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こんな夜にはこんな読書「奇病連盟」

2008-01-26 23:22:12 | こんな夜にはこんな読書
こんな夜にはこんな読書「夜と霧の隅で」を読んだ牛にひかれて氏が

今後の北杜夫の読み方を指南してくれるというので
それにのってみる、ということで第一弾「奇病連盟」を図書館から借りてみる。

曰く、万人受けする作品とか。

これが「夜と霧の隅で」を書いたひとと同じひとが書いたのかってくらい
文章の波が違う。

あまりにもおもしろくて電車の中で笑いをこらえきれない程に。

すごく愉快だったけれどあとに残るものは何もなさそうだし
終わり方というか落ちもグダグダに感じた。

こうやってひとりの作家に絞って
その人生の波を感じるのも悪くない。

感じられるほどの器が自分にあるかどうかは別として。

心にひっかかった言葉。

「だが、本当にそうであろうか。
 大団円のあとから、真の人生が開かれ、物語が始まるのではないか。
 大団円とは、一瞬の錯覚、一時のゴマカシにすぎないのではないか。
 どんな小説でも永久につづけるわけにはいかない。
 そこで小説家は『大団円』なぞという文字を記し、
 あとは野となれ山桜、無責任に『終』と書き、どこかへ飲みに行ってしまうのだ。」
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