関連記事】<ふくしま作業員日誌・56歳男性>今季初めてイチエフに積雪! 福島第1原発
【関連記事】<ふくしま作業員日誌・53歳男性>厳しい暑さ「体重ぐっと落ちた」 福島第1原発
【関連記事】<ふくしま作業員日誌・53歳男性>豪雨も地震ももう嫌だ 福島第1原発
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年06月17日[月])
命のリスクをカネと天秤にかける愚かさ。(こちら特報部)《新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている》。そもそも、3.11核発電人災を引き起こした東京電力に稼働・再稼働する資格はあるのか、能力があるのか? 福島で引き起こした人災を新潟県でも繰り返すつもりか? 「教訓」を学ぶ能力も無く、「警告」を理解する能力も無い東電。
東京新聞の記事【こちら特報部/再稼働に「都合のいい試算」を公表した新潟県の思惑 原発事故のリスクを無視、大きな数字で印象操作?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/333825?rct=tokuhou)によると、《新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている。6、7号機が再稼働した場合、効果は10年で4396億円に上ると試算するが、専門家からは「ミスリーディングだ」との声が上がる。既に同原発7号機は、地元の合意がないまま核燃料の装塡(そうてん)が完了。政府が地元に再稼働への理解を要請する中、再稼働判断を後押しするような試算が出る現状をどう見るべきか。(山田祐一郎)》。
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていて
よかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外』
『●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年
に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」』
『●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難
計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?』
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/333825?rct=tokuhou】
こちら特報部
再稼働に「都合のいい試算」を公表した新潟県の思惑 原発事故のリスクを無視、大きな数字で印象操作?
2024年6月16日 12時00分
新潟県が4月に公表した同県の東京電力柏崎刈羽原発の経済波及効果に異論が出ている。6、7号機が再稼働した場合、効果は10年で4396億円に上ると試算するが、専門家からは「ミスリーディングだ」との声が上がる。既に同原発7号機は、地元の合意がないまま核燃料の装塡(そうてん)が完了。政府が地元に再稼働への理解を要請する中、再稼働判断を後押しするような試算が出る現状をどう見るべきか。(山田祐一郎)
(柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機)
◆「再稼働」「廃炉」「全機稼働停止」の3パターンで計算
「選択肢の決め方や範囲が限定的。不十分な経済指標や計算方法のみで優劣を判断するのはミスリーディングだ。新潟県が出した数字だけを見て、再稼働したほうがいいと考えるのは危ない」。今月7日、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を議論する「市民検証委員会」が開いたオンライン会見。県の試算について東北大の明日香寿川(あすかじゅせん)教授(環境政策論)がこう指摘した。
新潟県の花角英世(はなずみひでよ)知事は4月24日の記者会見で、柏崎刈羽原発の地域経済への効果について、野村総合研究所に委託した調査結果を公表。「6、7号機再稼働時」と「廃炉時」「全機稼働停止時」の三つのパターンについて、東京電力が地元企業に発注する事業や東京電力従業員の支出などを計算し、経済波及効果を出した。
◆「再稼働」の経済効果が最多の4400億円
その結果、再稼働時の経済波及効果は10年間で4396億円で最も多く、稼働停止時が2984億円、廃炉時が1262億円との結果になった。同原発関連の県内従業員数は、再稼働時が年間4680人であるのに対し、停止時は2932人、廃炉時は1986人になるとした。
会見で花角知事は調査結果について「金額の多寡ではなく、稼働した場合としていない場合で見たら、稼働した場合のほうが経済効果が大きいのは想定していた」と説明。その上で「経済効果と、経済と地域の活性化がイコールかどうかは別問題だ」との見解を述べた。一方で再稼働の判断については「議論の材料の一つ。もう少し議論を見ていきたい」とした。
◆現実を反映しない恣意的な試算?
(新潟県の花角英世知事)
オンライン会見で明日香氏は、産業連関表を使った経済波及効果の試算の信用性について、環太平洋連携協定(TPP)への参加を議論した際の政府の対応を例に挙げて説明した。参加に否定的な農林水産省は、TPPによる関税撤廃で国内総生産(GDP)が減少すると試算。推進の立場の経済産業省は逆に参加しなければGDPが減るとの予測を出した。「誰がどう計算するかによって別の結果が導き出される。また県が使用したデータは2015年のもので必ずしも現状を反映しているとは言えず、正確性に限界がある」と恣意的(しいてき)な運用を危ぶむ。
さらに、試算が原発事故のリスクを反映していないことを問題視した。「東京電力が原発を供給区域につくらず、新潟県や福島県に設置しているのは、事故のリスクがあるからだ。立地自治体のリスクを無視した経済効果を示し、再稼働のメリットを強調するのはどうか」と疑問を呈した。
金額についても「10年間での数字で大きな金額の印象を与えている」。21年の県内総生産が約8兆8000億円であることから「単年で考えると効果は県内総生産の0.5%程度。これで事故のリスクを受け入れるのか」とし、こう訴えた。「再稼働時と停止時の差は10年間で1400億円とそれほど大きくなく、二つを比べるのならばこのまま稼働停止するのが県民にとって望ましいはず。さらには廃炉にして、再生可能エネルギーなどの産業を育てるために国の支援を求め、その経済効果も示すべきだ」
◆建設業以外は経済効果なし
そもそもこれまで稼働していた時期に地元にどれだけ経済的な効果をもたらしたのか。「地元の柏崎市と県内の同規模の自治体を比較すると、建設業で顕著な効果が見られたが、サービス業などはほとんど差は見られない。逆に見劣りする業種もある」。オンライン会見で、新潟大の藤堂史明教授(環境経済学)がこう説明した。「過去数十年間の実データを見ると、実際に効果が出ていない事実がわかる。所得面でも不振が目立つ」とも述べた。
藤堂氏は「原発は非常に特殊な産業で高度な規格が求められる。地元産業への発注が期待できないのは、実データから実証されている」と説明し、こう強調する。「専門的で特殊な原発産業が地元経済とつながっていけるというのは幻想でしかない。再稼働しても、電力事業者だけが利益を上げ、負担は国民が負うという構造が再生産されるだけだ」
◆再稼働に慎重姿勢の知事が2代続いた後…
福島原発事故前後の新潟県知事経験者の泉田裕彦氏(在任期間2004〜16年)と米山隆一氏(同16〜18年)は、いずれも任期中、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を貫いた。泉田氏は、福島原発事故を県独自に検証する有識者会議を設置し、米山氏がさらに二つの委員会を追加、検証総括委員会を設けて議論した。だが、自民党の支持を受けた元官僚の花角氏の知事就任後、総括委員会は事実上、休止。昨年3月に全委員が任期切れとなり、県が同年9月に報告書を取りまとめた。
17年末に原子力規制委員会の適合性審査に通った柏崎刈羽原発6、7号機。テロ対策の不備によって出されていた運転禁止命令も昨年末に解除され、今年4月には7号機の原子炉に核燃料が装塡された。花角氏は原発を推進する立場の自民党で、長年にわたって幹事長を務めた二階俊博氏の運輸相時代の秘書だった人物。これまで再稼働に当たっては「信を問う」と述べ、現時点で同意するかどうかを表明していないが、次第に外堀が埋まりつつある。
◆検証総括委員会を閉じた理由は
「花角知事としては、再稼働を正当化する道具を一つ一つそろえている段階なのだろう」と話すのは、オンライン会見を開いた市民検証委員会の共同代表で新潟国際情報大の佐々木寛教授(政治学)。問題点が指摘される経済波及効果の試算が出された事情をこう読み解く。「現時点では、場当たり的で花角知事に明確な戦略があるようには見えない。だが少なくとも将来、自身がフリーハンドで判断をしやすい材料を集めていると言える。検証総括委員会を閉じたのも、自身の判断が拘束されないためだ」
(柏崎刈羽原発(2021年3月撮影))
進む再稼働の動きに歯止めをかけるには何が必要か。佐々木氏は「原発が本当に利益になるのか、事故の際に本当に避難できるのか。自分の問題として考える必要がある。政府の要請によって地方が動かされることがないようにするため、有権者の熟議と意思表示が求められる」と訴える。
◆大阪万博でも経済効果を強調
経済波及効果が強調されるのは大阪・関西万博も同様だ。整備費拡大や建設の遅れに批判が高まっているが、政府は今年3月、経済波及効果が2兆9000億円に上ると発表。18年の調査から4000億円上乗せされた。
政府や県が数字で出す効果をどう見るべきなのか。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「経済波及効果は、あたかも科学的な根拠があるように見せることができるが、万能なご宣託ではない」と慎重に受け止める必要性を強調する。「万博を開催したり、原発を動かせば経済的な効果があるのは当然で、かかっている費用が多ければ効果も大きくなる。同じ費用をかけて別のことをしたらどうなるのかといった比較をしなければ政策選択の材料にはならず、政策の方向性を間違えることにつながりかねない」
◆デスクメモ
金が動けば何らかの経済効果が生じるのは当たり前の話。だが、人はもっともらしい数字に引きずられやすい。万博のように開催せんがためのにおいがする「効果」もある。柏崎刈羽も本当に「一つの材料」か。リスクを隠し、再稼働せんがための世論誘導だとしたら、非常に悪質だ。(北)
【関連記事】核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る手続きは新潟県の同意のみ
【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年06月11日[火])
3.11東京電力核発電人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさよ。避難計画一つとっても、無茶苦茶。アノ東電に、アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働って、正気ですか? 特に、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か?
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されて
いてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外』
《首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する》前に、皆で、《避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求》(古賀茂明さん)しましょう。《実際には審査されていないからだ。国民は「えっ? 避難計画は規制委の審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》からです。えっ、原子力「規制」委員会は核発電「寄生」委員会なので、「規制」するつもりはないし、「審査」する法的な建てつけになっていない? 「利権」「裏金」「脱税」党の国会議員の犯罪や不法は許し、こういう時だけ「法」を持ち出すのね? いい加減にしてほしい。とっくに法治主義国家ではなくなり、人治主義国家に堕ちています。
『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を』
《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね」
と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発は
650ガル、高浜原発は700ガルと日本の原発の耐震性は非常に低い
からだ。
国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。
だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》
渡辺聖子・大野孝志・荒井六貴記者による、3回シリーズの東京新聞の記事。
前編【「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>前編 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進める。だが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子、大野孝志、荒井六貴が担当します)》。
中編【「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定し、前に進めていきたい」 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける》。
後編【1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ》、《◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した》。
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221】
「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
2024年6月8日 06時00分
<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>前編
東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進める。だが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子、大野孝志、荒井六貴が担当します)
(津波警報で高台に避難してきた人たちの車が連なった
=1月1日、新潟県柏崎市(佐藤正典さん提供))
◆1993年以来の津波警報 鳴り響くサイレン
ウーッという低い音が、2時間以上にわたり鳴り続けた。東京電力柏崎刈羽原発のお膝元の新潟県柏崎市は、元日の能登半島地震で最大震度5強の揺れに襲われた。市内では1993年以来の津波警報が発令され、沿岸部の防災行政無線のスピーカーからサイレンが響いた。
正月ののんびりした雰囲気は一変。海から離れた幹線道路の国道8号や、北陸自動車道につながる別の国道が避難の車で大渋滞した。ガソリンスタンドには長い列もできた。市の担当者は「海から離れようと山側へ向かった人がいたことに加え、内陸側の人も同時に避難したことが要因」と説明する。
(柏崎刈羽原発(資料写真))
一部の車は高台の住宅団地にも集まり、避難場所ではない道路で路上駐車の列ができた。市議の佐藤正典さん(58)は「何十台も止まり、警報の解除を待っていた」と振り返る。そして、脳裏によぎったのは原発だった。「地震と同時に原発事故も起きていたら、計画通りの避難ができただろうか」
◆「2段階避難なんてできない」
避難計画では、原発で重大事故が起きた場合、5キロ圏内の住民は即時避難する。5〜30キロ圏内は放射性物質を避けるために建物内で待機し、放射線量が上昇すれば避難に移る。移動には車を使い、30キロ圏外の避難所に向かうことになる。
ただ、想定通りに進む保証はない。柏崎刈羽の再稼働反対運動に取り組む刈羽村の高桑千恵さん(78)は「5キロ圏の人が逃げているのを見たら、30キロ圏の人も逃げずにはいられない。元日よりすごい渋滞が起きるはず。2段階避難なんてできない。避難計画は人の心を分かっていない」と懸念する。
新潟県は2021年、地震や大雪などが重なったケースを想定し、30キロ圏内に住む40万人超全員が圏外に脱出するためのシミュレーションを示した。最長で6日半かかる結果だった。
◆除雪が終わって通行できる状態を仮定
これは、地震による道路寸断などで北陸道と国道8号が使えなくなるケースだ。避難指示が出されても、渋滞のために約4日間は自宅に待機し、2日間ほど車内にとどまる必要があるとしている。
過酷にも見えるが、前提が「甘い」という指摘がある。例えば、大雪を想定しながらも、事故発生時には除雪が終わって通行できる状態を仮定している。県防災局の飯吉栄輔・原子力安全調整監は「問題意識は持っている」と話す。
2011年の東京電力福島第1原発事故は、想定を超える事態が実際に起きることを突きつけた。それなのに、事故への備えは今も、甘さが残ったままだ。
柏崎刈羽が再稼働すれば、電気は首都圏に供給される。高桑さんは「避難訓練に参加してみると、計画は絵に描いた餅にすぎず、住民の被ばくにも無神経だと分かる」と指摘した上で、こう訴える。「首都圏の電力のために、地元住民は事故の不安と背中合わせになっている。人ごとではないことを知っていますか」
避難計画 原発から30キロ圏内の自治体に策定が義務付けられている。東京電力福島第1原発事故前は8〜10キロ圏内だったが、被害が広範囲に及んだことを踏まえ拡大した。避難先やルート、交通手段、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布など、住民や関係機関が取る行動を記載。最終的には、首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する。
【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
【関連記事】能登半島地震で原発は「警戒事態」だった…政府と自治体の対応を振り返る 指針に書かれた「避難の準備」は
【関連記事】珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
=====================================================
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398】
「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
2024年6月9日 06時00分
<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編
「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定し、前に進めていきたい」
(伊藤信太郎原子力防災担当相兼環境相)
伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける。
だが国の思惑とは裏腹に、花角知事は面会で別の要求もした。能登半島地震の教訓から屋内退避を前提とすることに疑問を投げかけ、見直すよう求めた。地震や津波の複合災害が起きれば、家屋倒壊のほか電気や水などライフラインが止まり、家にとどまれない。家にとどまれない。その現実を突き付けたのが、能登半島地震だった。
屋内退避 原発で深刻な事故が起きた際、原発から5〜30キロ圏内は避難の前段階として放射線による被ばくを避けるため、自宅や避難所で待機。空間放射線量が上昇すれば、避難する。目安は1時間当たり20マイクロシーベルト。原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針に基づく。規制委は4月から、屋内退避の具体的な期間などの検討を始めた。
柏崎刈羽周辺で特有の大雪が降った場合も同様だ。原発5キロ圏の住民は深刻な事故が起きれば即時避難が原則だが、雪で移動が難しい場合は自宅などで屋内退避してもらう方針を内閣府が示す。だが、雪での屋内退避もライフラインが途絶えれば現実的に難しい。
◆「救助に来てもらえるのか」「冬季は原発を運転しないで」
原発から北におよそ2キロ、日本海の波打ち際から10メートル程度の柏崎市の宮川地区でも、能登半島地震で津波警報が発令された。住民らは自宅を脱出し海抜約25メートルの寺に避難。寺は古く、強い余震に耐えられない。住民らは屋外で過ごし、寒さのあまり、警報解除前に自宅に戻った人も多かった。
(宮川地区の集落から望む東京電力柏崎刈羽原発(奥)
=新潟県柏崎市で)
地震から4日後、地区住民らでつくる自主防災会は原発事故時の避難についてアンケートし、全世帯の9割に当たる75軒が答えた。
「救助に来てもらえるのか」「なんとしても逃げる」「車がある人は、行ける所まで避難を始めると思う。大混乱になる」「避難経路を確保できない冬季は原発を運転しないで」。否定的な意見が多く寄せられた。屋内退避の方針についても「知らない」と答えたのが51軒に上った。
内閣府の担当者は「自宅が倒壊したら、地域の指定避難所に避難することになる」と、あくまでも屋内退避にこだわる。だが、宮川地区の避難所は海に近く、津波が来れば使えない。
◆「住民の被ばくは避けられない」
東電福島第1原発事故での住民の被ばくや放射能汚染の調査を続け、新潟県の福島事故検証委員会のメンバーだった木村真三・独協医科大准教授は、屋内退避の実効性を疑問視する。
「放射能をやり過ごすといっても、特に気密性の低い木造家屋には放射性ヨウ素が入ってきやすい。当然被ばくする。水や食料の問題もあり、家の中にずっといられない」
宮川地区の避難訓練に参加したこともある木村氏はこう指摘する。「原発を再稼働させたいなら、最悪の事態を想定した避難計画を立てるべきだ。だが、全てを想定することはとても無理で、住民の被ばくは避けられない」
<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>
東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進める。だが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子、大野孝志、荒井六貴が担当します)
【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画(この記事)
=====================================================
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625】
1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない
2024年6月11日 06時00分
<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編
扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ。
◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した
外気をフィルターで浄化して取り込み、館内の気圧を高めて放射性物質が入るのを防ぐ。原発で深刻な事故が起きた時、避難した人たちの被ばくを避けるためだ。市によると、装置や館の気密性を高める工事に約1億4000万円をかけた。
(高浜コミュニティセンターに設置されたイスラエル製の
陽圧化装置=新潟県柏崎市で)
館は、体が不自由な高齢者ら要支援者らが一時的に退避する「放射線防護施設」に指定されている。事前に支援の必要を申告した住民30人が3日間過ごせるだけの水と食料、毛布も備えている。
だが、陽圧化装置の完成後に「欠陥」が発覚した。稼働中は気密性を保つため、玄関を使えない。隣接する体育館から、空気を逃がさないよう分厚い扉に挟まれた調節室を通って館に入る。調節室の奥行きは約180センチ。体が不自由な場合もある要支援者が自宅から移る施設なのに、担架もストレッチャーも人を乗せたままでは入れず、立てる必要がある。
◆操作する市職員は到着できるか
「装置をつけたことが大事なのだろう。懸命にやっているというポーズでしかない」。3月末まで町内会長を10年務めた陶芸家の吉田隆介さん(75)があきれたように話す。市防災・原子力課の担当者は「解決策を検討している段階。今は車いすに乗り換えてもらうなどして対応するしかない」と説明する。
陽圧化装置を動かすこと自体にも問題がある。市職員が来て操作することになっているが、市役所から来るには事故を起こした原発の前を通る必要がある上、道路が寸断されれば、いつ到着するか分からない。町内会役員が「自分たちを守るために」と動かせるようにしたが、扉に張った操作手順書が命綱。吉田さんは「これを見ないと動かせない」と明かした。
◆施設全体が使えなくなるリスクも
地震や津波と同時に原発事故が起きれば、施設自体が使えなくなるリスクをはらむ。高浜コミュニティセンターも海に近く、津波に襲われると使えない。
能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の事故に備えた県内の放射線防護施設20カ所のうち、小学校や病院など6カ所が、倒壊の恐れが生じたり、スプリンクラーが稼働して浸水したりして使えなくなった。内閣府の担当者は「地震時の対応が課題。改善していきたい」と説明する。
事故時に住民を守れるのか心もとないというのに、再稼働の準備は着々と進む。吉田さんは「そもそも避難計画を考えなければならないことに、強い違和感がある。原発の危険と背中合わせだから、計画が必要になる。私たちは安全に暮らしたいだけ。原発の再稼働など論外だ」と訴えた。
放射線防護施設 原発事故時にすぐに避難することが難しい高齢者や障害者らを、一時的に受け入れる。内閣府の補助事業で全国の原発の30キロ圏に約300施設、柏崎刈羽原発の周辺に約20施設を設置した。病院や高齢者施設、学校などを指定。既存の建物に、放射性物質を室内に入れないための陽圧化装置を備え付け、二重サッシなどで気密性を高める。体育館に専用テントを張って受け入れるケースもある。気密性が高い分、一部の木造施設では湿気で傷みが進み、問題化したこともあった。
◇
<連載:住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>全3回
東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進める。だが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子、大野孝志、荒井六貴が担当しました)
【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
【後編】1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない(この記事)
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年05月28日[火])
《党員資格停止1年の処分》中の「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相、許せない! 住民を見捨てた状態のままも同然であり、能登半島地震の「警告」を無視する暴言を吐く…小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ》。石川県志賀町・稲岡健太郎町長《北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい》。また、小谷内毅珠洲市議《珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった》。
これまた、今西憲之さんのスクープ。様々な傲慢な発言。特に、前経産相として《能登半島の被災者をないがしろにするような》発言は許されない。もし、玖珠核発電所が建設されていたとしたら…。
dot.の記事【西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対した」と被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/223487)によると、《■「珠洲は原発に反対したんや」 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした。「原発反対したんや、珠洲は原発に。反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」 …支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」と、原発計画凍結を悔しがる様子だった》。
問合せに対して、「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」…だそうです。《西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。「1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ。珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみました。もし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか。珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々。よくもそんなことが言えますね」》。珠洲市民の怒りは当然だ。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》』
『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ』
『●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
=====================================================
【https://dot.asahi.com/articles/-/223487】
西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対した」と被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】
2024/05/26/ 11:00
今西憲之
(西村康稔前経済産業相)
5月の上旬、平日の夕刻、兵庫県の淡路島の料理店に、10人ほどの男性が集まっていた。
午後7時ごろ、店に現れたのは、前経済産業相の西村康稔衆院議員。自民党の政治資金パーティー収入の裏金事件では、旧安倍派の事務総長経験者として東京地検特捜部の事情聴取を受け、4月に党員資格停止1年の処分を受けている。この日は地元、兵庫9区の支援者を集めた「飲み会」だった。
(【写真】西村氏が選挙での警戒を口にする泉房穂氏)
AERA dot.編集部は、この飲み会の様子がわかる約3時間分の録音データを入手した。そこには、処分を受けた後ながら、上機嫌で話す西村氏の様子が残されていた。
■ 総裁選は「河野太郎、小泉進次郎ってわけにいかん」
席に着いた西村氏は、衆院解散についての話の輪に入り、
「(今の通常国会で内閣)不信任案が最後出てくる。否決か解散するか。まあ(内閣総)辞職はせえへんから、(岸田文雄首相)けっこう強気なんよね」
などと、処分を下した岸田首相について軽口をたたく。参加した支援者から、
「(岸田首相の後継として)有力な(西村)先生と、世耕さん(世耕弘成参院議員)を岸田さんが追い出した。対抗馬がおらん」
と声が出ると、
「河野太郎、小泉進次郎ってわけにいかん。石破(茂)さんかって、いまさら石破かってなる。今回、自分が出ればチャンスって? そう(安倍派の)100人かたまっていれば一番、(自分に)チャンスがあった」
この言葉に支援者がうなずき、敏感に反応したことで西村氏はさらに気分をよくしたようで、
「派閥のことが批判されているが、今も(私は)何十人か束ねてやっている。それが政治」
「安倍派100人いて、今も何十人か私を慕ってくれている。他の派閥も流動化していて、最大60~70人束ねられたらと思っている」
などと、批判を浴びた「派閥政治」の重要性を説き、強気のビジョンを口にした。
しかし、当然のことながら西村氏は来年4月まで党員資格停止中で、今年9月の総裁選には出馬できない。それでも、西村氏は意気軒高で、
「(衆院議員に)当選して20年。(最初の)十数年間は、地元によう帰っていた。けどこの10年は、政府で中心的な仕事をしてきた。官房副長官、コロナ担当大臣、経産大臣。みなさんとゆっくり話せる機会がなかった。来年4月まで党員資格停止なので、ある意味自由に帰って来られる。ええ機会をいただいた。東京でも国会があるときは仕事をする、役所呼んでいろいろやるし、(役人は)報告にもくる。地元からも『あの道路どうや』と声があれば、つないでやる」
などと饒舌だった。
(岸田内閣で経済産業相をつとめながら、
首相に批判的な発言も)
淡路島の支援者によれば、この日の「飲み会」は会費制で、西村氏側から持ち掛けられたという。
「政府の要職とか、大臣についていたときは、忙しくて地元に帰ってこられなかった。党員資格停止で暇になったので、地元によく帰るようにするから集まってくれというんです」(淡路島の支援者)
裏金事件では、西村氏自身、100万円の還流を受けたとされている。地元の支援者や地元政治家らを集めた集会でも、裏金事件について苦言を呈する話が出るそうで、この日の飲み会で西村氏は、
「地元でも、『裏金どないなってんねん、おれにもくれ』と言われた。(裏金は)『100万だけやないやろう、何千万円ももらっているはず』とか、『ほんま、森(喜朗元首相)が悪いんやろう』とか」
と裏金への批判が強いことをぼやいた。
■「もともと私は減税反対やった」
飲み会が宴たけなわとなってくると、西村氏は大臣として仕えていた岸田首相の政策に批判的な発言を口にし始めた。
6月から、岸田首相が力を入れる、1人当たり計4万円の所得税・住民税の定額減税がスタートする。岸田首相が「減税構想」を明かした時、西村氏は経産相だったが、これについて、
「一人4万円の減税、これ会社の事務処理が面倒くさいと聞く。事務処理が大変で手間がかかる」
「もともと私は減税反対やった。それやったら(現金)配れと。4万円、5万円、ひとりひとり配ったほうが、なんか嬉しいやないですか。それを言ったら、岸田さん、閣僚会議で私に『絶対言わんといてくれ』ってね。まわりからも『総理はもう決めているから』と止められた」
などと発言。また、少子化対策の財源確保のための「支援金制度」導入にあたって、岸田首相が、「実質的な負担は生じない」と繰り返していることについても、
「正直なところ、負担はかけます言うたらええのに。結局、みんなが負担する」
と批判を展開した。
■小池百合子知事の学歴疑惑に「首席はないわ」
自民党を離れている気楽さもあるのだろうか。自民党の国会議員の個別の名前をあげて、
「〇〇、あれはひどい」
「あれは、選挙(活動の時)、防弾チョッキ着ているんや」
などと、茶化す発言もあった。
かつては同じ兵庫県内の選出の衆院議員だった東京都の小池百合子知事の「学歴詐称疑惑」について支援者から問われると、
「カイロ大学、あれは出てない説が強い。首席(卒業)はないわ。(今後の選挙で)どれだけダメージがあるかや」
と止まらない。
(選挙については泉房穂前明石市長への警戒感も口にした)
■泉房穂氏が出たら「明石は血みどろの争い」
そして、来年4月まで自民党から出馬できない西村氏が気にするのは解散総選挙の時期だ。
「野党から内閣不信任案が出たら、岸田さんは選挙、やけっぱちでやるのかな」
「1年以内の解散総選挙だと、無所属で出馬することになる。ただ地元から(刺客となる)自民党候補が出るわけではない」
西村氏の地盤である衆院兵庫9区は、前明石市長で、地元で人気抜群の泉房穂氏の地元でもある。それを念頭に西村氏は、
「明石の(泉)前市長が立憲(民主党)から出てくるのか、無所属で出てくるのか。それとも私と維新だけの選挙なのか。前の市長が(兵庫9区から)出てくるなら、明石は血みどろの争い。だから、淡路島でしっかり足元をかためて勝ち上がる」
と支援者たちに訴えた。
■「珠洲は原発に反対したんや」
参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした。
「原発反対したんや、珠洲は原発に。反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」
能登半島の先端にあり地震と津波で甚大な被害を受けた石川県珠洲市には原発の建設計画があったが、住民の反対運動などにより、2003年に電力会社が計画を凍結した。西村氏の発言は、原発に反対したから交通アクセスが悪いままになっている、さらには、原発に反対したから復興が進まないという趣旨にも受け止められる。
支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、
「能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」
と、原発計画凍結を悔しがる様子だった。
前出の支援者は、こう話す。
「珠洲原発を建設していれば、地域も発展して金沢市から2時間半もかかる過疎の町にはならなかったという趣旨の話を自慢げにうそぶいていた。つい数カ月前まで原発の担当、経産大臣やっていた人だが、いくらなんでも、そら暴言やと思う」
(地震の揺れと津波で被害が大きかった珠洲市では、
復興の速度が遅い)
西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。
「1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ。珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみました。もし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか。珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々。よくもそんなことが言えますね」
西村事務所に質問書を送り、発言の趣旨を聞いた。
岸田首相の減税政策について「反対」などと言ったことについては、以下のような回答だった。
「減税政策については、政策決定過程で様々な議論を行いました。そのうえで、閣議決定を経て、閣僚全員が一体となり、支援策の実現に取り組んできたところです」
少子化対策の「支援金制度」について、岸田首相に対して「負担はかけますと言ったらええのに」などと言ったことについては、次のように答えた。
「『丁寧な説明が必要』というのが、発言の趣旨です」
そして、被災地の珠洲市が「珠洲は原発に反対した。金沢から2時間半かかる」などと発言したことについては、次のような回答だった。
「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」
(AERA dot.編集部・今西憲之)
今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年05月15日[水])
志賀核発電所が《止まっていてよかった》、珠洲核発電所の建設計画が凍結されていてよかった …… 地盤の隆起の問題や避難方法など、能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外ということ。
「能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら」、「小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》」。
志賀核発電所も情報の公開を渋っているし、マスコミでもあまり報じられなかったが、やはり《能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」》だった。再稼働など以ての外であり、廃炉にすべきだ。《◆「原発に想定外は通用しない」》は3.11東京電力核発電人災の大きな教訓でしょうに。また、《◆「安全なものを造った」と思っていたが…》…「安全な」核発電所なんて、形容矛盾もいいところだ。
松村裕子記者による、東京新聞の記事【志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978)によると、《能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子)》。
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」
『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?』
「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
“日本一避難しにくい原発”」だというのに、昨夜、またしても
豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」
『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい』
『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?』
『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」』
『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》』
『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
…「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?』
『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?』
『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚』
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978】
志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」
2024年5月14日 16時00分
能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子)
原発の変圧器 変圧器は電気を利用に応じた電圧に変える機器。通常は発電した電気を外部に送るが、志賀原発は稼働していないため、外部から原発内で使う電気を送るのに使う。変圧器の機器は漏電防止や冷却のため、絶縁油で満たされている。油が漏れると変圧器が使えず、電気を送れなくなる。志賀原発1、2号機の主な変圧器は計8基。
(原発の危機管理について語る伊藤栄次さん
=2月、石川県宝達志水町で)
◆「原発に想定外は通用しない」
「あれから何年もあったのに、なぜ変圧器自体の対策をしなかったのか」
2007年の新潟県中越沖地震時、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で起きた変圧器火災に触れ、伊藤さんは「いったん火事になれば、何が起こるか分からない。想定外は通用しない。中越沖地震や東日本大震災以上の対策が必要だ」と北陸電側に対応を求める。
北陸電によると、柏崎刈羽原発の火災後、志賀原発に化学消防車を配置し、24時間対応できる態勢を組んだ。ただ、変圧器は当初に設置した一般工場の設備並みの耐震性のまま。そもそも、それ以上の耐震性を備えた製品がないという。能登半島地震を受け、担当者は「変圧器を補強できないか検討する」と話す。
◆地盤整備、修繕、危機管理訴える論文も
伊藤さんは金沢工業大を卒業。土木会社で1987年から17年間、志賀原発の1号機は建設途中、2号機は建設当初から、地盤整備や完成後の修繕に携わった。現場責任者として働く一方、「原発にも危機管理の考え方が必要」との論文を大学教授らとまとめた。
論文を出した90年代は「まだ原発での危機管理意識は低かった」。07年に北陸電が臨界事故を8年間、隠蔽(いんぺい)していた問題が発覚。懸念したことが現実となった。さらに元日の地震では変圧器の油漏れが起きた。
◆「安全なものを造った」と思っていたが…
(志賀原発=2022年5月)
自宅はほぼ全域が志賀原発の30キロ圏内。原発で働く直前に長男が生まれ、「自分の目で確かめ、子や孫のために安全なものを造りたい」と建設に携わった。当時は「基準に合った安全なものを造った」との認識だったが、出入り業者として今そう言い切れるか、じくじたる思いを抱える。
退職後は地域の高齢者サロンを運営。防災士として住民に災害への備えを啓発する。今回の地震時、志賀原発は停止中だった。しかし、30キロ圏内では道路の寸断などで石川県輪島市など3市町の14地区で150人以上が最長16日間孤立したことを内閣府が明かした。
原発が稼働中に事故が起こっていたら、スムーズに避難できない被災者らが被ばくする可能性があった。自ら関わった原発だが、今は「廃炉にした方がいいとさえ思い始めた」と複雑な胸中を明かす。「油漏れで終わったのは不幸中の幸い。今度こそしっかりと対策をとるべきだ」と訴える。
【関連記事】能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた
【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
=====================================================
[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年03月04日[月])
能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源はアノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。
石川県志賀町の稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と。(東京新聞)《昨年末、前町長が逮捕された贈収賄事件に伴う町長選で初当選。その約1週間後、未曽有の震災が起きた。町長選では「化石燃料に頼り、電気代も高騰している現状では、すぐにでも原発を再稼働すべきだ」と主張したが、一転、慎重な姿勢に態度を変えた》そうだ。当時30代半ばだった町長も含めて、3.11東京電力福島第一核発電所人災で、皆そう思ったはずなのに、あの教訓は一体どこにいってしまったのか? 今回の「警告」をまたしても無視すれば、果たして再びの「幸運」に恵まれて、日本全土が高濃度の核汚染から免れることなどあり得るだろうか…。志賀原発直下の (活) 断層が、震度7の地震と連動してスライド・隆起しなかったことが、どれほどの「幸運」だったのかを理解できないのだろうか。(小出裕章さん)《今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない》。(古賀茂明さん)《ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」》についても重要だが、全ての核発電所の廃炉に直ぐに着手すべきだ。
3.11の時も、そう思ったのだけれども、核発電〝麻薬〟中毒者・《原発ゾンビ》らはそうでないらしい。一体何をやっているんだろうか、この国は…。キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
北陸電力によると《想定内》だそうだ…《北陸電力は…「同時に全外部電源が失われても『止める』『冷やす』『(放射性物質を)閉じ込める』の安全機能を満足できる設計になっている」と強調する。珠洲沖の活断層が150キロにわたり連動したことについては、「これらの断層を活断層と評価し、さらに複数の断層の連動も評価している。その規模はマグニチュード(M)8・1クラスの地震を想定しており、今回のM7・6は想定範囲内の規模」》(中日新聞)。《能登半島地震による志賀原発の一部電源喪失》についても、《想定》してたんだよね?
伊東浩一記者による、中日新聞の記事【もし志賀原発が稼働中だったら… 元京都大助教・小出裕章さんの警告】(https://www.chunichi.co.jp/article/845486)。《-能登半島地震の発生時、志賀原発が稼働中だったら、どんな被害が出た可能性があるか。 志賀原発が10年にもわたり停止していたことが何より幸いだった。原発の使用済み燃料は発熱しているが、10年たつと発熱量は運転停止直後に比べ、千分の1以下に低下する。今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない》。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
=====================================================
【https://www.chunichi.co.jp/article/845486】
もし志賀原発が稼働中だったら… 元京都大助教・小出裕章さんの警告
2024年1月30日 05時10分 (1月30日 05時10分更新)
最大震度7を観測した能登半島地震の発生から間もなく1カ月を迎える。北陸電力志賀原発(石川県志賀町、停止中)は、外部電源や非常用電源が一部使えなくなり、放射線監視装置(モニタリングポスト)の一部も測定不能になるなどのトラブルが次々に明らかになった。北電側は「安全上の問題はない」と繰り返しているが、原子力安全が専門の元京大原子炉実験所助教・小出裕章氏は「10年以上運転停止していたことが幸いした」と安全性に疑問を投げかける。稼働中だった場合、今回の地震で志賀原発にどんな危険が想定されたのかを語ってもらった。
(「志賀原発が運転停止中だったことが幸いだった」
と語る小出裕章さん=長野県松本市で)
能登半島地震による志賀原発の一部電源喪失 1日に石川県志賀町で震度7、1号機地下で震度5強を観測。変圧器が故障して油が漏れ、外部電源5回線のうち2回線が使用不能になった。16日の余震後には1号機の非常用発電機3台のうち1台が試運転中に自動停止した。
-能登半島地震の発生時、志賀原発が稼働中だったら、どんな被害が出た可能性があるか。
志賀原発が10年にもわたり停止していたことが何より幸いだった。原発の使用済み燃料は発熱しているが、10年たつと発熱量は運転停止直後に比べ、千分の1以下に低下する。今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない。
-具体的にどのようなプロセスでそうなるのか。
出力100万キロワットの原発の場合、原子炉の中では、ウランが核分裂して3倍の300万キロワット分の発熱をしている。大地震の際は制御棒を入れて核分裂反応を止めるが、実は300万キロワットのうちの21万キロワット分の発熱は、ウランの核分裂で出ているわけではない。それまでに生成された「核分裂生成物」が原子炉の中に膨大にたまっており、「崩壊熱」を出している。
制御棒でウランの核分裂反応を止めても、21万キロワット分の崩壊熱は止められない。膨大な発熱だ。福島でも核分裂反応は止まったが、崩壊熱を止めることができないまま、電源が何もなくなり、冷やせないために炉心が溶けて、(放射性物質が)大量に出てしまった。
-停止中の原発ではどうなるのか。
核分裂生成物は約200種類の放射性物質の集合体で、寿命の長い物質もあれば、半減するまでに8日と寿命が短い物質もある。10年もたつと、発熱する放射性核種がほとんど残っていない。21万キロワット分の崩壊熱が千分の1になると210キロワット。1キロワットの電熱器200個分ぐらいを冷やせればいいことになる。仮に全電源が喪失して冷却できなくなっても、巨大な使用済み核燃料プールにつかっているわけだから、水が干上がって使用済み燃料が溶けるような事態にはならない。
-今回、変圧器が破損した。北陸電力の耐震設計は甘かったのか。
もちろん甘かったと指摘できる。運転中の原発で変圧器がだめでした、ということになれば、それこそ事故に直結してしまう。
-昨年3月、原子力規制委は北電の「敷地内に活断層はない」という主張を妥当と判断し、志賀原発2号機再稼働への道を開いた。だが、そもそも原発周辺のすべての断層を正確に把握し、耐震設計をすることはできるのか。
どこに活断層があり、活動度がどれだけだ、ということが完璧に分かれば、地震が予知できる。しかし地震を予知できた試しはかつて一度もない。今回、活断層が150キロにわたって連動した可能性が指摘されている。こういうことが起きて「想定外」だったと言う。だが、重大な結果を招く原発に関して想定外なんて言い方はしてはいけない。
日本は国土面積が世界の0・25%しかない小さな国だが、世界の地震の1割から2割が起きている。そんな場所に57基もの原発を建ててしまったことこそ誤りだったと知るべきだ。
今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。100万キロワットの原発が1年間稼働すれば、広島原爆がつくった死の灰の千発分の核分裂生成物ができる。運転中に地震に襲われるのとは全然違うことを皆さんに分かってほしい。
(聞き手・伊東浩一)
こいで・ひろあき 1949年、東京生まれ。74年、東北大大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。専門は放射線計測、原子力安全。2015年3月に京大を定年退官したのを機に長野県に移住した。
北陸電力は「想定内」
北陸電力は、志賀原発の運転中に能登半島地震と同規模の地震が発生した場合について、「同時に全外部電源が失われても『止める』『冷やす』『(放射性物質を)閉じ込める』の安全機能を満足できる設計になっている」と強調する。
珠洲沖の活断層が150キロにわたり連動したことについては、「これらの断層を活断層と評価し、さらに複数の断層の連動も評価している。その規模はマグニチュード(M)8・1クラスの地震を想定しており、今回のM7・6は想定範囲内の規模」と説明。震源断層については、「国や各種研究機関の報告を注視するとともに、必要に応じ今後の国の審査に適切に反映していく」としている。
=====================================================