Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●東電原発人災の「教訓」も能登半島地震の「警告」も無視する愚かさ…避難計画一つとっても無茶苦茶な上、アノ東電にアノ柏崎刈羽原発を再稼働?

2024年07月08日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年06月11日[火])
3.11東京電力核発電人災の教訓」も能登半島地震警告」も無視する愚かさよ。避難計画一つとっても、無茶苦茶。アノ東電に、アノ柏崎刈羽核発電所を再稼働って、正気ですか? 特に、《立地する柏崎市と刈羽村は再稼働に前向き》だそうだが、正気か? 

   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
         …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚
   『●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されて
     いてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

 《首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する》前に、皆で、《避難計画の万全性を担保するために原子力規制委員会の審査を受けろと要求》(古賀茂明さん)しましょう。《実際には審査されていないからだ。国民は「えっ? 避難計画は規制委の審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる。だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない》からです。えっ、原子力「規制」委員会は核発電「寄生」委員会なので、「規制」するつもりはないし、「審査」する法的な建てつけになっていない? 「利権」「裏金」「脱税」党の国会議員の犯罪や不法は許し、こういう時だけ「法」を持ち出すのね? いい加減にしてほしい。とっくに法治主義国家ではなくなり、人治主義国家に堕ちています

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発の耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

 渡辺聖子大野孝志荒井六貴記者による、3回シリーズの東京新聞の記事。
 前編【「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221)。《住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)》。
 中編【「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定前に進めていきたい」 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける》。
 後編【1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625)。《<住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ》、《◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/332221

「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
2024年6月8日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う前編

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)

     (津波警報で高台に避難してきた人たちの車が連なった
      =1月1日、新潟県柏崎市(佐藤正典さん提供))


◆1993年以来の津波警報 鳴り響くサイレン

 ウーッという低い音が、2時間以上にわたり鳴り続けた。東京電力柏崎刈羽原発のお膝元の新潟県柏崎市は、元日の能登半島地震で最大震度5強の揺れに襲われた。市内では1993年以来の津波警報が発令され、沿岸部の防災行政無線のスピーカーからサイレンが響いた

 正月ののんびりした雰囲気は一変。海から離れた幹線道路の国道8号や、北陸自動車道につながる別の国道が避難の車で大渋滞した。ガソリンスタンドには長い列もできた。市の担当者は「海から離れようと山側へ向かった人がいたことに加え、内陸側の人も同時に避難したことが要因」と説明する。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 一部の車は高台の住宅団地にも集まり、避難場所ではない道路で路上駐車の列ができた。市議の佐藤正典さん(58)は「何十台も止まり、警報の解除を待っていた」と振り返る。そして、脳裏によぎったのは原発だった。「地震と同時に原発事故も起きていたら、計画通りの避難ができただろうか


◆「2段階避難なんてできない」

 避難計画では、原発で重大事故が起きた場合、5キロ圏内の住民は即時避難する。5〜30キロ圏内は放射性物質を避けるために建物内で待機し、放射線量が上昇すれば避難に移る。移動には車を使い、30キロ圏外の避難所に向かうことになる。

 ただ、想定通りに進む保証はない。柏崎刈羽の再稼働反対運動に取り組む刈羽村の高桑千恵さん(78)は「5キロ圏の人が逃げているのを見たら、30キロ圏の人も逃げずにはいられない。元日よりすごい渋滞が起きるはず2段階避難なんてできない避難計画は人の心を分かっていない」と懸念する。

 新潟県は2021年、地震や大雪などが重なったケースを想定し、30キロ圏内に住む40万人超全員が圏外に脱出するためのシミュレーションを示した。最長で6日半かかる結果だった


◆除雪が終わって通行できる状態を仮定

 これは、地震による道路寸断などで北陸道と国道8号が使えなくなるケースだ。避難指示が出されても、渋滞のために約4日間は自宅に待機し、2日間ほど車内にとどまる必要があるとしている。

 過酷にも見えるが、前提が「甘い」という指摘がある。例えば、大雪を想定しながらも、事故発生時には除雪が終わって通行できる状態を仮定している。県防災局の飯吉栄輔・原子力安全調整監は「問題意識は持っている」と話す。

 2011年の東京電力福島第1原発事故は、想定を超える事態が実際に起きることを突きつけた。それなのに、事故への備えは今も、甘さが残ったままだ

 柏崎刈羽が再稼働すれば、電気は首都圏に供給される。高桑さんは「避難訓練に参加してみると、計画は絵に描いた餅にすぎず、住民の被ばくにも無神経だと分かる」と指摘した上で、こう訴える。「首都圏の電力のために、地元住民は事故の不安と背中合わせになっている人ごとではないことを知っていますか


 避難計画 原発から30キロ圏内の自治体に策定が義務付けられている。東京電力福島第1原発事故前は8〜10キロ圏内だったが、被害が広範囲に及んだことを踏まえ拡大した。避難先やルート、交通手段、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布など、住民や関係機関が取る行動を記載。最終的には、首相が議長を務める原子力防災会議が「具体的かつ合理的」かを判断し了承する


【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
【関連記事】能登半島地震で原発は「警戒事態」だった…政府と自治体の対応を振り返る 指針に書かれた「避難の準備」は
【関連記事】珠洲原発を止めて「本当によかった」 無言電話や不買運動に耐えた阻止活動28年の感慨
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/332398

「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
2024年6月9日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>中編

 「自然災害と原子力災害が同時に起きることを想定し前に進めていきたい

     (伊藤信太郎原子力防災担当相兼環境相)

 伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の会見で、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事と内閣府で前日に面会したことに触れ、強調した。伊藤氏は、自治体に義務づけられた原発事故の避難計画づくりを支援する責任者だ。伊藤氏は6日の面会で、花角知事が昨年から求めていた事故時の避難道路整備について、国が全額を負担すると伝えた。再稼働の地元同意を早期に取り付けたいという狙いが透ける。

 だが国の思惑とは裏腹に、花角知事は面会で別の要求もした。能登半島地震の教訓から屋内退避を前提とすることに疑問を投げかけ、見直すよう求めた。地震や津波の複合災害が起きれば、家屋倒壊のほか電気や水などライフラインが止まり、家にとどまれない家にとどまれないその現実を突き付けたのが、能登半島地震だった


 屋内退避 原発で深刻な事故が起きた際、原発から5〜30キロ圏内は避難の前段階として放射線による被ばくを避けるため、自宅や避難所で待機。空間放射線量が上昇すれば、避難する。目安は1時間当たり20マイクロシーベルト原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針に基づく。規制委は4月から、屋内退避の具体的な期間などの検討を始めた。


 柏崎刈羽周辺で特有の大雪が降った場合も同様だ。原発5キロ圏の住民は深刻な事故が起きれば即時避難が原則だが、雪で移動が難しい場合は自宅などで屋内退避してもらう方針を内閣府が示す。だが、雪での屋内退避もライフラインが途絶えれば現実的に難しい。


◆「救助に来てもらえるのか」「冬季は原発を運転しないで」

 原発から北におよそ2キロ、日本海の波打ち際から10メートル程度の柏崎市の宮川地区でも、能登半島地震で津波警報が発令された。住民らは自宅を脱出し海抜約25メートルの寺に避難。寺は古く、強い余震に耐えられない。住民らは屋外で過ごし、寒さのあまり、警報解除前に自宅に戻った人も多かった。

     (宮川地区の集落から望む東京電力柏崎刈羽原発(奥)
      =新潟県柏崎市で)

 地震から4日後、地区住民らでつくる自主防災会は原発事故時の避難についてアンケートし、全世帯の9割に当たる75軒が答えた。

 「救助に来てもらえるのか」「なんとしても逃げる」「車がある人は、行ける所まで避難を始めると思う。大混乱になる」「避難経路を確保できない冬季は原発を運転しないで」。否定的な意見が多く寄せられた。屋内退避の方針についても「知らない」と答えたのが51軒に上った。

 内閣府の担当者は「自宅が倒壊したら、地域の指定避難所に避難することになる」と、あくまでも屋内退避にこだわる。だが、宮川地区の避難所は海に近く、津波が来れば使えない。


◆「住民の被ばくは避けられない」

 東電福島第1原発事故での住民の被ばくや放射能汚染の調査を続け、新潟県の福島事故検証委員会のメンバーだった木村真三・独協医科大准教授は、屋内退避の実効性を疑問視する。

 「放射能をやり過ごすといっても、特に気密性の低い木造家屋には放射性ヨウ素が入ってきやすい。当然被ばくする。水や食料の問題もあり、家の中にずっといられない」

 宮川地区の避難訓練に参加したこともある木村氏はこう指摘する。「原発を再稼働させたいなら、最悪の事態を想定した避難計画を立てるべきだ。だが、全てを想定することはとても無理で、住民の被ばくは避けられない


住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当します)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画(この記事)
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/332625

1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない
2024年6月11日 06時00分

住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>後編

 扉を開けると、太いダクトでドラム缶をつないだような、SF映画に出てきそうな機械が現れた。東京電力柏崎刈羽原発の北約2キロ、新潟県柏崎市宮川地区の公民館「高浜コミュニティセンター」最上階の2階に設置された、イスラエル製の陽圧化装置だ。


◆「欠陥」は装置の完成後に発覚した

 外気をフィルターで浄化して取り込み、館内の気圧を高めて放射性物質が入るのを防ぐ。原発で深刻な事故が起きた時、避難した人たちの被ばくを避けるためだ。市によると、装置や館の気密性を高める工事に約1億4000万円をかけた。

     (高浜コミュニティセンターに設置されたイスラエル製の
      陽圧化装置=新潟県柏崎市で)

 館は、体が不自由な高齢者ら要支援者らが一時的に退避する「放射線防護施設」に指定されている。事前に支援の必要を申告した住民30人が3日間過ごせるだけの水と食料、毛布も備えている。

 だが、陽圧化装置の完成後に「欠陥」が発覚した。稼働中は気密性を保つため、玄関を使えない。隣接する体育館から、空気を逃がさないよう分厚い扉に挟まれた調節室を通って館に入る。調節室の奥行きは約180センチ。体が不自由な場合もある要支援者が自宅から移る施設なのに、担架もストレッチャーも人を乗せたままでは入れず、立てる必要がある


◆操作する市職員は到着できるか

 「装置をつけたことが大事なのだろう。懸命にやっているというポーズでしかない」。3月末まで町内会長を10年務めた陶芸家の吉田隆介さん(75)があきれたように話す。市防災・原子力課の担当者は「解決策を検討している段階。今は車いすに乗り換えてもらうなどして対応するしかない」と説明する。

 陽圧化装置を動かすこと自体にも問題がある。市職員が来て操作することになっているが、市役所から来るには事故を起こした原発の前を通る必要がある上、道路が寸断されれば、いつ到着するか分からない。町内会役員が「自分たちを守るために」と動かせるようにしたが、扉に張った操作手順書が命綱。吉田さんは「これを見ないと動かせない」と明かした。


◆施設全体が使えなくなるリスクも

 地震や津波と同時に原発事故が起きれば、施設自体が使えなくなるリスクをはらむ。高浜コミュニティセンターも海に近く、津波に襲われると使えない

 能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の事故に備えた県内の放射線防護施設20カ所のうち、小学校や病院など6カ所が、倒壊の恐れが生じたり、スプリンクラーが稼働して浸水したりして使えなくなった。内閣府の担当者は「地震時の対応が課題。改善していきたい」と説明する。

 事故時に住民を守れるのか心もとないというのに、再稼働の準備は着々と進む。吉田さんは「そもそも避難計画を考えなければならないことに、強い違和感がある。原発の危険と背中合わせだから、計画が必要になる。私たちは安全に暮らしたいだけ原発の再稼働など論外だ」と訴えた。

 放射線防護施設 原発事故時にすぐに避難することが難しい高齢者や障害者らを、一時的に受け入れる。内閣府の補助事業で全国の原発の30キロ圏に約300施設、柏崎刈羽原発の周辺に約20施設を設置した。病院や高齢者施設、学校などを指定。既存の建物に、放射性物質を室内に入れないための陽圧化装置を備え付け、二重サッシなどで気密性を高める。体育館に専用テントを張って受け入れるケースもある。気密性が高い分、一部の木造施設では湿気で傷みが進み、問題化したこともあった。


   ◇


連載:住民を守れるか 東京電力・柏崎刈羽原発再稼働を問う>全3回

 東京電力が柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で核燃料の装塡(そうてん)を終えて1カ月余り。国は事故時の住民避難のための予算付けを約束するなど、再稼働に向けて地ならしを進めるだが、本当に住民がスムーズに避難し、命を守れるのかは疑問を残す。能登半島地震では、立地する柏崎市内で大渋滞が起きたほか、屋内退避の困難さも浮き彫りにした。再稼働すれば、電気を享受する首都圏に住む私たちにとっても無関心ではいられない。3回にわたり、避難の実効性を考える。(この連載は渡辺聖子大野孝志荒井六貴が担当しました)


【前編】「人の心を分かっていない」避難計画の疑わしさ 原発の街は「津波警報」の元日、逃げる車で大渋滞した
【中編】「屋内退避」を押し付けられても「なんとしても逃げる」と原発近くに暮らす人は考える 難題ばかりの避難計画
【後編】1億4000万円かけた対策は「ポーズ」と住民は見透かす 要支援者向け「被ばく防止施設」に担架が入らない(この記事)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相「能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や。原発作ったらええ」

2024年06月21日 00時00分13秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240528[])
《党員資格停止1年の処分》中の「利権」「裏金」「脱税」党・西村康稔前経産相、許せない! 住民を見捨てた状態のままも同然であり、能登半島地震の「警告」を無視する暴言を吐く…小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ》。石川県志賀町・稲岡健太郎町長《北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい》。また、小谷内毅珠洲市議珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった》。

 これまた、今西憲之さんのスクープ。様々な傲慢な発言。特に、前経産相として《能登半島の被災者をないがしろにするような》発言は許されない。もし、玖珠核発電所が建設されていたとしたら…。
 dot.の記事【西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対したと被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】/今西憲之】(https://dot.asahi.com/articles/-/223487)によると、《■「珠洲は原発に反対したんや」 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした。「原発反対したんや、珠洲は原発に。反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」 …支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、能登半島の地震は1000年に1回や。なんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ」と、原発計画凍結を悔しがる様子だった》。
 問合せに対して、「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」…だそうです。《西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。「1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね」》。珠洲市民の怒りは当然だ。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ
   ●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
     になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
          …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

=====================================================
https://dot.asahi.com/articles/-/223487

西村康稔前経産相、地元飲み会で怪気炎 「珠洲は原発に反対した」と被災地を逆なでする発言も【録音データ入手】
2024/05/26/ 11:00
今西憲之

     (西村康稔前経済産業相)

 5月の上旬、平日の夕刻、兵庫県の淡路島の料理店に、10人ほどの男性が集まっていた。

 午後7時ごろ、店に現れたのは、前経済産業相の西村康稔衆院議員。自民党の政治資金パーティー収入の裏金事件では、旧安倍派の事務総長経験者として東京地検特捜部の事情聴取を受け、4月に党員資格停止1年の処分を受けている。この日は地元、兵庫9区の支援者を集めた「飲み会」だった。

     (【写真】西村氏が選挙での警戒を口にする泉房穂氏)

 AERA dot.編集部は、この飲み会の様子がわかる約3時間分の録音データを入手した。そこには、処分を受けた後ながら、上機嫌で話す西村氏の様子が残されていた。


 総裁選は「河野太郎、小泉進次郎ってわけにいかん」

 席に着いた西村氏は、衆院解散についての話の輪に入り、

「(今の通常国会で内閣)不信任案が最後出てくる。否決か解散するか。まあ(内閣総)辞職はせえへんから、(岸田文雄首相)けっこう強気なんよね」

 などと、処分を下した岸田首相について軽口をたたく。参加した支援者から、

「(岸田首相の後継として)有力な(西村)先生と、世耕さん(世耕弘成参院議員)を岸田さんが追い出した。対抗馬がおらん」

 と声が出ると、

河野太郎小泉進次郎ってわけにいかん。石破(茂)さんかって、いまさら石破かってなる。今回、自分が出ればチャンスって? そう(安倍派の)100人かたまっていれば一番、(自分に)チャンスがあった

 この言葉に支援者がうなずき、敏感に反応したことで西村氏はさらに気分をよくしたようで、

「派閥のことが批判されているが、今も(私は)何十人か束ねてやっている。それが政治」

「安倍派100人いて、今も何十人か私を慕ってくれている。他の派閥も流動化していて、最大60~70人束ねられたらと思っている」

 などと、批判を浴びた「派閥政治」の重要性を説き、強気のビジョンを口にした。

 しかし、当然のことながら西村氏は来年4月まで党員資格停止中で、今年9月の総裁選には出馬できない。それでも、西村氏は意気軒高で、

「(衆院議員に)当選して20年。(最初の)十数年間は、地元によう帰っていた。けどこの10年は、政府で中心的な仕事をしてきた。官房副長官、コロナ担当大臣、経産大臣。みなさんとゆっくり話せる機会がなかった。来年4月まで党員資格停止なので、ある意味自由に帰って来られる。ええ機会をいただいた。東京でも国会があるときは仕事をする、役所呼んでいろいろやるし、(役人は)報告にもくる。地元からも『あの道路どうや』と声があれば、つないでやる

 などと饒舌だった。

     (岸田内閣で経済産業相をつとめながら、
      首相に批判的な発言も)

 淡路島の支援者によれば、この日の「飲み会」は会費制で、西村氏側から持ち掛けられたという。

「政府の要職とか、大臣についていたときは、忙しくて地元に帰ってこられなかった。党員資格停止で暇になったので、地元によく帰るようにするから集まってくれというんです」(淡路島の支援者)

 裏金事件では、西村氏自身、100万円の還流を受けたとされている。地元の支援者や地元政治家らを集めた集会でも、裏金事件について苦言を呈する話が出るそうで、この日の飲み会で西村氏は、

「地元でも、『裏金どないなってんねん、おれにもくれ』と言われた。(裏金は)『100万だけやないやろう、何千万円ももらっているはず』とか、『ほんま、(喜朗元首相)が悪いんやろう』とか」

 と裏金への批判が強いことをぼやいた。


「もともと私は減税反対やった」

 飲み会が宴たけなわとなってくると、西村氏は大臣として仕えていた岸田首相の政策に批判的な発言を口にし始めた。

 6月から、岸田首相が力を入れる、1人当たり計4万円の所得税・住民税の定額減税がスタートする。岸田首相が「減税構想」を明かした時、西村氏は経産相だったが、これについて、

「一人4万円の減税、これ会社の事務処理が面倒くさいと聞く。事務処理が大変で手間がかかる」
「もともと私は減税反対やった。それやったら(現金)配れと。4万円、5万円、ひとりひとり配ったほうが、なんか嬉しいやないですか。それを言ったら、岸田さん、閣僚会議で私に『絶対言わんといてくれ』ってね。まわりからも『総理はもう決めているから』と止められた」

 などと発言。また、少子化対策の財源確保のための「支援金制度」導入にあたって、岸田首相が、「実質的な負担は生じない」と繰り返していることについても、

「正直なところ、負担はかけます言うたらええのに。結局、みんなが負担する」

 と批判を展開した。


小池百合子知事の学歴疑惑に「首席はないわ」

 自民党を離れている気楽さもあるのだろうか。自民党の国会議員の個別の名前をあげて、

 

「〇〇、あれはひどい」
「あれは、選挙(活動の時)、防弾チョッキ着ているんや」

 などと、茶化す発言もあった。

 かつては同じ兵庫県内の選出の衆院議員だった東京都の小池百合子知事の「学歴詐称疑惑」について支援者から問われると、

「カイロ大学、あれは出てない説が強い。首席(卒業)はないわ。(今後の選挙で)どれだけダメージがあるかや」

 と止まらない。

     (選挙については泉房穂前明石市長への警戒感も口にした)


泉房穂氏が出たら「明石は血みどろの争い」

 そして、来年4月まで自民党から出馬できない西村氏が気にするのは解散総選挙の時期だ。

「野党から内閣不信任案が出たら、岸田さんは選挙、やけっぱちでやるのかな」
「1年以内の解散総選挙だと、無所属で出馬することになる。ただ地元から(刺客となる)自民党候補が出るわけではない」

 西村氏の地盤である衆院兵庫9区は、前明石市長で、地元で人気抜群の泉房穂氏の地元でもある。それを念頭に西村氏は、

「明石の(泉)前市長が立憲(民主党)から出てくるのか、無所属で出てくるのか。それとも私と維新だけの選挙なのか。前の市長が(兵庫9区から)出てくるなら、明石は血みどろの争い。だから、淡路島でしっかり足元をかためて勝ち上がる」

 と支援者たちに訴えた。


■「珠洲は原発に反対したんや」

 参加者の雰囲気が少し変わったのは、今年1月1日の能登半島地震について触れたときだった。被災地を気遣った支援者が、「大変な被害だった」と水を向けると、12月中旬まで原子力発電所を所管する経産相だった西村氏は、能登半島の被災者をないがしろにするようなことを口にした

原発反対したんや、珠洲は原発に反対したんや。(被災地に行くのに)金沢市から2時間半くらいかかる」

 能登半島の先端にあり地震と津波で甚大な被害を受けた石川県珠洲市には原発の建設計画があったが、住民の反対運動などにより、2003年に電力会社が計画を凍結した。西村氏の発言は、原発に反対したから交通アクセスが悪いままになっている、さらには、原発に反対したから復興が進まないという趣旨にも受け止められる。

 支援者から、「(原発を建設していれば地震で)ヤバかった?」と疑問の声が出たが、

能登半島の地震は1000年に1回やなんべんもくるもんやない、1000年に1回や原発作ったらええ

 と、原発計画凍結を悔しがる様子だった。

 前出の支援者は、こう話す。

珠洲原発を建設していれば、地域も発展して金沢市から2時間半もかかる過疎の町にはならなかったという趣旨の話を自慢げにうそぶいていたつい数カ月前まで原発の担当、経産大臣やっていた人だが、いくらなんでも、そら暴言やと思う」

     (地震の揺れと津波で被害が大きかった珠洲市では、
      復興の速度が遅い)

 西村氏が「珠洲は原発に反対した」からと、震災と結びつけて発言したことについて、珠洲市で原発誘致に反対していた被災者は憤る。

1000年に1回だから、原発を作っておけばよかったなんて、実にひどい話だ珠洲市も能登半島も、日本全体も、私たちがここで原発に反対して、建てさせなかったから、地震だけの被害ですみましたもし原発を誘致して事故があれば、とんでもない事態だったかもしれません。市民も『原発がなくて本当に助かった』という人ばかりです。つい去年まで経済産業相をやっていた人は、今も被災地に原発を建てたいのか珠洲市は地震後、多くの集落で電気もない、水もない、携帯電話も通じないという日々よくもそんなことが言えますね

 西村事務所に質問書を送り、発言の趣旨を聞いた。

 岸田首相の減税政策について「反対」などと言ったことについては、以下のような回答だった。

「減税政策については、政策決定過程で様々な議論を行いました。そのうえで、閣議決定を経て、閣僚全員が一体となり、支援策の実現に取り組んできたところです」

 少子化対策の「支援金制度」について、岸田首相に対して「負担はかけますと言ったらええのに」などと言ったことについては、次のように答えた。

「『丁寧な説明が必要』というのが、発言の趣旨です」

 そして、被災地の珠洲市が「珠洲は原発に反対した。金沢から2時間半かかる」などと発言したことについては、次のような回答だった。

「『金沢から2時間半かかる』『今回の地震は1000年に一度と報道されている』という趣旨を述べた記憶はありますが、『原発計画に反対したため、金沢からのアクセスが悪い、復興が進まない』という趣旨の発言はしておりません」

(AERA dot.編集部・今西憲之


今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●志賀原発が止まっていてよかった、珠洲原発の建設計画が凍結されていてよかった……能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外

2024年06月11日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年05月15日[水])
志賀核発電所が《止まっていてよかった》、珠洲核発電所建設計画が凍結されていてよかった …… 地盤の隆起の問題や避難方法など、能登半島地震の「警告」は核発電所の運転など以ての外ということ。
 「能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら」、「小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》」。

 志賀核発電所も情報の公開を渋っているし、マスコミでもあまり報じられなかったが、やはり《能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」》だった。再稼働など以ての外であり、廃炉にすべきだ。《◆「原発に想定外は通用しない」》は3.11東京電力核発電人災の大きな教訓でしょうに。また、《◆「安全なものを造った」と思っていたが…》…「安全な」核発電所なんて、形容矛盾もいいところだ。
 松村裕子記者による、東京新聞の記事【志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978)によると、《能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子)》。

   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
     位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
     日本一避難しにくい原発
」だというのに、昨夜、またしても
     豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
     《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」

   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】
   『●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその
      資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい
   『●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口
       なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?
   『●松久保肇さん「いずれ原発が動くことが前提になると、出力制御の増加や日中
     の電気の市場価格低下が見込まれ、再エネに対して投資意欲が損なわれる」
   『●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田
       (文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》
   『●東京電力は柏崎刈羽原発への核燃料の装塡を完了させて再稼働に前のめり
                …「原発はもう、あり得ない」! 「脱原発の約束はどこに」?
   『●《新潟県の花角英世知事は、判断材料として主に「経済効果」「事故対策」
      「避難計画」の三つの論点を挙げる》…って、一番に「経済効果」かよ?
   『●東京電力【核燃料セットが完了 借金返済のための柏崎刈羽原発再稼働 残る
     手続きは新潟県の同意のみ】…借金返済のために市民の「命」を賭けさせる愚

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/326978

志賀原発、建設現場の元責任者が「廃炉にしたほうが…」 能登地震での変圧器トラブル「油漏れは大問題」
2024年5月14日 16時00分

 能登半島地震で、変圧器から油が漏れた北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)。原発の地盤整備や修繕に携わった石川県宝達志水町(ほうだつしみずちょう)荻市の伊藤栄次さん(75)は「火災や放射能漏れがなかったから、よしと済ませてはいけないと思う。油漏れ自体が大きな問題」と指摘する。原発の危機管理に警鐘を鳴らす研究論文を発表した経験もある元土木技術者は変圧器への対策を求める。(松村裕子


 原発の変圧器 変圧器は電気を利用に応じた電圧に変える機器。通常は発電した電気を外部に送るが、志賀原発は稼働していないため、外部から原発内で使う電気を送るのに使う。変圧器の機器は漏電防止や冷却のため、絶縁油で満たされている。油が漏れると変圧器が使えず、電気を送れなくなる。志賀原発1、2号機の主な変圧器は計8基。

     (原発の危機管理について語る伊藤栄次さん
      =2月、石川県宝達志水町で)


◆「原発に想定外は通用しない」

 「あれから何年もあったのに、なぜ変圧器自体の対策をしなかったのか

 2007年の新潟県中越沖地震時、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で起きた変圧器火災に触れ、伊藤さんは「いったん火事になれば、何が起こるか分からない。想定外は通用しない。中越沖地震や東日本大震災以上の対策が必要だ」と北陸電側に対応を求める。

 北陸電によると、柏崎刈羽原発の火災後、志賀原発に化学消防車を配置し、24時間対応できる態勢を組んだ。ただ、変圧器は当初に設置した一般工場の設備並みの耐震性のまま。そもそも、それ以上の耐震性を備えた製品がないという。能登半島地震を受け、担当者は「変圧器を補強できないか検討する」と話す。


◆地盤整備、修繕、危機管理訴える論文も

 伊藤さんは金沢工業大を卒業。土木会社で1987年から17年間、志賀原発の1号機は建設途中、2号機は建設当初から、地盤整備や完成後の修繕に携わった。現場責任者として働く一方、「原発にも危機管理の考え方が必要」との論文を大学教授らとまとめた。

 論文を出した90年代は「まだ原発での危機管理意識は低かった」。07年に北陸電が臨界事故を8年間、隠蔽(いんぺい)していた問題が発覚。懸念したことが現実となった。さらに元日の地震では変圧器の油漏れが起きた。


◆「安全なものを造った」と思っていたが…

     (志賀原発=2022年5月)

 自宅はほぼ全域が志賀原発の30キロ圏内。原発で働く直前に長男が生まれ、「自分の目で確かめ、子や孫のために安全なものを造りたい」と建設に携わった。当時は「基準に合った安全なものを造った」との認識だったが、出入り業者として今そう言い切れるか、じくじたる思いを抱える

 退職後は地域の高齢者サロンを運営。防災士として住民に災害への備えを啓発する。今回の地震時、志賀原発は停止中だった。しかし、30キロ圏内では道路の寸断などで石川県輪島市など3市町の14地区で150人以上が最長16日間孤立したことを内閣府が明かした。

 原発が稼働中に事故が起こっていたら、スムーズに避難できない被災者らが被ばくする可能性があった。自ら関わった原発だが、今は「廃炉にした方がいいとさえ思い始めた」と複雑な胸中を明かす。「油漏れで終わったのは不幸中の幸い。今度こそしっかりと対策をとるべきだ」と訴える。


【関連記事】能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた
【関連記事】半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●樋口英明さん《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》

2024年05月06日 00時00分52秒 | Weblog

[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二 著) 朝日新聞出版↑]


(2024年04月25日[木])
樋口英明さん《「日本の原発はそれなりに安全だろうという先入観が脱原発を妨げる」…「原発回帰にかじを切った岸田(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」》、この《私たちの先入観》を払しょくするために ➙ ニッポンの核発電所は「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね」という簡単な質問を電力会社や原子力「推進」委員会、キシダメ政権に尋ねてみましょう。

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、
     その下で電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
    《原発訴訟で原告勝訴を決めた、たった3人の裁判長――
     その苦悩を描いたのが『原発に挑んだ裁判官』(朝日文庫、
     著・磯村健太郎山口栄二、660円)だ。元京都大学原子炉
     実験所助教・小出裕章氏が評論する》
    《本書の解説を書いている千葉大学名誉教授の新藤宗幸氏によると、
     フクシマ事故以前に提訴された原発訴訟は、国を相手にした
     行政訴訟が12件、建設・運転差し止めの民事訴訟が6件だった
     そうだ。そのうち、住民側勝訴を言い渡したのは、
     高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の設置許可の無効を確認した
     名古屋高裁金沢支部判決(川崎和夫裁判長)と、北陸電力
     志賀原発2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決
     (井戸謙一裁判長)の2件だけであった。フクシマ事故以降には、
     関西電力大飯原発3、4号機訴訟で運転差し止めを認め、住民を
     勝訴させた福井地裁判決(樋口英明裁判長)も出た。
     それら3人の裁判長の苦悩と闘いを描いたのが本書である》

 内藤陽記者による、毎日新聞の記事【「原発安全」は思い込み、耐震性も低い 元裁判長、樋口氏が講演】(https://mainichi.jp/articles/20240424/k00/00m/040/075000c)。《関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め訴訟で、2014年に再稼働を認めない判決を出した元福井地裁裁判長、樋口英明氏(71)が新潟県柏崎市で講演した。樋口氏は能登半島地震(M7・6)発生時の北陸電力志賀原発の例から、原発の耐震性の低さを指摘。「日本の原発はそれなりに安全だろうという先入観が脱原発を妨げる」と主張した。講演のテーマは「能登半島地震と原発」。》《脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した》。

 ニッポンの核発電所の耐震性は「民間の耐震住宅並みの強度よりもはるかに劣る

   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発の耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅の何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないからだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。
 古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20240424/k00/00m/040/075000c

「原発安全」は思い込み、耐震性も低い 元裁判長、樋口氏が講演
024/4/24 11:13(最終更新 4/24 11:13)

     (「国策である原発政策が安全性を軽視するわけがない
      というのは先入観だ」と話す樋口氏=新潟県柏崎市駅前の
      市文化会館アルフォーレで2024年4月7日、内藤陽撮影)

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め訴訟で、2014年に再稼働を認めない判決を出した元福井地裁裁判長樋口英明氏(71)が新潟県柏崎市で講演した。樋口氏は能登半島地震(M7・6)発生時の北陸電力志賀原発の例から、原発の耐震性の低さを指摘。「日本の原発はそれなりに安全だろうという先入観が脱原発を妨げる」と主張した。

 講演のテーマは「能登半島地震と原発」。地元住民団体「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」(本間保・共同代表)の主催で7日にあり、市民ら約160人が耳を傾けた。

 能登半島地震では、石川県志賀町で最大震度7、北陸電力志賀原発(同町)で震度5強を記録した。志賀原発では外部電源から電力を受ける変圧器が破損し、2万3400リットルの油が漏れた。樋口氏は原発の耐震性について「一般に考えられているよりはるかに低い」と指摘した。

 「原発に関心のない人は、日本の原発はそれなりには安全だろう思い込んでいる」とし、福島第1原発事故までは自身もその一人だったと告白。「日本の原発の最大の弱点は耐震性だが、私たちは耐震性が高い思い込んでしまっている」と話した。脱原発を妨げているのは「原発回帰にかじを切った岸田(文雄)政権でも、電力会社でもない。私たちの先入観だ」と話した。

 また樋口氏は原発の本質とは「原発は人が管理し続けなければ暴走する」「暴走時の被害は想像を絶するほど大きい」の二つだとし、「(これを理解していなければ)間違った判決や政策になると結論付けた。【内藤陽】
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原子力「推進」委員会のメンバーは、「トイレなきマンション」「非常口なきマンション」、正気でそんなモノに「住みたい」ものかね…?

2024年04月30日 00時00分43秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年04月14日[日])
3.11東京電力核発電人災の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。「首相が決断すれば原発は止められる」、でも、逆に首相が暴走すると目も当てられない。そんなに核発電をやりたけりゃぁ、まずは、福島を「原状回復」して見せて下さい。

   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】

 東京新聞の【<社説>3・11から13年 「福島のばっぱ」は生きる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314077?rct=editorial)。《◆ふるさとの「住民」として 菅野さんのふるさと浪江町の山間部は今も帰還困難区域ですが、下津島の一部が復興事業のために昨春、避難解除となりました。でも、菅野さんは喜べません。自宅に入り込んだ放射性物質を除去することは難しく、昨年末、テーブルの上や床にたまったほこりを検査すると、非常に高いレベルの放射性物質が検出されました。国にとっては、住民の健康よりも事業優先なのでしょうか。浪江町によると今年1月、住民票のある住民1万5109人に対し、実際の居住者は2162人。菅野さんも町に住民票を残した1人です。今後、三木市での住民サービスが制限されることになってもずっと「避難」を続けます。「福島のばっぱ(おばあさん)」として生きるはずだったのに、ある日突然、何の落ち度もなくコミュニティーごと追われ、未来に引き継ぐはずだった家も、一緒に老いていくはずだった近所の友達も失いました。一方、政府のやりたい放題が目に余ります。原発事故で住民不在の町では復興名目の再開発が進みます。巨額の復興予算は流用が指摘され、放射性物質を含む原発処理水は海に放出されています》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権と原子力「推進」委員会。なんの「規制」もせずに、「寄生」している委員会なんて要らない。《文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います》(東京新聞)。特に避難計画には、全く興味なしな「推進」委員会。むしろ、そんな計画など「邪魔だ」とでも思っていそうだ。核発電所の運転にもマトモに向き合わず政府に尻尾を振るし、避難計画は管轄外〝的〟に地元に丸投げ。こんな組織はホントに要らない。トイレなきマンションで、しかも、「非常口なきマンション」(東京新聞)、正気でそんなものに「住みたい」のかね…。
 東京新聞の【<社説>3・11から13年 能登半島からの警告】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial)。《「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです》。


   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…

 古賀茂明さん《三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。
 京都新聞の記事【元京都大助教授「関電の原発データ、解釈が科学的でない」 運転差し止め訴訟】(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1222814)。《滋賀県の住民ら48人が福井県の大飯、高浜、美浜の関西電力3原発7基について運転差し止めを求めた訴訟の第40回口頭弁論が21日、大津地裁(池田聡介裁判長)であった。前回に引き続き元京都大防災研究所助教授の赤松純平氏(80)の証人尋問が行われた。この日の弁論で証拠調べを終了した。原告側によると、6月に主張のやりとりを終えて、早ければ12月にも結審する見通し。赤松氏が前回、原発の地盤モデルについて設定されている基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)過小評価になっていると証言した内容などに対して関電側からの反対尋問があった。原発への賛否を問われると、「原発はいいものだと思っていたが、言うほど安いものでもなく、将来にわたって影響が出る。関電のデータは解釈が科学的でなく、安全が担保できず反対の立場だ」と答えた。弁論後に会見した井戸謙一弁護団長は、元日の能登半島地震で設備に被害が発生した志賀原発にふれ、「地震の教訓は大きな追い風になると思う」と話した》。

 元裁判官の樋口英明さん《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》、《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》。古賀茂明さん《11年の東日本大震災の最大の揺れは2933ガル(「ガル」は、地震の強さを測る単位)。21世紀最大の揺れは、08年岩手・宮城内陸地震の4022ガルだ。16年の熊本地震は1700台。今世紀の1000ガル以上の地震は18回とかなりの頻度だ。原発の耐震設計基準はと言えば、大飯原発が設計時に405ガル後に856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガルで、日本の原発がいかに地震に弱いかがわかる》。志賀核発電所では、《1号機で最大957ガルを観測し…2号機も…871ガル》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/314413?rct=editorial

<社説>3・11から13年 能登半島からの警告
2024年3月11日 07時37分

 「原子力災害対策指針については、特にこの地震を受けて見直さないといけないところがあるかというと、私はないと考えています」。原子力規制委員会の山中伸介委員長は、1月末の定例記者会見で、こう述べました。

 北陸電力志賀原発のある石川県・能登半島。地震による道路の寸断=写真、志賀町=や家屋の倒壊などにより、原発事故で放出される恐れのある放射線から逃れることの難しさがあらためて浮き彫りになりました。

 ところが規制委は、その現実を見た後でも、見直しは微調整にとどめ、「避難と屋内退避を適切に組み合わせることで、被ばく線量を抑える」という原子力災害対策の基本方針を維持していくというのです。

 文字どおりの当事者である志賀町の稲岡健太郎町長が、同じ現実を見て、再稼働容認から慎重へと態度を変えたのとは対照的です。規制委の姿勢には当事者意識が希薄、いや、どこか他人事(ひとごと)の感じさえ漂います。

 2011年の福島第1原発事故の際には、避難先や避難ルートなどがあらかじめ決められておらず、特定の施設に避難者が集中したり、道路が渋滞したりするなどの混乱が生じ、多くの周辺住民が長時間、被ばくの危険にさらされました。それを教訓に翌12年、発足したばかりの規制委が策定したのが、原子力災害対策指針。県や市町村はこの指針に基づいて、地域の実情に応じた防災計画や広域避難計画を定めています。

 現行の指針では、大量の放射性物質が外部に飛散するような原発事故が発生した場合には、渋滞などの混乱を避けるため、原発から5キロ圏内の住民の避難を優先し、5~30キロ圏内は、放射線量が一定量を超えるまでは屋内退避としています。

 しかし、能登半島を襲った地震の猛威を考えれば、それはとても現実的とは言い難い

 土砂崩れや路面の崩落、ひび割れなどが相次ぎ、志賀原発周辺では、県が原発災害からの避難ルートと定める国道や県道11路線のうち、7路線が通行不能。避難ルートにつながる町道なども各地で寸断され、30キロ圏内の同県輪島市と穴水町では8集落で435人が孤立状態に陥りました。


◆現行指針は通用するか

 今月はじめ、志賀原発の正門前から輪島市方面に車を走らせました。国道249号を北上する県の避難ルートです。発災から2カ月以上たち、通行止めこそ解消されていたものの、路面はパッチワークのように応急の補修が施され、ひび割れや段差も目立ちます。

 傾いた信号の下をくぐって峠道に入ると、ところどころに土砂崩れの跡があり、復旧工事のための片側交互通行区間が続きます。地震直後、その上、雪でも積もっていたら…。有事の際の大混乱は、想像に難くありませんでした

 さらに屋内退避の前提も崩れたというべきでしょう。

 石川県によると、住宅被害は志賀町だけで6400戸以上。原発事故に備え、被ばく対策を施した学校や病院などの「放射線防護施設」も、30キロ圏内にある21施設のうち6施設で損傷や異常が生じ、2施設は閉鎖にすべての施設で断水になりました。万が一の時、乳幼児や高齢者、傷病者らが一時避難する先に想定されている施設が、こんな状況なのです。

 この現実が語っているのは、リアルな災害時に現行の指針は通用しない-ということなのではないでしょうか。抜本的な見直しが必要と考えるのが自然でしょう。

 無論、能登半島だけの問題ではありません。日本の原発のほとんどが半島の付け根や先端など交通網の脆弱(ぜいじゃく)な海沿いの過疎地に立地しています。柏崎刈羽伊方浜岡島根避難の実効性を疑う声が各地から聞こえてきます


◆立ち止まって考えよう

 政府はもう福島の教訓を忘れたらしく、昨年、「原発復権に大きくかじを切りました

 能登半島地震の発生から13日後、ようやく被災地を訪れた岸田文雄首相は、志賀原発の再稼働について記者から問われ、「新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進める方針は変わらない」と答えています。やはり、現実を見ていないとしか思えません。

 あの大震災から、今日でちょうど、13年。危険な非常口なきマンションに国民を住まわせ続けてよいわけがない。一度、立ち止まって考えよ-。「能登半島からの警告」ではないのでしょうか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」

2024年04月25日 00時00分26秒 | Weblog

(2024年04月19日[金])
(3月に) 先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発」だというのに。《大島堅一教授…は「原発が立地するのは半島やへき地が多い政府が指針で立地周辺が低人口地帯であることを求めたからだエネルギー政策で、インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付けてきた」と原子力政策の構造的な問題を指摘》。
 東京電力、原子力「推進」委員会…最早、狂気を感じてしまう。3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果たさない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くないというのに…。案の定、《トラブル相次ぐ》…。志賀原発、女川原発、柏崎刈羽、そして伊方原発…稼働させたいという核発電「麻薬」中毒者に好き勝手やらせていると、日本中が迷惑し、世界にも事故の影響が及ぶ恐れ。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「先日も地震があったばかり…「日本一細長い佐田岬半島の付け根に
     位置する伊方原発は、周辺住民にとって、
     “日本一避難しにくい原発
」だというのに、昨夜、またしても
     豊後水道を震源として大きな地震発生。即座に
     《伊方原発「異常なし」》だそうだ…。」

 曽田晋太郎山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/322130)。《四国で初めて震度6弱を記録した17日深夜の地震。愛媛県の四国電力伊方原発運転を続けているが、発電機の出力が2%低下した典型的な半島部の原発で、能登半島地震で浮上した避難リスクが再燃。想定震源域に入る南海トラフ巨大地震以外にも、多くの地震の危険を抱える。大地震が直撃したら、本当に逃げられるのか。地元住民や周辺の関係者はどう受け止めているのか。(曽田晋太郎山田祐一郎)》

   『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
             周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」
   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
     仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失
   『●森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は
      正鵠を得ていた…全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止
   『●大阪地裁《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、水戸地裁《東海
      第二原発の運転禁じる》、広島高裁《伊方原発3号機の運転容認》
   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の
      嘆きが胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を
    《日本では2000年以降、千ガル以上の地震が18回(ガルは揺れの
     強さを表す単位)、七百ガル以上は31回起きていることを示す。
     そのうえで、「民間の耐震住宅並みの強度は達成できていますよね
     と質問すると、社長たちは、答えに窮する。なぜなら、住友林業、
     三井ホームの耐震性は、3400ガル、5100ガルだが、伊方原発
     650ガル高浜原発700ガル日本の原発耐震性は非常に低い
     からだ。
      国民の多くは、原発は民間住宅何倍も頑丈に作られている
     と信じている。…三つ目に、避難計画の万全性を担保する
     ために原子力規制委員会の審査を受けろと要求する。実際には
     審査されていないらだ。国民は「えっ?避難計画は規制委の
     審査を受けたんじゃないの?」と驚き、審査してもらえとなる
     だが、専門家が審査したら、絶対に今の避難計画では通らない

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/322130

こちら特報部
半島の原発を大地震が直撃したら… 四国の震度6弱で避難リスク再燃 「逃げ場がなくなる」能登と同じ構図
2024年4月19日 12時00分

 四国で初めて震度6弱を記録した17日深夜の地震。愛媛県の四国電力伊方原発運転を続けているが、発電機の出力が2%低下した典型的な半島部の原発で、能登半島地震で浮上した避難リスクが再燃。想定震源域に入る南海トラフ巨大地震以外にも、多くの地震の危険を抱える。大地震が直撃したら、本当に逃げられるのか。地元住民や周辺の関係者はどう受け止めているのか。(曽田晋太郎山田祐一郎


四国電力伊方原発 愛媛県伊方町にあり、九州方面に伸びた佐田岬半島の瀬戸内海側に立地する。いずれも加圧水型軽水炉で、1号機は1977年、2号機は82年、3号機は94年に営業運転を始めた。現在、1、2号機は廃炉作業中。3号機(出力89万キロワット)は2019年12月から定期検査で運転を停止していたが、21年12月に再稼働した。


     (敷地内に施設が密集する伊方原発。
      左から1、2、3号機=2020年3月)


◆「ずごい揺れ、原発は大丈夫か」

 「すごい横揺れで、今までの地震で一番怖かった。同時に原発は大丈夫だろうかと不安になった」

 伊方原発の東約10キロの愛媛県八幡浜市に暮らす「伊方から原発をなくす会」代表の近藤亨子さん(69)が地震発生時を振り返る。同市の震度は5弱。自宅の団地のエレベーターは止まり、2014年に同県西予市で震度5強を記録した地震よりも大きな揺れを感じたという。

 1月の能登半島地震で浮き彫りになった半島部の原発避難リスク。佐田岬半島にある伊方原発では、避難計画が必要な30キロ圏に11万人が居住。県などの自治体は事故の際、陸路のほか、港から船で大分県などへの避難も想定する。


◆「一斉に逃げようとすれば大渋滞に」

 だが、近藤さんは「この周りは山あいの地域。西日本豪雨の時も土砂崩れが起きて道路が通行止めになった。もっと大きい地震が来れば道路が寸断されて逃げ場がなくなる」と不安を口にする。原発事故を想定した避難訓練では、強風の影響でヘリコプターの着陸や船の着岸ができないこともあったという。「津波が来ることを考えれば、船での避難は現実的ではない。道路も少ないので皆が一斉に逃げようとすれば大渋滞が起きて混乱する」

 八幡浜市で原発から約6キロの瀬戸内海に面する集落で漁業を営む鎌田建一郎さん(76)も「近くに避難する道は1本しかない。土砂崩れで道路がふさがり、津波で海が荒れたら船で逃げることもできない。避難計画通りにうまくいくとは思わない」と語る。

 今回、原発がある伊方町は震度4。四国電力は18日、伊方原発3号機でタービンに送る蒸気の水分を除去する加熱器タンクの弁が不調となり、熱効率が下がって発電機の出力が約2%低下したと発表した。「安全性に問題はない」として、運転は継続している。

     (四国電力伊方原発3号機が再稼働されたことを受け、
      反対の声を上げる人たち=2016年8月、東京・永田町で)


◆「危険な原発は止めてほしい」

 それでも鎌田さんは「震度4でも影響が出るなら、震度7の地震が起きたらどうなるのか。津波も来れば、考えられない被害が起こるはず」と不安を吐露。「海を糧にする人間として、原発事故で福島のように故郷に帰れなくなったらどうすればいいのか。危険な原発は止めてほしいし、早くなくすべきだ」と訴える。

 伊方原発運転差し止め訴訟の弁護団長を務める薦田(こもだ)伸夫弁護士は、細長い半島に集落が点在し、避難する幹線道路も1本しかない現地の状況から「伊方の場合、能登以上に孤立集落が発生する」と指摘。「集落は過疎地域で(避難時に支援が必要な)高齢者がほとんど。避難計画に実効性はない地震と原発事故が起きたら大惨事になることは歴然としており、伊方は本来原発を建ててはいけないところに立地している」と強調する。


◆江戸時代末期に2度の巨大地震

 歴史的に見れば、この地域では巨大地震が起きている。江戸時代末期の1854年にマグニチュード(M)8.4の安政南海地震が発生。2日後には、今回の震源に近い佐田岬半島でM7.4の地震が発生した。

 リスクは南海トラフ巨大地震以外も。原発の北側には、東日本から九州まで続く断層帯「中央構造線」が走る。地元だけでなく、大分や広島、山口でも原発訴訟が相次いできた。

 「昨夜は相当揺れて、テレビを見たら震源が伊方原発近くということで恐ろしさを感じた」と話すのは、大分県杵築市のシイタケ農家で、大分での運転差し止め訴訟の原告団共同代表を務める中山田さつきさん(69)。2011年の福島原発事故の際、大分県産のシイタケの価格が下落した。「伊方で事故が起きれば、風評被害どころではなく大打撃を受け、生活できなくなる」と懸念する。

     (北陸電力の志賀原発=
      2024年1月(本社ヘリ「まなづる」から))


◆「立地は不適」と判断した高裁判決

 訴訟で地震や火山に対する四電のリスク評価が不十分と訴えたが、大分地裁は今年3月の判決で「具体的な危険はない」と退けた。今回の地震を受け「佐田岬半島の住民がフェリーで大分に避難する計画があるが、絶対に無理だ」と話す。

 17年には、広島高裁が伊方原発から130キロ離れた阿蘇カルデラについて四国電力の想定は過少だとして、3号機の運転差し止めを決定。火山の活動可能性が「十分に小さいと判断できない」と指摘し、過去の噴火で火砕流が原発敷地まで到達した可能性が小さいと言えず「立地は不適」としたが、四国電力の異議申し立てで18年に覆った

 20年にも同高裁が断層調査が不十分として差し止めを決定したが、異議を受けて取り消しに。現在、広島地裁で原爆被爆者約20人を含む350人が運転差し止めを求める訴訟が続く


◆南海トラフ巨大地震の想定震源域内

 原告団事務局の哲野イサクさん(75)は、今回の震源が南海トラフ巨大地震の想定震源域内で起きたことを懸念する。「能登半島地震でも想定外の活断層の連動があった。地震はいつどこで起きるか分からないのに、原子力事業者は、分からないことを『ないこと』にしている」。広島は伊方原発から約100キロ離れているが、「事故が起きれば内部被ばくの恐れは変わらない。被爆地の広島を再び、被ばくさせてはならない」と訴える。

     (大規模な土砂崩れの影響で、孤立した石川県珠洲市
      仁江町の集落㊦=2024年1月、本社ヘリ「わかづる」から)

 山口県上関町では、中国電力上関原発の建設に住民が反発、計画が中断している。「上関原発を建てさせない祝島島民の会代表の清水敏保さん(69)は「海がしけたら離島からはどうやって避難するのか。もし上関原発ができるようなことがあれば、ますます逃げ場がなくなる」とこぼす。


◆へき地にリスクを押し付け

 改めて問題視される半島からの避難。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「原発が立地するのは半島やへき地が多い政府が指針で立地周辺が低人口地帯であることを求めたからだエネルギー政策で、インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付けてきた」と原子力政策の構造的な問題を指摘し、こう強調する。

 「能登半島地震の実態を見ると、避難計画は『絵に描いた餅』でしかない他も同様で、伊方も現状では安全とは言えない人口減少が進む中でますます安全な避難は難しくなっている一度、原発を止め、実効性ある避難ができるのか検証しなければならない


◆デスクメモ 

 東日本大震災では、まず内陸の主要道を復旧させ、そこから海岸に向かう道を通す「くしの歯作戦」が奏功したという。それでも福島原発事故によって転々と避難を重ねる人たちが続出し、多数の関連死を招いた。大地震と原発災害に同時に対処する余力が、弱ったこの国にあるのか。(本)

【関連記事】「今の石川県で原発災害が起きたら避難できない」 それでも災害指針を見直さない、楽観論の背景にあるもの
【関連記事】地震で孤立した集落は原発から避難できない 弁護士ら、全国の原発停止と避難計画の見直しを求める意見書
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●加藤靖裁判長《「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されておらず、避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴え》一蹴

2024年04月24日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240417[])
3.11の教訓も、能登半島地震の警告も無視する福井地裁加藤靖裁判長。
 《40年超運転認可「合理的」》だそうだ、3.11の教訓や能登半島地震の「警告」を無視する無責任裁判官。能登半島地震から、たった3か月程の判決、「合理的」と判断できる神経を理解できない。

   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震
     動は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断

 正気? ← 《基準地震動…は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている》(東京新聞)。《地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらないとし、老朽化対策も合理的だとした》そうだ。

 しかも、《避難計画》は地域に丸投げ、杜撰にもかかわらず、ワシャ知らんと仰る加藤裁判長。政府や東電、原子力「寄生」委員会の誰も責任を取らない。誰も責任を持とうとしない。
 東京新聞の【<社説>原発事故対策 避難計画は不要なのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/320784?rct=editorial)。《原発は、どれほど対策を講じても事故の可能性をゼロにはできない。万が一の際、周辺住民の安全確保を左右するのが避難計画だ。それを、まさか裁判所がこうも軽んじるとは驚きを禁じ得ない。住民が関西電力美浜原発3号機と同高浜原発1~4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請。このうち美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から40年を超えて再稼働した老朽原発」で、3、4号機も来年40になるが、福井地裁は3月末、訴えを退けた。住民側は施設の老朽化に加え、基準地震動(耐震性の目安になる揺れの強さ)が低く見積もられているなど、安全性が確保されていないと主張県の避難計画も実効性に欠けると訴えてきた》。

 ところで、東京電力も、正気なのなのだろうか??
 腹立たしいので、再度、引用します。東京新聞の記事【東電、核燃料装填へ最終確認 柏崎刈羽、事故後初の再稼働向け】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321281)。《東京電力は15日、柏崎刈羽原発(新潟県)の7号機への核燃料装填に向け、最終確認を続けた。原子力規制委員会に15日の装填開始を申請している。再稼働に備えた検査の一環と位置付けており、承認され次第、速やかに作業に着手したいとしている。再稼働時期は未定だが、2011年の福島第1原発事故後、東電として初となる再稼働へ準備を進める。新潟県の花角英世知事は再稼働に同意するかどうかを表明していない。福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例。今後に課題を残す可能性がある。同原発は首都圏などに電力を供給する。7号機は17年12月、規制委の審査に合格。21年1月以降、社員によるIDカードの不正利用侵入検知設備の故障などが相次いで発覚し、規制委は事実上の運転禁止を命じたが、改善したとして23年末に解除した。斎藤健経済産業相が3月、花角氏に再稼働への理解を求めた。花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》。
 東京電力や原子力「寄生」委員会のメンバーは正気なのだろうか?? 13年前、3.11人災を引き起こした東京電力に、核発電に携わる資格など無い。廃炉作業に特化すべきだ。《東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている》(東京新聞・原発取材班キャップ・荒井六貴記者)、これを狂気と呼ばずして、何を狂気と呼ぶのだろうか。

   『●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果た
     さない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/320784?rct=editorial

<社説>原発事故対策 避難計画は不要なの
2024年4月12日 08時23分

 原発は、どれほど対策を講じても事故の可能性をゼロにはできない。万が一の際、周辺住民の安全確保を左右するのが避難計画だ。それを、まさか裁判所がこうも軽んじるとは驚きを禁じ得ない

 住民が関西電力美浜原発3号機と同高浜原発1~4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請。このうち美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から40年を超えて再稼働した老朽原発」で、3、4号機も来年40年になるが、福井地裁は3月末、訴えを退けた。

 住民側は施設の老朽化に加え、基準地震動(耐震性の目安になる揺れの強さ)が低く見積もられているなど、安全性が確保されていないと主張県の避難計画も実効性に欠けると訴えてきた。

 一層の不安をかきたてたのが能登半島地震だ。北陸電力志賀原発が立地する石川県志賀町で震度7を観測し、原発にさまざまなトラブルが発生した。

 現地で多数の建物倒壊や道路寸断が起きたことを受け、住民側は「地震による原発事故が起きた場合、屋内退避も避難もできず、被曝(ひばく)を強いられることになる」とあらためて書面を出して訴えた。

 これに対し、地裁は「原子力規制委員会において新規制基準への適合が認められ、その審査基準において不合理な点はない」と断じたが、そもそも規制委は、原子炉の状態が国の規制基準に適合しているかを審査するだけで「安全保証するものではない

 しかも福井地裁は「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されておらず避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴えを一蹴した。

 しかし「避難が必要になるような事態が起きない安全性が立証されている」という事実がない以上、判断を避ける理由にはなるまい。規制委の「適合」を根拠に深刻な事故は起きないと決め付けているだけではないか。原告側が上訴したのも当然だ。

 国は原発から30キロ圏内の自治体に避難計画の策定を義務付けているが、規制委は避難計画を評価の対象外としており、避難計画に不備があるかを判断するのは、まさに司法の役割であろう。

 避難計画は事故の際、住民を放射能被曝から守る「命綱」とも言うべきものだ。それを軽んじるような司法の姿勢には、強い違和感を覚える
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断

2024年04月17日 00時00分04秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年03月31日[日])
《東日本大震災2933ガル、08年岩手・宮城内陸地震4022ガル、16年熊本地震1700台…多くの核発電所1000ガル以下…》《大飯原発…856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガル》。
 老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断したそうだ。3.11東京電力福島第1核発電所人災から13年、何の教訓も得ない愚かな裁判官。能登半島地震からわずか3カ月、あの惨状を目の当たりにしても、「警告」を理解できない愚かな裁判官。

   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ
   『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
     100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】

 東京新聞の記事【美浜、高浜原発の差し止め認めず 2件の仮処分で福井地裁が決定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087)。《関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と、関電高浜1~4号機(同県高浜町)の運転差し止めを福井県などの住民がそれぞれ求めた2件の仮処分で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも差し止めを認めない決定を出した。美浜3号機は福井県の住民らが申し立て、地震に対する安全性が確保されていないと主張。基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は低く設定されているとし、施設は老朽化し、避難計画も実効性が乏しいと訴えていた。高浜1~4号機の差し止めを求めた福井県とさいたま市の住民2人は、原発は耐震性が不足して危険と指摘。老朽化した設備では重大事故が起きる危険性があると主張していた》。
 柴山雄太記者による、毎日新聞の記事【美浜、高浜原発の運転認める 福井地裁、住民の仮処分申請却下】(https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/040/332000c)。《2件の仮処分申請で、住民側は老朽化に伴う設備の劣化で事故発生のリスクが高まっていると訴えた。耐震設計の際に考慮する最大規模の揺れ「基準地震動」も妥当ではないと指摘。美浜3号機では、地震の震源になり得る断層が原発そばにあるのに、地震動の策定で十分な余裕を考慮していないとも主張した。これに対し、関電側は「施設の経年劣化を加味して安全性を確保している」などと反論。》

 《40年超運転認可「合理的」》だそうだ、3.11の教訓や能登半島地震の「警告」を無視する無責任裁判官。能登半島地震から、たった3か月、「合理的」と判断できる神経を理解できない。
 アサヒコムの記事【老朽原発差し止め却下 美浜・高浜 40年超運転認可「合理的」 福井地裁】(https://www.asahi.com/articles/DA3S15899842.html?iref=pc_ss_date_article)。《運転開始から40年を超える老朽原発を含む関西電力美浜3号機(福井県美浜町)と高浜1~4号機(同県高浜町)について、地元住民らが運転の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも却下する決定をした。住民側は名古屋高裁金沢支部への即時抗告を検討している。差し止めを求め…》。

 正気? ← 《基準地震動…は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている》。
 東京新聞の記事【美浜、高浜原発の差し止め認めず 危険性否定し活用追認、福井地裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087)。《地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されていると指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらないとし、老朽化対策も合理的だとした》。

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/040/332000c

美浜、高浜原発の運転認める 福井地裁、住民の仮処分申請却下
2024/3/29 13:06(最終更新 3/29 13:51)

     (「不当決定」と書かれた旗を掲げる住民ら=福井市内で
      2024年3月29日午後1時5分、高橋隆輔撮影)

 福井県内にある関西電力美浜原発3号機と高浜原発1~4号機について、地元住民らが関電に運転の差し止めを求めた2件の仮処分申請で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも運転を認める決定を出した。美浜3号機と高浜1、2号機は1970年代から稼働する「40年超原発」で、関電の安全対策を追認する形なった。

 仮処分を申し立てたのは、美浜3号機が福井県の住民9人。高浜1~4号機は福井、埼玉両県の住民2人。

 2件の仮処分申請で、住民側は老朽化に伴う設備の劣化で事故発生のリスクが高まっていると訴えた。耐震設計の際に考慮する最大規模の揺れ「基準地震動も妥当ではないと指摘。美浜3号機では、地震の震源になり得る断層が原発そばにあるのに、地震動の策定で十分な余裕を考慮していないとも主張した。

 これに対し、関電側は「施設の経年劣化を加味して安全性を確保している」などと反論。訴えを退けるよう求めていた。

 原発の運転期限を巡っては東京電力福島第1原発事故を受け、「原則40年」とするルールが定められた。ただ、点検などを経て国の原子力規制委員会が認可すれば最長60年まで延長できるようになり、70年代に運転を始めた美浜3号機や高浜1、2号機に適用されている。関電は運転開始から来年で40年となる高浜3、4号機も運転期間延長認可を規制委に申請している。【柴山雄太】
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087

美浜、高浜原発の差し止め認めず 危険性否定し活用追認、福井地裁
2024年3月29日 20時27分 (共同通信)

     (関西電力美浜原発3号機と、高浜原発1~4号機の
      運転差し止めを認めない福井地裁の決定を受け、
      地裁前で「不当決定を許さない!」などと書かれた
      垂れ幕を掲げる住民ら=29日午後1時7分)

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と、関電高浜1~4号機(同県高浜町)の運転差し止めを福井県などの住民がそれぞれ求めた2件の仮処分で、福井地裁は29日、いずれも差し止めを認めない決定を出した。加藤靖裁判長は「(原発事故の)具体的危険があると認めることができない」と判断した。

 美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から50年近くたち、住民側は老朽化への懸念を訴えた。昨年、60年超運転が可能になる法律が成立し、決定は原発の最大限活用を掲げる国の方針を追認する形となった。

 美浜3号機で申し立てた福井県の住民9人は「不当な判断」との声明を発表。関電側は「主張を理解いただいた」とのコメントを出した。

 地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されていると指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらないとし、老朽化対策も合理的だとした。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】

2024年03月29日 00時00分38秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2024年03月15日[金])
デモクラシータイムスのインタビュー記事【青木美希 なぜ日本は原発をやめられないのか? 【著者に訊く!】 20231207】(https://www.youtube.com/watch?v=pHmsA5CklVc)。そして、日刊ゲンダイの【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08f1949c9fdd9f341ae30b20417a3868)。どちらも能登半島地震前の記事。

   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
        復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
    「マガジン9の記事【【寄稿】「おめでとう」と言えない正月
     (青木美希)】」
    《政府は生活できる環境がないまま、帰還政策を進めています
     政府は、浪江町など帰還困難区域700世帯を含む2万世帯の
     避難住宅提供を打ち切りました。さらに浪江町や南相馬市などの
     避難者、帰還者らへの医療費無償の支援策も打ち切る方針を
     出しています。避難指示解除されれば固定資産税の減免もなく
     なっていきます。原発事故は終わっていません政府が復興の名の
     もとに困難に陥った人たちをさらに追い詰めることがないように、
     私は被災者の声を発信し続けていきたいと思っています》

   ●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事
     になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」
    (東洋経済オンライン)【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」
     の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木美希】
     《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念される
     ようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ
     50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を
     続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなって
     いるのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのか
     そもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》


【青木美希 なぜ日本は原発をやめられないのか? 【著者に訊く!】 20231207】
 (https://www.youtube.com/watch?v=pHmsA5CklVc
日本の原発行政とその問題点を渾身の取材で明らかにしていく。
 著者の個人としての取材から見えてくる原子力ムラの実態。
 それを取り巻く政官業学、そしてジャーナリズムの在り方までも問う。
 どうすれば原発を停めることができるか
 原発の歴史をも見直しながら、脱原発への道筋を示す。
 2023年12月7日収録》


 「首相が決断すれば原発は止められる」、でも、逆に首相が暴走すると…《原状回復》どころか、キシダメ首相が《原発回帰》《原発復権》する狂気。
 日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08f1949c9fdd9f341ae30b20417a3868)によると、《昨年から今年にかけ、日本の原発政策が大きく変わった。できる限り減らすとしていたものが、脱炭素を旗印に新増設まで容認され、COP28(国連気候変動会議)では「2050年までに世界の原発容量を3倍にするという宣言に賛同した。福島原発からの海洋放出も地元関係者の理解なく強行された。あれほどの大事故を起こしながら、どうして日本は原発を止められないのだろうか──。30年にわたって原発問題を取材し続け、新著にまとめたジャーナリストに話を聞いた》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/333745

注目の人 直撃インタビュー
ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」
公開日:2023/12/25 06:00 更新日:2023/12/25 06:28

     (青木美希氏(C)日刊ゲンダイ)

 昨年から今年にかけ、日本の原発政策が大きく変わった。できる限り減らすとしていたものが、脱炭素を旗印に新増設まで容認され、COP28(国連気候変動会議)では「2050年までに世界の原発容量を3倍にするという宣言に賛同した。福島原発からの海洋放出も地元関係者の理解なく強行された。

 あれほどの大事故を起こしながら、どうして日本は原発を止められないのだろうか──。30年にわたって原発問題を取材し続け、新著にまとめたジャーナリストに話を聞いた。


 ◇  ◇  ◇


 ──原発をめぐる方針転換をどう見ていますか。

 ずいぶん目まぐるしく、あっという間にひっくり返るなと。一番の問題は、説明責任を果たしていないことです。再生可能エネルギーを推進してきた中で今、原発を優先するルールが作られ、電気が余るからと、再エネに出力制御が行われています。1回あたりの出力制御により発電できなくなるのは最大で原発3基分の電力で、非常にもったいない。そういう議論なしに、ただやみくもに原発に邁進しているようにしか見えません。


 ──本を読んでハッと気づかされました。2011年3月の原発事故で出された「原子力緊急事態宣言」は、12年以上経った今も発令中なんですね。

 その事実が本当に知られていないですよね。通常時だと被ばく限度は年間1ミリシーベルトですが、今は国が20ミリシーベルトで避難指示を解除できるようにしてしまっている。つまり、まだ通常時に戻っていないのです。年1ミリシーベルトは毎時0.23マイクロシーベルト。除染後の避難解除された場所でも、それを超えるところがある。サーベイメーターで測ると、アラームがピーピー鳴る状況です。


 ──ニュースを見て「復興している」と思っている人も少なくない。被災地に頻繁に足を運ばれていますが、現実と報道のギャップを感じますか。

「復興に向けて、新しい建物ができた」などの明るいニュースを中心に発信されている状況です。例えば、NHKのニュースについて本にも書きました。福島県浪江町の津島という1400人が暮らしていた地域で、新たに完成したのは10戸の町営住宅。とてもきれいな建物で、帰ってきた女性が「本当に空気がいい」と話しているのが放送されました。そこで、実際に現地に行ってみたんです。その女性に会ったら、福島市に避難して、福島市で仕事をしているんですね。じゃあ、どれくらいこの新しい住宅に住んでいるんですかと聞いたところ、「浪江には週2日くらいかな」と答えた。帰ってきた方はもう1人いましたが、他の4世帯は移住者でした。もともと浪江町に住んでいた方ではない。明るいニュースも蓋を開けてみれば……。本当のところは行ってみないと分からないんですよね。


 ──なぜ日本は原発を止められないのでしょう。100人を超える研究者や政治家など関係者を取材されて、どんなことが分かりましたか。

 複合的な要因があるのですが、今回の原発回帰方針を見ると明らかなように、首相がまともなリーダーではないことが一番の不幸だと思います。100年後、200年後の日本の将来をしっかり見据えて、グランドデザインをもとに国をどうするかを考えていけば自明の理なわけです。国民の安全を守るというのが首相の責務ですから、その責務を放棄しているとしか思えません。


■最エネが進まない理由は「どうせまた戻る」

 ──首相の決断があれば止められるということですか。

 実はこの本を書き始めたきっかけは、ベテラン政治記者の先輩に「首相がやるって決めれば止められるんだよ」と言われたことでした。本当にそんな単純なものなのかと思って調べ始めたんです。同じことを小泉元首相もおっしゃっているし、「原子力ムラの村長は総理である」と原子力ムラの方々がおっしゃっています。官僚の人たちに聞いても、「上がこうやると決めれば、日本の持続可能性を考えるのが官僚の仕事なので、方向性さえ決めてくれれば、それに合わせて施策と対策を打っていける」と言っていました。


 ──首相が決めれば原子力ムラは動く?

 まず決めることです。その上で安い再エネの蓄電池を開発する。再エネを最大限生かすために連系線(電力会社間をつなぐ送電線)を太くする。日本は連系線が弱いので、九州の電力が余っても本州などで使われていない。これを強化しなきゃいけないという声がありながら、進んでいないんです。今後、再エネで行くんだと決めれば、さまざまな課題を優先順位の高い順に解決していくことになる。ところが、原発にまた戻るんじゃないかという感触が原子力ムラの人たちにあって、どうせまた戻るだろうということで、進まない。再エネをやっている人たちもフラフラしてしまう。裏切り行為というか、首相は日本をどうしたいのかと思います。


 ──首相が方向性を出せない背景に何がある?

 よく言われるのは、米国の意向を聞いているということ。しかし、実際その辺を調べている弁護士、シンクタンクの方が言うには、日本の原発推進派が米国にそう言わせているという構図がある。日本の原子力産業が米国のシンクタンクに多くの資金を出していて、向こうからこだまのように響いてくるというのです。


 ──米国の意向ではなく、国内に原因がある。やはり原子力ムラですか。

 そうですね。税金を原発に使える仕組みを長年使ってるわけです。そこの利益集団の経済に関係しています。企業の方にもちろんお話を聞いていますが、古い原発は減価償却が終わっているので動かせば動かすほど利益になるから、早く動かしたいと言う。電力会社の昔の知人は「青木さん再稼働に協力してください。じゃないと、うちも経営が厳しいんですよ」と言っていた。経営問題になっているのです。だからこそ、政府がしっかり「再エネで行く」と決め、再エネをやれば経営が良くなるようなソフトランディングできる仕組みをつくっていく必要がある。政府が決めることがすごく大事なんです。


 ──原子力ムラは、政官業に加え、学者、メディアの五角形。メディアの責任についてはどうお考えですか。

 中学生ぐらいの時だったと思うんですが、新聞で「エネルギーのはなし」というコラムを連載していました。放射線や放射能に慣れ親しませる形のコラムで、広告なのか記事なのか明示されていなくて。読みながら、これは何なんだろうと思っていました。広告だったんですよね。どうやって大口の広告を各新聞社が獲得して、電力会社が広告を利用してきたのかということだと思います。


■メディアが再び推進派の拡声器に

 ──事故を経て、メディアは今も原子力ムラの一角にいるのでしょうか。

 事故前と完全に一致はしていないですが、復活しつつあると思います。例えば海洋放出。初めは大丈夫なのかという報道もありましたが、だんだんIAEA(国際原子力機関)も大丈夫だと言っているから大丈夫なんだと垂れ流す報道が目立つようになった。結局、自分たちで検証せず、また原子力推進側の言うことをうのみにして国民を納得させてしまいました。推進側の言うことをそのまま拡声器になって信じ込ませる。怖い構図が復活していると感じます。


 ──今回の出版を、所属する大手紙は認めなかったんですよね。驚きです。

 社外出版手続きに基づいて届けを出したのですが、「これは過去の職務によって取得した知識や情報が主な内容となる」と判断されてしまった。「本来の業務に傾注していただきたい」「編集部門の取材活動と競合し、妨害、阻害する恐れがある」などの理由で認められませんでした。でも、ここまで申し上げたとおり、原発事故後の本当の現状が伝わっていないことや、メディアがまた推進派の拡声器になっているのが心配で、伝えなければと思いました。取材に協力してくれた方々もどんどん亡くなっていくものですから、絶対に出版しなきゃいけないと思って準備してきました。ようやく出せました。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


青木美希(あおき・みき) 札幌市出身。1997年北海タイムス入社。同紙休刊にともない、98年北海道新聞へ。札幌で警察担当のときに北海道警裏金問題を手がける。2010年、大手紙に入社。東日本大震災では翌日から現場で取材した。現在も個人として取材を続けている。「道警裏金問題」や原発事故検証企画の取材班として新聞協会賞を3度受賞。著書に「地図から消される街」「いないことにされる私たち」。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。
=====================================================


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」

2024年03月27日 00時00分29秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240314[])
3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。
 《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る》理由は何ですか? その多くが核発電人災による影響なのではないのですか。さっさと東電と政府が《原状回復》し、周辺に飛び散った全ての放射性物質を3.11以前のように福島第一核発電所の原子炉内に戻して見せてくれればよいだけなのに、キシダメ政権や自公お維コミは全くやる気なし。

 《圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)…「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」》(東洋経済オンライン)。
 沖縄タイムスの【[社説]東日本大震災13年 命守る教訓をつなごう】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1322491)。《原発事故と地震の複合災害への備えは不十分だ。東京電力福島第1原発の事故を受け、原子力規制委員会は災害対策指針を策定。原発からの距離ごとに住民の避難計画を示した。だが、能登半島地震では道路が寸断され、唯一の避難経路が失われた。北陸電力志賀原発でもし事故が発生しても避難できない事態に陥ったのである。今年1~3月に共同通信が実施した原発に関する全国世論調査では、原発事故に備えて自治体が定める避難計画を「見直す必要がある」とした人は94%に達している。原発事故により福島県では今も7市町村で帰還困難区域が残る。第1原発の廃炉の道筋は見えず、除染で出た土などの廃棄物搬出も不透明だ。それにもかかわらず岸田文雄首相は原発回帰に転換した事故の教訓に背を向けているのではないか。…福島の原発事故を受け、各地で避難生活を送る人はいまだに約2万9千人に上る》。

 東洋経済オンラインの記事【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木 美希】(https://toyokeizai.net/articles/-/736154)。《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》。

 琉球新報の【<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html)。《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ。…日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ》。
 東京新聞のシリーズ記事【雨風が吹き込み、横にもなれない家に「屋内退避」しろと? 原発事故対策の絵空事を能登で見た】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314516)。《<連載・能登から見る 3.11後の原発防災>㊥ …能登半島地震では、2011年の福島原発事故後に見直された避難と事故対策のあり方に致命的な問題が露呈した。原発と共存できるのか、能登の被災地で考える》《◆「危険」を示す赤い紙が貼られた家屋… ◆破れた屋根「外にいるのと何も変わらん」… ◆放射性物質を防ぐはずの施設が機能喪失… ◆肝心の放射線量もデータが取れない… ◆「無計画な避難を避けるため」屋内退避を設定》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

=====================================================
https://toyokeizai.net/articles/-/736154

能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ
志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの
青木美希
: ジャーナリスト
2024/02/23 9:00


     (倒壊した圓龍寺(珠洲市)の庫裡(くり)(以下、被災地の
      写真はいずれも1月20~22日、筆者撮影))

――――――――――――――――――――――――――
日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた。
――――――――――――――――――――――――――


■原発建設予定地だった寺では住職の妻が下敷きに

能登半島の先端に位置する石川県珠洲市では1975年に原発立地構想が浮上した。関西電力は135万キロワット級の原発を高屋地区に、中部電力も寺家(じけ)地区に造る、と具体化させていったが、30年近くに及ぶ住民らの強い反対運動で計画は停滞。コスト増もあって2003年に両原発は計画断念に追い込まれた。

     (原発計画を断念した際に中部電力などの発表した
      資料から=2003年12月)

能登半島地震が起きた際、その高屋地区には住民や帰省してきた家族100人ほどがいた。震源地の近くだったこともあり被害は甚大で、山道は複数個所で崩落地区は孤立した。実際、原発立地予定地内だった圓龍寺を筆者が訪れたところ、住職らの住居になっていた庫裡(くり)は大きく崩れていた。

住職の妻は地震で下敷きになった。住職が引っ張りだしたが、妻の足は翌日から紫色に腫れ、「痛い痛い」と訴え続けていたという。

高屋地区の海岸では海底が2メートル近く隆起し、船が近づけない。1月3日になって自衛隊がゴムボートで上陸し、ヘリがけがをした住職の妻や体調の悪い高齢女性、出産間近の女性を金沢市の病院に搬送した。

集落はその後も孤立状態が続く。1月4日になると、起伏が激しい場所でも前進できる自衛隊車両のみが通行できる状態となった。5日には地元の有志が道路への倒木や地割れなどの補修を実施。10日ごろに自衛隊による道路補修用の砂利搬入が始まり、12日になってようやく集落の出口まで道路は開通した。


■現地で目の当たりにした地震の爪痕

筆者が高屋地区に向かったのは、発災から3週間後の1月21日である。

現地に行くまで、「高屋まで行ける」「行けない」と情報は錯綜。高屋とバイクで行き来していた男性の案内で車を走らせたものの、行く手には崩落箇所に鉄板を敷いた仮設道路しかない。道幅も車のすれ違いは困難なほど狭い。

     (高屋地区に続く道)
     (高屋地区の入り江。海辺が隆起し、岩礁が露出した)

細い砂利道を進み、山を越えると、眼下に高屋地区の入り江が広がっていた。しかし、青い海が広がっているはずの場所に海はない。海岸から数メートル先まで土地が隆起し、白い岩礁が露出しているのだ。

高屋漁港には数十センチ程度の段差が何カ所も生じていた。漁船が10数隻係留されていたが、船は岸壁より2メートルほども低い位置にある。はしごを掛けて降りなければ、乗り込めない。地震の前は普通の港と同様、岸壁からひょいと漁船に乗りこめる状況だったという。岸壁側が2メートルほど隆起したのだろう。

     (高屋漁港で並ぶ漁船)

地区を歩くと、屋根の瓦が崩れ落ちた家が多く、土砂崩れにのまれた家もある。住民の多くは避難し、約100人のうち残っているのは9人だった。

集会所に行くと、黄色いジャンパーを着た長靴姿の男性がきびきびと動いている。谷口直生(なおき)さん(38)。「この集落で一番若いので(働いています)」。電気も水道も復旧しておらず、1月1日から3週間も風呂に入っていないという。

けが人がいるのに救助の手がどこからも来ないという状態が発災直後に続き、車中泊を続けた人もいる。仮に珠洲原発の計画が頓挫せずに完成し、そして万が一の事故が起きたら住民らの避難路になっていたはずの道。そこが寸断し、当初は救助も支援もまともに来ない、かといって脱出もできなかった

そして筆者が訪れた3週間後でも水道、電気は回復していなかった。谷口さんも「珠洲原発があったら目も当てられない状態だったと思う」と言葉少なだった。

現地を案内してくれた珠洲市議の小谷内毅さん(63)はこう言った。

珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった


■圓龍寺の住職が語ったこと

珠洲市で原発立地計画が進んでいた当時、反対の声を上げた住民のリーダーの1人は、圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)だった。建物が壊れ、妻が下敷きになったあの寺だ。塚本さんは避難先だった加賀市内のホテルで取材に応じてくれた。

     (塚本真如住職。30代のときに原発の計画を聞いて
      勉強し、反対のリーダーを担った)

原発計画を聞いたとき、塚本さんは30代だったという。原発について知識がなかったため、原発建設の是非を自分で判断しようと、「推進派と反対派の本をそれぞれ100冊ずつ読んだ」そうだ。

福井県の敦賀原発など他の現場にも足を運んだ。敦賀原発は1981年に放射性廃液の大量流出事故もあり、女性たちが健康影響を心配していた。

うそを固めてできたのが原発と思った。どうしても『原発がいい』という結論が自分の中で出なかった

塚本さんらは原発建設予定地に土地を持つ人たちを説得し、そのうち数人の土地を共有化して容易に買収できないようにした。

「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」

筆者は、志賀原発の状況も取材した。原発の入り口には他の原発と同様に検問所のようなゲートがあり、黒っぽい上下の警備員が歩いている。行きかう車の台数は他の原発よりも少ない。時折車両が行き来する程度で、警察官を輸送するバスの行き来のほうが目立つほどだ。

     (志賀原発1号機(右)と、再稼働を申請中の2号機)

北陸電力には内部取材について問い合わせているが、返事はなかった。原発そばにある原発PR館「アリス館志賀」を訪れると、職員2人が中から出てきて「入れません」「休館中です」と繰り返す。


■「北陸電力から情報が出てこない」

能登半島の住民や取材者の間では「北陸電力から情報が出てこない」とよく言われる。ホームページで資料を出してはいるが、東京電力のように記者会見のYouTube公開もない。志賀原発の海水の取水口が耐えられる隆起は20センチ+αとされているが、これも記者会見で質問を浴びた北陸電力が答えたことだ。広く一般には公開していない情報であり、会見に参加した記者たちが報道しない限り、住民も国民も知らされない

志賀原発の周辺も回った。

志賀町富来地区は震度7を記録し、甚大な被害が出た。瓦屋根が地面に接地している家、ブルーシートで入り口が覆われている家……壊滅的な風景が続く。乗用車が屋根に押しつぶされている家もあった。

原発事故が発生したら原発からおおむね5~30キロ圏内の住民は屋内退避するように、との方針を政府は示しているが、志賀町の状況を見ると、「屋内退避の非現実性が実感できる。

     (志賀原発から北に9キロの富来地区。
      屋根が崩れた家が目立った)

志賀町の避難所にいた高齢夫婦に話を聞くと、夫(86)は1988年着工の志賀原発で建設作業に従事していたという。能登半島地震の後でも原発は安全だと言い切る夫。その隣で妻(77)は「地震で揺れるたびに原発が心配です」と首を横に振る。

志賀町議の堂下健一さん(69)は、志賀原発から20キロの地点に自宅がある。地震の後は、周辺の県道51号線が土砂崩れとなり、孤立してしまった。自身を含めた住民は運よく土砂崩れの前に避難できたが、自宅にはその後、近づくことができない。

この県道は、石川県の防災計画で能登半島の北部に避難する「基本的な避難ルート」の1つとされているが、2月18日現在も通れないままだ。

堂下さんは言う。

「これで原発は、地震に対応できないことがはっきりしました。それが一番心配です」


■町人口は1万8000人、防護施設の定員は2500人

放射能を防ぐ防護施設も足りない。志賀町によると、町人口の1万8000人に対し、防護施設の定員は2500人しかない。原子力規制庁や政府、県の原子力災害時の現地対応拠点となる「オフサイトセンター」には今回の地震で1月1~2日の2日間に町民130人が避難に駆け込み、職員が対応する事態になった。避難施設ではないが、放射線防護機能があるためだ。県によると、2日夕方に避難所に移ってもらったという。

志賀町長の稲岡健太郎氏は「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。施設を何倍も増設する必要がある」とし、志賀原発については「以前のように安全性をアピールすることは難しい」と語っている(東京新聞・2月4日朝刊)。

もっとも、被災地から遠く離れてしまうと、原発への懸念は消えたのか、再稼働による「原発回帰」の声が強くなる。

1月30日には関西経済連合会と、原子力発電所が立地する福井県の4市町(敦賀市、美浜町、高浜町、おおい町)の意見交換会が大阪市内で開かれ、エネルギー安全保障や経済を支える観点から国に原子力政策の推進を求めていくことで見解が一致した。

関経連の金花芳則副会長(川崎重工業会長)は「原発稼働を継続する重要性を再確認した」と発言し、美浜町の金花芳則町長は「今年策定される国の次期エネルギー基本計画に原発推進を明確に位置付けてほしい」と求めている。

翌31日には北陸電力の松田光司社長が「(能登半島地震でトラブルが相次いだ志賀原発は)安全上問題はなかった」「原子力は電力の安定供給や二酸化炭素排出の面から素晴らしい電源には間違いない。重要性は変わらない」と記者会見で語っている。

珠洲市や原発立地自治体の人たちは2月2日、原子力規制委員会に「能登半島地震の知見がまとまるまで、(各地の原発再稼働に関する)審査を凍結してほしい」と要望書を出したが、規制委の山中伸介委員長は2月7日の記者会見でそのような考えはないと拒んだ

     (原子力規制委の山中委員長=2月14日)

先述したように、国の原子力災害対策指針は、原発から5~30キロ圏内は「住民等が比較的容易に採ることができる対策」として屋内退避を掲げている。家屋や公共施設などの建物内にとどまれ、という意味だ。

しかし、今回の能登半島地震では屋内退避ができない場合が存在することが明らかになった。実際、規制委の山中委員長も地震後の会見で、「屋内退避ができないような状況が発生したのは事実だ。その点の知見をきちんと整理したうえで、もし、災害対策指針を見直す必要があれば、見直していきたい」と述べていた。


■発言から1カ月後に態度を一変

ところが、その発言からおよそ1カ月後の2月14日になると、山中委員長は「避難もできない、屋内退避もできないということは今回の検討の中では考えない」と発言。態度を一変させた。

家屋の倒壊が相次ぎ屋内退避もできない、道路が至るところで壊れて避難もできない。そんな状況が現実に起きたのに、規制委のトップが対応を考えない」というのだ。規制委が考えずして、いったい誰が被曝防護を考えるのか

東日本大震災に伴う福島第一原発の事故では、避難区域から餓死状態で見つかった人たちがいた。その教訓から学ばず、能登半島地震の教訓からも学ばないのであれば、また同じことが起きるかもしれない

国内では現在、12基の原発が再稼働しているが、さらに中国電力の島根原発2号機、東北電力の女川原発2号機が今年、8〜9月の再稼働に向けて手続きが進行中だ住民の命に直結する課題を棚上げにしたままで、日本は「原発を最大限活用する」(岸田政権)道を走り続けている


あおき みき / Miki Aoki
札幌市出身。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙に勤務。東日本大震災の発生当初から被災地で現場取材を続けている。「警察裏金問題」、原発事故を検証する企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道でそれぞれ取材班で新聞協会賞を受賞した。著書「地図から消される街」(講談社現代新書)で貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞など受賞。近著に「いないことにされる私たち」(朝日新聞出版)
=====================================================

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html

<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう
公開日時 2024年03月11日 05:00

 東日本大震災から今日で13年となった。地震の規模を示すマグニチュードは日本の観測史上最大の9.0を記録し、死者1万5900人、行方不明者2520人、震災関連死は3802人に上った。


 東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る。福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ

 今年元日には能登半島地震が起き、防災や減災に関する課題が多く浮き彫りになった。原発事故や津波などによって甚大な被害をもたらした東日本大震災の教訓を風化させてはならない。再確認し、将来に引き継いでいきたい。

 東日本大震災が残した大きな教訓の一つが原発に頼らないエネルギー政策、すなわち脱原発である。政府は震災後、「原発に依存しない社会」を掲げ、30年代に原発ゼロを目指すと宣言した。しかし現在、政府は原発利用を推進している震災の教訓を忘れたのだろうか。当初目標に立ち返るべきだ。

 日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ。

 今も課題は山積している。使用済み核燃料、いわゆる「核のごみ」の最終処分地再処理工場の完成は不透明だ。建設中を含む国内19原発の30キロ圏にある自治体のうち18道府県計109市町村で、地震など災害時の緊急輸送道路が土砂崩れなどにより寸断される恐れがあることが共同通信社の分析で判明した。避難に不可欠な道路整備への十分な財政措置が求められる。東日本大震災の教訓を伝える語り部が、担い手の高齢化や資金難で継続が難しくなっている。

 能登半島地震では、電気や水道といったライフラインの耐震性の強化や、マンパワーや宿泊場所の確保などの課題が顕著だ。東日本大震災の課題と合わせ、行政と民間が一体となって課題の解決に取り組まねばならない。

 一方、沖縄では、最大クラスの津波発生時に被害が想定される「津波災害警戒区域」に、高齢者や障がい者ら「要配慮者」が使用する施設が少なくても628カ所ある一方、避難確保計画の作成は83カ所にとどまることが琉球新報の調べで分かっている。避難所に女性専用避難室などを設けている自治体は3市町村しかないことも判明した。要配慮者や女性の立場に立った避難計画が必要だ。

 私たち一人一人は、沖縄が強い地震や大きな津波に襲われた場合を想定し、普段から備えたい。避難方法の確認をはじめ、水や食料、燃料の備蓄、通信手段の確保などを実行することが肝要だ。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることにより冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》

2024年03月22日 00時00分05秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年03月10日[日])
3.11の教訓は活かされず、能登半島地震の「警告」を無視してさらなる暴走を続けるキシダメ政権。本年1月1日の能登半島地震で道路は寸断され、海岸では隆起が起き、さらには、多くのモニタリングポストも機能しなかった。避難計画など絵に描いた餅だったことを目の当たりにした。(小出裕章さん)《今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない》。福島第一核発電所周辺では、未だに全く《原状回復》はされていない。汚染水放流が廃炉に向けての一歩のごとく嘯き、1グラムのデブリも取り出せないし、どこに数十トンものデブリが残されているのか見当もつかない。にもかかわらず、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》。《日本では現在、10基の原発が動いている。また、基準審査や定期検査などで停止中の原発が23基ある。その他、24基は既に廃炉が決まっており、3基が新たに建設中だ》…正気なのだろうか。そんなデタラメを行う自公お維コミにどうしてて投票できるのですか? 理解不能。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【能登半島地震であらためて露見した日本で原発を続けることの本当のリスク/セーブアース セーブアース (第17回)】(https://www.videonews.com/saveearth/17)。《1月1日の能登半島地震では、能登半島の付け根に位置する志賀原発が、変圧器が壊れて一部の外部電源が喪失したり、燃料プールから水が漏れるなど、相次ぐトラブルに見舞われた。能登半島地震はあらためて、地震大国である日本で本当に安全に原発の運用ができるのかという問いをわれわれに突き付けている。第17回のセーブアースでは、原子力資料情報室事務局長の松久保肇氏をゲストに、地震大国日本が原発を続けることのリスクと、それがやめられない理由などについて考えた》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》

=====================================================
https://www.videonews.com/saveearth/17


【松久保肇×井田徹治:能登半島地震であらためて露見した日本で原発を続けることの本当のリスク】
 (https://youtu.be/_xxXLqvX2II)


2024年02月14日公開
能登半島地震であらためて露見した日本で原発を続けることの本当のリスク
セーブアース セーブアース (第17回)

ゲスト
松久保肇(まつくぼ はじめ)
原子力資料情報室事務局長
1979年兵庫県生まれ。2003年国際基督教大学卒業。16年法政大学大学院公共政策研究科修士課程修了。東京金融取引所勤務を経て12年より原子力資料情報室研究員。17年より現職。22年より経済産業省・原子力小委員会委員。共著に『検証 福島第一原発事故』、『原発災害・避難年表』など。


概要

 1月1日の能登半島地震では、能登半島の付け根に位置する志賀原発が、変圧器が壊れて一部の外部電源が喪失したり、燃料プールから水が漏れるなど、相次ぐトラブルに見舞われた。能登半島地震はあらためて、地震大国である日本で本当に安全に原発の運用ができるのかという問いをわれわれに突き付けている。第17回のセーブアースでは、原子力資料情報室事務局長の松久保肇氏をゲストに、地震大国日本が原発を続けることのリスクと、それがやめられない理由などについて考えた。

 北陸電力は、能登半島北部沿岸で96kmの断層が動く地震を想定していたが、実際は150kmにわたって断層が動いた。今回は幸い志賀原発の敷地内では地層の隆起は起きなかったが、すぐ近くで地盤が4m隆起している。もし敷地内でそれほどの隆起があれば、取水口が海面から離れることにより冷却水が取れなくなる恐れもあったし、そもそも原発の建屋が損傷する恐れもあった。

 また、能登半島地震は、震災と原発事故が同時に起こったとき、周辺住民が本当に安全に避難できるのかという古くて新しい問題をわれわれに突き付けた。今回のように道路が寸断して孤立集落がたくさん発生しているような状況下で原発事故が起きた場合、どうやって住民を避難させるのか。さらに志賀原発のように半島の付け根にある原発で事故が起これば、半島の奥側にいる人たちは逃げ場がなくなる。船を前提にした避難計画もあるが、地盤が隆起して港が使えなくなる場合があることも、今回の経験で分かった。

 日本では現在、10基の原発が動いている。また、基準審査や定期検査などで停止中の原発が23基ある。その他、24基は既に廃炉が決まっており、3基が新たに建設中だ。志賀原発は2011年の東日本大震災と福島第一原発の事故以来、運転が止まっているが、もし運転中であれば、より大きな事故につながっていた可能性もある。また、今回地震と津波の影響を大きく受けた珠洲市には1970年代より、北陸電力、中部電力、関西電力の3社による珠洲原発の建設が計画されていたが、地元の反対運動により凍結されていた。もし当初の計画通り珠洲に原発が設置されていれば、取り返しのつかない事態になっていたかもしれない。

 そのような状況にもかかわらず、北陸電力は志賀原発の再稼働を目指している。なぜならば、その間北陸電力は東日本大震災から1度も稼働していない志賀原発に維持費や人件費として6,100億円をつぎ込んでいるからだと松久保氏は言う。いつ動くか分からない原発に資金の投入を続けていれば、他のエネルギーに投資することも難しい。志賀原発に限らず、日本は原発をやめることを前提に、再生可能エネルギーに投資する方向に舵を切るべきではないかと松久保氏は言う。

 岸田政権は2022年12月、安倍政権さえできなかった原発の運転期間の延長を成し遂げている。原子炉等基本法では運転期間は40年、特別な点検をすればプラス20年とされていたが、岸田政権は、運転停止している期間をカウントしないことで実質的に60年を超える稼働を可能にした

 さらに岸田首相は肝いりのGX実行会議次世代革新炉の開発・建設を命じた。政府はGX債という2050年温暖化ガス0実現のための国債を10年間で20兆円発行し、そのうち1兆円を次世代革新炉の開発・建設にあてるとしている。しかし高速炉の実証実験がうまくいったとしても、高速炉は建設費が高いだけではなく燃料費も高いので、実用化することは経済的に難しく、それだけのお金を投じることの意味は見いだせない。国が丸抱えで支援するしかなくなっており、松久保氏はこれは沈みゆく原子力産業の救済措置に過ぎないと言う。

 福島第一原発の事故処理費用は23.4兆円と言われるが、これはデブリを取り出すまでのコストに過ぎない。さらに取り出した後の核廃棄物を処理するために膨大な費用がかかることが予想され、それは優に20兆円はかかると松久保氏は言う。一つの原発の事故処理に国家予算の半分近く、国の年間GDPの1割近くを費やすことになるのだ。再び事故が起これば、また同じだけの負担を負うことになるが、そのリスクを国民に負わせて運転を続けるつもりなのだろうか。

 原発政策を議論する経産省の原子力小委員会では、原発に反対する意見を述べる人は松久保氏を含め2人しかいない中、委員会は2時間の枠で、経産省の人が30分ほど説明して21人の委員が3分ずつコメントするだけで、議論も何もないと松久保氏は言う。そのようなことをやっていては、原発政策を巡る本質的な議論などできるはずもない。明らかに行き詰まった日本の原発をどうするかを考えるためには、国民的な議論が不可欠だ。

 日本は世界でも類を見ない4つのプレートが重なり合った文字通りの地震大国だ。そんな日本がそれでも原発をやめられない最大の理由は、電力会社がすでに投資をした資金を回収せざるを得ないからに他ならないと松久保氏は言う。そのために国民がどれだけ大きなリスクを背負わされているのかを、われわれは厳しく認識する必要があるだろう。

 能登半島地震が示した日本で原発を続けることの危険性などについて、原子力資料情報室事務局長の松久保肇氏と環境ジャーナリストの井田徹治が議論した。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》

2024年03月21日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年03月04日[月])
能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源はアノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。

 石川県志賀町の稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのことだが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と。(東京新聞)《昨年末、前町長が逮捕された贈収賄事件に伴う町長選で初当選。その約1週間後、未曽有の震災が起きた。町長選では「化石燃料に頼り、電気代も高騰している現状では、すぐにでも原発を再稼働すべきだと主張したが、一転、慎重な姿勢に態度を変えた》そうだ。当時30代半ばだった町長も含めて、3.11東京電力福島第一核発電所人災で、皆そう思ったはずなのに、あの教訓は一体どこにいってしまったのか? 今回の「警告」をまたしても無視すれば、果たして再びの「幸運」に恵まれて、日本全土が高濃度の核汚染から免れることなどあり得るだろうか…。志賀原発直下の (活) 断層が、震度7の地震と連動してスライド・隆起しなかったことが、どれほどの「幸運」だったのかを理解できないのだろうか。(小出裕章さん)《今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない》。(古賀茂明さん)《ほぼ全ての計画が全くいい加減な「なんちゃって避難計画」》についても重要だが、全ての核発電所の廃炉に直ぐに着手すべきだ。
 3.11の時も、そう思ったのだけれども、核発電〝麻薬〟中毒者・《原発ゾンビ》らはそうでないらしい。一体何をやっているんだろうか、この国は…。キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
 北陸電力によると《想定内》だそうだ…《北陸電力は…「同時に全外部電源が失われても『止める』『冷やす』『(放射性物質を)閉じ込める』の安全機能を満足できる設計になっていると強調する。珠洲沖の活断層が150キロにわたり連動したことについては、「これらの断層を活断層と評価し、さらに複数の断層の連動も評価している。その規模はマグニチュード(M)8・1クラスの地震を想定しており、今回のM7・6想定範囲内の規模」》(中日新聞)。《能登半島地震による志賀原発の一部電源喪失》についても、《想定》してたんだよね?

 伊東浩一記者による、中日新聞の記事【もし志賀原発が稼働中だったら… 元京都大助教・小出裕章さんの警告】(https://www.chunichi.co.jp/article/845486)。《-能登半島地震の発生時、志賀原発が稼働中だったら、どんな被害が出た可能性があるか。  志賀原発が10年にもわたり停止していたことが何より幸いだった。原発の使用済み燃料は発熱しているが、10年たつと発熱量は運転停止直後に比べ、千分の1以下に低下する。今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

=====================================================
https://www.chunichi.co.jp/article/845486

もし志賀原発が稼働中だったら… 元京都大助教・小出裕章さんの警告
2024年1月30日 05時10分 (1月30日 05時10分更新)

 最大震度7を観測した能登半島地震の発生から間もなく1カ月を迎える。北陸電力志賀原発(石川県志賀町、停止中)は、外部電源や非常用電源が一部使えなくなり、放射線監視装置モニタリングポスト)の一部も測定不能になるなどのトラブルが次々に明らかになった。北電側は安全上の問題はないと繰り返しているが、原子力安全が専門の元京大原子炉実験所助教・小出裕章氏は「10年以上運転停止していたことが幸いした」と安全性に疑問を投げかける。稼働中だった場合、今回の地震で志賀原発にどんな危険が想定されたのかを語ってもらった。

     (「志賀原発が運転停止中だったことが幸いだった
      と語る小出裕章さん=長野県松本市で)

 能登半島地震による志賀原発の一部電源喪失 1日に石川県志賀町で震度7、1号機地下で震度5強を観測。変圧器が故障して油が漏れ、外部電源5回線のうち2回線が使用不能になった。16日の余震後には1号機の非常用発電機3台のうち1台が試運転中に自動停止した。


 -能登半島地震の発生時、志賀原発が稼働中だったら、どんな被害が出た可能性があるか。

 志賀原発が10年にもわたり停止していたことが何より幸いだった。原発の使用済み燃料は発熱しているが、10年たつと発熱量は運転停止直後に比べ、千分の1以下に低下する。今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない


 -具体的にどのようなプロセスでそうなるのか。

 出力100万キロワットの原発の場合、原子炉の中では、ウランが核分裂して3倍の300万キロワット分の発熱をしている。大地震の際は制御棒を入れて核分裂反応を止めるが、実は300万キロワットのうちの21万キロワット分の発熱は、ウランの核分裂で出ているわけではない。それまでに生成された「核分裂生成物」が原子炉の中に膨大にたまっており、「崩壊熱」を出している。

 制御棒でウランの核分裂反応を止めても、21万キロワット分の崩壊熱は止められない。膨大な発熱だ。福島でも核分裂反応は止まったが、崩壊熱を止めることができないまま、電源が何もなくなり、冷やせないために炉心が溶けて、(放射性物質が)大量に出てしまった


 -停止中の原発ではどうなるのか。

 核分裂生成物は約200種類の放射性物質の集合体で、寿命の長い物質もあれば、半減するまでに8日と寿命が短い物質もある。10年もたつと、発熱する放射性核種がほとんど残っていない。21万キロワット分の崩壊熱が千分の1になると210キロワット。1キロワットの電熱器200個分ぐらいを冷やせればいいことになる。仮に全電源が喪失して冷却できなくなっても、巨大な使用済み核燃料プールにつかっているわけだから、水が干上がって使用済み燃料が溶けるような事態にはならない


 -今回、変圧器が破損した。北陸電力の耐震設計は甘かったのか。

 もちろん甘かったと指摘できる。運転中の原発で変圧器がだめでした、ということになれば、それこそ事故に直結してしまう。


 -昨年3月、原子力規制委は北電の「敷地内に活断層はない」という主張を妥当と判断し、志賀原発2号機再稼働への道を開いた。だが、そもそも原発周辺のすべての断層を正確に把握し、耐震設計をすることはできるのか。

 どこに活断層があり、活動度がどれだけだ、ということが完璧に分かれば、地震が予知できる。しかし地震を予知できた試しはかつて一度もない。今回、活断層が150キロにわたって連動した可能性が指摘されている。こういうことが起きて「想定外」だったと言う。だが、重大な結果を招く原発に関して想定外なんて言い方はしてはいけない

 日本は国土面積が世界の0・25%しかない小さな国だが、世界の地震の1割から2割が起きているそんな場所に57基もの原発を建ててしまったことこそ誤りだったと知るべきだ

 今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっていてよかったということ100万キロワットの原発が1年間稼働すれば、広島原爆がつくった死の灰の千発分の核分裂生成物ができる運転中に地震に襲われるのとは全然違うことを皆さんに分かってほしい

 (聞き手・伊東浩一


 こいで・ひろあき 1949年、東京生まれ。74年、東北大大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。専門は放射線計測、原子力安全。2015年3月に京大を定年退官したのを機に長野県に移住した。


北陸電力は「想定内」

 北陸電力は、志賀原発の運転中に能登半島地震と同規模の地震が発生した場合について、「同時に全外部電源が失われても『止める』『冷やす』『(放射性物質を)閉じ込める』の安全機能を満足できる設計になっていると強調する。

 珠洲沖の活断層が150キロにわたり連動したことについては、「これらの断層を活断層と評価し、さらに複数の断層の連動も評価している。その規模はマグニチュード(M)8・1クラスの地震を想定しており、今回のM7・6想定範囲内の規模」と説明。震源断層については、「国や各種研究機関の報告を注視するとともに、必要に応じ今後の国の審査に適切に反映していく」としている。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

2024年03月12日 00時00分47秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240228[])
10年前、(2014年2月26日)《いま、東電で起きていること、原子力規制委員会の危うい動き》(鈴木耕さん、マガジン9)を思い出す。原子力〝推進〟委員会、原子力〝寄生〟委員会、昔から酷かったが、ここ数年、あまりに酷い。全く「規制」する気のない委員会。委員会そのものに核発電について「適格性がある」かどうかを判断する「適格性がある」のか?
 《能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」》《◆デスクメモ 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)》(東京新聞)。

   『●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)
   『●鈴木耕さん《一度、活断層だと判断したものを電力会社が独自調査で
     否定したら、それを受けて規制委が再調査するというのであれば…》

 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775)。《地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子)》。

 はぁ? 全く「規制」しない原子力「寄生」委は正気か??
 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448)。《東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子)》。

 3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
 東京新聞の記事【柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081)。《原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電再び原発の運転に向けた準備に入る。定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する》。

 そもそも東電に資格はあるのか? 未だ《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 柏崎刈羽? バッカじゃないのか!
 山田祐一郎西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911)。《犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃)》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775

「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明
2023年12月4日 06時00分

 地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子


 敦賀原発2号機の審査 2015年11月、日本原子力発電(原電)が原子力規制委員会に新規制基準への適合性審査を申請。20年に規制委側の指摘で地質データの書き換えが発覚した。活断層の可能性につながる記載を、否定につながる記載に無断で書き換えるなどした。修正後の資料でも、地層の観察場所を間違えた。審査は2度にわたり中断。原電が今年8月、修正した申請書を再提出し、9月に再開した。


◆建屋近くのK断層、活動時期は?

 審査の一つ目の焦点は、原子炉建屋近くにある「K断層」が活断層かどうか。新規制基準は、約12万~13万年前の後期更新世以降の活動を否定できない断層を、活断層と定義。活動時期がキーポイントになる。
 この点を議論した11月10日の規制委の会合で、原電が矛盾した説明を展開し、規制委事務局の担当者を困惑させた。
 原電は、K断層が活動した形跡のある地層の年代を「12万4000~14万2000年前」とした分析結果について、K断層の活動時期は後期更新世よりも古く、活断層ではないと主張した。

 だが数値の一部は後期更新世に含まれており、原電の説明はつじつまが合わない。規制委事務局が繰り返し矛盾を指摘しても「総合的に判断した」と不明確な回答に終始。規制委側が念押しのように「後期更新世に入っているという認識でいいのか」と問いただすと、原電の担当者は「(後期更新世に)かかるのはそうなる」と認めた。
 このやりとりを見れば、原電が活断層の可能性を認めた格好だ。


◆申請書に必要なデータがない?

 原電の審査は、再提出された申請書に必要な説明やデータが漏れなく盛り込まれたことを「前提」として、今年9月に再開した。
 ところが、この日の審査会合では、原電の要領を得ない説明が続いた。規制委事務局の質問に対し、原電は「あらためて整理する」「持ち帰り検討する」などと繰り返すばかり。質問の意味が理解できない原電の担当者が、沈黙する場面もあった
 いら立った規制委事務局の幹部が「これからデータを取る話なのか」と、審査再開の前提が守られているのかを確認しても、原電の剣田裕史副社長は「根拠となるデータを整理して再度示したい」としか答えられなかった。規制委と約束した前提はほぼ崩れている。
 K断層が活断層と判断された場合、審査はK断層が2号機直下にある別の断層につながるかどうかの議論に移る。K断層が活断層であり、なおかつ2号機直下の断層につながると判断されれば、「2号機直下に活断層あり」という結論になる。


◆2号機廃炉の可能性があるのに

 2号機直下の断層を巡っては、2012年に規制委の専門家チームが「活断層の可能性が否定できない」と指摘。新規制基準は活断層の上に原子炉など重要施設の設置を認めていない。原電が今回の審査で、活断層の可能性はないことを立証できなければ、2号機の廃炉は免れない
 再開した審査も、根拠が足りない説明で始まり、踏み込んだ議論に入れないまま。能力不足を露呈した原電に対し、規制委事務局の幹部は疲れた様子でこぼした。「質問と答えがかみ合わない。何が言いたいのか分からない


【関連記事】「これで十分と思っているのか」 再開された敦賀原発2号機の審査で規制委委員がデータ不足を指摘
【関連記事】不備だらけ申請を修正したら3倍超の1600ページに…どうなる?敦賀原発2号機の再稼働
【関連記事】敦賀原発2号機「審査中断」でどうする原電? 原子力規制委から「最後通告」
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448

柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間
2023年12月7日 06時00分

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子


 柏崎刈羽原発 新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地。東電福島第1原発と同じ沸騰水型という軽水炉が計7基あり、総出力は821万2000キロワットと世界最大規模。東電は新しく、出力が大きい6、7号機の再稼働を優先し、2013年に原子力規制委員会に新規制基準の審査を申請。17年に適合した。新基準に沿った事故対策では、工事の未完了や溶接の施工不良などの不備が続いた。

     (柏崎刈羽原発の検査について説明する原子力規制委員会の
      山中伸介委員長=6日、東京都港区で)


◆規制委で追及の場面なく、議論は1時間足らず

 「追加することはない」。6日の定例会合で、山中伸介委員長が検査結果が妥当かどうかを4人の委員に確かめると、いずれも同じ返事を繰り返した。山中委員長も事務局の報告をすんなりと受け入れた。
 委員らは、現地調査や東電社長への聴取をしないと最終的な判断はできないとの意見で一致したが、伴信彦委員が「明らかに改善が図られている」と発言するなど、東電の取り組みを前向きにとらえる見方が続いた。問題点を追及する場面はなく、1時間足らずで委員間の議論を終えた。
 テロ対策の検査は荒天時の監視体制や、IDカードの不正利用など不備再発防止の取り組みを一過性にしないなど、4項目が最後まで残った。報告書案は、これらすべてについて「自らミスを見つけて改善できる仕組みが定着しつつある」とした。


◆検査中もあったテロ対策の違反

 「しつつある」という改善の途中段階と受け取れる表現は、検査官19人全員の一致した認識という。山中委員長は記者会見で「規制当局が介入して改善を促す状況は脱した」と繰り返した。東電内で自律的な改善を担う社長直轄の部署は発足から半年余りと日が浅く、事務局は取り組みの定着までは確認していない。
 テロ対策の違反は検査中もなくならなかった。東電が4項目の是正完了を規制委に報告した後の11月にも、薬物検査で陽性反応が出た社員を誤って防護区域に入れていたことが発覚。しかし規制委は「軽微な事案と取り合わなかった。「ミスが起きても、自ら見つけて改善できれば良い」と事務局担当者。山中委員長も「報告書に影響はしなかった」と強調した。
 命令解除の判断材料となる適格性の再確認は、うわべだけの確認作業で引き続き「あり」と判断した。
 6年前に適格性が「ある」と判断した際に規制委が確認した7項目には、福島第1原発の廃炉への責任も含まれる。


◆「正確な情報発信」は適格性と関係ない?

 ところが今回は「正確な情報発信を通じて関係者の理解を得ながら廃炉に取り組む」という部分が「規制に直接関係しない」との理由で確認の対象外に。漁業関係者らの反対を押し切って始めた処理水の海洋放出目標が達成された」とする項目に入った。

     (テロ対策についての検査報告書案などを議論した
      原子力規制委員会=6日、東京都港区で)

 10月に浄化処理設備で起きた作業員の被ばく事故は「現在検査中としただけで考慮されなかった。始まる見通しのない原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しをはじめ難航する作業ばかりだが、確認結果は「廃炉は総じて進捗(しんちょく)している」とした。
 事務局が報告までにかけた期間は8月から約3カ月。主に書類で確かめる作業だった。内容の確認や聞き取りのため職員が現地や本社に出向いたのは計10日間。山中委員長は「時間的に不十分だとは思っていない」と言い切った。


【関連記事】柏崎刈羽原発「問題ない」規制委が今年中にも運転禁止命令解除へ 東電の再発防止策を評価
【関連記事】「飛散しない」自己判断でカッパ着ず、廃液が飛散して被ばく
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081

柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会
2023年12月27日 11時10分

 原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電が再び原発の運転に向けた準備に入る
 定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する。


◆命令の後も続いた違反

 柏崎刈羽原発では、2021年1月以降、東電社員によるIDカードの不正利用や、侵入検知装置が多数壊れた上に代わりの対策も不十分なまま放置したテロ対策の不備が相次いで発覚。規制委はこの年の4月に核燃料の移動禁止を命じ、東電の再発防止策に対する検査を続けてきた。

     (東京電力柏崎刈羽原発の6号機、7号機(右から))

 しかし、規制委の検査中も東電のテロ対策不備は相次いだ。2022年6月には監視用の照明設備が非常用電源に接続されていなかったことが発覚。これを是正したものの、翌年の2023年6月に別の照明設備に電源が接続されていないことが発覚した。

 ほかにも、手荷物検査が不十分で未許可の携帯電話やスマートフォンが持ち込まれた違反が、2023年1月以降で少なくとも3回起きた。今から2カ月まえの2023年10月には、薬物検査で陽性反応が出た社員を防護が必要な区域に一時入域させるなど、違反は後を絶たない。


◆規制委は「影響は軽微」と判断

 規制委はこれらの違反について、いずれも「影響は軽微」として再発防止策の検査には影響しないと判断。今月(2023年12月)6日の定例会合で、すべての再発防止策は妥当とする事務局の検査報告を大筋で了承した。
 また、柏崎刈羽原発の新規制基準適合性審査では、東電が2013年に6、7号機の審査を規制委に申請。規制委は東電が福島第1原発事故の当事者であることを考慮し、東電に原発を運転する適格性があるかも確かめた。2017年9月に「適格性がある」と判断し、その上で同年12月に事故対策が新規制基準に適合するとの審査書を決定した。
 今回の命令解除の手続きでは、規制委は今月(2023年12月)20日、東京電力の小早川智明社長を呼び、テロ対策の再発防止策と原発を運転する資格(適格性)があるかどうかを判断するために説明を聴いた。この日の委員5人による話し合いでは、小早川社長の説明に大きな問題はない、との意見で一致していた。
 今後、東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働するには新潟県などの立地自治体の同意が必要となる。花角英世知事は同意の是非を巡って「県民の信を問う」と述べている。


【関連記事】20日の聴取 小早川智明・東京電力社長が答えあぐねたシンプルな質問
【関連記事】自民県議も「東京電力には原発を運転してほしくない」…新潟が裏切られ続けた2年半
【関連記事】「下請け任せ」は企業文化なのか…作業のリスクを軽視し続ける東京電力の姿勢
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911

こちら特報部
「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声
2024年1月11日 12時00分

 犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃


◆震源地から百数十km離れてても震度5強の揺れ

 10日午前、「こちら特報部」は雪がちらつく刈羽村に入った。前日夕には、佐渡付近を震源とするM6.0の地震があったばかり。村では震度3を観測した。
 JR刈羽駅から南に1キロ離れた村役場に徒歩で向かう。道路には真新しいひび割れが無数に見られた。役場近くの国道116号は片側3車線から歩道までひびが斜めに伸び、中央分離帯部分が盛り上がっていた

     (国道に広がる路面のひび=新潟県刈羽村で)

 「元日の地震でできたひびですね」。説明してくれたのは歩道橋工事の交通誘導員をしていた男性。1日の能登半島地震では、震源地から東に百数十キロ離れた刈羽村は震度5強の揺れに襲われた。ひびは既に応急処置されたというが「交差点の脇に立っていると、大型車両が通るたびに歩道が揺れる」と男性は話す。


◆もし原発で事故が起きたら、避難できる?

 「海岸部を中心に液状化の被害が多数報告されている」。村議の武本和幸さん(74)は、数日前に村内で撮影した写真を見せながら説明する。「昨年、整備したばかりの村道も地盤が液状化してアスファルトの路面がひび割れている」
 1日は外出先から帰宅したところに地震が起きた。「2007年の中越沖地震を思い起こさせる揺れ。原発は大丈夫なのかというのが最初に脳裏によぎった」。中越沖地震はM6.8で、最大震度6強。柏崎刈羽原発の屋外変圧器で火災が起き、微量の放射性物質を含む水が海に流出した。

     (村内の被害について説明する武本和幸さん=新潟県刈羽村で)

 今回は燃料プールの水があふれたが、大きな異常は確認されていない。それでも武本さんが問題視するのは、大地震により柏崎刈羽原発で事故が起きた際の対応、特に避難のあり方だ。懸念を強めるのは1日の経験から。地震直後、国道や高速道路は通行止めとなった。「避難しようとした住民が渋滞に巻き込まれたという話が多く寄せられた」


◆道路は見渡す限り車、高台への避難を断念

 原発の南西約3キロに住む無職宮崎孝司さん(79)は1日に避難を試みた一人。「防災無線で津波警報が出たことを知り、家族3人で車で高台へ避難しようとしたが、道路は見渡す限り車で埋まっていた。Uターンして当初とは別の場所に避難した」と振り返る。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 付近の国道では2022年12月に記録的な大雪で多くの車が立ち往生した。大雪の際に原子力災害が発生した場合、政府は原発の5キロ圏について「避難経路の除雪が完了するまで屋内退避を継続」との方針案を示している。宮崎さんは「津波も起き、避難が必要な場合はどうすればいいのか」と危惧し、避難するにしても「道路は地震で寸断され、雪で立ち往生する複合災害もあり得る」と訴える。


◆想定外の揺れ、海底隆起…もし原発が稼働中だったら?

 刈羽村と同様、柏崎刈羽原発が立地する柏崎市在住で医師の本間保さん(73)は「能登半島の北陸電力志賀原発も柏崎刈羽原発も運転停止中のため、これだけの被害で済んだのでは」とみる。「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」共同代表でもある本間さんは「原発を動かすのは無理だともう一度、声を上げる時期に来ている」と続ける。

     (地震で海底が隆起したとみられる石川県輪島市
      門前町の深見漁港周辺=本社ヘリ「あさづる」から)

 今回の地震では、能登半島の海底が隆起し、従来は海だった場所が陸になったことが確認された。先の武本さんは柏崎刈羽原発周辺でこうした地盤の隆起が生じることを危ぶむ。「外部から冷却水を取ることが困難になる可能性もある
 さらに「中越沖地震では想定外の揺れが、東日本大震災では津波が問題となった。今回、原発周辺の地盤が変動するリスクも明らかになった。再稼働の議論の前にリスクについて改めて評価すべきだ」と訴える。


◆日本海側でも巨大地震が起きると実証

 日本で大地震といえば太平洋側を思い浮かべがちだが、過去には日本海側でも起きた。ともに津波で多数の死者が出た1983年の日本海中部地震(M7.7)、93年の北海道南西沖地震(M7.8)などがある。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 政府の地震調査研究推進本部は、日本海側の一部の海域活断層について、地震発生の確率の評価を公表してきたが、能登半島沖を含む大部分は未公表だ。金沢大の平松良浩教授(地震学)は「太平洋側に比べ、日本海側の評価は後回しになっている」と説明する。
 再来周期が数十年〜数百年のプレート境界型地震を想定する太平洋側に比べ、日本海側で起きる活断層型地震の再来周期は数千年〜数万年程度とされる。「予算や人員が限られる中、活動性の違いから日本海側は二の次にされている」
 そう語る平松さんは「個々の再来周期は長くても、多数の活断層があるため、平均的に考えればどこかしらで地震は起きてしまう。津波を伴う大地震もあり、日本海側でも調査を進めるべきだ」と指摘する。


◆原発設計時の想定上回る揺れも

 地震の被害は丁寧な検証が不可欠だ。想定を上回る場合があるからだ。能登半島地震では、石川県地域防災計画で想定されたM7.0を超えた。先に触れた中越沖地震では、柏崎刈羽原発の設計時に想定した最大の揺れを上回ったほか、建屋地下にある鉄筋コンクリート製のくいの損傷が、地震発生から14年を経て発覚する事態も起きた。

     (新潟県の東京電力柏崎刈羽原発=2021年4月撮影)

 そんな不安があっても政府は原発再稼働に躍起になる。柏崎刈羽原発も例に漏れず、2017年末に6号機、7号機が原子力規制委員会の適合性審査を通り、テロ対策の不備で21年に出された事実上の運転禁止命令も23年末に解除された
 再稼働の判断に関わる新潟県が安全面の砦(とりで)になるはずだが、厳しい視線を向ける研究者が近年、「排除」を思わせる扱いを受けた
 11年の東電福島第1原発事故を受け、県は柏崎刈羽原発の再稼働判断のため、三つの検証委で議論を深めたが、技術面を扱う委員会に名を連ねた新潟大の立石雅昭名誉教授は21年、高齢を理由に再任が見送られた。三つの検証を総括する委員会のトップ、名古屋大の池内了名誉教授も23年、任期が更新されなかった


◆「今回の地震を機に議論深めるべき」

 厳しい検証が遠のく中、改めて浮かび上がったのが日本海側の巨大地震リスクだ。地質学者の立石さんは「県は再稼働に前のめりにならず、従来の考え方を改める必要がある」と語る。
 能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」


◆デスクメモ

 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)


【関連記事】海底が隆起? 防波堤の外まで陸になり、海ははるか先に… 能登半島地震で一帯の漁港に異変
【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…

2024年03月11日 00時00分32秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月27日[火])
処理水という名の、廃炉作業に全く関係のない汚染水の海洋投棄を強行し、さらには、なにやらアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働したいという東京電力や自公お維コミ、原子力「寄生」委員会委員ら…3.11の教訓は忘れ去られ、能登半島地震の「警告」を無視。キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この13年間、着々と《原発復権》してきた。ホントに正気なのかね? さらには、《1号機の土台損傷》(ペデスタル)〝耐震性〟問題も顕在化した。《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなキシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」「不明」党。

   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン
   『●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な
     判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」
   『●耐震性? 《原子炉圧力容器を支える土台…鉄筋コンクリート…全周に
     わたって損傷し、内部の鉄筋が露出していた。東電は耐震性を評価》?
   『●《「支持機能は維持されている」…小野明・最高責任者はそう強調…圧力
     容器を支えるのに問題はないという意味だ》…次も幸運に恵まれるの?
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
       と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●原発マネーに群がる核発電「麻薬」中毒者の意地汚さ…《辛うじて難を逃れ
     たにすぎ》ない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
     振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 3.11東京電力核発電人災から13年目、デタラメな汚染水投棄をまだ続ける東京電力。この先何十年も…。年間何万トンもの汚染水を…。《3月16日の終了を予定》…3.11など全くお構いなしに。さっさと《原状回復》して見せてくれ、東京電力。無責任極まる、こんなゾンビ企業・東京電力を生き永らえさせてしまったことも大問題だ。
 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563)、《東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している》。

   『●お見舞い申し上げます…
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。政府が
       復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
     もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/311563

福島第1原発、28日に4回目の処理水海洋放出を開始 東日本大震災から13年迎える3月中旬まで
2024年2月26日 19時39分

 東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水について、28日に4回目の海洋放出を始めると発表した。3月16日の終了を予定している。

     (福島第1原発)

 東電によると、17日間で7800トンを放出する。処理水の放射能濃度測定では、多核種除去設備(ALPS)で取り除けない放射性物質トリチウムの濃度が1リットル当たり17万ベクレル。トリチウム以外で測定対象の29種類は放出基準未満だった。

 放出の際は処理水に大量の海水を混ぜ、トリチウム濃度を国の排水基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満にした上で、沖合約1キロの海底から流す。

 処理水の放出は昨年8月24日に始まった。23年度は4回で計約3万1200トンを放出し、24年度は7回で計約5万4600トンを放出する計画。(小野沢健太


【関連記事】福島第1原発で汚染水トラブル連発、経済産業相が東京電力を指導 「覚悟が見えない」地元もバッサリ
【関連記事】福島第1原発、3回目の処理水海洋放出を始める 被ばく事故から8日、東京電力はまだ詳しい説明できず
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原発マネーに群がる核発電「麻薬」中毒者の意地汚さ…《辛うじて難を逃れたにすぎ》ない、《辛うじて事なきを得たにすぎない》女川原発を再稼働

2024年03月09日 00時00分14秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月24日[土])
辛うじて難を逃れたにすぎません》《辛うじて事なきを得たにすぎない》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…。先の能登半島地震の「警告」も無視。核発電「麻薬」中毒者の皆さん、いい加減にしてくれ。

―――――――――――――――――――――――――――
●女川核発電所2号機を再稼働したい…《辛うじて難を逃れたにすぎません》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…2020年12月08日 00時00分15秒

 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》! これは、震災被害、津波被害に対することだけへの《願い》なのですか? 核発電原発人災にこそ、向けられているのではないのですか。《辛うじて難を逃れたにすぎません》《辛うじて事なきを得たにすぎない》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ。そんなに、故郷を奪われたい、古里を失いたいものかね? 《女川原発2号機の再稼働に「反対という回答が61・5%に上っている。女川町石巻市を合わせた立地自治体でも、60・8%と過半数を占めている》そうだ。〝地元〟が望みもしないのに、一体誰のために核発電を再稼働するのですか? 《原発マネー》に代表される〝意地汚さ〟の中に県知事も居るのか?
―――――――――――――――――――――――――――

 キシダメ政権や「利権」「裏金」「脱税」党ときたら、《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の教訓、「警告」はどこに?
 東京新聞の記事【女川原発2号機、9月再稼働想定 東北電、安全対策工事に遅れ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310204)。《東北電力は19日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機について、9月ごろの再稼働を想定していると発表した。これまで2月を予定していた安全対策工事の完了は6月を目指すとしている。再稼働すれば、東日本大震災の被災地で初めてとなる。東北電は昨年9月、安全対策工事の完了時期を見直し、それまで今年2月としていた再稼働を5月ごろに延期すると発表。工事が遅れる見通しとなったため、今年1月、さらに数カ月程度延期すると発表していた。女川原発は2011年の東日本大震災で被災し、定期検査中だった2号機を含め全3基が停止。2号機の原子炉建屋地下が浸水した》。

   『●女川核発電所2号機を再稼働したい…《辛うじて難を逃れたにすぎ
     ません》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
        超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
    《規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。
     大飯だけでなく、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)
     や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格
     した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く

   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
        稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走
    《第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。
     昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に
     宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けて
     いる福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だ
     そのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する
     原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない

   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
      将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
    (狙撃兵)《さらに、炉心溶融によって発生したデブリの回収に
     いたってはメドもないというなかで、今後とも果てしもない年月を
     かけて向き合わなければならないのが廃炉作業であり、過程で
     地震・津波といった自然災害にも見舞われかねないのが現実である
     その度に、福島第一原発は大丈夫か? 女川原発は大丈夫か? 
     を心配し、全国津々浦々にある原発についても同様に大丈夫か?
     を私たちは心配しなければならないのだ。地震列島火山列島
     である以上、それは逃れられない宿命ではあるが、今さらながら
     54基もつくったバカさ加減について考えない訳にはいかない。
     国土のあちこちにとんでもない起爆装置を抱えているのである

   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
    《・2005年8月 宮城県沖地震(M7.2 最大震度6弱) 
     東北電力女川原発で、設計時に想定していた地震の揺れより
     大きな揺れ》
    《・2011年3月 東北地方太平洋沖地震(M9 最大震度7) 
     女川原発福島第一原発東海第二原発で想定を超える揺れ。
     福島第一では津波による電源喪失で3つの原子炉が炉心溶融
     国会の事故調査委員会は「地震による損傷の可能性は否定できない
     としている》

   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
       と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
    《このような情報隠蔽は、原発建設を推進する電力会社、原発メーカー、
     立地自治体、政府を含む“原子力ムラ”の常套手段であり、
     「原発安全神話」を流布する側にとっては体質化して久しい。
     重大事故では、浜岡原発(中部電力)、女川原発(東北電力)、
     東京電力の福島第2原発、柏崎刈羽原発では核燃料の制御棒が
     脱落する事故が起き、福島第1原発(東京電力)でも7時間半に
     わたる臨界事故が発生していたが、電力会社は30年近くも隠ぺい
     していた。また、2007年の新潟県中越沖地震で震度7相当の揺れに
     襲われた東電柏崎刈羽原発では、基礎杭に損傷が見つかった
     と東京電力が公表したのは地震から14年後のことである》

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする