Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は…大惨事の教訓を根底から覆し…福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》

2023年01月15日 00時00分03秒 | Weblog

(2023年01月03日[火])
アルプス処理水」なる〝汚染水〟の海洋放出についての経産省の宣伝がやたらとテレビで流れていて、呆れる。その海洋放出をどこの国でもうやっている的な、〝世界標準〟的な…、どこの国でやってんのか、是非、教えてほしい。「1/4」の自公お維支持者や「2/4」の選挙に行かない自公の間接支持者を洗脳しないでほしい。軍事費倍増、核発電所強制、汚染水海洋放出…キシダメ政権のやりたい放題は許されない。海洋放出の前に、福島をさっさと《原状回復》して見せて下さい。全ての《生業なりわい)》を返して見せて下さい。

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
     40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…
   『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」
        「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?

 まずは、福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから…全ての核発電所の廃炉作業を始めるべきだったのに、12年近くが過ぎてしまった。
 長周新聞の記事【世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306)によると、《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》。

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
     東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令
   『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
      検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」
   『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
     『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!

 ミサイル攻撃の《標的》に加えて、この記事で指摘されている重要なことの一つは《使用済み核燃料》のこと。《使用済み核燃料プール》が攻撃を受けた際の被害のみならず、《あと何年で満杯になるのか》? それに、核燃料サイクルという「環」は閉じたのか? 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのか》?

   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??
   『●リラッキングとオンカロ
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
    《敷地内の使用済み核燃料プールはあと何年で満杯になるのか。現在
     発電中の原発は3基。そのうち高浜4号機・大飯(おおい)4号機と、
     発電中の原発2基を抱える関西電力は、このまま発電を続けると
     高浜原発はあと「6年程度」、大飯原発はあと「8年程度」で満杯になる
     と回答。対策については、こう答えた。
     「六ケ所再処理工場が順調に稼働することにより、
     使用済み燃料ピット(竪穴)の満杯は回避できるものと考えています」》

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
      「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

=====================================================
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306

世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵
社会2022年12月21日

 福島第一原発事故による世界にも例を見ない甚大な犠牲を経て、日本政府は「原発への依存度をできるかぎり低減する」とのエネルギー政策をとってきた。しかし、岸田首相は8月にそれを覆し、原発最大限活用の方針を示した。経済産業省は8日、次世代型原子炉への建て替えや、「原則40年最長60年」と定められている運転期間の延長を盛り込んだ「行動指針」を明らかにした。日本列島にはおもに1970年代以降に54基の原発が建設されてきた。狭い国土にこれほどの原発が密集して林立している国は日本だけだ。この厳然たる現実は、日本が原発をめぐって指摘されているさまざまな危険性に真剣に向き合うことを要求している。老朽原発の運転は事故の危険性を高めるだけだ。2011年の東日本大震災時の福島原発事故は「原発の安全神話」を吹き飛ばした。日本は世界でも有数の地震・火山列島であり、近年地震や火山活動が活発化する時期に入っている。さらに今年に入ってからのロシアのウクライナ侵攻で、原発が武力攻撃の標的になることが突きつけられた。日本の原発もまた有事のさいにはミサイル攻撃の格好の標的にされることは明らかだ。

 日本では、54基の原発を40年近く運転してきたことによって膨大な量の使用済み核燃料が溜まっているが、処理方法は決まっていない。これ以上原発を増やし、老朽原発の運転を続けることは福島原発事故の再来を近づけ、ミサイル攻撃の標的とされ原爆投下と同様の惨事をもたらすもので、日本を滅亡の淵に立たせる亡国政治以外のなにものでもない

 最新の原発関連のトラブルは、9日の関西電力高浜原発1、2号機の海水処理施設での火災だ。冷却用に海からとり入れる水の一部を処理するための施設で、関電は原因はわかっていないとしている。1、2号機とも運転開始から50年近くを経過した老朽原発であり、想定外のトラブルである可能性も高い。

 経産省の行動指針は、福島原発事故を経て2012年に法律で定めた「(原発の運転期間)原則40年、最長60年」とするルールをなし崩し、運転の停止期間+60年とし、最大では運転開始から70年の老朽原発の運転も可能になる。

 世界的に見ると、60年以上運転した原発はなく、経産省の行動指針の異常さが際立っている。国際原子力機関(IAEA)の調べでは、すでに廃炉になった原発を含めても、運転期間が世界最長なのは、インドのタラプール原発1、2号機の53年1ヶ月だ。同原発から約1カ月遅れてアメリカのナインポイント1号機とスイスのベツナウ1号機が運転を開始しており、ともに運転期間は53年だ。

 また、IAEAによると2021年12月末までに世界で廃止予定の原発は199基あるが、平均寿命は29年だ。

 たとえばアメリカは運転期間を40年と規定し、規制当局の審査をクリアすれば20年間の延長が可能で、延長回数に制限はない。80年運転を認められた原発も6基ある。ただ多くの原発は設計時に耐用年数を40年間と想定してつくられており、老朽化が進むと維持コストも高くなり、事業者が長期運転よりも廃炉を選択するケースが多い。

 そもそも原発の設計は耐用年数を30~40年と想定している。設計段階で想定した原発の寿命を設計寿命としているが、当初原発の寿命は30年とされていた。30年はもつようにという計算による設計だ。

 それを日本政府はずるずると延長してきていた。事故を起こした福島第一原発1号機は1971年3月に営業運転を開始しており、事故当時は運転開始から41年を経過した老朽原発だった。当初運転期間は30年を目安としており、本来なら廃炉に向け運転が停止されているべき原発だった

 政府は1999年に福島第一原発1号機など、1970年前後に運転を開始した3基の寿命延長計画を認め、2005年には原発の運転を60年間とすることを想定した対策をまとめ、その後運転開始から40年を迎える原発を認めるなど老朽原発を積極的に酷使する方針をとってきた。

 老朽原発の運転は危険性が高まる。原発の機器は運転中、高温高圧、高い放射線という過酷な状況に置かれ、振動などによる金属疲労、温度がくり返し激しく変化することで起きる熱疲労、加えて冷却水や蒸気による侵食・腐食が発生する。

 さらに原発特有の問題として、放射線の問題がある。原子炉では運転中に発生する高エネルギーの中性子を受けて、鋼鉄の「粘り気」が弱くなる脆性劣化が起きる。原子炉圧力容器の鋼鉄も長時間の運転にともなって、粘り強さが減少し、もろく亀裂が入りやすくなる


老朽原発で事故が多発 専門家も危険性指摘

     (電源喪失で炉心溶融を起こした福島第1原発(2011年3月))

 老朽原発の事故は多発している。1999年には福島第一原発1号機で、原子炉内にある非常用炉心冷却系の配管にひびが入っていることが見つかっている。

 2004年には美浜原発三号機蒸気噴出事故が起こり、5人が死亡し6人が重傷を負った。当時同3号機の運転年数は30年に満たなかったが、点検リストから漏れて一度も確かめられなかった配管が経年劣化で薄くなって破れ、熱水と蒸気が噴出した。原発の部品数は約1000万点にのぼるとされ、見落としのリスクはつきまとい、老朽原発ほど配管などの劣化は激しい。

 また、東京電力柏崎刈羽原発では、福島事故後停止した7号機(運転開始から25年)のタービン建屋の配管が11年間点検されず、腐食で穴があいていたことが今年10月に明らかになった。

 このほかにも老朽化による問題は多発している。加圧水型原子炉では、格納容器を開口して蒸気発生器を丸ごととりかえる工事をよぎなくされる原発が続出した。沸騰水型では水流仕切り版(シュラウド)にひび割れが発生し、多くの原発でとり換えがおこなわれた。

 これらの補修工事はいずれも建設当初には想定されていなかった。しかも交換は非常に強い放射線のもとでおこなわれる作業で、労働者の被曝の危険性も高い。

 専門家は、原子炉の劣化状況を調べることは技術的に難しく、長期運転で劣化が進むと、点検漏れしたときのリスクが増し、重大な事故につながると指摘している。また、老朽原発の原子炉は技術的にも古く、耐震性の科学的評価も最新の知見にもとづくものではなく、事故のリスクが高いとしている。

 「あらゆる重大事故の多くは欠陥の見落としが原因だ。点検をしていても電気系統や制御装置はいつ劣化して故障するか予見できない。設計寿命はきわめて大事だ」と設計寿命をこえた運転の危険性を指摘する専門家もいる。

 原発の運転期間の延長は科学的な根拠にもとづくものではなく、廃炉には費用がかかるなど電力会社の利益追求の都合によるものであり、岸田政府が世界にも例のない70年もの運転を認める方針を出したことは福島事故をふたたび引き寄せかねないものだ


溜まる使用済み核燃料 10万年の保管可能か

 おもに70年代以降、54基の原発を建設・運転し続けてきた結果、日本列島には使用済み核燃料が溜まりに溜まっている。使用済み核燃料とはいっても高い放射線を放ち、保管・処理方法を間違えば重大事故を引き起こす。また、ウクライナの原発では使用済み核燃料の保管施設が砲撃されており、IAEAも使用済み核燃料の防護強化をうち出している。

 原発では、ウラン鉱石を原料にした燃料集合体を使用する。原子炉の中で4~5年使用したのち、新しい燃料集合体と交換する。使用後に残った「使用済み核燃料」は高い放射能をおび、人が近づけば数十秒で死亡するほど危険なものだ。使用済み核燃料の放射能が、もとのウラン鉱石と同じレベルに下がるまでにかかる時間は10万年で、その期間は安全に保管する必要がある。現在最適だとされている方法は「地層処分」で、地下数百㍍の穴を掘り保管する計画だ。

 スウェーデンでは今年1月、政府が使用済み核燃料の最終処分場建設計画を承認した。スウェーデンでも1970年代から使用済み核燃料の処分についての研究をおこなってきた。今回承認した計画は、地表から深さ500㍍のところに500本のトンネルを掘り、6000個の銅製保存容器で1万2000㌧の使用済み核燃料を、放射能が減衰する10万年後まで保管するというものだ。

 なお、建設に約10年かかり、最終処分場が完成して使用済み核燃料の貯蔵が始まるのは70年後だ。日本の場合、地震列島での「地層処分」の危険性も指摘されている。10万年ものあいだ安全に保管できるという保証はない。

 福島原発事故前の2010年段階での日本の使用済み核燃料の累計は1万6330㌧。これは世界第3位の累積量だ。ちなみに当時世界合計は約25万㌧。原発が動き続けていれば毎年1000~1200㌧の使用済み核燃料が発生する。

 使用済み核燃料は、崩壊熱を発生させるので水を循環させて冷やし続けなければならず、原子炉建屋内の貯蔵プールで数年間冷やすが、福島原発事故前の2010年段階ですでに各原発の貯蔵プールは満杯状態になっていた。たとえば東京電力の福島第一原発はあと2年で満杯、同第二原発はあと1・9年、柏崎刈羽原発はあと3年、関西電力の美浜原発はあと6・4年、大飯原発はあと6・1年、高浜原発はあと5・7年といった具合だった。

 福島原発事故の後、ほとんどの原発は停止したが、かりに通常運転が続いていれば、ほとんどの原発は現段階で使用済み核燃料プールは満杯になっていた

 国の計画では各原発敷地内での使用済み核燃料の保管は一時的なもので、ゆくゆくは青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場に運ぶというものだったが、再処理工場の完成が26回も延期され、完成のめどがたっていないため、原子炉建屋内の貯蔵プールに溜まり続けている。現在日本国内で貯蔵されている使用済み核燃料は1万8000㌧という。

 これは国内の貯蔵容量約2万4000㌧の75%をすでに占めており、満杯になるのは時間の問題になっている。

 大量の使用済み核燃料が日本中の原発敷地内に保管されているということの危険性は高い。

 ウクライナ危機において、使用済み核燃料の保管施設が砲撃の対象となったことで原発防護強化が喫緊の課題となっている。原子炉は鋼鉄製で、格納容器に守られ、意図的な航空機の激突にも耐えられるなど外部からの攻撃に一定の頑強さを有しているが、使用済み核燃料の保管施設は多重防護の仕組みになっていない場合が多い。IAEAが今年9月サポリージャ原発に調査団を派遣し、国連に提出した報告書のなかで、使用済み核燃料の保管施設に砲撃痕があったことをとりあげ、大規模な放射性物質の放出に至るおそれがあると警鐘を鳴らした。

 日本では、行き場を失った使用済み核燃料が、防護体制がほぼない各原発のプールに溜まり続けている。使用済み核燃料は膨大な熱を出し続けるため、冷却保管する必要があるが、原子炉と比較して保管施設、とくに冷却のためのプールは外部攻撃に脆弱だ。使用済み核燃料が大気にむき出しになれば、高濃度の放射能が広範囲に放出される使用済み核燃料プールが標的になった場合、大惨事になることは必至だ

 使用済み核燃料プールの破損によって甚大な被害を被ることは福島第一原発事故でも経験している。福島第一原発4号機は地震発生時、定期点検中であったため原子炉には核燃料はなかったにもかかわらず水素爆発を起こした。貯蔵プールの冷却水が循環できなくなり、冷やせなくなったために、水が高温になって蒸発し、燃料が露出して水素が発生して爆発したのだ。爆発によって施設が倒壊し、大量の鉄筋やコンクリート片がプールに落下し、使用済み核燃料の状況を確認できなくなった。

 ちなみにアメリカ政府は、この事態に対しプールに穴が開いて水が抜けたため、使用済み核燃料がむき出しになり、外気にさらされた可能性があると判断し、福島原発から半径50マイル(約80㌔㍍)に住む米国人に避難勧告を出した。日本政府の避難指示範囲は原発から半径30㌔㍍で、これを上回る異例の措置だった。後日、プールの水が保たれていることが確認され大惨事は回避されたが、アメリカ政府が使用済み核燃料プールの機能喪失の深刻さを認識していたことは明らかだ

 ウクライナでの使用済み核燃料保管施設の砲撃を受けて、国際機関は各原発に使用済み核燃料が溜まり続ける日本に対し、その防護を強化するための対策を強く求めている。

 原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのかという新たな問題が出てくるが、そうした問題の解決策もないまま岸田政府は原発最大限活用に舵を切った

 老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ


関連する記事
40年超の老朽原発も再稼働 「脱炭素」掲げ新増設も図る自民党政府 わずか10年で覆る福島の教訓40年超の老朽原発も再稼働 福島第一原発の炉心溶融という重大事故から10年目を迎えた今年、菅政府は「2050年までに温暖化ガス排出量ゼロ」「脱炭素」などを掲げて、実際に […]

伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定 阿蘇山噴火や中央構造線の地震を危険視 阿蘇山噴火や中央構造線の地震を危険視  瀬戸内海に面した四国電力の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について広島高等裁判所(森一岳裁判長)は17日、運転を認めない仮処分の決定を出した。 […]

「復興五輪」の陰で痕跡を消される故郷に思う 福島県双葉町・大沼勇治 東日本大震災から9年が経過した中で、いまだ4万人以上もの人々が避難生活を余儀なくされ、生活の再建は置き去りにされたままである。原発立地自治体 […]

関電幹部の袖下に3億円 キックバックで還流する原発マネー 収賄で逮捕されて然るべき 関西電力の岩根茂樹社長は27日に臨時の記者会見を開き、同社の八木誠会長や岩根社長ら役員・社員20人が福井県高浜町の森山栄治元助役(今年3 […]

原発で私腹を肥やす 原子力村の汚染は醜悪 関西電力の岩根茂樹社長(電気事業連合会会長)は9月27日の臨時記者会見で、福井県高浜町の森山栄治元助役(今年3月死去)から、役員・社員20人 […]
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●樋口健二さん《原発建設から、崩される風土…原発被曝労働者、原発下請け労働者、東海村JCO臨界事故、福島原発崩壊を写真で記録》

2021年08月12日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


/ (2021年05月16日[日])
松原明さんによる、レイバーネットの記事【国家と大企業を相手にした男〜映画『闇に消されてなるものかー写真家・樋口健二の世界』】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0302eiga)。

 《3月2日、ジャーナリストの永田浩三さんが監督したドキュメンタリー映画『闇に消されてなるものか写真家・樋口健二の世界』が、江古田映画祭で初披露された。約40人が参加し満席だった。映画はのっけから圧倒される。主人公の樋口さん(写真)は83歳だが元気そのもの。「私は“売れない写真家”。国家と大企業を相手にしたからあたりまえだ」と本と資料に埋もれた自宅で、写真を手に語りはじめる。渋く訥々としたナレーションは、野村瑞枝さんで味わい深い。映画は、小さい時から現在に至るかれの生涯をたどっていく。若いときロバートキャパの写真に出会い衝撃を受け、工員をやめて写真の道に入った樋口さん。一つのラーメンを夫婦で分けて食べるほどの極貧生活に耐えて、徐々にチャンスを掴んでいった。四日市公害の凄まじい実態を知り現場に飛び込んだ話。体がボロボロになった被害者から「マスコミはいやだ。あなたに撮ってほしい」と樋口さんは信頼を得ていく。(松原明)》

 10年前の樋口健二さんの言葉…「それでも昔は、上限が50ミリシーベルトだった。それが100に緩和され、今回の福島では250に上げられた250という数字は死に直結するものです。労働者の声を聞こうと、私は福島に行った。でもJヴィレッジに隔離され、取材は禁止。取材したら罰則が待っている。なぜ、そこまで隠すのか大変なことが起きているからでしょう。あと5年、10年したら、がんで死ぬ被曝労働者がどれだけ出ることか」。『X年後』を激しく恐れる…。

   『●原発銀座の被爆労働者
    「これはイギリスのチャンネル4によるドキュメンタリーである。
     日本のマスメディア、TVメディアはどこまで被爆労働者、
     〝原発ジプシー〟の実情を日本人に知らせてきただろうか? 
     日本の裁判所はどこまでそういった労働者の訴えの声に耳を
     真摯にかたむけてきただろうか?」

   『●被爆労働者なくして成り立たない社会の正当性とは?
    《結果、明らかに被曝だと実感しても、わずかの金で泣き寝入り
     例え労災訴訟を起こしても暴力と御用学者の証言でもみ消される
     広告漬けの大手マスコミもまともな報道はしない
     こうした実態は、20年も前から写真家の樋口健二氏が『原発被爆列島』
     (三一書房)などで告発し続けているが、現在も基本的にその実態は
     変わらない(樋口氏監督のテレビ番組
     「隠された被曝労働者~日本の原発労働者1」95年。
     イギリス Channel4。なぜ、日本でなくイギリスで放映なのか?)》

   『●原発被爆労働という〝原発ジプシー〟の労災
    「〝原発ジプシー〟問題を早くから告発してきた樋口健二さんも
     出てきます。「鳴き殺し」(被爆アラームのスイッチオフ)など
     杜撰な労働実態。結局、梅田さんの労災は不支給となった…」

   『●鳴き殺し・被爆労働者
    《作業をしているのはロボットじゃない
     福島原発の事故以来、現場作業で被曝した労働者は何十人何百人に
     上るのか? 東電は「特例上限の250ミリシーベルトを超えたのは
     6人だけ」と発表しているが、本当のところは誰にも分からない。
     いくらでも隠し事やゴマカシのきく世界が原発労働者なのである。
     世間から隔離され、隠されてきた原発労働者の実態を37年間
     追いかけてきたルポルタージュ問題作が復刊された。
     「闇に消される原発被曝者」(八月書館)だ。写真家の樋口健二氏が
     嫌がらせや妨害の中、体当たりで原発内部と被曝者に直接取材してきた
     ものである》

   『●福島第一原発に潜入したジャーナリスト
    「貴重な潜入記である。山岡さんの過去の記事から、こんなに易々と
     〝潜入〟出来て良いのかと不安になるし、それは山岡さん自身が
     感じられたことではないだろうか。原発作業員の声は、綿井健陽さんら
     ごく少数のジャーナリストからしか届けられていないし、東電や
     マスコミが取り上げることなどあり得ない状況。樋口健二さんへの
     インタビューも注目」

   『●「原発崩壊」樋口健二さん写真展
    「アクセスジャーナル山岡俊介さんの記事…。
     原発の安全神話に早くから批判の目を向けてきた樋口健二さん。
     下請け原発労働者の被爆問題にも早くから取り組んでおられた。
     そのような被爆労働や労働者なくして成り立たない社会や
     原発労働環境の異常さ」
    《「私は原発建設から、崩される風土、反原発運動、核燃料輸送、
      原発被曝労働者、原発下請け労働者、東海村JCO 臨界事故
      福島原発崩壊を写真で記録した。その集大成の写真展としたい」
      (写真展開催にあたっての樋口氏のコメント)。》

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」

=====================================================
http://www.labornetjp.org/news/2021/0302eiga

国家と大企業を相手にした男/映画『闇に消されてなるものかー写真家・樋口健二の世界』

国家と大企業を相手にした男〜映画『闇に消されてなるものかー写真家・樋口健二の世界』

 3月2日、ジャーナリストの永田浩三さんが監督したドキュメンタリー映画『闇に消されてなるものか写真家・樋口健二の世界』が、江古田映画祭(ギャラリー古藤)で初披露された。約40人が参加し満席だった。映画はのっけから圧倒される。主人公の樋口さんは83歳だが元気そのもの。「私は“売れない写真家”。国家と大企業を相手にしたからあたりまえだ」と本と資料に埋もれた自宅で、写真を手に語りはじめる。渋く訥々としたナレーションは、野村瑞枝さん(77歳/映画祭スタッフ・写真下)で味わい深い。

 映画は、小さい時から現在に至るかれの生涯をたどっていく。若いときロバートキャパの写真に出会い衝撃を受け、工員をやめて写真の道に入った樋口さん。一つのカップラーメンを夫婦で分けて食べるほどの極貧生活に耐えて、徐々にチャンスを掴んでいった。四日市公害の凄まじい実態を知り現場に飛び込んだ話。体がボロボロになった被害者から「マスコミはいやだ。あなたに撮ってほしい」と樋口さんは信頼を得ていく。そして『四日市』写真集を皮切りに、広島県の毒ガス島の被害実態、原発労働者の被ばく問題と続いていく。「一作十年」がモットーの樋口さんは、対象者に寄り添い一つのテーマを徹底して追求してきた。右翼からの脅しも受けた。だが、いつでも「毅然と立ち向かい写真を撮り続けた」という。「国が相手だから背中を見せたらやられてしまう堂々と迫ることだ」と。

     (*会場には樋口健二さんの写真が展示された)

 1977年、敦賀原発に入って撮った原発労働者の2カットの写真(上)は、世界中に広がり内外から高い評価を受けるようになった。“売れない写真家”は、だれもやらないテーマに取り組んだことで、80歳代になっても写真業界で生き残った。いまは学生に「ジャーナリズム講座」で教えているが、学生には必ずこう言うという。「ジャーナリストの前に人間であれ差別を許さない人間になれ」と。映画は、そうした樋口健二さんの生きざまを1時間20分に凝縮している。樋口さんの生々しく率直な語りぶりに、観客からは笑いが絶えなかった。映画が終わると大きな拍手が長く続いた。それは映画への最大の賛辞だった。

 アフタートークに登場した樋口健二さん(写真)。実際の樋口さんも映画と同じで、エネルギッシュで張りのある声。83歳とはとても思えない。「この映画にほとんど僕が言いたいことが入っている」と満足気だ。喋るのが大好きで「僕は朝までしゃべれる」と映画には出ない話を、身ぶり手ぶりを交えて語り約1時間語りまくった。その迫力に「毅然と国家にたてつく人間の凄みを感じた。

 最後に、記者は一つだけ質問した。「それまでモノクロ写真だったのが原発労働者の所からカラーになっている。なぜですか?」という問いだった。樋口さんは敦賀原発取材に至る経緯とカラーの理由を語ってくれた。その内容は収録した動画で見てほしい。→ 動画(5分20秒)



【映画『闇に消されてなるものか〜写真家・樋口健二の世界』アフタートーク】
 (https://www.youtube.com/watch?v=5DNLUy6HHDs

     (*監督の永田浩三さん)

 大好評だったドキュメンタリー映画『闇に消されてなるものか』。3月12日、13日にも「ギャラリー古藤」で上映されるが、残席はわずかになっている。この映画はこれから大きく広がっていく予感がした。(松原明

     (*連日盛況の江古田映画祭会場(ギャラリー古藤))

Last modified on 2021-03-03 09:11:38
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウムをつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

2021年03月05日 00時00分09秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


(2021年01月31日[日])
西日本新聞の二つのコラム【春秋/「核問題は超、自分事」。高校生が平和を願い…】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684056/)と、
【永田健の時代ななめ読み/「理想」を笑いますか?】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684245/)。
日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 末世を生きる辻説法/日本はアジア初のカモ…廃物利用の原発を“万歳購入”した人】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284512)。

 《▼「歴史を語り継ぎ平和を紡ぐ」(長崎)「核兵器の問題は、他人事じゃない。超、自分事」「核開発に使われるお金を、困っている人のために!」(佐賀)「まずは知ること」(静岡)》。
 《川崎さんと話していると、世の中で一般に「現実主義」と呼ばれているものの多くは、実は「現状追認主義」にすぎないのではないか、と思えてくる。「無差別大量殺りく兵器である核兵器など、本来ない方がいいという価値観はほとんどの人に共通するはずだ。「あるべき未来を簡単に諦めあしき現状を追認するだけならその「現実主義」には一体何の意味があるのだろうか。》
 《原発が生み出すプルトニウムは、核兵器に転用しやすいのを知りながら、世界に向け大々的に売り出した。そのキャッチコピーが「原子力の平和利用」だった》

   『●「核なき世界」: 「核廃絶に向けた決議の採決で、
       唯一の被爆国の日本が反対票…日本はあまりにも鈍感」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
        「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
       放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       …自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
    「「核なき世界」どころか、「核兵器のない世界」ですらアベ様の
     「息吐く様に嘘つく」、アベ様のウソ吐きだったようです」

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない
     のでは?」

   『●核兵器禁止条約…核発電「麻薬」中毒者への忠告、
       近衞忠煇氏「実際にはそれしか選択肢はないのです」
   『●室井佑月さん「安倍さん率いるこの国に、誇りが持てない」
                       …アベ様の辞書には「倫理」無し
   『●「核廃絶の訴えは政府だけの役割ではない」…
        とは言え、そこに居るべき国が居ない恥ずかしさ
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」な 
          アベ様の「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
    「《核兵器禁止条約…日本は条約に不参加》《首相は…
     「わが国のアプローチと異なる署名、批准を行う考えはない」》…
     居るべき国がそこに居ない、という大恥。
       「平和祈念式典」は、平和を祈るための式典では?
       平和を祈念・希求しないアベ様は、よくノコノコと「あいさつ」に
     行けるモノだ…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、
     憲法上は。小型であればですね」という発想は何も変わっていないでしょ?
       広島や長崎の皆さんに、あまりに失礼でしょ!」

   『●「核なき世界」の足を引っ張る、平和を希求しないアベ様は、
                  よくノコノコと「あいさつ」に行けるモノだ…
    《参列した約5万人を前に「『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを
     着実に前に進めると誓ったがその歩みの足を引っ張っている人こそ、
     安倍首相自身なのである》。
    《「核廃絶」より「トランプからの寵愛」を優先させたのだ

   『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺: 
       アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚
   『●「核兵器禁止条約」…「核なき世界」への
     その先頭を走るべきアベ様やニッポン政府は一体何をしていたの?
   『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
         「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」
   『●ICAN・フィン氏、「核の傘」による核抑止は「神話だ。
          …時代遅れの政策を継続していることこそ脅威」
   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
      アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に
    《日本政府、つまり安倍首相の考えは、
     “核の保有や核兵器の使用は認められるべき”なのだ。
     …安倍首相は官房副長官時代の2002年に、早稲田大学で
     開かれた田原総一朗氏との対話のなかで
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」と語っている」》

   『●《非核三原則や日本の憲法9条がハメネイ師から
      高い評価を受けたとの一部情報もある》…なぜ主張しないの?
   『●(マハティール首相)「日本は核兵器が使われた際の
     悲惨さを知っている」はずなのに、アベ様ときたら核兵器保有論者
   『●適菜収さん【それでもバカとは戦え】…《われわれ日本人が目指すべき
        なのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》
   『●「核兵器なき世界」は未だに………自公お維を直接的に支持している
     方々、選挙にも行かず眠り猫に徹している間接的支持者の皆さんの責任

 「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウムをつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン―――〝世界は電力タダの時代に〟。核発電なき世界どころか、「核なき世界」「核兵器なき世界」という《理想》さへ追い求めないニッポン。自公お維は「理想」を追わない。(中村敦夫さん)《正力、中曽根は2人とも、科学技術庁長官、原子力委員会委員長の役職に就き、この狭い地震列島に危険な原発を造りまくった。アメリカ政府にとっては、2人ともウハウハのオ友達だ。原爆を落として20万人も殺したはずの相手国が、今度は廃物利用の原発を、万歳しながら買ってくれたのである》…その悪夢から未だに覚めないニッポン。どこまでもオメデタイ。

=====================================================
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684245/

永田健の時代ななめ読み
「理想」を笑いますか?
2021/1/24 11:00 (2021/1/25 9:45 更新)

 史上初めて核兵器を全面的に禁止する「核兵器禁止条約」(核禁条約)が世界51カ国・地域の批准を得て、ついに発効した。

 被爆者団体など核兵器廃絶に取り組んできた人々は「『核なき世界』の理想に一歩近づいた」と条約発効を歓迎している。

 一方「核保有国が参加しない条約は無意味。核廃絶など理想主義者の夢物語だ」として、条約の意義を評価しない「現実主義者」たちも決して少なくない。

 あなたはどちらのスタンスに共感しますか。

 今回は「理想と現実」について考えてみた。

   ◇    ◇

 核禁条約成立、発効のけん引役となったのが非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)だ。ICANはこの功績でノーベル平和賞を受賞している。

 ICAN国際運営委員の川崎哲(あきら)さんに聞いた。

 -「核禁条約は現実的ではない」という批判があります。どう考えますか。

 「私も条約発効で核保有国がすぐに核兵器を破棄するなどとは考えていません。しかし現実的でないという人は、何をもって現実とするのか

 「核保有国が核を捨てようとせず、日本が『核の傘』の下にいるのも確かに現実ですが、核禁条約が国連で成立し、発効したというのも紛れもない現実です。世界の将来に向けて、どの現実にもっと発展してほしいのか。どの現実はなくなってほしいのか。そこは価値判断の問題なのです」

 「専門家のおじさまが出てきて『安全保障の現実』などと語ると、聞いた方はシュンとしがちですが、そんな専門家たちも古い現実の前で思考停止しているだけではないでしょうか」

   ◇    ◇

 川崎さんと話していると、世の中で一般に「現実主義」と呼ばれているものの多くは、実は「現状追認主義」にすぎないのではないか、と思えてくる。

 無差別大量殺りく兵器である核兵器など、本来ない方がいいという価値観はほとんどの人に共通するはずだあるべき未来を簡単に諦め、あしき現状を追認するだけなら、その「現実主義」には一体何の意味があるのだろうか

 川崎さんは言う。

 「核廃絶の最大の障壁は、実は私たちの心に潜む『世界は変えられない』という諦めなのではないか」

   ◇    ◇

 昨今「理想」は風当たりが強い。特にネットでは顕著だ。核廃絶だけでなく、隣国との関係、死刑制度や憲法に至るまで、さまざまな分野で理想主義的な意見を表明しようものなら「現実を知らない」「頭の中がお花畑」とばかにされる。理想を笑うのは一見賢そうで、ネット議論ではマウント(優位)を取った気にもなれる。そんな攻撃的な冷笑主義がはびこる

 しかし、と私は思う。例えば米国でその昔「黒人も白人も平等であるべきだ」と最初に唱えた人は恐らく「夢でも見ているのか」と笑われただろう。女性の選挙権、労働者の権利、環境保護…現在は当たり前のさまざまな価値観が、昔は「現実的」ではなかった。

 世の中を良い方に変える-そんな歴史の小さな主人公たちは皆、初めのうちは笑われていた笑われても諦めなかった。そして笑う方が主人公になることは、今も昔も決してない

(特別論説委員・永田健)
=====================================================

=====================================================
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684056/

春秋
「核問題は超、自分事」。高校生が平和を願い…
2021/1/23 10:40

 「我(わ)が魂はこの土に根差し/決して朽ちずに決して倒れずに」。長崎への原爆投下で黒焦げになりながら、芽吹き青葉を茂らせた「被爆クスノキ」を題材に、長崎出身の歌手福山雅治さんが作った「クスノキ」だ

▼この歌が流れる中、国内外の高校生がリレー形式でメッセージを伝える動画が投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。核兵器廃絶を目指す高校生平和大使らが制作した

▼「歴史を語り継ぎ平和を紡ぐ」(長崎)「核兵器の問題は、他人事じゃない。超、自分事」「核開発に使われるお金を、困っている人のために!」(佐賀)「まずは知ること」(静岡)

▼札幌のクラーク像の横では「世界に平和を 大志を抱け」。福島の女子生徒は住宅地にある放射線量率の測定器の前で訴える。「この機械がある日常に疑問を持ち続ける自分でありたいです」

▼核兵器の開発や保有、使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約が発効した。これを記念し動画は作られた。だが、核廃絶を求める大きなうねりから、日本政府は目を背け、条約への参加を拒む。米国の核の傘に守られているからだ

▼北朝鮮の核の脅威などを考えれば、すぐには難しいかもしれない。それでも背を向けたままでいいのか。「毎日何かに怯(おび)えることなく、みんなが笑顔になれる世界」(福岡)をと、決して朽ちず倒れずに平和を希求する真っすぐな問いから、目をそらしていいのか。
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284512

中村敦夫 末世を生きる辻説法
日本はアジア初のカモ…廃物利用の原発を“万歳購入”した人
公開日:2021/01/29 06:00 更新日:2021/01/29 06:00

    (日本の保有プルトニウムは国内外で45トン(関西電力高浜原発に
     到着した輸送船から陸揚げされるMOX燃料)/(C)共同通信社)

 いくら「反戦」を唱えても、なかなか戦争はなくなりそうもない。なぜなら、戦争は夫婦喧嘩と違い、経済行為だからである。

 究極の経済政策とは、「強盗」のことだ。

 他者の所有物を奪うのは、暴力が一番手っ取り早い。そして、暴力の決め手は大量破壊兵器である。人類は76年前に核兵器を発明し、広島、長崎の悲劇を実現した。その後は、他国にも核が渡ってしまったため、現実的に使用は不可能となった。

 いやいや、必ずしもそうとは言えないか? 大統領退陣式でトランプがやけになり、イランに向けた核攻撃のボタンを押すことだってあり得た。無論、その時点で、人類史は終わっていただろうが。

 さて、人間というのは一見賢そうに見えて、相当バカっぽい動物だ。原爆開発に大金をつぎ込んだ揚げ句、やたらに使用できないと知った米政府、軍部、投資家たちは原爆製造技術を利用し、元金を取り返そうとジタバタした。原子力潜水艦での応用には成功したが、何隻も需要がある代物ではない。苦しまぎれにたどり着いたのが、「原発」だった。

 原発が生み出すプルトニウムは、核兵器に転用しやすいのを知りながら、世界に向け大々的に売り出した。そのキャッチコピーが「原子力の平和利用」だった。

 アジアで最初のカモになったのは日本だ。1953年、米国の諜報機関は、当時改進党の若手代議士だった中曽根康弘をハーバード大学に呼び寄せ、3カ月間の原発教育を浴びせた。どう考えても異常な出来事だ。翌年には早くも、日本初の原発関係予算が、国会通過

 中曽根と並んで、日本の原発振興に身を投じた大物がもうひとりいる。読売新聞の創始者であり、後にNTVをつくった正力松太郎公安警察出身、普通選挙運動弾圧、大政翼賛会幹部。戦後はA級戦犯として投獄されていたが、釈放後は政界に入る。

 水爆実験反対の国民運動が広がるのを危惧し、米諜報機関と組んで、原発の安全神話デッチ上げに没頭した。

 正力、中曽根は2人とも、科学技術庁長官、原子力委員会委員長の役職に就き、この狭い地震列島に危険な原発を造りまくった

 アメリカ政府にとっては、2人ともウハウハのオ友達だ。原爆を落として20万人も殺したはずの相手国が、今度は廃物利用の原発を、万歳しながら買ってくれたのである。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●東京電力の下請け、孫請け、ひ孫請け…核発電人災の後始末や廃炉作業に《特定技能の外国人の雇用》か?

2019年04月29日 00時00分09秒 | Weblog


東京新聞の記事【福島第一、廃炉に特定技能外国人 東電受け入れへ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019041802000279.html)。
リテラの記事【東電と安倍政権が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ!「特定技能」制度を利用し被曝リスクと搾取の劣悪労働】(https://lite-ra.com/2019/04/post-4667.html)。

 《福島第一では、東電や協力企業の社員が一日平均で計約四千人働いている。東電の広報担当者は「特定技能の外国人の雇用は協力会社の判断であり、具体的に雇用規模などが決まっているわけではない。発注元としてしっかり管理したい」と話している》。
 《本日、驚くべきニュースが報じられた。東京電力ホールディングスが、福島第一原発の廃炉作業などに新たな在留資格である「特定技能」の外国人労働者を受け入れる方針を示したのだ。これまでの外国人技能実習制度では、廃炉作業は「一般的に海外で発生しうるものではない」として受け入れは認められていなかった》。

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」…
                  未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権

 東京新聞の記事【廃炉に特定技能外国人 東電方針、安全策に懸念】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019041902000145.html)によると、《東京電力ホールディングスは…四月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発(福島県)の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにした。核燃料が溶け落ちた原発構内で最も懸念されるのが作業員の被ばくだ。防止策は徹底されるのか、日本語が意思疎通の壁にならないか。具体策は見えない》。

   『●政界地獄耳《入管法改正…移民法…
     お寒いほどのスカスカの内容で、つまり法案といえるものではない》

 《法務省によると、廃炉作業への技能実習生の受け入れは「習得した技術を母国で役立てる」という制度の趣旨に合致しないとして、認めていない》とは言うけどね…。東電の下請け、孫請けひ孫請け…核発電人災の後始末や廃炉のために、《お寒いほどスカスカの内容な》法の下、《特定技能の外国人の雇用》? 東電やアベ様らは正気? 《廃炉への道のりは険しく遠い。あらためてつくづく思う。この国で大変なことが起きてしまった起こしてしまったと》…そんなニッポンの核発電人災の後始末や廃炉の現場で、奴隷労働させるつもり? 《原発での作業は建設業での受け入れが主となる見通し》だそうだけれど、東電が知らぬ間に、ねぇ? 御得意の《忖度》するんじゃないの?
 まず東電上層部の人々や自公お維の議員の先生方が現場で「特定技能」を発揮すべきではないのか?

 以下は最近のつぶやきから:

-  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -
◆昔のブログ 『●「原発崩壊」樋口健二さん写真展』/「原発の安全神話に早くから批判の目を向けてきた樋口健二さん。下請け原発労働者の被爆問題にも早くから取り組んでおられた。そのような被爆労働や労働者なくして成り立たない社会や原発労働環境の異常さ」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/bf3e52d6de493f4a7f7a5298cba5abbf

◆昔のブログ 『●原発を稼働させるということ=誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会』/「こんなことをやっていても、「放射能の直接的な影響で死んだ人は一人もいない」らしい。電力会社はそう嘯いている…【線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装】」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/42020e767b8a0d90e5641e9a213cc15a

◆昔のブログ 『●非常時だけでない、恒常的な被爆労働・犠牲でしか成り立たない原発という特殊な発電システム』/《累積被ばく線量を偽装…ごまかし…。下請け、孫請けひ孫請け…。末端の原発労働に近づくほど、日雇いや非正規労働者が増え、危険にさらされる》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2d6cd96b0f17151029f173753e33fc0c

◆昔のブログ 『●本当に大飯原発を再稼働させて良かったのか?』/「大飯原発の幹部らがのうのうと生活し、逆に原発下請や孫請け労働者が差別的に過剰に被爆させられている。これは原発人災のような非常時だけでなく、恒常的にそういう状態にあることが想像され…」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a368a5cefc3ba72d21dadf9104bf9386

◆昔のブログ 『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』/「非常時だけでなく、恒常的に労働者を被曝させなければ原子力発電は成り立たない。しかも、それは電力会社の幹部ではなく、下請けや孫請けの弱い労働者である。「たかが電気のために」…」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c2a811b05802d42660b96fcf4048999c

◆昔のブログ 『●東京電力の体質は変わらず』/「山岡俊介さん【加入組合をたらい回しーー未だ原発労働者の“中間搾取”を放置し続ける「東京電力」(Ⅰ)】《大手ゼネコンが元請→下請け→孫請け→ひ孫請け→現場労働者といった多重請負構造賃金の中抜きをやり易く…》」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a5407155a54f491a9397630a774bfa25
-  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -

==================================================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019041802000279.html

福島第一、廃炉に特定技能外国人 東電受け入れへ
2019年4月18日 夕刊

 東京電力ホールディングスは十八日、四月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を、福島第一原発(福島県)の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにした。再稼働を目指す東電の柏崎刈羽原発(新潟県)の工事でも受け入れる考え。建設業界では人手不足が深刻で、大手電力や建設会社は作業員の確保に苦労しており、全国の原発に波及する可能性がある。

 東電は協力会社数十社向けの会議で、特定技能の外国人受け入れについて既に説明した。対象業種は廃炉作業に関連する「建設」や「電気・電子情報関連産業」のほか、事務棟などでの仕事となる「ビルクリーニング」や「外食業」が該当するとした。

 廃炉作業では被ばくの防止が重要なため、線量計の携帯が必要な放射線管理区域では、放射線や作業手順に関する正しい理解が必要で、日本語での指示を正確に理解できる能力を持っていることが必要だと伝えたという。

 福島第一では、東電や協力企業の社員が一日平均で計約四千人働いている。

 東電の広報担当者は「特定技能の外国人の雇用は協力会社の判断であり、具体的に雇用規模などが決まっているわけではない。発注元としてしっかり管理したい」と話している。

 福島第一を巡っては、国際貢献が主目的の外国人技能実習生が、施設内の建設作業に従事したことが昨年発覚。東電が、福島第一の廃炉作業は特殊で国際貢献にならないとして、協力企業に対し是正を求めた問題もあった。特定技能外国人の活用が可能なことは法務省に確認済みだという。

 法務省によると、廃炉作業への技能実習生の受け入れは「習得した技術を母国で役立てる」という制度の趣旨に合致しないとして、認めていない


<特定技能> 少子高齢化などを背景とした人手不足に対処するため、国が4月1日施行の改正入管難民法で創設した外国人の新たな在留資格。建設や農業など14業種が対象。「1号」の取得には、就労分野の一定の技能と日常会話程度の日本語能力が必要。在留期限は通算5年で家族帯同は認められない。熟練技能が必要な「2号」は在留期間の更新や家族帯同が可能だが、当面は受け入れを建設業と造船・舶用工業に限る。原発での作業は建設業での受け入れが主となる見通し
==================================================================================

==================================================================================
https://lite-ra.com/2019/04/post-4667.html

東電と安倍政権が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ!「特定技能」制度を利用し被曝リスクと搾取の劣悪労働
2019.04.18 10:58

     (東京電力ホールディングスHPより)

 今月1日、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が施行されたが、本日、驚くべきニュースが報じられた。東京電力ホールディングスが、福島第一原発の廃炉作業などに新たな在留資格である「特定技能」の外国人労働者を受け入れる方針を示したのだ。

 これまでの外国人技能実習制度では、廃炉作業は「一般的に海外で発生しうるものではない」として受け入れは認められていなかった。だが、東電の方針を本日の朝刊でいち早くスッパ抜いた朝日新聞の記事によると、東電が特定技能について法務省に問い合わせた結果、「新資格は受け入れ可能日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる」(東電広報担当)と判断したのだという。

 この決定の背景には「深刻な人手不足」があると言うが、その大きな要因のひとつとなっているのは、東京五輪開催に伴い建設業界などを中心に人手が取られているということ。復興や廃炉作業の足を引っ張っておいて復興五輪安倍首相はよく言えたものだ

 そしてもうひとつは、原発作業員に対する給与の“ピンハネ”の横行だ多重下請け構造のなかで、違法な雇用契約、複数の会社による中間搾取によって日当や危険手当がきちんと払われていないという事例は数多く、危険と隣り合わせの作業を余儀なくされるにもかかわらず劣悪な労働環境が指摘されてきた。

 こうした原発作業員をめぐる状況を改善するのではなく、外国人労働者に押し付ける──。安倍首相は外国人労働者受け入れ拡大の改正案審議の際に「外国人材のみなさんは人間として受け入れる」と明言したが、さんざん懸念が示されてきたように、結局、実態は「安く使い倒せる労働力」として扱おうというのだ。これは、まさしく“奴隷労働”ではないか。

 しかも、原発作業員として外国人労働者を受け入れることで、労働環境の劣悪さが助長させることは目に見えている。

 たとえば、昨年、外国人技能実習生に除染作業をさせていたことが判明したが、このとき監理団体は技能実習生に「仕事は簡単」「誰でも出来る」としか説明していなかったという。一方、特定技能1号では、「日本語基礎テスト」または「日本語能力試験」で5段階のうち4番目にやさしいレベルの「N4」(ややゆっくりの会話であれば、ほぼ理解できるレベル)での合格が必要となるが、廃炉という危険が伴う作業についてしっかり意思疎通をはかることが現場で徹底されるのか。技能実習生の除染作業従事問題の一例をとっても不安しかないだろう。

 何より問題なのは、被曝線量の把握だ。国外の原発で働いて被曝した場合、被曝線量は労働者が自己申告しなければならないというが、今朝の朝日新聞では、廃炉作業に従事し『福島原発作業員の記』の著者でもある池田実さんが「日本人ですら、被曝による労災申請の方法はよく分からず、ためらう。外国人ではなおさらではないか」と懸念を示している。


■国連人権理事会でも「被爆のリスクと搾取」が問題視された福島原発作業

 しかも、昨年、国連人権理事会の特別報告者は「除染などのために雇われた労働者には、移民労働者やホームレスが含まれていると伝えられている」「被ばくのリスクに加え、経済的な理由から危険な労働条件を受け入れざるを得ない状況適切な訓練や防護措置が取られているかについて非常に懸念している」と声明を公表し、日本政府に対応を求めた。しかし、外務省は「政府として真摯に対応してきた。一方的な申し立てに基づく声明は、いたずらに不安をあおり混乱を招く」と反論した(東京新聞2018年8月17日付)。

 国連から原発作業について緊急の対応を求められても逆ギレして返すだけの日本政府──労働者の安全性の確保にまったく配慮を見せないこのような姿勢のまま廃炉作業への受け入れがはじまれば、外国人労働者がどんな危険に晒されるのかは火を見るより明らかだ

 徴用工問題では歴史を無視してヒステリックに「解決済み」と叫ぶ安倍政権だが、近い将来、原発作業をめぐっても従事させられた外国人労働者からの損害賠償請求などが起こり、国際問題に発展することも考えられる。安倍首相は法案審議でも外国人労働者の人権を軽視しつづけたが、このままでは世界から軽蔑される国になることは間違いないだろう。

(編集部)
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「始まりの地、福島から日本を変える」: シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力…内橋克人さんのFEC

2016年05月13日 00時00分16秒 | Weblog


東京新聞の社説【週のはじめに考える 福島から日本を変える】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016050102000157.html)。

 《原発事故の影響が続く福島県ですが、元気な人もいます。ご当地電力で復興を図り、日本を変えようというのです…二〇四〇年にはすべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う》。

 《始まりの地、福島から日本を変える》…「原発に依存しない地域の未来図」を描くことは可能だ、と信じる。

   『●「えらそうに反対するなら、この田舎町で生活できる基盤を下さい」
                           ・・・原発再稼働以外の道はある
   『●「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ
    「福島原発の被災者は、放射能でふるさとさえも失った
     あまりに過酷な現実の渦中にある。
     再び原発と共存できるとは思うまい
      他の原発立地地域にも、もはや原発の安全神話を
     信じる人はいないだろう

   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
           参加者だということがわかっているのだろうか」?
    「『チェルノブイリの祈り』(松本妙子訳、岩波書店)…
     本の副題は「未来の物語」とした▼だが、この副題は
     隠喩以上の意味を持つこととなった福島の事故を見て
     彼女は「私は過去についての本を書いていたのに、
     それは未来のことだったとは」と慨嘆したという
     ▼人類は核と共存しうるのか。常にそう問われる時代に
     私たちは生きている。」

   『●人類は核と共存できるのか?
       『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    「《長崎市で第六十一回パグウォッシュ会議世界大会が…
     人類は核と共存できるのか…》?
      核発電も含めて、答えは「No!」だ」

 シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力、《デンマーク・サムソ島にあるサムソ・エネルギー・アカデミー》…内橋克人さんの言う「FEC自給圏Food、Energy、Care)」と重なる。

   『●『不安社会を生きる』読了(2/2)
    「「・・・イスラムの金融機関は利子、利息の概念そのものを禁じている
     ・・・利が利を生むマネー資本主義に対するアンチテーゼが
     イスラムにはある。/・・・とってかわるのではなく、市場経済を
     より健全なものにする上で価値の高い対抗思潮だと思います。」(p.218)。
     自給自足圏の中でも安定した経済成長は可能かとの問いに、
     「ほどほどの成長は可能です。それを実践しているモデル
     世界にたくさんあります。『浪費なき成長』です」(p.221)。
     いわゆるFEC。「BSE問題の発端、肉骨粉に関しても
     飼料穀物の輸入自由化にさかのぼる長い歴史検証を
     スキップすることはできない」(p.226)」

   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)
   『●原発絶対断固反対!
   『●FECにつながる「地給率」
   『●SLAPPと祝島
   『●まさに、FEC自給圏を目指せ
   『●内橋克人さんインタビュー: 
      〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向
    「目指すべき方向性。「私は新たな基幹産業として『FEC自給圏』を
     提唱してきた。FはFoods(食糧)。日本の穀物自給率は世界で
     124番目だが、食糧自給は国の自立条件で新たな産業も形成する。
     EはEnergy(エネルギー)。再生可能エネルギーとしてデンマークでは
     風力発電、太陽熱発電を推進し、エネルギー自給率が今では200%近い。
     日本は国策として原発に集中し、他の選択肢を排除した。
     CはCare(介護)。市場に任せるのではなく、社会による介護自給圏を
     形成すれば北欧諸国のように強力な産業になる」。
    「『うっぷん晴らし政治』ではなく、世界のモデルに目を向け、
     食糧、介護、エネルギーの自給圏を志向すべきだ。地味でも良いから、
     グローバル化の中で、それに対抗できる『新たな経済』を作ることが
     本当の政治の役割だと思う」。目指すべきは北欧型か?
     「地味でも良いから」、というところにグッときた」

   『●衆院選の惨敗と参院選という正念場:
              FEC自給圏・「浪費なき成長」と「暗闇の思想」
   『●原子力ムラに対して、開き直ろう!: 
       こういう挑発や脅し、騙しに乗ってはならない
   『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?  
       「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?
   『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
                     泥棒やその子分に縄をなわせる愚
    「ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが?
     内橋克人さんのFEC自給圏の確立を」

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016050102000157.html

【社説】
週のはじめに考える 福島から日本を変える
2016年5月1日

 原発事故の影響が続く福島県ですが、元気な人もいます。ご当地電力で復興を図り、日本を変えようというのです。「始まりの地、福島」の物語です。

 JR福島駅の新幹線コンコースには、全国の駅でも珍しい大型の鉄道模型があります。太陽光発電量が世界一の駅(昨年四月現在)で、模型は「再生可能エネルギー情報館」の目玉展示なのです。

 情報館には福島県の計画を紹介したパネルがあります。「二〇四〇年にはすべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う」。ガソリンや灯油も含むエネルギー消費量と同量の再生可能エネルギーを生産する野心的な目標です。


◆再エネで人づくり

 政府の目標は三〇年度、電力の22~24%を再生可能エネルギーとすることですが、福島県は既に達成しています。広い県土には、水力発電はもちろん、風力発電も地熱発電もあります。

 住民も意欲的です。

 福島市郊外の土湯温泉では、土湯温泉町地区まちづくり協議会会長の加藤勝一さんが社長を務める「元気アップつちゆ」が、温泉熱を利用した地熱発電と小水力発電を昨年から始めました。誘客にも利用しようと考えています。

 浜通り(沿岸部)の南相馬市には福島復興ソーラーが同市と共同で太陽光発電所を造り、隣接の植物工場に電気を供給し、余剰電力を売っています。

 目的は発電だけではありません。設備を使って体験学習をさせ、志に満ちた子どもを育てることも狙いです。発電で得たお金を教育につぎ込んでいます。こうした活動は一般社団法人「あすびと福島」が担当します。「あすびと」とは「明日を切り拓(ひら)く人」の意味です。

 仕掛け人は同市出身で、震災前は東京電力の重役だった半谷栄寿(はんがいえいじゅ)さんです。半谷さんは「自分で考えることができる子、起業家精神を持つ子を育てることが地域の復興につながる」と信じています。

 すでに女子高生のアイデアを元にした「高校生が伝える・ふくしま食べる通信」という福島県農産物の宅配事業がスタートしています。高校生が取材して書いた記事が付加価値となっています。


◆地域の雇用を生む

 ご当地電力としては、会津電力が有名です。原発事故で会津地方も混乱しました。その中で生まれたのが、会津電力です。社長の佐藤弥右衛門さんは、江戸時代から続く酒蔵が本業です。

 地産地消で、地域を活性化させるのが「ご当地電力」です。発電した電気は地元で使います。そうすれば、お金は地域で回り、外に吸い上げられる金額は少なくできます。雇用も生まれます

 原発で作られた電気は首都圏で使われお金は東京に本社のある東電に入る。地元に入る税金などは、事故が起きると割に合わないほど少額だった。そういう苦い思いが背景にあります。

 一昨年、会津電力のバックアップで、全村避難が続く飯舘村飯舘電力が誕生しました。ご当地電力の輪は広がっています

 さらに今年三月、佐藤さんは「ふくしま自然エネルギー基金」を設立しました。基金は企業や個人からの寄付を募り、福島県内の自然エネルギー事業や教育などへの出資や助成に使う予定です。

 きっかけは、ドイツ南西部の小さな町にあるシェーナウ電力から佐藤さんに環境賞が贈られたことです。シェーナウ電力は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を契機に生まれた、再生可能エネルギーで発電する電力会社です。会津電力とよく似ています。

 設立記念シンポジウムが三月に福島市でありました。国内外のゲストが指摘した課題は二つです。もうけること、無理だという声に惑わされないこと、です。

 デンマーク・サムソ島にあるサムソ・エネルギー・アカデミーのソーレン・ハーマンセン代表は「サムソ島が100%再生可能エネルギーに切り替えると言ったとき、周りから無理だと言われました。でも、自然エネルギーは経済性があり、雇用を生みます。今、島の生活水準は上がりました。福島でも同じことが起きれば、と願っています」と励ましました。


平和につながる

 河合弘之弁護士は現在、脱原発を訴える映画を制作中です。映画のための取材で体験したことを話しました。「米国防総省が自然エネルギー研究をしているのを知って、理由を尋ねたんです。答えは『歴史上の大きな戦争は資源争奪が原因だった。自然エネルギーが普及すれば石油の取り合いはなくなる』。自然エネルギーは平和につながるのです」

 シンポジウムの後、多くの人が口にした言葉があります。

 「始まりの地、福島から日本を変える
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」

2016年05月12日 00時00分47秒 | Weblog


東京新聞の3つの記事、森本智之記者による【「中部電、浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000132.html)、
小沢慧一:森本智之・勝間田秀樹記者による【浜岡地元に30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 原発受け入れ晩年まで自問】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000135.html)、
夏目貴史記者によるインタビュー【浜岡原発停止5年 御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000146.html)。

   『●浜岡原発と大飯原発: 「当面」「いったん」が
                       ポイント、「一切」「永久に」ではない
   『●浜岡原発〝一時〟停止のみでいいのか?

   『●浜岡原発: 元原発技術者の叫び
   『●まずは第一歩目かな・・・??
   『●浜岡原発: 安全対策工事という
         砂上の楼閣に期待する人たち
    「安全対策工事後って、物理的にも砂上の楼閣が
     出来たからと言って、何なんでしょうか?? 
     何の役に立つというのでしょう?? 東京電力人災の
     教訓が全く活かされていません」

   『●浜岡原発という凶器:  
      砂上にペラペラの壁を造って、な~にが「安全」なのか?

 《中部電力浜岡原発静岡県御前崎市)1~4号機を建設するのに伴い、地元の住民組織に総額三十億七千九百万円余りが渡っていたとする文書が見つかった…電力会社が原発の立地自治体に行う寄付は、なれ合いを生むなどとして批判されてきたが、浜岡原発の場合は一住民組織にまで継続的に行われていたことになる》。
 《地域の振興と引き換えに原発を受け入れてきた。それが正しかったのか、晩年まで自身に問い続けた》。
 《原発はお金がなる木だった》。

 地元の住民組織にまで「麻薬」が配られていたそうです。中部電力と「なれ合って」いた訳です。おカネは何に使われて、どこに消えたのでしょうね。唖然とします。
 核発電所立地の地元民までが、砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる訳です。核発電「麻薬」中毒患者が実り、3.11人災のような、そして、地域の分断のような「悲劇」が実る「金のなる巨大木」だったようです。

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000132.html

「中部電、浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー
2016年5月11日 07時02分

 中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)1~4号機を建設するのに伴い、地元の住民組織に総額三十億七千九百万円余りが渡っていたとする文書が見つかった。組織の代表者を務めた男性(故人)の自筆メモで、関係者から提供を受けた一連の資料とともに、立教大共生社会研究センターが十日、公開を始めた。

 電力会社が原発の立地自治体に行う寄付は、なれ合いを生むなどとして批判されてきたが、浜岡原発の場合は一住民組織にまで継続的に行われていたことになる。こうした資料が明らかになるのは異例だ。

 男性は旧浜岡町議の鴨川源吉氏。原発の建設用地の地権者の一人でもあり、中部電が1号機の受け入れを町に打診した翌年の一九六八年、地権者らの代表組織として「佐倉地区対策協議会(佐対協)」が発足すると、理事に就任した。

 その後、原子炉増設の際には佐対協の同意が不可欠となるなど原発運営に強い影響力を持つようになった。鴨川氏は3~4号機を受け入れた七八~九〇年には会長を務め、九九年に八十四歳で亡くなった。

 資料は「中電協力金集計表」と題され、日付は「(平成)元年8月31日現在調査」とある。

 資料によると、協力金は原子炉増設のたび支払われた浜岡原発の真下を想定震源域とする東海地震説が発表(七六年)されたり、米スリーマイル島原発事故(七九年)が起きたりし、受け入れ交渉が難航した3号機増設の際には、総額の六割強に当たる十九億円余りに達したとみられる。

 旧浜岡町は従来、中部電からの寄付金を人口などに応じて町内六地区に平等に分配していた。だが3号機増設の際には、中部電との直接取引を指すとみられる「中電直入」の金が計十三億四千万円生じている。「中電直入」は4号機分でも五億円ある。

 鴨川氏が会長を務めた当時幹部の男性は、資料について「知らない。知っていてもお金のことは言えないし、墓場まで持って行く話」と答えた。同時期に町長だった鴨川義郎氏(88)は「佐対協は中電と直接、補償交渉をしていた。金額までは分からないが、三十億円くらいはもらっているかもしれない」と話した。

 鴨川源吉氏はこの資料のほか佐対協の議事録や自筆メモなど大量の資料を残しており、立教大で公開されるのは計約五百六十点に上る。資料は、立教大共生社会研究センター(東京都豊島区西池袋三)へ申請し、許可が得られれば閲覧が可能。


◆「振興の手伝い」中部電コメント

 中部電力広報部は取材に「地元の振興を手伝いたいとの考えから、協力金を支払うことがある。個別の協力内容は相手方もあることから差し控える」とコメントした。


「地区の同意」に巨費

<解説> 今回明らかになった文書からうかがえるのは、地震大国・日本で原発を建設することの難しさだ

 原発の立地、建設を円滑に進めるために電力会社は多額の寄付金を地元自治体に落としてきた。旧浜岡町も一九七〇~八〇年代、中部電から少なくとも百十四億円を受け取っていたことが本紙の過去の報道で明らかになっている。今回のケースではこれに加え、人口三千~四千人規模だった一地区にまで、巨費が投じられていたことになる。

 浜岡原発は東海地震や南海トラフ地震で大きな被害が想定されるエリアにあり、「世界一危険な原発」と呼ばれる。手厚い地元対策の背景には、地震や過酷事故への住民の懸念があったはずだ。ところが、「立地交渉は、ブラックボックス。社内でも担当部署以外は事情を知らされない」(中部電の元役員)というようにその実態はほとんどベールに包まれてきた。

 東日本大震災を経験し、地震や津波対策は日本中の原発に突きつけられた共通の課題になった。日本で原発を建設し、運営するにはどれだけの費用がかかるのか。そして、これまでどんな交渉が行われてきたのか。電力を消費し、電気料金を払い続ける国民にとって、今回公開された大量の資料は、現在の原発政策を考える上でも大きな示唆に富むはずだ。(森本智之


 <佐倉地区対策協議会(佐対協)> 中部電の浜岡原発建設予定地に土地を持つ佐倉の地主たちを中心に1968年に発足した。当時の地主は約300人。現在の佐倉地区は1927世帯、4746人(3月末現在)。中部電の寄付金で建てられた旧公民館内に事務所がある。他の原発立地自治体視察などの事業をしている。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000135.html

浜岡地元に30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 原発受け入れ晩年まで自問
2016年5月11日 朝刊

     (1960年代後半、浜岡原発建設の申し入れが
       あったころの鴨川源吉さん(右))

 「喜び、悲しみ、苦しみ」。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の建設をめぐり、地元佐倉地区の故鴨川源吉さんが残した資料には、手書きでそんな対義語が記されている。原発増設の際、住民組織「佐倉地区対策協議会(佐対協)」の中心人物として中部電と交渉し、地域の振興と引き換えに原発を受け入れてきた。それが正しかったのか、晩年まで自身に問い続けた。 (小沢慧一、森本智之、勝間田秀樹)

 浜岡原発1号機が建つとき「泥田に鶴が舞い降りた」と言われるほど産業に乏しかった佐倉地区。鴨川さんはここで育った。公開された自筆のメモのほとんどは、ノートなどを使わず、新聞チラシの裏に細かい字でびっしりと書き込まれている。立教大によると、資料を収めたファイルは紙製で、日焼けやシミができていたが、中身はきちんと整頓されていた。

 一九一五年生まれ。四〇年に農業技術者として旧満州の会社に就職し、四五年の終戦三カ月前、中国の黒竜江省牡丹江市に出征した。戦後はシベリアに二年間抑留された。四七年に帰郷を果たすと農業に従事し、後に原発用地となる土地でミカンやウメ、茶を栽培した。親分気質で住民の信頼も厚く、六七年から旧浜岡町議を四期務めた。佐対協の会長だったのは七八年から十二年間。九九年に八十四歳で世を去った。

 普段は温厚だが、中部電との交渉には「地元のため」と、厳しい姿勢で臨み、自宅応接間で中部電の担当者と大声でやり合うこともあった。

 メモ魔の一面もあり、中部電との交渉や佐対協の議事録などを細かく記録。書斎の壁一面に作った本棚を、テーマ別に並ぶファイルが埋めた。その資料を頼って、中部電の幹部も過去の経緯を調べにたびたび来たという。

 暮らしぶりは質素で、あるとき、袖口が破れ、尻の部分がすり減った背広を見て、妻が新調を勧めた。だが、源吉さんは「そんなもので人は決まらない」と聞かず、家族が無理やりスーツ量販店に連れて行ったこともあった。

 資料には、七九年の米スリーマイル島原発事故を受け「地域へのメリットがあるならと推進してきた。しかし起きないと言った事が起きたと困惑を吐露したり、八六年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故では「4号機増設了解を撤回し(東海地震説で想定されていた)マグニチュード8以上の地震を乗り切って、判断すべきではないか」と後悔をつづったり。

 当時町長だった鴨川義郎さん(88)は「原発受け入れ判断の重圧は、大きかっただろう」と述懐する。

 源吉さんは会長から退くと、「5号機はもういらんな」と話していたという。ある日のこと、長女が「原発同意したことをどう思っているの」と尋ねた。「そうだな…」としばらく考え「豊かになっただけ、よかったんだろう」と窓の外を見つめた。1号機から一キロの自宅から見る風景に、かつて手塩にかけたミカンの木はもう見えなかった。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016051102000146.html

浜岡原発停止5年 御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」
2016年5月11日 朝刊

     (市長時代を振り返る前市長の石原茂雄さん
                  =静岡県御前崎市役所で)

 「原発はお金がなる木だった」。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全炉の運転が、政府の要請で停止してから十四日で五年。全国の原発停止の発端となったものの、その後の国内の原発を巡る動きは迷走している。浜岡原発に携わってきた同市の石原茂雄前市長(69)に思いを聞いた。 


 -浜岡原発停止から五年間を振り返って。

 東日本大震災後の二〇一一年五月五日朝、中電から海江田万里経済産業相(当時)が原発を視察すると突然の連絡が入った。視察に立ち会ったが、安全対策に問題ないと判断した印象を受けた。ところが翌六日夜、総理官邸から、菅直人首相(当時)が浜岡の停止について発表する、との電話を受けた。あまりに唐突で、なぜ浜岡だけが危険なのかと思った。国策として応援してきたのに、浜岡だけを止めるのは納得できなかった。かなり興奮し、関係機関に暴言を吐いた。東京のために一番近くの浜岡を止めるのかと疑った。

 冷静に考えると震災以降、原発の安全神話は完全に崩れた。国は、国民の生命や財産を守ろうと判断し、浜岡を止めたと思う。そのおかげで浜岡の安全対策が進んだ。首相の判断は重要だったと感じている。


 -市長として、どう原発と向き合ってきたか。

 この五年間、原発問題の取り組みには進展がなかったと言わざるを得ない。中電は対策を進めたが、行政は常に受け身だった。将来を考えて新エネルギーや企業誘致などに努力したが、原発の安全神話が崩れて市のイメージが最悪になった。何をするにしても難しく、中電に対して本社を浜岡に移転しろと文句を言ったこともある。


 -原発施策でやり残したことは。

 安全性のチェック体制を整え、中電のミスなどをもっと指摘するべきだった。原発に頼らない徹底した行政改革も必要だった。原発交付金で造った公共施設の維持についても見直していく必要がある。中電の安全対策に対しては評価するが、百パーセントの安全はなく、評価しない人も多いと思う。


 -原発の存在とは。

 多くの先人が言うように、原発は「お金がなる木」だった。市長就任時、周りから財政豊かで市政運営が楽だとうらやましがられた。確かに原発のおかげで恵まれていた。今となっては、その甘え体質をなくさないといけない。予算の無駄遣いなどが目立ち、新たなアイデアを生み出すことも少ない。旧浜岡町時代からの悪癖として続いている。自分も甘えていたかもしれないと反省している。


 -再稼働の判断は。これからも原発は必要か。

 再稼働は、活断層の調査や安全対策を確認し、まず原子力規制委員会が判断する。その後は、県や国が納得できる説明責任を果たす義務がある。最終決定は市民に託されるが、住民投票で白黒付けることなく、じっくりと話し合うことが大切だと考えている。原発はずっと存在する。新市長は再稼働推進の立場だが、課題は山積しており、厳しい判断が迫られる。

  (聞き手・夏目貴史)


 <いしはら・しげお> 静岡県旧浜岡町議を経て、2004年の同町と旧御前崎町の合併で誕生した御前崎市の初代市長に就任。3期12年間の任期を務め、今年4月に退任した。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●人類は核と共存できるのか? 『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議

2015年11月01日 00時00分10秒 | Weblog


東京新聞の社説【核と人類 パグウォッシュ会議を前に 世界を動かした死の灰】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015102602000135.html)。


 《第五福竜丸は一九五四年、太平洋で操業中に、米国がビキニ環礁で行った水爆実験で被ばくした。大量の放射性降下物(死の灰)を浴び、乗組員の一人が帰国後、死亡した》。

 これは一面にしか過ぎない…『放射線を浴びたX年後』。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
      「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
    「だが、実は被曝したのは1隻だけでなく992隻に上った
     しかも、船員の多くは若くしてがんで人知れず亡くなっていた
     たとえば「第二幸成丸」の乗組員20人中17が、「新生丸」では
     19人中17が死亡している。それなのに米政府は、200万ドルの
     慰謝料を支払うことで“完全解決”を図り、日本政府が受諾し、
     一切の調査を打ち切って隠蔽した。翌年から、
     すべての魚が無検査で全国の食卓にのぼった」・・・・・・。
    「山下は語る。「こんな巨大な事件が、全体像が明らかにされないまま
     現代史に埋没するなんてことは、日本人としての資質が問われる
」と。
     この映画から、フクシマの「X年後」が見えてきて誰しも愕然となろう」

   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                     vs 研究者「1400ミリシーベルト」


 《長崎市で第六十一回パグウォッシュ会議世界大会が…人類は核と共存できるのか…》?

 核発電も含めて、答えは「No!」だ。

   『●社説:核廃絶と脱原発
   『●首相の2枚目の舌が福島で語らない事
   『●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、
                 それは愛国心の発露か?
   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ
    「福島原発の被災者は、放射能でふるさとさえも失った
     あまりに過酷な現実の渦中にある。
     再び原発と共存できるとは思うまい
      他の原発立地地域にも、もはや原発の安全神話を
     信じる人はいないだろう

   『●あれから3年半、広島市長までが、原発は
     「安全性を確保できれば再稼働するという方向が出ている」と
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの
           参加者だということがわかっているのだろうか」?
    「『チェルノブイリの祈り』(松本妙子訳、岩波書店)…
     本の副題は「未来の物語」とした▼だが、この副題は
     隠喩以上の意味を持つこととなった福島の事故を見て
     彼女は「私は過去についての本を書いていたのに、
     それは未来のことだったとは」と慨嘆したという
     ▼人類は核と共存しうるのか。常にそう問われる時代に
     私たちは生きている。」

   『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
      「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」


=====================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015102602000135.html

【社説】
核と人類 パグウォッシュ会議を前に 世界を動かした死の灰
2015年10月26日

 秋の修学旅行シーズン、真っ盛りだ。東京・夢の島にある「第五福竜丸展示館」にも、小中高校生たちの姿が目立つ。

 第五福竜丸は一九五四年、太平洋で操業中に、米国がビキニ環礁で行った水爆実験で被ばくした。大量の放射性降下物(死の灰)を浴び、乗組員の一人が帰国後、死亡した。展示館には、ガラス瓶に入った「死の灰」がある。瓶のラベルが茶色く変色しているのとは対照的に、食塩のような純白の小さな粒だ。サンゴが水爆で破壊され、その熱に焼かれてできた。放射線はもう測定できないほどだという。

 これがきっかけで、原水爆禁止運動が国民的な広がりを持った。翌年八月六日、広島で開かれた「第一回原水爆禁止世界大会」には三千万を超える署名が集まった。展示館にはその署名簿の一部も展示されている。

 影響は海外にも広がった。哲学者バートランド・ラッセルと物理学者アルバート・アインシュタインは「核兵器の廃絶と戦争の廃絶」を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言を発表した。宣言を出す理由として、水爆実験で日本の漁船員が被ばくしたことに触れている。宣言には、湯川秀樹博士も署名した。

 二年後の五七年、カナダの漁村パグウォッシュに、米、旧ソ連、西欧、東欧、中国などの物理学者ら二十二人が集まり、核兵器の危険性、放射線の危害、科学者の社会的責任について討議した。この後、パグウォッシュ会議のグループ名で毎年、開催されている。

 来月一日から五日まで長崎市で第六十一回パグウォッシュ会議世界大会が開かれ、四十カ国から二百人近い科学者らが参加する。

 国内での開催は一九九五年、二〇〇五年の二度、広島市で開かれたのに続き三回目だ。被爆地広島での開催は、参加者にとって貴重な経験となったという。

 今回は、参加者と長崎の被爆者との対話を予定。福島第一原発事故が初めてプログラムに入った。「平和と共存の北東アジアをめざして」というセッションでは、将来の非核化を探る。

 会議が開かれるのを機に、人類は核と共存できるのか、みなさんと一緒に考えたい。 (井上能行
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●あの原子力「寄生」委員会にさえ「計画が現実的ではない」「見通しが甘い」と“ダメ出し”再稼働計画?

2015年05月03日 00時00分27秒 | Weblog


東京新聞の社説【川内原発仮処分 疑問は一層深まった】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015042302000147.html)。
nikkan-gendai.comの二つの記事【“日本一危険”な川内原発 鹿児島地裁が「再稼働差し止め」却下】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159248)と、
【川内原発1号機 規制委にダメ出し食らった九電のズサン計画】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159317)。

   『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
       寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」

   『●「冷却は問題なく続けられる」・・・確率100%? 
         東京電力原発人災を目の当たりにしても??

 「鹿児島地裁は、原発の新たな規制基準は適切などとして、九州電力川内原発1、2号機の再稼働をよしとした。福井地裁とは正反対の判断だ。どちらを信じるべきなのか。疑問は一層深まった。いったいどちらが本当なのか」、「絶望的な判断が下された。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は安全性が不十分だとして、住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日午前、「原発の新規制基準は不合理とまでは言えない」と判断」。
 「・・・・・・これに続く裁判官は居るか?」・・・大変に残念な結果に。

 「過去の地震の平均値に基づいて」いて、「九電側は「基準地震動を超えた地震でも影響はない」と反論」したそうだが、どれぐらい越えても大丈夫なものなんですか? 平均値+2σぐらい?? それを越えない確率は100%なのですか? それを越えた時でも放射能を漏らさない確率も100%なのでしょうか? 原子力「ムラ寄生」委員会の方々にお聞きしたい。これまた、「想定不適当事故」なのですか?

 で、一方、「地裁決定に対し「妥当だ」なんて余裕シャクシャクだった九州電力は23日、「川内原発1号機」を再稼働させる計画書を原子力規制委員会に提出。ところが、規制委から「計画が現実的ではない」「見通しが甘い」と“ダメ出し”を食らったのである」。
 原子力「ムラ寄生」委員会からさえ、ダメ出しって、一体どんな計画書? それとも、いつものデキレース、猿芝居?

======================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015042302000147.html

【社説】
川内原発仮処分 疑問は一層深まった
2015年4月23日

 鹿児島地裁は、原発の新たな規制基準は適切などとして、九州電力川内原発1、2号機再稼働をよしとした福井地裁とは正反対の判断だ。どちらを信じるべきなのか。疑問は一層深まった。

 いったいどちらが本当なのか。

 司法の判断が真っ二つに分かれたのは、つまるところ規制基準の見方による。

 福井地裁は先週、高浜原発(福井県高浜町)の再稼働差し止めを認めた中で、3・11を踏まえて定められた原子力規制委員会の新規制基準を「緩やかすぎる」と否定した。

 そこで川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の場合にも、規制基準の用いる基準地震動(想定される最大の揺れの強さ)の妥当性が、第一の争点になった。

 鹿児島地裁は、合理性を認めた上で、基準地震動の適切さと、「耐震安全上の余裕はある」とする九電側の主張を受け入れた。

 一方、火山地帯の地域特性として、住民側は「巨大噴火の痕跡であるカルデラ(陥没地帯)が近くに五つもある」と噴火の危険を重視したが、地裁はこれを「カルデラ噴火の可能性は小さいと考える学者の方が多い」と一蹴した。

 規制委の基準に含まれない事故発生時の避難計画は「現時点において一応の合理性・実効性を備えている」とした。

 鹿児島県の試算では、原発三十キロ圏内の住民が自動車で圏外へ逃れるのに三十時間近くもかかるというのだが。

 全体的に、約二十年前に、最高裁が四国電力伊方原発訴訟(設置許可処分取り消し)で示した「安全基準の是非は、専門家と政治判断に委ねる」という3・11以前の司法の流れに回帰した感がある。

 だがそれは、もう過去のことであるはずだ。

 原発の安全神話は崩れ、福島は救済されていない核廃棄物の行き場もない。3・11は、科学に対する国民の意識も変えた。

 多くの人は、原発や地震、火山の科学に信頼よりも、不信を抱いている。

 新規制基準は、地震国日本でどれほど頼れるものなのかそれに「適合」するというだけで、再稼働を認めてしまっていいものか避難計画が不完全なままでいいのだろうか

 司法判断が分かれた以上、規制委や政府は国民の視点に立って、その不信と不安をぬぐい去るよう、より一層、説明に努めるべきではないのだろうか。
=====================================================

=====================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159248

日本一危険”な川内原発 鹿児島地裁が「再稼働差し止め」却下
2015年4月22日

      (まさか…(川内原発)/(C)日刊ゲンダイ)

 絶望的な判断が下された。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は安全性が不十分だとして、住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日午前、「原発の新規制基準は不合理とまでは言えない」と判断した。住民側は不服として高裁に抗告する方針を示している。

 争点は「地震対策」や「火山(被害)の危険性」などで、住民側は耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)が「過去の地震の平均値に基づいているだけで根拠が不十分」と指摘し、「大地震では対応できない」と主張。これに対し、九電側は「基準地震動を超えた地震でも影響はない」と反論していた。

 福井地裁に続き、鹿児島地裁でも「再稼働認めず」との司法判断が示されれば、全国の「脱原発訴訟」に“飛び火”するとみられ、注目されていた。ところが、下されたのは司法判断を逆戻りさせるような判決だった。

 川内原発の取材を続けているジャーナリストの志葉玲氏が言う。

   「川内原発は“日本一危険な原発”といわれています。
    火山学者が『この土地に建てたこと自体、大間違い』と指摘する
    ほどで、周辺には、大規模噴火リスクを抱える火山が複数ある。
    地震の揺れはもちろん、火山噴火で火砕流が原発に到達する
    危険性や避難経路の確保はどうするのか。大噴火が起きれば、
    燃料棒を運び出す時間はありません
    過去の噴火記録では、
    北海道まで灰が飛んでいます。つまり、全国に放射能が
    まき散らされる可能性があるのです。地裁はこれらのリスクを
    鑑みて判決を下したのか、疑問です」

 原発の規制基準は、半径160キロ圏内の火山の危険性を検討対象にしているが、川内原発の周辺には巨大噴火の痕跡を残すカルデラが5つもある。

   「判決の判断の理由書に目を通し、地裁は九電や原子力規制委員会の
    言い分をなぞっている印象を受けました。そもそも、原子力規制委員会の
    作成した『火山影響評価ガイド』の審理には、火山学者をほとんど
    入れていません。その内容を地裁は、うのみにしているのです。
    カルデラ噴火について、かなりの数の火山学者が懸念を
    表明しているにもかかわらず、意見は聞き入れませんでした。
    福島原発事故を経験してなお、市民らの声が反映されない
    のは残念です」(FoE Japan満田夏花氏)

 原子力規制委員会は川内1、2号機について、地震・津波の想定や重大事故対策などが「新規制基準を満たす」と判断し、1号機は審査中の原発で唯一、再稼働に向けた最終段階の使用前検査が進んでいる。九電は7月にも再稼働を見込んでいる。
=====================================================

=====================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159317

川内原発1号機 規制委にダメ出し食らった九電のズサン計画
2015年4月24日

     (再稼働差し止め却下でも(C)日刊ゲンダイ)

 やはり「川内原発1、2号機」の再稼働差し止め仮処分を却下した鹿児島地裁の判断は、マチガイだったのではないか。地裁決定に対し「妥当だ」なんて余裕シャクシャクだった九州電力は23日、「川内原発1号機」を再稼働させる計画書を原子力規制委員会に提出。ところが、規制委から「計画が現実的ではない」「見通しが甘い」と“ダメ出し”を食らったのである。

 「川内原発1号機」は3月末から使用前検査が始まっていて、九電は7月上旬にも原子炉を再稼働させる方針。だが、23日の規制委では、九電の計画書に委員から異論が続出更田豊志委員長代理は「余裕を見込んだ計画とは思えず、希望的観測にしか見えない」と批判し、計画の大幅見直しを求めた。

 九電の計画書は、いまだに準備が整っていない検査項目も多く、検査の実績も予定より遅れているという。そんなズサンな計画書をよくも平然と規制委に提出したものだ九電は規制委が“原子力ムラ”の仲間と思って気が緩んだのだろうが、再稼働ありきで安全管理は後回し――という九電のフザケた姿勢がよく表れているではないか。

 そもそも鹿児島地裁の決定に政府や電力会社は大ハシャギしているが、決定文には数々の「誤認」を指摘する声がある。

   「決定文には新規制基準の合理性について、『専門的知見を
    有する原子力規制委が策定』としていますが、原子力に批判的な
    専門家のヒアリングは行われていません
。『一般からの意見募集を
    経て示された』ともありますが、批判的な意見は無視です。
    火山の影響(リスク)についても、『規制委が火山学の専門家の関与、
    協力を得ながら』としていますが、火山学者は審査に呼ばれていません
    (国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花氏)

 前提条件の事実認定に誤りがあるのに、正しい司法判断が下せるはずがない。原子力規制を監視する市民の会の阪上武氏もこう言う。

   「鹿児島地裁が『火山学の専門家』としているのは、
    規制委が『火山影響評価ガイド』を策定する際に意見を
    求めた東大地震研究所の中田節也教授ですが、
    その中田教授ですら噴火予知の可能性を否定している。
    住民側はそれを指摘したのに裁判所は聞き入れませんでした」

 次のラウンドは福岡高裁で行われる抗告審。今度こそ再稼働認めずの審判が下るのだろうが、規制委から突っぱねられた九電のズサン計画も徹底追及した方がいい。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ

2015年03月17日 00時00分56秒 | Weblog


東京新聞の社説【東日本大震災4年 原発のまちに未来図を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html)。

 「あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も」。
 自公支持者・翼賛野党支持者、「眠り猫」の皆さん、原子力「ムラ寄生」委員会、電力会社・・・・・・無責任にも原発を再稼働し、フルMOX原発を建設し、原発輸出をするという愚かな「未来図」しか描けていない。

   ●東電原発人災: あ~アベ様の言う
      「完全にブロックされている」「状況はコントロール」の悲惨な現実

   『●東京電力原発人災から『X年後』
      ・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?

   『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという
       「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?

   『●屁理屈にもなっていない
       ・・・菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」

   『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
       情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染

   『●深刻な原発事故の教訓として
       「汚染水の『影響』は完全にブロック」・・・なんて言えるわけがない


 引用しませんが、日本ジャーナリスト会議のウエッブページに声明が出ています。【【声明】原子力発電所の再稼働に反対します=昭和43年東京大学理学部化学科卒業生有志】(http://jcj-daily.seesaa.net/article/415486519.html)、そこには、「日本の原発は極めて危険な環境に設置されている。・・・原発の事故は甚大な環境破壊をもたらす。・・・地球環境問題の解決原子力発電がなくてもできる。・・・エネルギー政策は原子力発電を除外したエネルギー源のベストミックスへ転換する。」・・・・・・とあります。賛同します。「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ。社説に言う「地産地消」は、内橋克人さんのFEC自給圏

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html

【社説】
東日本大震災4年 原発のまちに未来図を
2015年3月11日

 あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も。

 四年前のきょう、元福井県美浜町議の松下照幸さん(66)は、東日本大震災の映像を見て「福島原発が大変なことになるぞ」と直感したという。

 原発銀座と呼ばれる福井県若狭地方で、反原発を唱え続ける少数派。「原発は地震に弱いと常々思っていたが、想像を絶する事故が起きた」と振り返る。


◆ふるさとはどうなるの

 「地震にやられたら、おしまいや」という近所の声を、松下さんもしばしば聞いている。

 「いつかあること」。原発のある町で暮らす人なら、そんな不安にとらわれることがあるはずだ。予感は現実になったのだ。

 福島原発の被災者は、放射能でふるさとさえも失った。あまりに過酷な現実の渦中にある。再び原発と共存できるとは思うまい。 

 他の原発立地地域にも、もはや原発の安全神話を信じる人はいないだろう

 だが、原発がなくなれば、仕事は、暮らしはどうなるの。

 過疎化する町は、老後は、どうなってしまうのか。

 「原発がある不安」と「原発がなくなる不安」のはざまで、住民は今も揺れ続けている。

 松下さんは、かつては原発推進派に身を置いた。しかし、一九八六年のチェルノブイリ原発事故を境に、考えを改めた。

 そして三年前の九月、欧州視察の成果を踏まえ、美浜町長に宛てた脱原発の提言書をしたためた。その中で次のように書いている。

 <都市部の多くの人たちは、『危険な原発は止めればよい』という思いなのでしょうが、私にはそうはいきません。原子力発電所で働いている人たちの生活があります。自治体の財政問題もあります。それらを解決しようとせずにただ『止めればよい』と言うのであれば、私は都市部の人たちに反旗を翻さざるを得ません>

 立地地域の暮らしの不安を解消できないうちは、大手を振って脱原発とは言い難い。

 電力事業者は、原発再稼働の勢いに乗り、老朽化した小型原発を廃炉にし、大型に建て替える計画を進めている

 ところが、3・11以降、世界的にも原発の安全基準が厳格化され、建て替えの費用もかさむ。原発大国フランスさえ、新設に二の足を踏むような状況だ。


◆キーワードは地消地産

 少なくとも先進国では、原発は割に合わないという認識が進んでいる。四十年という原子炉の法定寿命が守られる限り、近い将来、国内の原発はゼロになる。

 原発に代わる産業、雇用、財源をどうするか。

 たとえ今ある原発の再稼働がスムーズに進んでも、立地自治体が早晩直面する課題である。

 廃炉や核のごみの中間貯蔵を受け入れて、一時的に雇用を生み出すことはできるだろう。しかしそれでは、放射能の不安から逃れることはできないし、大企業の下請け的体質から抜け出せない。

 松下さんは、脱原発依存のキーワードとして、「地産地消」ではなく、「地消地産」を提唱する。地域で消費するものを地域で自給することから始めよう、という考え方だ。

 人口約一万人の美浜町全体の光熱費は、年間五十億円に上るという試算がある。そのエネルギーは町外から買っている。

 新築の住宅は、大手のハウスメーカーなどが建てている。町内に豊富な森林資源が活用できていない。

 たとえば、木材のかけらや廃棄物(バイオマス)を燃やして沸かしたお湯を送り込む事業を起こす。ドイツでは総発電量の7%をバイオマスで賄っている。

 百世帯に一社の割合で、そのような熱供給の会社ができれば、エネルギーとお金が地域で回る。送電網の必要な発電事業とは違い、給湯の配管網なら地元で無理なくインフラも整えられる。

 過疎地にある原発で大量につくった電気を、はるかな都会に送り込むのとは、正反対の考え方だ。

 近々、同じ若狭のおおい町で、木材チップと太陽熱のハイブリッド(併用)による熱供給のモデルづくりに着手する計画という。


◆真の地方創生モデル

 大切なのは、小さな成功例を積み上げて、地域が自信を持つことだ。大都市本位で原発を推進してきた国は、結果として立地地域の自立の芽を摘んできた。その反省を踏まえ、「地消地産」の活動に支援を惜しむべきではない。

 大企業の恩恵に頼らない、地域にあるものを生かした地域のための産業おこし、これこそ本物の「地方創生」なのである
==============================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●川内原発を再稼働させてはいけない!: 九州の「草の根」の勁き底力を見せるとき

2014年07月23日 00時00分34秒 | Weblog


asahi.comの社説【原発再稼働を問う―無謀な回帰に反対する】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の社説【川内原発・審査「適合」 ゼロの目標はどこへ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071702000179.html)。
東京新聞の記事【川内原発への意見募集開始 規制委、来月15日まで】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071701001381.html)。
nikkan-gendaiの記事【川内原発再稼働「NO!」 周辺自治体で反対の動きが急加速』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/151959)。

   ●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、「風船爆弾」が語ることにこそ
                真実はある ~川内原発再稼働問題~

 「いまだに収束できない事故から何も学ぼうとしない無責任な態度というほかない」・・・・・・我が国に、再稼働する資格無し。国際的な「恥じ」だ。
 「もともと規制委は、原発ゼロ目標を前提につくられた・・前民主党政権は福島第一原発事故の反省に立ち、一昨年九月の「革新的エネルギー・環境戦略」で、二〇三〇年代に原発をゼロにする方針を打ち出した。福島事故以前は原発推進の旗振り役だった経済産業省から、原発の規制機関を独立させた」・・・・・・それなのに、規制どころか「寄生」とは呆れるしかない。
 そして、首長が容認派という哀しさ。ヤラセなど数知れず、それにパブコメなどどうせ無視するにきまっているのだが、それでも多くの再稼働絶対反対の意見を「地元民」として日本中から集中すべき。九州の「草の根」の勁き底力を見せる時だ!

==============================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

原発再稼働を問う―無謀な回帰に反対する
2014年7月17日(木)付

 原発事故が日本の政治と社会全体に投げかけた広範な問いはまだ何も答えられていない。

 ところが再稼働をめぐる議論はいつの間にか、原発の性能をめぐる技術論に狭められた。

 事故が起きた時の政府や自治体、電力会社の対応や、避難計画のあり方など、総合的な備えはほとんど整っていない。

 このままで原発を再び動かそうというのは暴挙である。いまだに収束できない事故から何も学ぼうとしない無責任な態度というほかない。

 原子力規制委員会が九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、新規制基準を満たすとの審査書案を出した。

 1年前に新基準ができて初めてのことだ。意見公募など手続きはまだあるが、規制委による審査は実質的にヤマを越えた。

 安倍政権は「規制委の専門的な判断にゆだね、安全と認められた原発は再稼働する」と繰り返している。あたかも規制委の審査が原発の安全確保のすべてであるかのように。

 現実は違う。あまりに多くの問題点が置き去りにされている。規制委の権限が及ぶ範囲にも、その外側にも、である。

 このままでは、原子力規制のあり方を多少改めた以外、ほとんど何も変わらず、日本は原発依存に逆戻りしかねない。


■世界一と誇張するな

 安倍政権はエネルギー基本計画で、新基準を「世界で最も厳しい水準」と明記した。

 閣僚や自民党幹部もたびたび「世界一厳しい新基準で安全確認できたら、再稼働する」と口にしてきた。

 誇張が過ぎ、原発の安全神話を復活させかねない言動だ。

 確かに新基準は、地震や津波への設備対策を以前より厳しく求めている。だが、それは有数の地震国である日本の特徴を反映したに過ぎない。

 事故が起きるおそれを数字で表す手法は、欧米では広く採り入れられているが、新基準はそこまで徹底していない。

 川内原発で注目された火山噴火対策については、火山学者が疑問を投げかけるなか、手探りの火山監視で対応できるという九電の主張を追認した。

 本質的に重要なのは、新基準への適合は決して「安全宣言」ではないということだ。

 規制委の田中俊一委員長は「新基準では事故は起きうるという前提だ」と強調してきた。

 すなわち、事故対策は規制委だけでなく、電力会社や政府、自治体や住民も本気で考えるべきだと訴えてきたのだが、その多くが手つかずのままだ。


■重要課題が手つかず

 何より、事故の際の避難で、現実的な計画が描けていない。

 規制委が示した原子力災害対策指針を基に、地元自治体がつくることになっている。いきなり難題を突きつけられた形の自治体側は戸惑っている。

 原子力政策を国策だとしておきながら、政府はなぜ、避難を自治体に丸投げするのか。

 再稼働の条件に、避難計画は含まれていない。このまま計画の見通しなしに自治体が安直に再稼働に同意しては、政府も自治体も住民の安全を守る責任を果たしたとはいえまい。

 置き去りのままの重要課題はほかにもたくさんある。

 3年前の事故が浮き彫りにした課題を何度でも思い返そう。

 過酷事故、とくに原発密集地での事故は、おびただしい数の住民を被曝(ひばく)の危険にさらし、膨大な土地を放射性物質で汚しかねない。なのに複数原発が集中立地している問題は、規制委でもまともに議論されていない。

 防災の重点区域が「おおむね30キロ圏内」に広げられたのに、再稼働への発言権は立地自治体だけでいいのか。

 福島第一原発の吉田昌郎所長(故人)の証言「吉田調書」では、幹部職員の一時離脱が明らかになった。破局の瀬戸際の対応は電力会社任せでいいのか。


■もっと深い議論を

 根本的な問題は、日本社会が福島第一原発事故を十分に消化していないことだ。

 関係者や組織の責任を具体的に厳しく追及することもなく、かといって免責して事故の教訓を徹底的に絞り出すこともしていない。未公開の吉田調書に象徴されるように、事故の実相は国民に共有されていない。

 3年前、私たちの社説は「原発ゼロ社会」を将来目標とするよう提言した。幸いなことに、原発がすべて止まっても大停電など混乱は起きていない。

 関西電力大飯原発の運転差し止めを命じた福井地裁判決は、「原発停止は貿易赤字を増やし、国富流出につながる」という指摘に対し、「豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富だ」と断じた。

 原発を含むエネルギー政策は経済の観点だけでは語れない。人間と自然の安全を長い未来にわたってどう確保するのか。

 放射性廃棄物の処分問題も含め、広く深い論議を抜きに原発再稼働を進めてはならない。
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071702000179.html

【社説】
川内原発・審査「適合」 ゼロの目標はどこへ
2014年7月17日

 原子力規制委員会の審査で「適合」が示され、川内原発が再稼働へ向かう。だが、もともと規制委は、原発ゼロ目標を前提につくられたのではなかったか。

 前民主党政権は福島第一原発事故の反省に立ち、一昨年九月の「革新的エネルギー・環境戦略」で、二〇三〇年代に原発をゼロにする方針を打ち出した

 福島事故以前は原発推進の旗振り役だった経済産業省から、原発の規制機関を独立させた。その規制委の基準を満たす原発は、当面の稼働を認めるが、四十年で廃炉にするという原発の“寿命”を厳格に適用し、新増設はしない。そうすれば最も新しい原発の寿命が尽きる二〇三〇年代に、原発は自然にゼロになる、という道筋だったはずである。


◆40年寿命が大前提

 規制委の審査には、四十年寿命、新増設はなし、という大前提があることを忘れてはならない。

 従って、新基準への適合とは、せいぜい、当面の稼働を認める仮免許といったところだろう。

 「二〇三〇年代原発ゼロ」は政権の独断というよりも、一定の民意を集めて成り立った

 当時の政府は革新的エネルギー・環境戦略を策定する前に「討論型世論調査」という新しい手法を使って、民意を確かめた

 無作為に選ばれた市民に、将来原発をどうするかという討論会に参加してもらう。原発やエネルギーに関する十分な情報と専門家の助言が保証された二日間の討論を経て、参加者の意見がどう変わるかを調べるという手順である。

 その結果、「二〇三〇年時点で原発ゼロ」のシナリオを支持した人が、約三割から約五割に増えたのだ。原発は一定程度必要だとした人は、討論の前後とも約三割と変わらなかった。万全ではないが、よりよい方法だった。

 ところがその後、自民党政権は「二〇三〇年代原発ゼロ」を「具体的根拠が伴わない」とあっさり覆し、今年四月に閣議決定した国のエネルギー基本計画の中に将来的にも「重要なベースロード電源」とあらためて位置付けた。新増設も否定していない。規制委が昨年夏に定めた規制基準を「世界で最も厳しい水準」として、それを満たした原発を速やかに再稼働させる姿勢を明らかにした。

 歯止めを外し、原発をゼロに導くはずだった規制基準を、原発を動かし続けるための基準にすり替えた。広く民意を問うこともなしに、である。


◆安全との保証はない

 新規制基準は、津波や地震対策、そして過酷事故への備えを強く求めてはいる。

 しかし、欧州のように、メルトダウン(炉心溶融)に備えるより根本的な改善を要求するものではない。当面の対症療法を求めていると言ってよい。

 だからこそ、原発を持つ電力会社が比較的短期間で申請書類を整えることが可能になっている。

 政府が繰り返し言う「世界一厳しい基準」にこそ、根拠はない。

 九州電力川内原発では、大噴火の恐れもある近くの火山対策や周辺住民の避難計画の不備が指摘されている。規制委の判断は避難計画には関知しない。

 規制委は、原発の敷地内を走る活断層や、基本設計の基準になる地震の揺れの大きさなどを厳しく評価してきている。電力会社と規制機関のなれ合いに、くさびを打ち込もうとした。そのため、推進側からは非難も批判も浴びた。

 ところが安倍政権は、その独立性を盾に取り、規制委の審査に通ったものは安全という、新たな原発神話の構築に向かい始めたようにすら見える。

 それを裏付けるのが、野党がこぞって反対した委員の交代人事である。活断層に厳しいと言われた委員を辞めさせて、原発関連企業から寄付や報酬を得ていたような人物に入れ替えた。規制委の生命線である信頼性が保てなくなる。

 小手先の話法と数の力でわが意を通すかのような安倍政権の政治手法に、疑問を抱く国民は少なくないだろう。

 隣県に原発のある滋賀県民は先日の知事選で、隣県の原発事故に影響される「被害地元」の住人として、「卒原発」の民意を突きつけた


◆しっかりと民意を問え

 原発再稼働は、全国民の問題である。国民の将来を考えて原発を動かしたいと言うのなら、しっかりと民意を問うてみるべきだ。

 福井地裁はこの五月、大飯原発の差し止めを命じる判決を出している。地裁の判断とはいえ、憲法の保障する人格権の見地から考察を加えている。規制委の審査とは違う視点もある。

 なし崩しの再稼働は、かえって国民の不信を深めるのではないだろうか。
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071701001381.html

川内原発への意見募集開始 規制委、来月15日まで
2014年7月17日 17時36分

 原子力規制委員会は17日、再稼働の前提となる審査に事実上合格の判断をした九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)について、これまでの審査内容をとりまとめた審査書案に対する国民の科学的、技術的な意見の募集を始めた。

 規制委は「新規制基準に基づく審査での初判断であり、広く意見を寄せてほしい」としている。ただ意見は審査書案への科学的、技術的なものに限定し、再稼働への賛否など審査書案の内容に無関係と判断したものは意見として取り扱わない。

 期間は8月15日までの約1カ月間(期間内必着)で、インターネットや郵送、ファクスで受け付ける。

(共同)
==============================================================================

==============================================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/151959

川内原発再稼働「NO!」 周辺自治体で反対の動きが急加速
2014年7月17日


   (16日も反対派が大規模デモ/(C)日刊ゲンダイ)

 16日、原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機について、「新規制基準に適合している」と“合格”を出した。推進派は「10月にも再稼働」と色めき立っているが、事はそんな簡単に運ばない。

 規制委はパブリックコメント募集を経て、1カ月後に正式に「合格」を決める。しかし、再稼働には、地元説明会の実施、立地自治体の同意、機器の使用前検査など、いくつもハードルを越えなくてはならない。

 立地自治体の鹿児島県知事と薩摩川内市長は再稼働容認派だが、地元説明会が紛糾するのは確実だ。

 川内原発の取材を続けているジャーナリストの志葉玲氏がこう言う。

   「川内原発は“日本一危険な原発”といわれています。桜島のある
    姶良カルデラから100キロ圏内に位置しているため、噴火が起きたら
    火砕流が到達し破壊される危険性が指摘されているのです。
    九州電力は噴火の可能性を認めているのに、綿密な火山対策と
    避難計画を打ち出していません。楽観的な想定で津波にのまれた
    福島第1原発とまったく同じ状況なのです。薩摩川内市内を
    取材していても、<実は再稼働が怖い>という隠れ反対派が少なからず
    います。周辺自治体から<NO>の声が噴出するのは間違いないでしょう」

 実際、反対の動きは加速している。全域が原発30キロ圏内の鹿児島県いちき串木野市では、実効性のある避難計画がない状況下での再稼働反対を訴える緊急署名が市民の過半数を得た。国の公害に苦しんだ熊本県水俣市は40キロ圏内だが、「再稼働反対」を訴える水俣病患者が急増しているという。

 前出の志葉玲氏が言う。

   「ちょっとした問題でも反対運動は一気に広がります。例えば桜島の
    噴火です。4年前から活動が活発化しており、火山灰が降る鹿児島県
    熊本県宮崎県で不安を訴える人が増えています。あるいは
    伊藤祐一郎鹿児島県知事の失言が引き金になるかもしれません。
    知事は病人や老人など要援護者の避難計画について
    <10キロ圏内で十分><空想的なものは作れるがなかなか
    ワークしない>と言い放ち、県議会で糾弾されました」

 原発ゼロで十分やっていけるのに、コストもリスクも高い原発を再稼働させる意味はない。推進派のもくろみはこっぱみじんに粉砕しなければならない。
==============================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

2014年01月31日 00時00分19秒 | Weblog


asahi.comの社説【原発政策―政治の無責任は許されぬ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付)。
東京新聞の社説【年のはじめに考える 福島への想い新たに】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html)。
asahi.comの社説【原発輸出―立法府から再考促せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付)。
asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?】(http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html)。
東京新聞の記事【原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html)。
北海道新聞の社説【理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな】(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html)。
asahi.comの記事【政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」】(http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01)。
最後に、東京新聞の社説【東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014011602000139.html)。

 『原発政策―政治の無責任は許されぬ』のならば、そのためには自公政治家に投票していてはダメ。『年のはじめに考える 福島への想い新たに』したいけれども、どうも自公政権を支持している人たちは、東京電力原発人災を忘れたがっているようだ

   『●国際的な「恥の上塗り」な恥さらし行為:
               「安倍政権 「復興予算」を「原発輸出」に流用」

 大飯原発が再稼働する以前も、再稼働停止後も、原発ゼロでも大丈夫だったじゃないの? 一方で、電力会社と原子力「推進」委員会は再稼働をやる気満々のようだが、3.11東京電力原発人災を経験した我が国がそのようなことをすることに対して倫理的に許されるのか? 「恥」「恥ずべき行為」でしょうに。

   『●続・今年「も」電力は足りた
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、
             さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい

 ましてや3.11原発人災の当事者の原発再稼働を政府が認めるわけだから、「以外の言葉が思い浮かばない。『政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」』に対して何も感じない自公支持者、自公議員投票者にも同じ言葉しか思い浮かばない。そして、原発輸出までしたくてうずうずしている自公政権、それでも、何にも感じませんか? それは、「将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている」という如実に「核=原子力」であることを示していますのに。

   『●醜悪な構図2: 原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付】

原発政策―政治の無責任は許されぬ
2014年1月6日(月)付

 福島第一原発の事故に苦しむ日本が、脱原発に向かうのか、それとも元の道に戻るのか。
 今年はその分岐点になる。
 原発の再稼働に対し、新しい規制基準にもとづく原子力規制委員会の最初の判断が、春ごろ示される見通しだからだ。
 これまでに規制委に審査を申請したのは、7電力会社の9原発16基。東海地震の想定震源域にある中部電力の浜岡原発(静岡県)についても、近く申請される予定だ。

目に余るご都合主義
 歩調を合わせるように、自民党内では「早期再稼働」の声が大きくなっている。
 昨年12月25日には、原子力規制に関する党内チームの座長を務める塩崎恭久衆院議員が規制委に出向き、田中俊一委員長に、もっと国会議員や立地自治体の首長、電力会社らの意見を聴くよう迫った。
 規制委の設置にあたり、民主党政権が出した法案に「独立性が足りない」と詰め寄り、今の形に修正したのは、塩崎氏をはじめとする自民党だ。
 ところが、規制委が活断層の調査や規制基準の策定に厳格な姿勢を見せるや、原発推進派の不満が噴出する。自民党が政権に返り咲くと、影響力を行使しようとする流れが加速した。
 ご都合主義が目に余る。
 自民党の長期政権下で原発の安全神話を増長させ、必要な対策を怠ってきたことへの反省はどこへいったのか。
 ただでさえ、急ごしらえの規制委は人材が不足し、財政面での制約もある。むしろ、そうした態勢面の充実をはかることが政権党のつとめだろう。
 安倍政権は、表面的には「原発比率を下げる」と言いつつ、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、規制委の基準に適合した原発は動かす方針だ。
 しかし、規制委が判断するのは科学的な根拠にもとづく最低限の安全確認にすぎない。事故リスクがゼロにならない以上、口先だけではなく、「原発比率を下げる」手立てを総合的に講じるのが政治の役割だ。
 そうした見取り図も示さず、再稼働の判断はすべて規制委に丸投げし、そこへの圧力めいた動きは放置する。なし崩し的な原発回帰と言うほかない。

■採算なき再処理事業
 再稼働への政権の姿勢が原発政策を無責任に「元に戻す」典型だとすれば、「元のままでやり過ごす」無責任の象徴が、使用済み核燃料を再処理して使うサイクル事業の維持である。
 巨額のコストがかかり、資源の有効活用という意義がなくなった核燃サイクル事業は、「撤退」が世界の流れだ。
 政府は、非核保有国として唯一、再処理を認められた事情から「日米による原子力協力」を掲げる。
 だが米国には、日本が海外での再処理によって核兵器数千発分のプルトニウムをため込んでいることが、他国のプルトニウム保有の口実になりかねないことへの強い懸念がある。
 再処理や核拡散問題に詳しい海外の研究者ら5人も、青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働中止を求め、それがすぐに決められない場合は長期間棚上げすべきだ、などとする共同提案をこのほど朝日新聞に寄せた。
 「再処理しないと使用済み燃料があふれる」との政府の説明も説得力に欠ける。
 将来、地中に埋めることを前提に、当面は「乾式キャスク」という容器に入れて地上で保管する方法が海外ではすでに確立している。日本学術会議もこの方式を提言している。

■政策転換への機会に
 福島第一原発の事故収束や老朽化した原発の廃炉、代替電源の開発、送電網の再構築など、電力産業が今ほど資金を必要としているときはない。
 一方で、巨額の設備投資を電気料金で確実に回収できる総括原価方式は、廃止が決まっている。巨大な「金食い虫」になることが確実なサイクル事業を続ける余裕はないはずだ。
 政府内では過去にも政策転換が模索されてきた。それが実現しなかった背景には、使用済み燃料を再処理への「資源」として受け入れてきた青森県に「廃棄物の処分場にはしない」と約束してきた経緯がある。
 再処理をやめれば、各原発が青森県から使用済み燃料の引き取りを求められ、原発の稼働に支障が出るという恐怖心だ。
 だが、これだけ大きな原発事故を起こしたのである。切るに切れなかった不良債権を処理する機会にすべきだ。
 もちろん青森県にはていねいに説明する必要がある。乾式貯蔵についても電力消費地を含めた協議が必要だ。必要な費用を誰がどう負担するかなど課題は山積している。それでも、意味のないサイクル事業を続けるより、はるかに建設的だ。
 原発事故の後始末で、国は一歩前へと出る決断をした。原発政策全体についても、責任放棄は許されない。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html

【社説】
年のはじめに考える 福島への想い新たに
2014年1月4日

 時間を押し戻そうとするかのような北風が、年の瀬を駆け抜けました。三度目の年頭。もう一度、心に深く刻まなければなりません。福島を忘れない。
 オランダの首都アムステルダムの街を歩くと、三つ並んだ十字の印を至る所で見かけます。
 赤い地の真ん中に、黒っぽい横線が一本、その上に白い十字が横に三つ並ぶのは市の旗です。
 そして、二頭のライオンに挟まれて、十字が縦に三つ並ぶのが市の紋章です。

十文字が意味するもの
 三つの十字の意味はと言えば、その昔、街を襲った三つの災い、洪水、火災、感染症を表しているそうです。
 起こりうる災いの怖さを子々孫々まで語り継ぎ、常に備えを怠ることがないように、あえて十字を掲げています。
 江戸時代からオランダに多くを学び、近代化の礎にしたこの国も、災厄を歴史に刻む方法までは、教わらなかったと言うのだろうか。首都東京の中心が、忘却の波に沈み始めているようです。
 福島の事故現場は収束に向かうどころか、混迷を深めています。
 爆発を免れた4号機では、傷ついていない核燃料の取り出し作業が始まりました。
 しかし、1~3号機から溶け出した燃料は所在さえつかめません。原子炉格納容器の外に溶け落ちた恐れもある。無事故でも一基百年といわれる廃炉、解体への道は、緒に就いたとも言い難い。
 汚染水は年末年始もお構いなしに流れ出ています
 熟練の作業員は、被ばく線量が限度に達して次々に現場を離れ、作業の質は低下する。
 自治体に丸投げされた、有事の際の避難計画作りは一向に進みません。計画はできたとしても、目に見えない放射線からどこへ逃げれば安心なのか。
 使用済み核燃料の捨て場所は、どこにも見つからないでしょう。リサイクルの計画も夢物語の域を出ていません。
 十字、いやバツ印をいくつ付ければいいのでしょうか。
 これだけ多くの災いの種を抱えているにもかかわらず、政府は前政権の「二〇三〇年代原発ゼロ」から一転、原発を「重要なベース電源」と位置付けました。
 ベース電源とは、二十四時間、しかも安価に稼働させられる電源です。震災前は、原発と揚水発電以外の一般水力。そして石炭火力がそうでした。

原発こそ不安定では
 電力需要時に足りない分を補うのが、ピーク電源と呼ばれるLNGや石油火力です。
 原発は、出力調整が極めて難しく、一度運転を始めたら、二十四時間最大出力で、突っ走るしかありません。
 今、国内に五十基ある全ての原発が、再び停止しています。
 天候に左右されやすく、出力が不安定な風力や太陽光には、ベース電源の重責を担えないといわれています。
 だとすれば、無限大の安全管理が必要な、扱いにくい原発こそ、最も不安定な電源なのだと考えなければなりません。
 原発を動かさないと、LNGや石油火力の燃料費がかさみ、電力会社は年間三兆六千億円の負担増、百万キロワット級の原発一基を稼働させれば、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、一年で0・5%減らせるとされています。
 原発は、本当に割安なのか。
 政府によれば、福島の賠償と除染、さらに廃炉や汚染水対策に、少なく見積もって約二十兆円の費用がかかります。
 東電の負担なら電気料金への転嫁、国が持つなら税金です。結局つけは国民に回ります。どれだけお金を使っても、福島の人たちの暮らしや風景は、もう元へは戻せません。
 現在十六基の原発が、原子力規制委員会に再稼働の申請を出しています。政権は今年を、再稼働の年にしたいのでしょう。
 原発は金のかかる危険なものだということに、国民の多くはもう気づいているはずです。
 温暖化対策ならば、再生エネルギーの普及の方が王道です。私たちは“太陽と風の年”をめざしましょう。

フクシマを心の地図に
 ドイツでは、再生可能エネルギーへの転換が着々と進んでいます。総電力の約二割を賄い、温室効果ガスを一九九〇年比で二割以上減らしています。
 市民自ら電力会社を設立し、再生可能エネルギーでつくった電力だけを地域へ供給するという、エネルギー自治も進んでいます。
 なぜでしょう。
 スリーマイルとチェルノブイリとフクシマを、心の地図にしっかりと、刻みつけているからです。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付】

原発輸出―立法府から再考促せ
2014年1月8日(水)付

 安倍首相がトルコのエルドアン首相と会談し、日本からトルコへの原発輸出を進めることを確認した。
 経済浮揚につながるとして原発輸出に積極的な安倍政権だが、過酷事故が起きれば被害は一国にとどまらず、日本も責任を負わせられかねない
 使用済み核燃料の最終処分や管理方法の確立といった国際課題もある。日本とトルコとの原子力協定は、核燃料サイクルをめぐる記述すらあいまいだ。
 協定の発効には国会の承認がいる。与野党の議員は立法府の責任として、政府に再考を促すべきだ。
 トルコとの原子力協定で問題視されているのは、ウラン濃縮と、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理に関する記述である。将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている
 いずれも核兵器の製造につながりかねない技術だけに、国際社会はきわめて神経質に対処してきた。
 今回、協定が発効したとしても、トルコが簡単に再処理できるわけではない。先の国会でも岸田外相が「日本として認めない」と答弁している。
 にもかかわらず、不明瞭な記述となったのは「肯定的な表現」を求めるトルコ側の要望を受けてのことだという。原発輸出の道筋を早くつけたい日本の前のめりぶりを表している。
 ごく一部の国に限られていた原発の利用は、ここにきてエネルギー不足に悩む新興国に広がっている。安倍首相がトップセールスで原発を売り込んでいる先も新興国ばかりだ。
 原発開発を急ぐ国々には、政情不安な地域や非民主的な政治基盤のところが少なくない。安易に原発を売り込み、相手の求める内容で協定を結べば、核不拡散への国際的な取り組みは難しさを増す。
 ただでさえ、国際原子力機関(IAEA)による従来型の査察は強制力に欠けるなどの限界が指摘されている。
 日本自体、核燃サイクルは頓挫しており、海外への再処理委託で大量に積み上がった余剰プルトニウムの確実な処理が国際的な関心事となっている。
 まずは、足元の問題解決に専心し、放射性廃棄物の管理や処分をどうするかという国際課題に正面から取り組む。それが、安倍政権の責務だろう。
 野党はもちろん、自民党内にも拙速な原発輸出や協定発効に対する慎重論があるという。与野党協力して立法府の良識を示してほしい。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?
2014年1月10日09時30分

■原発ゼロで迎えた新年

 あけましておめでとうございます。高速増殖炉のもんじゅ君ですだよ。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 じつは2014年は、1970年代以来、はじめての原発ゼロで迎えたお正月だったんだ。昨年9月に福井の大飯くん3号機、4号機が定期点検のためにストップして、そのままゼロがつづいているんだね。
 いまは暖房の必要な冬の季節だけれど、原発がなくたって電力不足にはなっていないね。このことがもっと知られるようになるといいな。

■年の瀬ぎりぎりの再稼働申請
 ところで、年末ぎりぎりにふたつの原発が再稼働の申請を出したんだよ。そのあとすぐ世間はお正月休みに入っちゃって、あまり大きなニュースにはならなかったけれどね。
 ひとつは12月25日、島根原発2号機が再稼働を申請したんだ。
 島根くんは松江市に位置していて、全国で唯一、県庁所在地にある原発なの。万が一の事故があったときに、人口の多い市街地まで10キロという近さなんだよ。

震災で被害のあった女川も再稼働?
 そしてもうひとつは、宮城県にある女川原発の2号機。こちらは12月27日と、まさに仕事納めの日に申請が出されたの。
 女川原発1~3号機は、ふくいち君とおなじように、2011年の東日本大震災で被害を受けたんだ。電力の5系統のうち四つが地震で断線して、過酷事故にもなりかねない状況だったといわれているんだよ。
 再稼働申請を出した2号機なんかは、震災で建屋の地下が浸水して、冷却水ポンプもこわれたの。国際原子力事象評価尺度(INES)では「レベル2」の事態だと認定されたんだ。

■地震・津波がくるとわかっているのに
 巨大地震と津波におそわれることのある場所だとわかっていても、女川くんは再稼働申請が出されちゃったんだ。建屋の耐震性を上げたり、防潮堤を建てたりという安全対策は計画されてはいるものの、こんなに早く再稼働を表明できてしまったことに、ボクはすこしびっくりしたよ。
 2013年10月の宮城県内の世論調査では、再稼働に反対する声が60%を超えていたから、県民の要望というわけでもないんだよね。
 いかにいま、原発をとりまく雰囲気がゆるんでいるのか、電力会社さんたちがエイヤッと申請してしまえるような政治的追い風があるのか、ということを痛感しちゃうよ。

■ずさんすぎて再稼働の許可に遅れ
 そんなわけでいまは全国で7電力会社、9原発、16基から再稼働の申請が出ているの。
 当初は再稼働の審査には半年から1年ほどがかかるといわれていたんだ。だから、早ければ昨年7月に申請した原発たちが2014年頭に再稼働をはじめるかな?という見方もあったんだけど、そうはなっていないよね。
 それは、原子力規制委員会さんは「安全に動かすためにはこれとこれを用意してくださいね」と条件を出していたのに、多くの電力会社さんが「えーい。まじめにぜんぶ準備してたら時間かかっちゃうもんね。とりあえず書類を出しちゃえ」と見切り発車で申請しているからなんだ。

■安全審査の見切り発車はやめてね
 2013年7月の申請ラッシュのときには、ボクもニュースを見ながら「あれれ? 準備が不十分なままでも再稼働の書類って受理してもらえるんだ。雑だなぁ……」とびっくりしてたんだけど、さすがにそのままでは審査はパスしないみたい。
 ただでさえ日本の安全基準は、真下の活断層ばっかり気にしていてヌケやモレが多いといわれているの。審査だけでもせめてしっかりとして、見切り発車はやめてほしいよね。
 春以降には審査の済んだ原発も出てくるかもしれないけれど、そのときには地元の人たちの「こわいよ」「ホントに大丈夫?」って声がますます重要になってくると思うよ。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html

原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変
2014年1月10日 朝刊

 安倍政権の原発政策で矛盾が表面化している。安倍晋三首相や自民党の石破茂幹事長は「原発依存度をできる限り低減させる」と強調するが、昨年末、政府がつくったエネルギー基本計画案では原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けている。原発再稼働にも突き進もうとしており首相らの言葉は「二枚舌」と批判されかねない。 (金杉貴雄

 首相は六日の年頭記者会見で、原発について「エネルギー源の多様化を図りながら、可能な限り依存度を低減するのが基本方針だ」と強調した。
 首相らは、脱原発を求める世論を意識。「首相が決断して即ゼロに」と求めている小泉純一郎元首相の影響力も考慮し、原発政策を語る時は必ず「依存度減」を強調する。石破氏も「小泉氏と方向性は変わらない」と取りつくろう
 だが、現実の対応は逆だ。エネルギー基本計画案では、民主党政権時代の「二〇三〇年代の原発ゼロ」を破棄。原発を「重要なベース電源」と位置付け「基盤となる」との表現まで追加した。「依存度を可能な限り低減」との表現も盛り込んだが、原発推進の姿勢を鮮明にした。
 政権の姿勢には、経済成長には原発による安定的な電力供給が不可欠との判断や、自民党内で電力会社と密接な関係を保つ電力関係議員が発言力を増している影響がある。
 政権は、各電力会社が原子力規制委員会に申請した再稼働の審査が終わる見込みの春ごろから、原発を再稼働させていく方針。現在の「原発稼働ゼロ」の状態を転換し、稼働率を高めていこうとしている。
 だが、エネルギー基本計画案には自民党内からも「東京電力福島第一原発事故を引き起こした過去の原発政策への反省がない」と批判の声が出ている。連立与党の公明党からも異論が出始めている。
 政府は、計画案を一月中に閣議決定する方針だったが、ずれ込む可能性もある。
================================================================================

================================================================================
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html

社説
理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな(1月11日)

 将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている
 原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画案、福島第1原発事故による避難住民の全員帰還を断念する復興加速指針、事故対策への国費投入を拡大する東電の新再建計画。
 政府は昨年末、議論を尽くすことなく、これらの重要な政策を矢継ぎ早に打ち出した。
 年が明け、新たな規制基準で原発再稼働を判断する原子力規制委員会の審査が始まってから半年が経過した。早ければ今春にも最初の審査結果がまとまる見通しだ。
 エネルギー基本計画案は原発依存度を可能な限り低減させるとしながら、将来の電源構成比率を示していない。時間を稼いで再稼働の既成事実を積み重ね、その結果を追認させようとする意図は明らかだ。
 これが原子炉3基の炉心溶融という大惨事を引き起こした国の政策だろうか。事故の反省も再生可能エネルギーを育てる意欲も見えない。なし崩しに原発回帰を図るようなやり方は断じて認められない。

   ◆サイクル堅持する愚◆

 日本原燃は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委に審査を申請した。
 工場は20回も完成延期を繰り返し、本格操業のめどは立たない。
 それでも申請に踏み切ったのは、「核燃料サイクルの推進」を盛り込んだエネルギー基本計画案に力を得てのことだろう。
 長期にわたって巨額の費用を投じながら、展望が全く開けない国家プロジェクトの事例の中でも、核燃サイクルは最悪の見本だ。
 仮に再処理工場が稼働しても、プルトニウムを燃やす高速増殖炉が実用化される見込みはない。
 プルトニウムを通常の原子炉で使用するプルサーマル計画は安全性に疑問があり、コストも高い。
 日本は既に、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを国内外に44トンも抱えている。さらに増え続ければ、核不拡散の見地から国際的な批判を招くだけだ。
 核燃サイクルが破綻した現実に目をつむり、ひたすら延命を図る厚かましさには驚くほかない。
 青森県など関係自治体と代替策を話し合い、サイクル撤退の道を追求することこそ政治の役割だ。

   ◆問題多すぎる再稼働◆

 再稼働に向けた安全審査は、北海道電力泊原発を含む9原発16基について行われている。電力各社の地震や津波の想定には甘さが目立ち、安全対策への熱意がうかがえない。
 北電も原子力規制委の指摘を受け、最大津波の高さをはじめ火山噴火や竜巻被害の想定などで修正を繰り返してきた。敷地内や海底の活断層の疑いも依然残されている。
 規制委は政治的圧力や経済性に左右されぬ原則を貫き、厳格な審査に徹しなければならない。
 周辺自治体の住民避難計画作りも遅れている。泊原発から30キロ圏内の13町村は本年度内に作成する予定だが、問題はその中身だ。
 計画の基礎となる防災指針自体が急ごしらえで、規制委によってさみだれ式に追加修正された。計画はあっても、渋滞対策など詰めるべき課題が多い。訓練も不足しており、現状では実効性が疑わしい。
 政府は再稼働の問題を規制委に、避難計画を自治体にそれぞれ丸投げし、成り行きまかせの状況を静観している。無責任な態度と言わざるを得ない。
 少なくとも「原発依存度を下げる」と言うのであれば、全原発が停止している今こそ、その展望と電源多様化の具体策を示すべきだ。
 福島の事故後、国内の原発はほとんど稼働していない。政治の意思と目標が明確になれば、多くの国民は新たな挑戦に踏み出す用意がある。

   脱原発の見取り図を

 跳ね上がる安全対策費、立地対策を含む社会的コストなどを考えれば、原発は割安な電源ではない。あてのない放射性廃棄物処分、福島の事故の賠償、除染、廃炉の費用も際限なく膨らむだろう。
 復興加速指針は、政府が福島の一部地域について原状回復を事実上放棄することを意味する。
 放射能汚染によって故郷が失われ、人が住めなくなってしまうような事態をコストに換算することなど、そもそも不可能なのだ。
 一昨年、民主党政権に「原発ゼロ目標」を掲げさせた脱原発を求める民意は、決して揺らいでいない。
 将来のエネルギーの選択は結局、どのような社会に暮らしたいかという根本的な問題につながる。
 途方もない危険と巨額で無意味な負担を先送りしない見取り図を描き、真剣に到達の道筋を考える時だ。
 そのために国民が議論する機会さえ封じておいて、脱原発の目標をあっさり否定するのは、民意軽視も甚だしい。
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01

政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」
2014年1月15日19時07分

 政府は15日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を正式に認定した。2014年度中に柏崎刈羽原発(新潟県)の4基を再稼働させるなどして、年間で1千億円以上の経常黒字を安定して稼げるようにする。再稼働が想定より遅れた場合、電気料金を最大で1割値上げすることも盛り込んだ。
 政府は、原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を通じて東電株の過半数を保有し、実質的に国有化している。再建計画は、除染など福島第一原発事故の対応で東電を支援する前提になっており、政府と東電は一体となって原発の再稼働を進めていく。
 新たな再建計画は、東電と原賠機構が昨年末に政府に申請していた。認可された計画では、原子力規制委員会が審査している柏崎刈羽6、7号機の7月からの再稼働をめざす。安全対策工事をしている1、5号機も15年3月までに動くと想定し、14年度は1677億円の経常黒字を見込む。

・・・・・・・・・。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●東海村退任の村上達也村長「遺言」: 「金のために魂を売ってはならない」

2013年09月26日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の記事【「原発に依存しない 街づくり考える時」  東海村 退任の村上村長が「遺言」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092102000128.html)。

 原発立地の自治体首長としては異例かもしれない。大飯町玄海町の首長と比較して・・・・・・?
 その東海村町長を退任する際、村上達也村長が「遺言」を残したそうだ。最も印象に残ったのは「金のために魂を売ってはならない」。

   『●大飯原発再稼働についての首相の酷い会見
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●原発再開、過ちを繰り返そうとしている
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
     「「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ・・・」である。
      「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー
      「原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や
      電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、
      誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している」
  
   『●何がメルトダウンしたのか?
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092102000128.html

原発に依存しない 街づくり考える時」  東海村 退任の村上村長が「遺言
2013年9月21日 朝刊

 「原発に依存しない街づくりを考えていく時が、既に来ている」。原発立地自治体の首長として脱原発を訴え続け、二十日に職を退いた茨城県東海村村上達也村長(70)=写真。退任式では「遺言」として、原発のない街への思いを、時折声を詰まらせながらとつとつと語った。 (林容史


 村職員百五十人を前にした村上村長は、原発問題について「村の財源、利害関係者のことを考えると悩みは深い」と本音を吐露。「東京電力福島第一原発事故が起こった以上、早晩、村の方向を決めるときが確実にやってくる。広く知識を求め、そのときのために準備しておかねばならない」と語り掛けた。

 「金のために魂を売ってはならない」。日ごろから職員に言ってきたという言葉をあらためて紹介した。その上で「原発の安全神話が崩れ原発事故によって住民にもたらされた被害の過酷さを知った今、地域住民の命と健康、そして将来にわたる生活を守ることが何にも増して優先されるべきだ」と述べた。

 さらに、原発依存からの脱却が「地方自立、人と環境重視の当然の帰結」につながるとの持論を展開。最後には、米陸軍元帥だったダグラス・マッカーサーの退任演説の一節を引用し、職員らに別れを告げた。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●首相の2枚目の舌が福島で語らない事

2013年07月07日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞のシリーズ社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html。同じく東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1)。再び、東京新聞コラム「筆洗」http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html)。最後にgendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/143274)。

 「経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない」・・・逆じゃないのかな? いや、

   『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき

であるべき。福島で第一声を上げても、何枚の舌があるのか知らないが、第2番目の舌で「原発輸出」「原発再稼働」といった「原発推進」は語ることはない。語れる訳もない。東京電力原発人災以前、自民党が何をやってきたのか、それ以降何をやったのか、その責任を誰か一人でもとったのか、語られることはない。そういう政党を支持していいのか?

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.html

【社説】
フクイチで考える(1) 放射線の海のただ中
2013年6月25日

 いわゆるフクイチを取材する機会があった。フクイチ、エフワン…。中で働く人たちは福島第一原発のことをそう呼んでいる。

 放射線量が高いので、バスの中からの視察である。それでも、マスクと靴カバー、そして、両手に布とビニールの二重の手袋に、首からは線量計という一通りの装備が必要だった。

 まず、廃炉作業の指揮所がある免震重要棟に入った。コンクリートの壁に囲まれた二階建て。テレビ会議の映像で知られる緊急対策本部室に向かう。途中、ゲートモニターという全身を調べる機械のチェックを受けた。これが世界を二つに分ける。

 退出モニターとも呼ばれるこの機械は、どの原発にもあるものだ。だが本来はその名の通り、原子炉建屋のような放射能の管理区域から非管理区域へ、内から外へ出る時に被曝(ひばく)の有無を確かめるためのものである。ここではそれが入室時。“あべこべ”だ。放射線の海のただ中の家である。

 二年前の1号機の爆発時、免震重要棟の扉が吹っ飛び、内部も一部、管理区域になってしまった。

 数少ない窓は、事故後分厚い鉛の板で遮蔽(しゃへい)した。棟内には鉛を張った石膏(せっこう)ボードも設置した。

 梅雨の晴れ間の一見のどかな光景は、生命とは相いれない世界である。その中で毎日三千を超える人々が過酷な作業に従事する。八十人の東電社員が夜間も免震重要棟に詰めている。

 約一時間、構内をバスで巡った。最も線量が高かったのは3号機の海側で、毎時一八〇〇マイクロシーベルト。バスの汚染の検査を受けて外へ出た。

 胸の線量計を見た。積算で二一マイクロシーベルト。前日の東京の環境放射線量は〇・〇五六マイクロシーベルト、愛知は〇・〇六六マイクロシーベルトだった。バスの中でも単純計算で三百倍以上になる。

 フクイチの汚染は、人間自身の産物だ。この異様な世界の存在を、私たちはよく知るべきだ。これも原発の一つの姿なのである。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.html

【社説】
フクイチで考える(2) メルトスルーの深い穴
2013年6月26日

 メルトダウンに陥った1~3号機では、燃料デブリの存在が、放射能汚染水と並んで廃炉の進展を妨げる。デブリとは、溶け落ちた核燃料の固まりだ(図は1号機、東電資料より)。

 一九七九年にメルトダウン事故を起こした米国のスリーマイル島原発(TMI)では、燃料デブリは格納容器の内側の圧力容器の中にとどまった。

 それでも、作業は困難だった。

 メルトダウンが具体的に判明したのは事故発生から三年後。溶融分は当初、燃料の20%と見られていたが、結局は52%もあった。取り出しには十一年の歳月と十億ドルの費用をかけた。

 フクイチは、それよりはるかに難しい状態だ。高温の核燃料が圧力容器を貫通するメルトスルーで、格納容器の底に落ちた上、底部を侵食している恐れがある。

 「中に入ってサンプルが採れないと、次のステップには行きにくい」。東京電力前常務執行役の小森明生さんは言う。三代前の福島第一原発所長である。

 さまざまなものの混じった海水を注入したために、さまざまな異物が放射化した恐れもある。

 3・11から、やがて二年四カ月。ファイバースコープやロボットを使ってさまざまに探査を試みているものの、フクイチの炉内の様子はまだ詳しくわからない

 何が溶け込んでいるか。容器の底に林立する制御棒にこびり付いてはいないのか。燃料デブリの性状も散らばり具合も、明らかにはなっていない。

 昨年三月、2号機の格納容器内部で時七三シーベルトの放射線が計測された。数分浴びただけで命を落とす線量だ。この危険が調査の大きな壁になる。フクイチには、まだ分からないことが多すぎる。メルトスルーの穴はどこまで深いのか。優秀なロボットたちはどうしたか。

 廃炉への前提になる新たな探査技術の開発に、世界の英知を集めるべきだ。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.html

【社説】
フクイチで考える(3) 技術の合意と社会合意
2013年6月27日

 水が廃炉を妨げる。

 損壊した原子炉建屋の中に、一日四百トンの地下水が流れ込む。

 1~4号機の建屋を取り囲むように土を凍らせて、地中に壁を構築し、地下水を遮る計画が進んでいる。遮水能力が高く、工期が短いのが利点という。しかし、地下水位が変化するなど予想外のリスクも否めない。

 今のところ汚染水は、フクイチの敷地の中にひたすらためておくしかない。正門をくぐると、大小の貯水タンクの群れがまず目に入る=写真、代表撮影。すでに約千個あり、三十万トンを超える汚染水を抱え込む。八十万トン分の用地が確保されており、今後三年は貯水を続けられるというが、限界はやがて来る。

 東電はことし三月、多核種除去設備(ALPS)の試運転を開始した。一系列で一日二百五十トンの処理能力があり、六十二種類の放射性物質を国の基準値以下まで除去できる。

 ところが、水とよく似た放射性トリチウム(三重水素、半減期一二・三年)だけは分離が難しい。水から水は除けない。一ミリリットルあたり六〇ベクレルという国の排出基準に対し、三〇〇〇ベクレル程度が残る。

 実はこのトリチウム、どの原発の冷却水にもわずかに含まれており、管理放出されている。フクイチでも、基準以下に水で薄めて海に流そうという声はある。しかし、それも難しい。

 「浄化して管理放出ができるという技術的合意と、そうしてもいいという社会的合意が得られるかどうかは別問題」と、案内してくれた東電フェローの小森明生さんは考える。「フクイチはもう、普通の原発とは思われていませんから…」と。

 フクイチだけのことではない。今は、国民の多くが原発と、原発神話を築いた人や機関に疑いの目を向けている。原発推進の経済人や政治家が目を背けているだけではないか。国民の視線に気づかなければ、社会的合意は成り立たない。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.html

【社説】
フクイチで考える(4) ロボット侵す放射線
2013年6月28日

 3号機、4号機の作業現場は、随分様子が違う。

 4号機の周りには、白い防護服にマスクをつけた人の姿がある。3号機にはそれがない。

 事故当時、定期検査で停止中だった4号機は、メルトダウンを起こしていない。

 一方、爆発の規模が大きく破損のひどい3号機には、人がうかつに近づけない。3号機はぐるりと足場が囲み、六百トン吊(つ)りの巨大クレーンなど大小十台の重機ががれきの撤去を続けている。運転台には人がいない。

 十台は、約五百メートル離れた免震重要棟から、遠隔操作されている。放射線の影響がない部屋だ。

 「無人重機もロボットの一種」と東京電力原子力・立地本部課長の田中勤さんは言う。

 それとは別に、ロボットたちはフクイチの中にいて、主に地味な調査業務に就いている。

 一昨年四月の「パックボット」(米・アイロボット社製)投入以来、東電の管理分だけで六機種が活動、または待機中。この十八日には、ホンダなどと共同開発した「高所調査用ロボット」が、2号機内の温度や線量を確かめた。

 しかし、放射線はロボットさえも脅かす。放射線量が一〇〇シーベルトになると、エネルギーの高いガンマ線がロボットの“目”に当たるカメラの画素に影響し、画像に斑点のようなものが表れる。

 ガンマ線が、半導体の中の電子の流れに作用して、コンピューターの誤作動を引き起こす。鉛で覆うと動作が不自由になる。

 ロボットも人間と同じ線量計を装着し、被曝(ひばく)の限界を定めた管理値が設定されている。

 作業の現場は炉心に近づいていく。生身の人間には、小石一つ拾わせてはならない。汚染水に触れさせてはならない。

 ロボットに対する国民の期待は強い。国産ロボットの奮起を求めたい。飛躍的な性能向上を図らねば、フクイチは鎮まらない。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html

【社説】
フクイチで考える(5) 核と共存できるのか
2013年6月29日

 フクイチを巡る取材バスの中で強く思ったのは、日本に落とされた原爆はアメリカがつくったが、この原発事故の被災地、代表撮影=をつくったのは、ほかならぬ日本だったということだ。

 外には、強力な放射能ちりを吸い込まぬように、大型のマスクと装備を着けて働いている人たちがいる。周りには住めない土地がある。そういうことを私たちは自覚せねばならない。

 この場所は、事故後よく知られた通り旧陸軍の飛行場だった。海を見下ろす高さ三十メートルの海岸段丘の上。そこを二十メートル掘り下げて原発は建設された。科学技術が万能と信じられた時代。だが、掘り下げた分だけ津波は大きく襲った。

 一九四八年、湯川秀樹博士がノーベル賞を受ける前年。アメリカの研究所に招かれると、すぐにアインシュタイン氏がやって来た。博士の両手を握りしめながら「罪もない日本人を原爆で殺傷して申し訳ない」と涙を流してわびた

 原爆と原発はもちろんちがう。

 だが、放射能汚染という災禍は同じである。

 思い出されるのは「核と人類は共存できない」という、広島の哲学者にして運動家の森滝市郎氏のことばだ。彼は被爆して右目を失った。考えに考え抜いた末、核兵器はもちろん、原発もやめるべきだと決心した。ウランを掘る人から最終的に燃やし処理する人まで被ばくの危険がある。ましてや事故を起こしたら。

 私たちは、廃炉ということばを割合簡単に使う。だが、どうか。その疑問はここへ来ればわかる。

 福島の廃炉はうまくいってほしい。しかし、それを進めながら原発とは私たちにとって一体何なのかと自問を繰り返そう。

 何より原発に代わるエネルギーを、私たちは努力すればもつことができる。フクイチはそう語りかけてくる。 (深田実)
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html

【コラム】
筆洗
2013年7月4日

 架線を支える電柱は折れ曲がり、駅舎は土台しか残っていない。福島第一原発から二十キロの警戒区域で唯一、津波に襲われたJR常磐線の富岡駅(福島県富岡町)の現状だ▼視界を遮る建物はなく、駅から海がよく見え、無人になった事務所には巣を作ったツバメが勢いよく出入りしている。ひっくり返った車があちこちに放置され、破壊された建物は解体されずに生々しい爪痕を今も残す▼富岡町は三月二十五日から放射線量に応じ、帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の三区域に再編されたばかりだ。日中、立ち入りが可能になった駅に立って感じたのは、終わりの見えない放射能との戦いである▼双葉地方を車で走ると、目に入るのは「除染作業中」の看板だ。汚染土などを詰めた大量の黒い袋は、雑草だらけの田んぼの仮置き場に野ざらしにされたままだ▼震災後、初めてとなる参院選がきょう公示される。安倍晋三首相はJR福島駅前で第一声を上げ、民主党の海江田万里代表も福島入りする。福島を忘れない、と訴えるのだろう▼原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立-。昨年の衆院選で公約に掲げた目標は参院選の公約から消え自民党は旧来の「原発依存」に立ち位置を戻した。汚染土の詰まった袋はあちこちで山積みになっている。安倍首相は視察した時に、目に入らなかったのだろうか
================================================================================

================================================================================
http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1

2013年7月4日16時34分
(竹内敬二の窓)「事故の経験で、最も安全な…」の軽さ

【編集委員・竹内敬二】「いったん停止」していた原子力政策が、参議院選を前にして丸ごと動き始めた原発輸出も国をあげて推進している。福島原発事故から2年余りで、私たちは何を反省し、どこへ行こうとしているのか。

 いま原発再稼働、輸出推進を進める論理として「福島事故を経験した日本だからこそ世界一安全な原発を提供できる」というのがある。日本の原子力の歴史では、しばしばこうした逆説的な言い方、あるいは「日本は特別」的な言い方が使われる。しかし、たいていは「口だけ」である

 昨年9月、民主党政権は、「2030年代に原発ゼロをめざす」を柱にした「革新的エネルギー・環境戦略」を公表した。原発依存一辺倒だった戦後のエネルギー政策を百八十度変えるものだった。しかし、この新戦略の寿命はたったの3カ月だった。昨年12月の総選挙で勝った自民党が、この戦略を否定し、安倍政権が原発復活へ舵(かじ)を切ったからだ

 これは世論の大勢とずれている。3・11以後、日本社会の原発への意識は変わり、「停止中の原発の再稼働に反対が58%、賛成28%」(6月11日朝日新聞)という世論調査にもみられるように、多くの人は悩みながらも原発を減らしたいと思っている。そして実際に、ほとんどの原発が止まったまま日本の社会は動いている

 今しなければならないのは、こうした世論の変化や電力需要の減少を基本にエネルギー政策をつくり、その中で原発、プルサーマル、再処理の意味と役割を定義し直すことだろう。事故を起こした国の責任だ

 しかし、安倍政権は、原発、プルサーマル、再処理工場という一つひとつのパートを、以前の計画のまま動かそうとしている。これでは、なし崩しで「3・11以前」に戻ってしまう。

・・・・・・・・・。
================================================================================

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html

【社説】
<2013岐路> 党首第一声 福島に寄り添う責任
2013年7月5日

 参院選が公示され、各党首らが各地で第一声を上げた。経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない。

 候補者擁立の状況や選挙戦略によるのだろうが、寂しい気がしないでもない。七カ月前の衆院選公示日、四党首が福島県内に集ったが、きのうは現職首相の安倍晋三自民党総裁と、海江田万里民主党代表だけだった。

 安倍氏は衆院選同様、福島市の中心街を第一声の場に選んだ。長年政権にあった自民党が「原発の安全神話に寄りかかり、原発政策を推進したことを、深刻に反省しなければならない」と述べた。

 いまなお多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされている現状を見れば、「本当に申し訳ない思い」を表明したのは当然だ。

 しかし、安倍氏は首相として原発再稼働や海外への原発輸出を進める。衆院選第一声では語っていた再生エネルギーの開発促進にはこの日、全く触れなかった。

 県内全原発の廃炉や再生エネルギー研究・開発の推進を求めた福島県連や、普天間飛行場の県外移設を掲げた沖縄県連の地域公約を安倍氏は「県連の願望」と一蹴する。地域重視の自民党が地域に寄り添わないのはどういうことか。

 ただ「復興を加速する」と言うだけでは、原発事故を本当に反省したことにはなるまい。

 海江田氏は第一声を上げた盛岡市から仙台市に入り、その後、福島市では安倍氏と同じ場所で演説した。東日本大震災の被災地から選挙戦を始めたかったのだという。

 震災発生時、原発を所管する経済産業相だった海江田氏は原発事故の避難指示に「至らぬ点があった」と謝罪し、「福島の復興なくして日本の復興はない」と訴えた。

 やり玉に挙げたのが安倍内閣が進める国土強靱(きょうじん)化だ。公共事業のバラマキと批判し、資材高騰で復興に支障が出ていると指摘した。

 政策の誤りを正し、建設的な提言をして実現を迫るのは野党の役割である。政権転落の痛手は深いが、福島をはじめ被災地の復興を加速させるため、政策論争に果敢に挑んでほしい。

 これから福島に入る党首もいるのだろう。選挙区に候補者を擁立しなくても、比例代表で支持を呼び掛ける意味はある。政策を堂々と訴え、いまだ故郷に帰れない被災者、原発事故の影響に苦しむ県民に寄り添う気持ちを表してほしい。それが政治の責任でもある。
================================================================================

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/143274

安倍首相 被災地パフォーマンスのあざとさ
2013年7月5日 掲載

 「自民党は安全神話に寄りかかり、原発政策を推進してきたことを深刻に反省しないといけない。私たちには復興を加速させる大きな責任があり、復興のためにも強い経済を取り戻す」

 これは安倍首相が福島で行った参院選の第一声だ。原発政策を反省する政党が、なぜ再稼働を推進するのかなぜ海外への原発輸出に必死になるのか。復興を加速させると言いながら、復興予算の流用対策が遅れ、1兆円が被災地以外に使われていくのを止められなかったではないか

 安倍は、昨年の衆院選に続き、今回もまた公示日にわざわざ福島へ出向いた。前夜遅く福島駅前のホテルに泊まり、午前福島駅前といわき駅前で街頭演説。午後には東京・池袋へトンボ返りだ。“震災復興”を選挙の象徴的なイメージにしようと躍起である。

「被災地を利用した選挙パフォーマンス」だと呆れるのは、作品の取材で毎月東北を回っている作家・相場英雄氏だ。

   「安倍さんは福島もいわきも駅前で数時間滞在しただけでしょ。
    『被災地の復興を考えています』という、わざとらしさが透けて見えます。
    被災地の住民はみな、『政府の偉い人たちは、一度、仮設住宅に
    泊まってみたらいい』と口々に言っています。そうすれば本当のニーズが
    もっと分かる。例えば、自治体によってガレキの残っている量が全く違うんです。
    自治体の境界線を越えるとガラッと景色が変わることがある。
    復興庁という組織をつくったのに、機能していないんじゃないか」

トンボ返りせず仮設住宅に泊まってみたら

 6月に被災地を取材したばかりのジャーナリスト・鈴木哲夫氏もこう言う。

   「被災者が望んでいるのは、生活再建と仕事です。しかし、相変わらず
    仮設住宅に住み、雇用は増えていません。高台移転の話がありましたが、
    土地の確保も進んでいない。石巻(宮城県)で一番大きな仮設住宅を
    取材すると、『国会議員は現場に来ないから、実態が分かるわけがない。
    それなのに、どんどん復興に関する公約がつくられる。不思議です』
    という声を聞きました」

 安倍は毎月被災地を訪問していることもアピールの材料に使っているが、そこまで言うなら、駅前のホテルじゃなくて、仮設住宅に泊まればよかったんじゃないか。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●反原発派の声が政治に反映されない訳である

2013年06月15日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060890070522.html)。

  『●原発意見聴取会: 広告代理店に丸投げ
  『●原発比率意見聴取会、選択肢の大前提が違うでしょっ!
  『●原発の「国民的議論」を「アリバイ作り」で終わらせないために・・・
  『●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない
  『●懲りない自民党議員、いまだに原発の安全神話の悪夢から覚醒せず
  『●パブリックコメントで一般市民の「反原発」意思は集約済み
  『●原発推進: 国民が見えているとは思えない政権
  『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず
  『●これが民意なの?

 東京電力原発人災以降、多くの人達が意見表明し、多くの人達が原発はいらない、と思っていたはずなのに、政治や行政に全く反映されない。前政権も酷かったが、今の自公政権はさらに上を行く。元々これだけ原発推進をしてきた責任を一切負うことなく、東京電力原発人災以降ものうのうと原発輸出など、原発を推進できる神経の持ち主たち。
 「昨夏に政府が実施した「国民的議論」の具体的なやりとりが、ホームページ(HP)で閲覧できない状態になっている」等々、原発推進派の嫌がらせ〟がなされていることから、反原発派の声が政治に反映されない訳である。

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060890070522.html

エネ比率公募意見9万件 政権交代後閲覧できず
2013年6月8日 07時05分

 将来の原発比率をどうするか、昨夏に政府が実施した「国民的議論」の具体的なやりとりが、ホームページ(HP)で閲覧できない状態になっている。議論に参加した一般市民や有識者からは、大多数が脱原発を訴えた国民の声を軽んじているのではないかと、疑念がわき起こっている。 (小野沢健太)

 閲覧できなくなったのは、国民的議論の特設サイトに掲載されていた意見聴取会の議事録や、意見公募(パブリックコメント)に寄せられた約九万件の意見の全文など。

 内閣官房のHPには、どんな意見が多かったかなど国民的議論の結果をまとめた文書は残っている。

 しかし、一般の人たちが原発とどう向き合うのか述べた内容や、電力会社の幹部が原発は必要とする会社の考えを発表し、会場が紛糾した様子などを記録した生のやりとりは確認できなくなった。

 政権交代により、国民的議論を担当していた国家戦略室が廃止され、戦略室のHPも閉鎖された。内閣官房の担当者は「技術上の問題で特設サイトの内容が内閣官房のページに移せなかった。現在作業を進めており、今後掲載する」と説明。閲覧できなくなって二カ月がたつが、再掲載の時期はいまだにはっきりしない。

 国民的議論の検証会合で、委員を務めた大阪大の小林伝司教授は「現政権にとって(議論の結果が)意に沿わないものであったとしても、国家が行った議論の結果にアクセスできないままにさせていることは、野蛮としか言いようがない」と、国の姿勢を厳しく批判した。

 昨年八月に福島市で開かれた意見聴取会で、脱原発への思いを述べた同市の会社員遠藤義人さん(50)は「国は原発の再稼働に積極的で、被災者の声に耳を傾けようともしない。私たちの発言がなかったことになり、福島が切り捨てられていくようで非常に残念」と話した。

 <国民的議論> 2030年の段階で発電量に占める原発の割合はどの程度がいいかについて、政府は(1)0%(脱原発)(2)15%(3)20~25%-の3案を提示。昨夏、全国11会場で意見聴取会を開き、発表者の7割が0%を求めた。意見公募には約9万件が寄せられ、9割近くが0%案を支持。民主党政権は「30年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とするエネルギー戦略をまとめた。

(東京新聞)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●最近の諸々のつぶやきメモ: 反原発や冤罪、死刑問題、情けない政治等々

2013年02月25日 00時00分41秒 | Weblog


何か酷い生活である。反原発や冤罪、死刑問題等々、最近の諸々のつぶやき。AS@ActSludge

************************************************************************************
■『米の核施設で放射性廃液漏れる 長崎原爆の関連施設』(http://www.asahi.com/international/update/0216/TKY201302160229.html …)/「タンク1基から高レベル放射性廃液が漏れ出て」==>ため息が出てしまう ==>『福島原発、上空から撮影 ひしめく汚染水タンク』(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/347664

ポット出版様からTETSU&SUZUカレンダー2013を頂いた! (http://www.pot.co.jp/diary/20130213_180623493931427.html …http://www.pot.co.jp/tetsu/ ) 鉄とすず、相変わらずかわいいな~。我が職場にも癒し犬・動物が居ればいいのにな~っ。    @potpub

■ポット出版の本、まだ入手できていない。『●ポットの本: 『僕に生きる力をくれた犬 青年刑務所ドッグ・プログラムの3カ月』』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ff29109a770aacf1660b280ec4fc69e1 …)。NHK BSで放送されたドキュメンタリーのポット出版による書籍化。あ~、出版から1年以上経過してしまった

■仕事の合間にラジオで聞いたので曖昧だけれども(検索しても??)、拉致被害者の会の訴えを福岡地裁却下。朝鮮学校に支出されたお金が、拉致に使われたのでしょうか? 教員や生徒や関係者がその予算を使って拉致など反社会的なことをしたの? 訴えはどんなロジック? 私の考えが奇妙なのかな?

■なんか筆坂さんの物言いに違和感を感じるな~。共産党への意趣返しなのでしょうが、それにしても「安倍外交は賢明だなんて乱暴すぎないですかねアメリカベッタリの酷いモノだと思いますが?『共産党元幹部が政権を絶賛 「安倍外交は賢明だ」』(http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130215/plt1302151137002-n1.htm …

■『元JAYWALK中村、反省の日々語る』(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20130215-1085301.html …)/「再犯の可能性も含めて、世間の目が厳しいことは、承知している。「僕には家族家族がいました。『お父さんを守る』と言ってくれた息子(17)。長年築いてきた仕事を僕が壊してしまったのに、今も・・・」

■お笑いである。投票・支持者の皆さん、そろそろ目を覚ました方が良くないでしょうか 『安倍政権と維新、連携を協議 菅長官と松井知事が会談』(http://www.asahi.com/politics/update/0218/TKY201302170255.html …)/「・・・安倍政権と維新の連携について協議した。昨年末の安倍政権発足後、両氏が2人だけで会談・・・」

当然 『原発「やめる」7割超す 朝日新聞世論調査』(http://www.asahi.com/politics/update/0217/TKY201302170189.html …)/「・・「やめる」と答えた人は合わせて7割を超えた・・・「国民の間で原発事故の被災者への関心が薄れ、風化しつつあると思う」は66%にのぼり、「そうは思わない」の29%を引き離した」

■すでに安全神話に陥っているような・・・?? 『「原発の安全神話」復活許さず 原子力規制委の更田氏』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021701001620.html …)/「・・原発にリスクはないという前提に立っていたことだと指摘。新基準は「・・さらにさまざまな設備で信頼性を向上させるものだ」と説明」

■『「脱原発法」参院再提出へ 生活・みどり・社民 安倍政権に異議』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021890070516.html …)/「昨年末の衆院解散で廃案になった「脱原発基本法案」が三月にも、参院で国会に再提出される見通しとなった。・・・原発維持を鮮明にする安倍政権に異議を唱えるのが狙い」

■あ~虚しい・・。そんなことで生態系や多様性が保全されるのならだれも苦労しないよ 『オスプレイ離着陸帯建設 沖縄 希少植物の保全失敗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013021802000102.html …)/「・・希少植物を別の場所に植え替えて保全しようとしたが、六割以上が枯れるなど事実上失敗していた」

元大阪「ト」知事が掲げてもいない脱原発の看板を下ろす・・・今に始まったことではないし、驚きもしないが、相変わらずだ『 ウソつき橋下脱原発ブン投げ』(http://gendai.net/articles/view/syakai/140965 …)/「橋下市長の肝いりで始まった「大阪府市エネルギー戦略会議」が、3月末で廃止・・・」

■出す方も出す方だが、貰う側の論理を知りたいものだ 『日本原電、敦賀への高額寄付継続 原発停止の13年度も』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021901002281.html …)/「3、4号機建設を見越して地元の福井県敦賀市に道路建設費用を寄付してきた日本原子力発電が、2013年度も約6億7千万円を」

■『大間原発、建設凍結を 函館市長ら政府に要請書』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013021902000248.html …)/「電源開発Jパワー)が青森県大間町で進める大間原発建設の無期限凍結を求める要請書を政府などに提出した。政権交代後は初めて。市は建設差し止め訴訟を準備しており、政府の対応を見て・・・」

放送禁止歌と自己規制(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b217ef14c0fb57be62348871c41e92 …)  『美輪明宏「ヨイトマケの唄」再びNHKで』(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20130220-1087858.html …/「・・・美輪明宏(77)が昨年の紅白歌合戦以来、3カ月ぶりにテレビの生放送で「ヨイトマケの唄」を歌うという・・・」

■これで終わったとえいえるの? 収束ですか?? 『つぶれた屋根、津波被害そのまま 福島原発上空ルポ』(http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY201302200501.html …)/「ヘリコプターで・・・発電所の真上を飛び・・・事故を起こした1~4号機の原子炉建屋が並ぶ・・・最上階がむき出しの4号機・・・」

平気で法律破る国だものな~  『原発被災者から 国、意見未聴取』(2013年2月22日 東京新聞)/「「原発事故子ども・被災者支援法」について、具体策を検討するための政府主催の意見聴取を、これまでに一度も実施していない・・。支援法は、・・国が被災者の意見を聴くよう義務付けている」

■東京電力原発人災が収束なんて嘘っぱちジャン! 『建屋地下に白っぽい水面 東電 1、3号機画像公開』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022202000139.html …)/「・・・プール内の燃料ラックの上にはがれきが堆積していた・・・トーラス室内には水がたまり、水面が白っぽく写っていたほか、底には・・・」

■なんでサメ脳(失礼!)とまで呼ばれた方が今頃シャシャり出てくるのだろう。理解に苦しむ 『首相のGWロシア訪問へ調整 プーチン大統領・森氏会談』(http://www.asahi.com/politics/update/0222/TKY201302210478.html …) / 「首相の特使として・・・森喜朗元首相は・・・プーチン・ロシア大統領・・親書を手渡した」

■「・・・いつもは何にでも騒ぐ〝右翼〟系政治家達やその取り巻き〝右翼〟達はダンマリを決め込んでいます。だって、死刑制度堅持・強化する数少ない国の一つ日本が文句言えるはずがないですものね・・・」『●高い冤罪の可能性: 名張毒ブドウ酒事件』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/042451e97ef1c44b5e4e917f9bdc7540 …

■遺族でもない訳で、安易な発言は出来ない。一方、遺族でもない者が遺族の気持ちを過剰に忖度することも問題。死刑で本当に問題が解決するのだろうか?  谷垣法相が『小林薫死刑囚ら3人の死刑執行』(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130221-1088193.html …)/「・・・身勝手な理由で尊い生命を奪った・・・」

死刑で本当に問題が解決するのだろうか? マスコミも過剰な忖度でそれを支持 『自ら死刑選択、一因か 自民政権下、執行続く可能性』(http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302210748.html …)/「谷垣・・就任2カ月で死刑執行・・民主党政権では執行しない法相もいたが、今後は定期的に続く可能性が高」

■政治家としてとか、政党としての矜持とかないのかいな? アノ自民党に、よく平気で出戻りできるもんだ 『国民新・自見代表、自民との合併と復党申し入れ』(http://www.asahi.com/politics/update/0221/TKY201302210259.html …)/「自見庄三郎代表・・・自民党との合併と自身の復党を申し入れた・・・」

■政治家としてとか、政党としての矜持とかないのかいな? しかも吸収合併要請って・・・一体どんな神経? 『国民新消滅か 自民に吸収合併要請』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022202000134.html …)/「参院選で全国郵便局長会(全特)の支援を得られない見通しで、展望が描けない状況に陥っている」

■もっと早くアピールすべきだったのに・・・  『「一番心強かったのは憲法9条」北沢・元防衛相』(http://www.asahi.com/politics/update/0221/TKY201302210295.html …)/「戦後、憲法9条が最大のシビリアンコントロール・・安倍・・みたいな人が国防軍だとか集団的自衛権だとか激しいことを・・。憲法9条の重さ」

元「ト」知事継承者は本気で移転するつもり? 『築地市場移転予定地近く ヒ素 基準の52倍検出』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022202000124.html …)/「検出場所は三メートルの盛り土をしており、今後予定する工事でもヒ素が飛散しない工法をとるため同社は生活環境への影響はないとみている」??

■原発どころか、衆院選ですっぽり抜け落ちていた沖縄。自民党復権させる国民って? 『[CML 022769] 『〈沖縄〉基地問題を知る事典』刊行』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-February/022612.html …)/「前田哲男・林博史・我部政明編、吉川弘文館 2,400円+税 2013/02/20刊行」
************************************************************************************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする