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●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》

2025年03月20日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年03月14日[金])
またしても最「低」裁だった、虚しい…東電核発電人災14年を目前にデタラメな判決。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。
 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。最「低」裁を中心とした異常な司法、検察や警察も異常な司法行政。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

 東京新聞の社説【<社説>旧経営陣の無罪 原発事故不問にできぬ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/391447?rct=editorial)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣の無罪が確定した。「レベル7という最悪事故の刑事責任を不問に付しては重い教訓になり得ない原発事故が再び起きかねないと懸念する。…最大の争点は、東電が巨大津波を予見できたかどうか。無罪とした一、二審に続き、最高裁も予見可能性があったとは認定できないと結論付けた。…特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯(しんし)に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》。
 
 あれから14年を目前に、あんな酷い無残な判決を出すのだから、またしても最「低」裁だった…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?  FoE Japanの声明《東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか? 《地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさ予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る》(政界地獄耳)。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)
   『●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこない
      という想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/391447?rct=editorial

<社説>旧経営陣の無罪 原発事故不問にできぬ
2025年3月13日 08時04分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣の無罪が確定した。「レベル7という最悪事故の刑事責任を不問に付しては重い教訓になり得ない原発事故が再び起きかねないと懸念する。

 同原発は2011年、東日本大震災の巨大津波で冷却不能に陥り炉心溶融や建屋爆発で大量の放射性物質を放出。旧経営陣は、避難を余儀なくされた福島県内の病院の入院患者ら44人を死亡させたなどとして強制起訴されていた。

 最大の争点は、東電が巨大津波を予見できたかどうか。無罪とした一、二審に続き、最高裁も予見可能性があったとは認定できないと結論付けた

 東電は08年、国の地震予測である長期評価を基に津波が最大約15メートルに達すると試算したが、最高裁は、長期評価は信頼度が低く津波の現実的な可能性を認識させなかったと判断。想定外という東電側の主張をそのまま認めた

 では何のための長期評価だったのか。地震予測は不確実さを伴うもので、長期評価を信頼度が低いと一蹴するのは適切ではない。

 特に原発は、ひとたび事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯(しんし)に受け止め、万全の対策を講じるべきでなかったか。

 しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った

 同原発の元所長は、政府事故調査委員会のヒアリングで、防潮堤の建設費用を数百億円と想定して「一番重要なのはお金」「最後は経営はお金」と人命よりコストを優先する企業体質に言及したが、結果的に事故処理に膨大な費用と年月を要することになり、経営判断を誤ったというほかない。

 旧経営陣を相手取った株主代表訴訟では、東京地裁が「長期評価には相応の信頼性があり、津波は予見できたという正反対の判断から13兆円の支払いを命じた

 民事裁判に比べ、刑事裁判の立証は難しい側面はある。JR西日本の福知山線脱線事故でも、業務上過失致死傷罪に問われた経営陣は無罪に終わった

 同罪は個人にしか適用できず、企業など組織の刑事責任を追及しやすくするため、組織罰の導入を求める意見もある。組織としての安全意識を高める効果も期待できる。検討課題とすべきだ。
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●最「低」裁の無残な判決…《裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できない」とした裁判官の想像力のなさ…》

2025年03月19日 00時00分00秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


 (20250313[])
あれから14年を目前に、あんな酷い無残な判決を出すのだから、またしても最「低」裁だった…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?  FoE Japanの声明《東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか?

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html)によると、《★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさ予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。 ★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。》

   『●もう一度、「幸運に恵まれる」とでも思っているのかね? 《辛うじて難を
     逃れた》にすぎない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●東京電力核発電所人災の教訓も能登半島地震の警告も無視してオンボロ核発電所
        を稼働させたいとはね…ところで、福島は「原状回復」したのですね?
   『●《原発回帰》《原発復権》《原発を最大限活用》核発電全開…《「脱原発依存」
       の看板を下ろすのは、福島の教訓を忘れ去るということだ》(東京新聞)
   『●狂気の核発電推進…「原状回復」することも無く教訓も警告も無視し「原発
     回帰・原発復権」、しかも「コストやリスクをこっそり国民に押しつける…」

 電気代で回収できるからいいわ…、フ・ザ・ケ・ル・ナ! 何が核発電は電気代が「安い」だ! とっくに破綻しているんだよ! 核発電全開をしておきながら、《電気代に上乗せされた賠償金》、フ・ザ・ケ・ルのも大概にしろ!
 高田奈実記者による、毎日新聞の記事【原発・出口なき迷走/なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金】(https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c)によると、《東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている》。

   『●東電核発電人災から14年: 核発電全開なんてやっている場合なのかね?
     環境省はニッポンの環境を守る行政機関、それが汚染土をニッポン中に拡散?

 核発電全開の異常な国・ニッポン、核発電〝麻薬中毒〟な国・ニッポン。
 FoE Japanの【声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ】(https://foejapan.org/issue/20250311/23163/)によると、《東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました》、《東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している。…FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい》。

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     われらゆるがずの歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

   『●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」
     幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202503070000075.html

コラム
政界地獄耳
2025年3月7日7時36分
福島第1原発事故「予見できない」東電旧経営陣に無罪?予見するのが専門家のはず

★11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を巡り、検察官の不起訴処分に対して検察審査会が起訴議決して刑事事件として公判に至った東京電力旧経営陣2人の上告審が6日、開かれた。業務上過失致死傷罪が争われ、最高裁第2小法廷は12審判決を支持し、無罪を言い渡した地震大国でどこであっても危ないのを承知で建設し、津波予防が必要との専門家の指摘にも反応せずにいた安全対策をすべき経営責任者の刑事的責任はないと決着した。裁判の争点は自分たちの想定以上の津波はこないという想像力のなさを「予見できないとした裁判官の想像力のなさも目を見張る。

★ただ多くの民事訴訟では東京電力の賠償責任はすべての判決で認定されており、司法の落とし穴に陥ったのではないか。思い出すのは99年、小渕恵三内閣での東海村JCO臨界事故だ。JCOが事故正規のマニュアル以外に「裏マニュアルで作業を行い、事故当時はそれも簡略化していた。我が国初の臨界事故2人が死亡、1人が重症となったほか、667人の被ばく者を出した。この時は安全履行義務違反が明らかで刑事責任が問われた。責任はJCOに集中したが、情報伝達の手際の悪さも住民らを苦しめた官邸も事の重大さに気づかず、科技庁など役所も事態をのみ込めず的確な指示が遅れ、住民避難指示も二転三転し事態を悪化させた

★今回の判決を見るまでもなくその後、全国の多くの原発は停止に追い込まれ、今は再稼働ラッシュだ。では本当にマニュアルは順守されているか、情報伝達は包み隠さず周知されているか。非常電源は津波などで水没の恐れのある地下から移設されているか。それぞれで改善されただろうが、責任の所在はどうなっているのか多くの教訓がデータに残してあっても次世代に引き継がれなければ意味がない経験のないことを予見するのが専門家ではないのか。最高裁判決が性善説に寄り添う、法の概念に沿っているのなら、いささか心もとない。(K)※敬称略
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https://mainichi.jp/articles/20250310/k00/00m/020/042000c

原発・出口なき迷走
なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金
高田奈実 2025/3/11 11:30(最終更新 3/11 16:11)

     (賠償や廃炉費用の負担分が記載されたグリーンコープ
      でんきの明細書のコピー=2024年12月23日、高田奈実撮影)

 東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計234兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている

 23・4兆円のうち、被災者らへの賠償費用は9・2兆円。実はこの一部は既に全国の家庭が負担している事故の「加害者」である東電が払うべき費用を、なぜ電気の利用者が負担するのか

 「本来、原子力事業者が負うべき責任を小売りに負わせている」。福岡市の新電力「グリーンコープでんき」の東原晃一郎理事はこう憤る。

 賠償費用は当初、東電と他の原発を持つ電気事業者が負担することになっていた。しかし、事故直後に5兆円と見積もられた費用の総額は倍近くまで拡大。そのため、国は新電力を含めて原発を持たない小売事業者にも負担を課す制度を導入し、2017年に省令を改正した。20年に新たな料金制度を認可し、送電線の利用料である「託送料金に上乗せする形で賠償負担金を回収できるようにした。


「さかのぼって負担」との国の理屈

 ………………。
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https://foejapan.org/issue/20250311/23163/

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ
2025.3.11

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から14年がたちました。

FoE Japanは本日、以下の声明を発出しました。


―――――――――――――――――――――――――――
2025年3月11日

声明:福島第一原発事故から14年――多くの痛みと矛盾を直視し、原発ゼロへ

東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故の発生から14年が経過した。事故はまだ収束しておらず、被害は続いているふるさとのかたちは変貌し、避難した人も、帰還した人も、また新たに移住した人も、さまざまな困難に直面している

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの家屋が倒壊し、道路が寸断され、孤立集落が発生した。現在の原子力防災避難計画が「絵にかいた餅」であり、複合災害に対応できないものであることを改めて私たちにつきつけた。

それにもかかわらず、多くの痛みや苦しみ、矛盾を置き去りにして、日本政府は着実に原発回帰政策を進めている。これは、福島第一原発事故の教訓を蔑ろにするものであるあるばかりか、原発の抱えるコストとリスク、解決不可能な核のごみ問題から目をそむけるものである。

2025年2月18日に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、福島原発事故以降ずっと盛り込まれていた「原子力依存度の可能な限りの低減」という言葉が削除された。また、2040年度電源構成に占める原発の割合を2割とした。これは既存原発の大半に当たる30基以上を再稼働させる想定であり、実現可能性が疑わしく合理性に欠ける。

原発のコストは上昇を続け、今や最も高い電源である。政府は原子力を「他電源と遜色がないコスト水準」としているが、政府のコスト試算は、原発の建設費、安全対策費、廃炉費用、事故発生頻度など多くの箇所にコストの過小評価がみられ、科学的ではない。たとえば原発の新規建設費を7,203億円としているが、近年海外で建設されている原発の実際の費用は数兆円にのぼる。

原発は、ウラン採掘から燃料加工、運転、核燃料の処分、廃炉に至るまで、放射性物質による汚染や人権の問題がつきまとう

2024年11月、福島第一原発事故により溶け落ちた核燃料デブリの試験取り出しが大きく報じられた。何度も遅延とトラブルを繰り返し、作業員の被ばくを伴って取り出されたデブリの量は0.7グラム。東電はこれをもって「デブリの取り出し開始」とみなし、廃炉ロードマップの第3期開始として、今後、本格的にデブリの取り出しを行っていくとしている。しかし880トンにおよぶデブリを取り出して、その先どこでどのように処理するかは決まっていない。デブリの取り出しが至上命題化しているがこれが正しいのか、いったん立ち止まって広く議論を行うべきではないか。

環境省は、除染で生じた放射性物質を含む大量の土を、公共事業等で再利用する方向で、省令案の見直しを進めている。省令案には、責任主体や管理期間、情報公開、住民への説明についての明確な規定はない。放射性物質は集中管理し、環境中に拡散させないことが原則だ。それにも関わらず、批判や不安の声をあげる人たちは「風評加害者のレッテルをはられ黙らせられようとしている

3月6日、福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人について、最高裁は、検察役の指定弁護士の上告を棄却東電旧経営陣の無罪が確定した東電についても国についても、原発事故の加害者の責任は問われぬままだ私たちは怒りをもってこれに抗議する

FoE Japanは、原発事故の被害を直視し、原発のない、持続可能で民主的なエネルギー政策の実現を目指して、全国、全世界の人たちとともに歩みを進めたい
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「福島の今とエネルギーの未来 2025」発行ーー廃炉と復興の今、国内外の原発の稼働状況を、図と文章でわかりやすく解説
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●またしてもの最「低」裁…《東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判》(東京新聞)

2025年03月12日 00時00分57秒 | Weblog

[↑ ※ 3.11から14年遠く険しい復興への道(週刊金曜日 1511号、2025年03月07日号)]


(2025年03月08日[土])
刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》というのに、14年目を直前に、無残な判決。《未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず事前の対策で事故が防げた証拠もないだから無罪-。》?? 一体どんな論理なのか?

   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(1/2)
   『●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。
       国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり
                      …政策に大きな影響》(2/2)
   『●やはり最「低」裁(第2小法廷・菅野博之裁判長)でした、というオチ
     …《原発事故で国の責任認めない判決 避難者訴訟で最高裁が初判断》
   『●「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある」ので
       国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、最「低」裁?
    《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが、
     国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決で、最高裁
     第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、
     「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     とし、国の賠償責任はないとする統一判断を示した。
     国の法的責任の有無について事実上決着がついた形。
     同種訴訟への影響は必至だ。(小沢慧一)》

   『●《唯一国の責任を認めた三浦守判事を除き、菅野博之、草野耕一、岡村和美
      の3判事…退官した菅野氏を除き、草野、岡村両判事》の弾劾裁判を求めた
    「「津波対策が講じられていても事故が発生した可能性が相当ある
     ので国に責任なし ―――これはあまりに酷すぎないか、
     最「低」裁(菅野博之裁判長)? 草野耕一岡村和美氏も
     同意見なの? 正気なのかな?
     苦しむ市民を救わない司法、最「低」である

 本当に最「低」裁だな…東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
 毎日新聞の記事【東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却】(https://mainichi.jp/articles/20250306/k00/00m/040/100000c)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、無罪を言い渡した1、2審判決を支持し、検察官役の指定弁護士による上告を棄却する決定を出した》。

 小野沢健太三宅千智両記者による、東京新聞の記事【東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390090)/《東京電力福島第1原発事故を巡り、最高裁は巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退けた世界最悪レベルの原発事故を起こしても、刑事責任はないとの結論になった旧経営陣の刑事裁判。市民感覚の反映を目的にした強制起訴制度によって、不起訴のままでは埋もれていた東電社内での対策先送りの実態が、公開の法廷で明らかになった。その一方、強制起訴で裁判になった事件の大半が有罪にはなっておらず、立証の難しさをあらためて示した。(小野沢健太三宅千智)》。

 《ひとたび事故が起きると多くの国民の命や生活を脅かす原発の危険性を考えれば、巨大津波の可能性を認識しながらも、対策を放置した東電には今後も原発を運転する資格はない》。
 東京新聞の記事【世界最悪レベルの原発事故なのに…その責任は一切問わず 東京電力の旧経営陣、無罪確定へ 最高裁が上告棄却】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389968)によると、《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退ける決定をした。5日付。2人を無罪とした一、二審判決が確定する。岡村、草野耕一尾島明の3裁判官全員一致の意見。》

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ
     それが尊厳なんだプライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?
    「東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
     「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は
     「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おう
     としなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ
     対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、
     司法が歯止めになっていない」と非難した》。」

   『●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が
      奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》

 東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」?
 東京新聞の記事【福島原発事故、なぜ東京電力の刑事責任は問われないのか? 論点は同じなのに…民事で13兆円支払い命令も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390063)によると、《東京電力の旧経営陣個人の責任が問われた裁判は、刑事と民事の判断が分かれており、刑事責任を認定する難しさが改めて浮き彫りになった。刑事と民事の裁判の主な争点は、いずれも巨大津波を予見できたか、対策を取って事故を回避できたかの2点だ。強制起訴による刑事裁判は無罪とした一方、東電の株主が旧経営陣を訴えた民事訴訟では、2022年7月の東京地裁判決が賠償責任を認め、旧経営陣4人に計13兆円の支払いを命じた。論点がほぼ同じにもかかわらず、刑事と民事で逆の結論になったのはなぜか。…》

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https://mainichi.jp/articles/20250306/k00/00m/040/100000c

東電強制起訴、旧経営陣の無罪確定へ 福島原発事故で最高裁上告棄却
2025/3/6 13:24(最終更新 3/6 14:23)

     (最高裁判所=東京都千代田区隼町で、本橋和夫撮影)

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、無罪を言い渡した1、2審判決を支持し、検察官役の指定弁護士による上告を棄却する決定を出した。

 世界最悪レベルの原発事故を巡り、安全対策を指揮してきた旧経営陣の刑事責任が問われないことが確定する。裁判官3人全員一致の意見で、5日付。検察官出身の三浦守裁判官は審理から外れた。

 強制起訴されたのは、東電の勝俣恒久元会長と、いずれも元副社長の武黒一郎(78)、武藤栄(74)両被告。勝俣元会長は2024年10月に84歳で死去し、裁判が打ち切られていた。

 3人は、原発に津波が押し寄せて事故が起きることを予見できたのに漫然と運転を続け、福島県大熊町にあった双葉病院と介護老人保健施設から避難を余儀なくされた入院患者ら44人を死亡させたとして、16年2月に強制起訴された。

 公判では、旧経営陣が巨大津波の襲来を予見し、事故を回避できたかが最大の争点になった。

 東電は08年3月、政府の地震調査研究推進本部地震本部)が公表した地震予測長期評価」に基づく「最大15・7メートルの津波が原発に襲来する可能性があるとの試算を把握した。ただ、長期評価の信頼性を精査する必要があるとして外部の専門家に検討を依頼し、すぐに巨大津波への対策を取らなかった

 指定弁護士は長期評価には信頼性があり、これに基づけば巨大津波を予見できたとして、禁錮5年を求刑した。

 1審・東京地裁は19年9月の判決で、長期評価は専門家から信頼性に疑問の声が上がっており、原発を止めると判断するほどの信頼性があったとは言えないと指摘。巨大津波を予見できなかったとして無罪を言い渡し、2審・東京高裁判決も23年1月に支持していた。【巽賢司】
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/390090

東京電力社員も脱力した「津波対策先送り」 幹部の無責任ぶりを暴いたが…罪には問えなかった強制起訴裁判
2025年3月7日 06時00分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、最高裁は巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退けた世界最悪レベルの原発事故を起こしても、刑事責任はないとの結論になった旧経営陣の刑事裁判。市民感覚の反映を目的にした強制起訴制度によって、不起訴のままでは埋もれていた東電社内での対策先送りの実態が、公開の法廷で明らかになった。その一方、強制起訴で裁判になった事件の大半が有罪にはなっておらず、立証の難しさをあらためて示した。(小野沢健太三宅千智


◆「15.7メートルの津波」試算は出ていた

     (東京電力の武黒一郎元副社長(左)と武藤栄元副社長
      =いずれも2019年9月19日、東京・霞が関の
      東京地裁前で(木口慎子撮影))

 「対策を進める方向だと思っていたので、予想外の結論に力が抜けた

 一審の法廷で、地震・津波対策を担当していた東電社員は、2008年7月に東電本店であった会議での衝撃をこう振り返った。

 この日の会議は、担当社員らが武藤栄元副社長に、津波対策の判断を仰ぐために設けられた。その4カ月前、最大15.7メートルの津波が来るとの試算が出ていた。社員らは防潮堤などの工事に4年の歳月と数百億円の工費がかかると説明。武藤元副社長は「研究しようと言い、外部機関への調査依頼を指示した。実質的な対策の先送りだった


◆「外部への検討依頼でいいと思った」

 事故2年前の2009年2月には、………。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/389968

世界最悪レベルの原発事故なのに…その責任は一切問わず 東京電力の旧経営陣、無罪確定へ 最高裁が上告棄却
2025年3月6日 19時41分

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣2人の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、巨大津波は予見できなかったとして、検察官役の指定弁護士側の上告を退ける決定をした。5日付。2人を無罪とした一、二審判決が確定する。岡村、草野耕一尾島明の3裁判官全員一致の意見。


◆争点は「予見できたかどうか」

 被告は原子力部門のトップだった武黒一郎元副社長(78)と、事故対策の実質的な責任者だった武藤栄元副社長(74)。2人とともに強制起訴され、昨年10月に84歳で死去した勝俣恒久元会長は公訴棄却となり、裁判が打ち切られた。

     (福島第1原発(資料写真))

 争点は、旧経営陣が巨大津波を予見でき、対策することで事故を回避できたかどうか。東電内部では2008年、最大15.7メートルの津波が来ると試算しており、その根拠となった政府の地震予測長期評価」(02年公表)の科学的な信頼性が争われた。


◆一、二審判決は「相当」

 第2小法廷は、長期評価について「一般に受け入れられるような積極的な裏付けが示されていたわけではなく、防災対策にかかわる地方公共団体なども全面的には取り入れていなかった」と指摘。「10メートルを超える津波が襲来する現実的な可能性を認識させる情報だったとまでは認められない」と信頼性を否定した。その上で「業務上過失致死傷罪の成立に必要な予見可能性あったと認定することはできない」と結論づけた。

 対策すれば事故を避けられたかについては、原発の運転を停止するしかなくそこまでの注意義務はなかったとした一、二審判決を「相当」とした。


◆「国に報告する義務あった」補足意見も

 草野裁判官は補足意見で、東電が巨大津波の試算を把握した08年当時、速やかに国に報告する義務があったと指摘。報告があれば国が原発の運転停止を命じ、事故を避けられた可能性があったとした。一方で、一、二審判決に不合理な点はないと多数意見に賛成した。

     (最高裁判所)

 また、第2小法廷に所属する三浦守裁判官は審理に加わらなかった。検察官時代にこの事件処理に関わっていたためとみられる。三浦裁判官は22年6月の避難者による集団訴訟の判決で、国の賠償責任を認める反対意見を付けていた。

 起訴状によると、勝俣元会長を含む旧経営陣3人は、原発の敷地の高さ(海抜10メートル)を上回る津波を予測できたのに対策を怠り、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させたなどとされていた。(三宅千智


   ◇


◆「旧経営陣が取るべき対策はなかったのか」検討なし

 強制起訴された東京電力旧経営陣を無罪とした最高裁決定は、「巨大津波は予見できなかったのひと言で、世界最悪レベルの事故を起こした旧経営陣に対して、誰も刑事責任は負わせないとの結論を出した。

 13ページの決定文は大半が一、二審判決の要約と補足意見で、第2小法廷としての決定理由は1ページ分だけ事故回避には原発の運転を止めるしかなかったとの各判決を踏襲し、旧経営陣がほかに取るべき対策はなかったのかは検討せず、事故に向き合うことを放棄した。

     (東京電力ホールディングス本社=東京・内幸町で)

 福島第1原発事故の取材を通して感じることは、自然の脅威に対し、事故対策が万全と言えることは決してないということだ。ひとたび事故が起きると多くの国民の命や生活を脅かす原発の危険性を考えれば、巨大津波の可能性を認識しながらも、対策を放置した東電には今後も原発を運転する資格はない


◆事故から14年、2万人が福島県外に避難したまま

 政府は2月に閣議決定したエネルギー基本計画の改訂版で、事故以降に明記し続けてきた「可能な限り原発依存度を低減するとの表現を削除し、原発の積極活用を加速させようとしている。

 事故から14年がたとうとする中、今も福島県には人が住めない地域が残り、約2万人が県外への避難を余儀なくされている。原発事故に対し、司法による責任追及や被害者救済には限界がある現実が突きつけられた。それでもなお、原発を使い続けるのか立ち止まって考えるべきだ。(小野沢健太


東京電力旧経営陣の刑事裁判 東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県民らが2012年6月、東電元幹部らを告訴・告発。東京地検は不起訴としたが、検察審査会は勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人を2度にわたり「起訴すべきだ」と議決。検察官役の指定弁護士が2016年2月、業務上過失致死傷罪で強制起訴した。2019年9月の一審東京地裁判決は無罪(求刑禁錮5年)を言い渡し、2023年1月の二審東京高裁判決は指定弁護士側の控訴を棄却した。


【関連記事】「最高裁裁判官が東京電力と利害関係」原発事故めぐる強制起訴の上告審で被害者側が意見書「退任後に判断を」
【関連記事】ほぼ同じ証拠と争点なのに…旧東電経営陣の責任を問う訴訟の判決が民事と刑事で正反対になった背景〈控訴審〉
【関連記事】電力と人間が変えた「風景」 写真家として、原発事故訴訟の「検察官役」弁護士が見たもの
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●刑事裁判…武藤類子さん《「裁判所はこれでいいのか」事故で多数の命が奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》

2023年02月04日 00時00分50秒 | Weblog

[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]


・大寒波 (20230124[])
未曽有の原発事故を引き起こし、今なお収束していないにもかかわらず、誰1人刑事責任を問われない》…《巨大津波の襲来を現実的には認識できず、事前の対策で事故が防げた証拠もない。だから無罪-。》?? 一体どんな論理か? 
 《東京電力福島第一原発事故について被害者が国の賠償責任を問うた訴訟で、最高裁が6月に、「責任がない」という判断を示し》た時と同じ論理...《史上最大の公害事件》、核発電人災。《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国の日本で原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》…なはずなのに。東京高裁は正気か? そんな論理が許されるのならば、二度と核発電所の稼働など許されない。さっさとすべて廃炉作業に入るべき。(琉球新報)《電力会社と共に「安全神話」を掲げて原発政策を進めてきた国の責任も問われる》べきなのに…。

   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の刑事裁判で
         永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
     東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令
   『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
      検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」
   『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
     『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は…大惨事の教訓を根底
     から覆し…福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》

 政権党の誰も責任を取らない。ましてや、再稼働したい、停止期間控除で老朽核発電所を60年以上も運転したい…。GXの名の下に、核発電所を新規建設したい…。一方、人災の当事者・東電は、自公政権や経産省の後押しの下、柏崎刈羽核発電所を運転したいという…。
 沖縄新報の【社説[東電旧経営陣再び無罪]責任問う仕組み必要だ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1090811)によると、《巨大津波の襲来を現実的には認識できず、事前の対策で事故が防げた証拠もない。だから無罪-。被害の大きさを考えれば釈然としない判決だ。東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3被告に対し、東京高裁が一審の東京地裁に続き再び無罪判決を言い渡した》《刑事訴訟で個人の責任が否定されても、東電や国の責任は残ったままだ。岸田文雄政権は「原発回帰」を打ち出すが、電力需要や電気産業の都合ばかりが目立つ。リスクの大きさを考えれば、責任の重さに向き合わないままの推進は許されない》。

   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
   『●東京高裁・細田啓介裁判長…《市民の判断で強制起訴された東京電力
        旧経営陣3人の公判は、無罪判決が維持された》でいいのですか?

 東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくていいのか」? 「市民の正義無き国ニッポン。(東京新聞)《海渡雄一弁護士は「裁判官は現場に行くこともなく、原発事故の被害に向き合おうとしなかった」と振り返り、「具体的な危険がなければ対策しなくていいという判断政府が再稼働を進めようとする中、司法が歯止めになっていない」と非難した》。
 刑事裁判においても、《未曽有の事故を風化させないためにも、人災を起こした責任を明確に問うべきだ》。《「福島原発告訴団」の武藤類子団長…は、判決後に東京都内で開いた集会で「はらわたが煮えくり返る思い。最高裁に上告してほしい」と憤り、「悔しい」と何度も繰り返して声を震わせた》そうだ。さらに、《「裁判所はこれでいいのか」 事故で多数の命が奪われたのに、東電の誰も刑事責任を負わないことに納得がいかない》と。

   『●脱アクションウィーク、5万人集会
    「最後の福島の被災市民として武藤類子さんが
     訴えておられる映像がとても印象に残りました。
     その文章おこしされたものはCML
     (http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011909.html
     にありますので、一読して頂きたいです」

   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
              五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
    《団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らない
     と大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず
     文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、
     私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る》

   『●「東電元幹部の罪と罰」
     『週刊金曜日』(2014年9月19日、1008号)についてのつぶやき
    《武藤類子氏【これでも罪を問わないのか】。
     明石昇二郎さん【東電関係者の「不起訴」理由 検察は、いかに
     原子力ムラに丸め込まれたか】、「告発人として主任検事から
     詳細な説明を受けていた筆者が、その詳細を暴露する……
     御用電力学者の言い訳を鵜呑み……原子力ムラにしてやられた検察」》

   『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
             「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない
    《「東京電力福島第一原発事故で国と東電の刑事責任を
     追及している福島原発告訴団の武藤類子団長は「原発事故が
     解決していない中での再稼働は信じ難い」と強調。川内原発建設
     反対連絡協議会の鳥原良子会長は「民意を反映しない
     鹿児島県や薩摩川内市の再稼働同意に住民は大きな怒りを
     感じている」と述べた》
    《原発事故被害者団体連絡会が設立された。被災者の悲しみ、
     怒りは、激しく、深く。共に訴え、助け合うため団結した。
     それは私たちとも無関係ではあり得ない。福島が求めている
     のは、当然そうあるべきことだけだ。謝罪と被害の完全賠償、
     暮らしと生業の回復、詳細な健康診断と医療保障、
     および被曝(ひばく)低減策、そして、事故の責任解明-》

   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ。
     それが尊厳なんだ。プライドなんだ」 胸に響く。》

   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──
     2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた
     武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を
     揺さぶりました…》

   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》

 以前も引用しました ―――――― 武藤類子さん《避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います》。《本来ならその人たちにとっても…まったく違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》。
 東電や国はさっさと「原状回復」して見せてほしい…11年も経ってしまったではないですか。さらに、かつて、武藤類子さん《ひとりひとりの市民が… 国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと声をあげています私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です》とも。――――――

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1090811

社説[東電旧経営陣再び無罪]責任問う仕組み必要だ
2023年1月20日 9:00

 巨大津波の襲来を現実的には認識できず、事前の対策で事故が防げた証拠もない。だから無罪-。被害の大きさを考えれば釈然としない判決だ。

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3被告に対し、東京高裁が一審の東京地裁に続き再び無罪判決を言い渡した

 3人は勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長。原発事故後の長期避難で入院患者ら44人を死亡させるなどしたとして、いずれも禁錮5年を求刑されていた。

 高裁での争点は3人が巨大津波を予測できたか(予見可能性)と、対策を取っていれば事故を回避できたか(結果回避可能性)の二つだ。

 予見可能性では、一審が信頼性を否定した政府の地震予測「長期評価」を「重みがある」としたものの、3人に津波の可能性を認識させる情報ではなかったと判断した。

 一審では触れられなかった防潮堤建設などの津波対策についても検証されたが、事故が防げたとする証明は不十分で「後知恵によるバイアス」として排除した。

 災害予測を軽んじるような判断で納得できない。

 避難者の集団訴訟で昨年6月に出た最高裁判決でも災害は予見できず、対策しても事故は防げなかった可能性があるとして、国の責任が認められなかった

 災害予測には不確実な点があり、対策を講じてもリスクをゼロにすることは難しい。しかし、それを理由に企業の責任者を問えないなら同じ惨事が起きる不安は拭えない

■    ■

 一方、昨年7月、旧経営陣に計13兆円超の賠償支払いを命じた訴訟では、今回の刑事訴訟とほぼ同じ証拠を基に長期評価の信頼性が認められ、「浸水対策で事故は回避できた」とする判断が出た。

 異なる判断の背景には、個人の責任を問う刑事訴訟における立証ハードルの高さがある。

 3人は市民が参加する検察審査会によって強制起訴された。

 しかし、2009年に導入された強制起訴制度による有罪は、起訴された10件のうち2件にとどまっている

 制度の課題を踏まえ、業務上過失致死傷罪を企業に適用する「組織罰」の導入を目指す動きもある。

 重大事故で企業の責任を問うことができれば経営者も問われ、事故の再発防止につながることが期待できるのではないか。検討が必要だ。

■    ■

 原発事故を検証した国会事故調査委員会は12年、東電や政府が対策を怠ったとして事故は「人災」とした。

 事故から12年たつが、廃炉作業は遅々として進まず、いまだに事故の避難者2万7千人余が福島県内外で避難生活を送っている

 刑事訴訟で個人の責任が否定されても、東電や国の責任は残ったままだ

 岸田文雄政権は「原発回帰」を打ち出すが、電力需要や電気産業の都合ばかりが目立つ。リスクの大きさを考えれば、責任の重さに向き合わないままの推進は許されない
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