心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

処方箋としての木簡

2008-06-11 | 木簡

                            (半紙)



やっぱり木簡が一番好き。
日常の中で使われていた普段着の書-木簡。

金文の名残のあるもの、隷書風、楷書風、行書風、草書風、
神経質そうなもの、おおらかなもの、肝っ玉の据わったもの、
几帳面なもの・・・と、どれも見ていて飽きない! 

木簡を眺めながら、これを書いた人はどんな人だったのかなぁと想像したり、
書いた時の息遣いを感じる時間は、なんともロマンを感じます 

書道教室では、同じ古典を学んでいても、臨書の仕方がそれぞれに違っていて。
参考作品を書く時に、この人だったらこんな風に感じるかなとか、
逆に、この人にはない面を敢えて表現してみようって思ったり。

私が書を学びたいと、師のもとを訪れた時に聞かれたことの意味を
書を学ぶ上で、また伝えて行く上で、これからも大事にしたいと思っています。

「あなたは薬が欲しいのか、それとも処方箋が欲しいのか」

当時20代だった私は、その意味もわからぬまま、無意識に
処方箋をお願いしますと答えていました。

随分あとになって気づいたこのことばの意味。
薬は飲めば治る即効薬、処方箋はこうすれば良くなるというヒントってとこかな。

今日の木簡は、体調を崩されていたKさんのために書いたもの。
元気になるようにと、どど~んって感じで。 

翌日、Kさんから、メールを頂いた。
「元気が出る書、楽しい~!って感じで、歌を歌いながら書いてみます

書も音楽のように、気持ちに響くものになれるのかもしれないって思えた瞬間でした。




↓別枠で、昨日行った書展の様子をご紹介してま~す。
のぞいてやってくださいませ


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第七回書道蛟龍會展~書展巡り

2008-06-11 | 書展・展覧会情報
                    石川先生 「自詠・偕楽園」



先日もご案内しました、石川芳雲先生が主宰されていらっしゃる 
書道蛟龍會展 (15日まで東京銀座画廊・美術館で)に、母と行って来ました。
石川先生の作品は、益々力強く生命力に溢れ、書の真髄を見た・・という
興奮を覚える展覧会でした。




↑母の師でもあられた故中平南谿先生 「自詠・江上春興」


  
↑石川先生 髭がなくなって益々カワイイ笑顔 

  
↑宮山一琴先生 「蘇軾詞二篇」

  
↑宮山先生 「筆を持てばどこでも何時でも夢ふくらむ」


↑石川先生と宮山先生 お二人ともお人柄がにじみ出る笑顔で



*********************************

セントラル美術館のある銀座貿易ビル7階にある東京銀座画廊・美術館では
書海社師範展が6月15日(日)まで開催中。
こちらにも石川先生は出品されていますので、あわせてお立ち寄りくださ~い。


↑書海社師範展 す・・すごい数というか・・なんというか。。


↑石川先生の作品 右は作品の一部拡大

******************************

同じく銀座貿易ビル5階と7階では、「日本の詩歌と書の世界」が開催中。
6月15日まで。
創玄書道会、日本書道美術院、書道芸術院、白峰社など複数の団体の
近代詩文書展。
中野北溟、大井錦亭、船本芳雲、飯島春美、石飛博光など多数。





↑ 「娘よ」 名前は忘れた・・ちょっといいなと思ったので。
 

↑ 「山風花」 これも名前はわからず。。
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瞬間の潔さ

2008-06-10 | 書の話
                       「いろはにほへと」 (半紙)




書の魅力のひとつは、戻れないところ、消せないところ。
たぶん生け花もそう・・一度枝を折ったらもう元には戻せない。

たとえば半紙に、点ひとつ書いただけで、あっ失敗・・ってこともある。
でもだからって、丸めて捨てないようにする・・なるべく。

半紙の中で、最初の一画から二画目、その次の文字にどう活かしていくか、
どう響かせていくか、それが大事、それが楽しい。

人生は、消しゴムで消すことはできないわけで。
言ってしまったことばは消せないわけで。

でも消せないことを恐れるのではなく、
言ってしまったことばを後悔して落ち込むこともなく。

きっと大事なのは、その次のこと。

貴乃花が横綱の頃、土がついた日のインタビューで、マイクを向ける報道陣に
ひとこと・・「終わったことより次のことです」
格好よかったなぁ 

最初に引いた線から、ドラマは始まっている。

引き返すと線は鈍る。
迷うと空間は濁る。

その「瞬間の潔さ」が、書の魅力。
人生は、なかなかそうは生きられないけどね。。 


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文字の視線

2008-06-09 | 書の話
                          (半切)
  


論語の「仰之彌高 鑽之彌堅」 
之を仰げば弥(いよいよ)高く、之を鑽(き)れば弥(いよいよ)堅し。

孔子の弟子、顔淵(がんえん)が、孔子の人格の高さ、堅さを賞嘆して述べたことば。

高いものは見上げれば見上げるほど高く、堅いものは 鑽(きり)をもみ込むほどに
堅く感じられる~つまり、孔子の高大さはとても極めがたいという意味。

う~ん。。 
論語は意味を理解するのも難しく、志が高くて親しみやすいものではないけど。。
ということで、堅い真面目な書風は避けて、ちょっと肩の力を抜いた感じで書いてみた。

わたしはどうもまっすぐ正面を向いたお行儀のいい字が書けない・・
でも結構バランスは保っているように思うんだけど。。(・・って自画自賛

文字には「顔」の向き、視線があって、右を向いている字、上を向いている字・・・
それらを感じて、次の字に向かうという瞬発力が「バランス」になっていくわけで。

たとえば、今日の書。

仰のつくりの下の空間が空いたので、之の重心を左に持っていって中心を保ち、
之と彌の弓へんが左に引っ張っているので、高の口の部分を右よりにし、
それでもまだ弓へんの最後のハネが左に引っ張ってるので、
鑽のつくりを下げることで、右へ引っ張る力を与えて
之と彌は上と同じにならないようにして、最後の堅は安定するようにして・・っと。

それぞれにあっちゃこっちゃ向いてるけど、中心は背筋が通ってるでしょ
・・ってまた自画自賛して今日は終わり~

自画自賛はよいことです 
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明日は明日の風が吹く Don’t worry! 

2008-06-08 | 
                           (はがき)



人を負かすより 
もっと気持ちいいことを探そう 

流されず 恐れず 奢らず 迷わずにいられるように
信じられるものを見つけよぉっ~と

いつも変わらずに

明日の心配をするよりも
まずは自分が気持ちいいことを探そう

ぷくぷくを見ているとそう思えてくる
だってこの顔、この姿を見て~



気持ち良さそうでしょ?
わたしがPCに向かうと、いつもこうやって邪魔をしてくれる

ぷくぷくは自分が気持ちいいことを選んでばかりなのに
こんなにもわたしをしあわせにしてくれる

明日は明日の風が吹く 
Don’t worry!(心配ないさ~)

いつも変わらず
信じるものさえあれば 
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憂喜は心にあり

2008-06-07 | 前衛・抽象
                    「哭」 45cm×90cm




「哭」とは、辞書によると大声で泣くこと、とある。
しかもこの「哭」は、かなり深刻な痛みを伴うよう。

大声を上げて泣くことはいいことだと思う
いいと言っても、実際に大声を上げて泣いているときはたいていは
悲しいか、悔しいかだから、敢えてするものじゃないけれど。

わたしなんかは、とことん泣いてすっきりなんてこともよくある 
ただ翌日は頭痛に襲われて、使いものにならないことが多いけど。
(あれはなんでなんですかね? 脳に酸素がいかなくなるのかな?)

ことわざにこんなのがある。

~憂喜は心にあり。

喜怒哀楽はすべて心の持ち方次第。
悲しいと思えば悲しいし、うれしいと思えばうれしいってもの。

言いかえれば・・
悲しいオーラは悲しいオーラを呼び、うれしいオーラはうれしいオーラを呼ぶってこと。

たまには思い切り泣くのもいいけど、翌日の頭痛と顔のむくみを考えたら
憂喜は心にあり~!って、涙さんのお世話になるのは避けたいものですう
  
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人と比べない生き方を

2008-06-06 | 山頭火・放哉・良寛
                  みんなたっしゃでかぼちゃの花も (山頭火)



またまた山頭火・・
最近、絵手紙教室と書道教室でも山頭火を課題にしているのでね。。

文字を全体に散らすことで、楽しい雰囲気を出してみたかったのと、
「の」を丸くすることで、あったかい感じにしたかったのだけど、どないかしらん。
山頭火はひらがなが多いので、なかなかむずかしいです。。


↓ ・・で、ちょこっと絵を添えて。。 (かぼちゃに見えん!って?)





大好きな山頭火。
いつも自然と共に暮らしていた山頭火の、なんでもないつぶやきのような句は
「生きる」ことの原点を思い出させてくれます。

生きる原点・・と書いてから、はて何だろうって考えてみる。
(原点は辞書によると、物事を考えるときの出発点)

私が思い描いているしあわせな生き方、こんな風に生きられたらと思う原点は、
人と比べないということ。


人と比べないと、心が自由でいられる。
人と比べないと、素直でおおらかでいられる。
人と比べないと、自分も相手も信じられる。
人と比べないと、迷いや恐れ、焦り、怒りといった不安も訪れない。
人と比べないと、可愛らしくいられる。
人と比べないと・・・・・・・・・・・・・・! 

「みんな達者でかぼちゃの花も」
いいなぁ。いいなぁ。

「みんな達者でかぼちゃの花も」
手をつないで踊りだしたくなる気がしません? 




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老子の「不言之教」

2008-06-05 | 論語
                            (半紙)




老子のことば「聖人居無為之事、行不言之教」より。
道を体得した聖人(人物)は、何もせず、
何も言わないで人々に教え導く、の意。

今週月曜日から、車通勤をやめて歩いて通勤を始めた。
ずっと前から自転車か徒歩通勤を~と思いつつ、
便利な誘惑に勝てずにいたけど、ガソリンの値上げをよいきっかけに 

歩くと30分、ちょうどいい運動。
道すがら、季節の花やお散歩中の犬やら、車では気づかない
発見や出会いもあって、なんか楽しいかも~と、気分爽快 
ただ・・これからやって来る真夏が少々不安だけど。。

からだは意外と単純で、たった数日歩いただけなのに、
いつも通りの寝不足の日々なのに、なんだか寝起きがいい。

これって、からだの巡りも多少よくなったっていうのと、
「歩いている」っていう、小さな自信と満足感がそうさせているのかも。

なんだかうれしくて、鼻歌を歌いながら歩いてる  
たった「歩いた」だけなのに、気持ちまでウキウキしてる単純なわたし。

不言之教。
からだは正直で単純でエライのだ~

車依存症の方々・・試してみてはいかがですかぁ~




↓別枠で、書展のご案内をしていま~す。

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書展のご案内 第7回書道蛟龍會展

2008-06-05 | 書展・展覧会情報
        

石川芳雲先生 が主宰される第7回書道蛟龍會展が、
6月10日(火)~15日(日)まで東京銀座画廊・美術館
(東京都中央区銀座2-7-18 銀座貿易ビル) で開催されます。


石川先生は、母の師でもあられた中平南谿先生の同門の、
尊敬する先生でいらっしゃり、同人の宮山一琴先生も蘭秀会展には、
毎年お越し下さっています 

蘭秀会のみな様~
是非、お出かけくださいませ~ 




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Switch(スイッチ)

2008-06-04 | 前衛・抽象
                         80cm×60cm



<ある日のひとりごと>

そっかぁ。。
スイッチが入らないと思ったら
コンセントを入れるのを忘れていたんだぁ 

そこに差し込めば、いつでも電流は流れているのに
最近流行りの省エネ器具みたいに、思考も省エネにすると
気力も体力も感激も落ちていっちゃうんだな・・きっと。

まぁ、いつもスイッチはいつもONにしたままだと
疲れちゃうからねぇ。

ときどきOFFにして、必要になったときにまた充電すればいいさね。

いいのかなぁ・・こんな感じで・・と、たまに不安になりつつも 
根は怠け者だからなぁ。。

が、しか~し。
思考を省エネにするにすると、ドキドキ感が減るような気がするから
せめてコンセントは入れたままでいこぉ~っとなのだ 





ブックマークの「絵描きも言いたいこと 言いたい!」のおえかき先生のブログが、
お引越しして「絵描きのため息」として新しくスタート!とのことなので追加しました 

前のはそのままで、今後はこちらから→ 絵描きのため息 とのことです。
ブックマークされている方はお手数ですが、変更をお願いします 



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