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●「逃げて欲しいのです」

2011年04月23日 00時00分08秒 | Weblog


CMLに小出裕章さんのラジオコメントに関する記事http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009016.html)が出ています。ラジオの内容を文字起こししたもので、趣旨をつかみづらいところがあります。ただ、文字起こしして頂いたことは大変にありがたいことです。この一連のラジオコメントは、どこかを探せばYoutubeの音声ファイル(画像は別のニュース映像か何かでした)としてアップされているはずです。

 「20ミリシーベルト/年」はとてつもなく高く、ましてや子供には危険すぎるらしい。放射線にかかわる技師でもない大人でも高いのですから、子供の体を弄んでいるとしか思えません。

 「日本人は1ミリシーベルト/年」というのも敷居値ではないはずで(これ以下では影響なし、という値ではないはず)、出来るのならばゼロに近い方が良いはず。それが20倍に。しかも子供との区別もなし。そもそも、内部被爆はどうするのか?
 自分が現場にいたら、「至急子供を避難させるべき」という小出さんの言葉にどのように対処するだろう? そもそもこの小出さんのコメントが現場の人々に届いているのかどうかが疑問。

 やはり住み慣れた場所に止まりたいという気持ちも理解できます。それぞれの方の判断です。ただし、政府や東電による正しい情報が提供されること。何らかの十分なケアがあること。(「再臨界」のクロル38等の議論の際に、スペクトルのデータが公開されていれば、混乱をまねくことはなった)データが公開され、専門家の多様な意見が伝わること。「熊取6人組」の小出さんらのような真の意味での専門家が確率の高い真の結論にたどりつけること。
 小出さんの「助かるために、逃げて欲しいのです」というコメントは届いているでしょうか・・・。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009016.html

[CML 009140] 小出先生、「至急子どもを避難させるべき」
                       2011 4 20 () 23:16:38 JST

・・・・・・。
小出先生の「たね蒔きジャーナル」420日分です。本当に子どもが心配です。

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 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、水野晶子さんと近藤勝重さんの司会で始まりました、タイガースの敗北で落ち込んで(巨人ファンの方ごめんなさい)聞きました(笑)。たね蒔きジャーナルで被災地支援のプレゼントもやっています。

 小出先生のお話、福島の方から、情報を求めてこのラジオにたどり着いたというメールが来ています。福島で、情報を知りたいのになくて、関西のラジオにたどり着いたのです。しかるべき文脈で政府が情報を出さないのでなおさらです。また、小出先生のお話目当てにラジオを買った人もいるのです。小出先生の説明を近藤さん大変評価されていました。

 ニュースキャスター、来栖アナウンサーによるお話で、水野さんと来栖さん、地震発生直後4時間津波警報を流した方なのです。原発のニュース、東電は2号機の汚染水の回収を行い、集中処理施設に10トン/時間を行い、トレンチの水位は1cmだけ下がった(いままで上がるのみ)のです。1240トン、25mプールの半分にしかならないのです(泣)。汚染水は2号機だけで2.5万トン、つまり1/100しか1日移せないのです

 さらに、集中処理施設まで800mあり、途中で漏れたら大変なのです。格納容器への窒素注入は2週間、8500立方メートル(容積6000立方メートル)ですが、圧力が上がらず、また2,3号機へも窒素を入れることを検討(水素爆発の危険あり?)です。

 IAEAは工程表を評価しています。事故原因の解明のため、IAEAの使節団が来る模様です(5月)。

 住民の避難、枝野氏は20kmを警戒区域(強制立ち入り禁止)として検討、一事立ち入る人がいるからと枝野氏は言っています。20km以上のところは計画避難区域になります(1ヵ月後に別の場所へ避難)。飯館村他が当たります。

 浪江町34ミリシーベルト(国の目安は25ミリ、そもそも1ミリなのに)・・・

 で、小出先生登場、子供たちを守ることで、文科省は福島圏内の幼稚園、学校に放射線の量3.8マイクロシーベルト/時間としましたが、驚いた通常の生活では0.05マイクロシーベルト/時間なので、76なのです。ほぼ100倍、とんでもない高さなのです。算出の根拠は、20ミリシーベルト/年から時間当たりで計算したのですが、この20ミリシーベルトがとてつもなく高いのです

 一般の日本人は1ミリ/年なのです。被爆が危険であり、この基準で日本政府は日本人を放射能から守ってきたのに、誰がこんな引き上げの権限があるのか子供たちに対して20倍の我慢はなぜ許されるのかわからないとのことです。子供に屋外活動を制限していますが、被曝はあらゆる意味で危険であり、少しでも危険、しかし、子供は外で遊ぶべきで、放射線が高くて子供を外へ出せないのは異常、子供を外へ出せないほど福島は危険なのです。

 また、土煙を防ぐなどの措置が検討されていますが、3.8マイクロは外部被曝(放射能が外部)前提で、内部被曝は大変で、口を洗う、窓を閉めるなどはやるべきなのですが、そんなことをしないといけなくしたのはどこの誰か(国だ)国が責任を取らずに子供たちに被曝させるのは納得できないと言うことです。

 前提の工程表、69ヶ月で収束させるものに基づくものの、工程表が甘い、これに基づいて子供を守るのは、事故の収束にもよる(事故、汚染の拡大があり得る)ので、子供に20ミリの我慢は、これも反故にされる可能性があるのです。

 子供を守るために、疎開については水野さんが指摘すると、小出先生、被曝は微量でも危険、なおさら子供は危険で、避難させるべきということです。子供が重荷を負わなければならない、しかし、被曝を避けないといけないのです。

 警戒区域、強制立ち退きについて、家にいたいという人も出てくるのですが、そういう人は必ずいる、自分の住んでいた土地に被曝してもいたい、実際チェルノブイリでもいた(お年寄り)、福島でもそうなる、こういう人の生活を支えるのは行政の義務(食料、水、電気、ガス、医療)、生活を保障しないといけないのです。しかし、助かるために、逃げて欲しいのです

 20ミリの計画的避難の基準ですが、小出先生の判断より甘く、これを変えるとどうしようもなくなる、そこまで政府が追い詰められている、原子力を許してきた大人が責任を取らないといけないのです

 この区域から出ることを避難している人にお願いするのに、生活の保障が必須なのです。

 計画避難区域の、たった一人の人でも、ちゃんと説明しないといけないのです

 埼玉のメールで、日給3万で福島原発に行ってくれとの話が来た(知り合いに)、で、行くかどうかの判断として、再び水素爆発の疑いがどうかとの問い合わせに、小出先生、東電自体が水素爆発があると言っている、そのため窒素を入れている(のに格納容器が壊れて窒素が漏れている)、2,3号機はまだであり、13号機に水素爆発の可能性ありと、小出先生は判断されています。

 子供たちの保護策も指摘されました。政府は、出せないでもがいている、日本の大人が知恵を出して、子供を守らないといけないのです

 この、子供の被曝のことは私もメールで問い合わせ、かなり厳しい話が来ました。今後もお知らせいたします。
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 さらに、CMLの別の記事。

    [CML 009160] Fwd: [icti-ml:7351] 福島の子らを見殺しにするな
       http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009034.html

    [CML 009170] Fw:報告【政府交渉】子どもまで20ミリ!? 被ばく基準で政府交渉」
       http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009044.html

    [CML 009105] 小出裕章先生の生の声」
       http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008981.html


 最後に、videonews.comの映像(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php)。ただし、「再臨界」の件が決着する前(ここのコメント参照)の記事です。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php

ニュース・コメンタリー 20110416日)

福島原発最新状況分析
  レベル7でも事態の矮小化に躍起な政府とメディア
    解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)

 今週も東京電力福島第一原発で大きな動きがあった。原子力安全・保安院は12日、福島第一原発の事故を、原子力施設で発生した事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)による暫定評価を最悪のレベル7に引き上げた。また、東京電力は13日の会見で、4号機の使用済み核燃料プール内の燃料棒が一部破損していることを認めた。
 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、政府や東京電力が事故をなるべく小さく見せようとして最初に「レベル4」とし、今頃になって「レベル7」にしたと言う。燃料棒の破損に関しても、315日に4号機が水素爆発を起こした段階で燃料棒は損傷していたのではないかと疑う。
 再臨界については、クロル38とともにナトリウム24という放射性核種も検出されなければならないが、東京電力はナトリウム24の検出については、データを出していない。今後発表されるはずの核種分析の調査結果の中に、クロル38とナトリウム24があれば、再臨界が発生していると考えていいと述べる。
 今週のニュース・コメンタリーでは、小出氏のインタビューをもとに、神保哲生と大阪大学准教授の平川秀幸が福島原発の現状とその現状を小さく見せようとする政府や東京電力、メディアのあり方について議論した。
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