心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
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求めて~ by 沙於里

文字の視線

2008-06-09 | 書の話
                          (半切)
  


論語の「仰之彌高 鑽之彌堅」 
之を仰げば弥(いよいよ)高く、之を鑽(き)れば弥(いよいよ)堅し。

孔子の弟子、顔淵(がんえん)が、孔子の人格の高さ、堅さを賞嘆して述べたことば。

高いものは見上げれば見上げるほど高く、堅いものは 鑽(きり)をもみ込むほどに
堅く感じられる~つまり、孔子の高大さはとても極めがたいという意味。

う~ん。。 
論語は意味を理解するのも難しく、志が高くて親しみやすいものではないけど。。
ということで、堅い真面目な書風は避けて、ちょっと肩の力を抜いた感じで書いてみた。

わたしはどうもまっすぐ正面を向いたお行儀のいい字が書けない・・
でも結構バランスは保っているように思うんだけど。。(・・って自画自賛

文字には「顔」の向き、視線があって、右を向いている字、上を向いている字・・・
それらを感じて、次の字に向かうという瞬発力が「バランス」になっていくわけで。

たとえば、今日の書。

仰のつくりの下の空間が空いたので、之の重心を左に持っていって中心を保ち、
之と彌の弓へんが左に引っ張っているので、高の口の部分を右よりにし、
それでもまだ弓へんの最後のハネが左に引っ張ってるので、
鑽のつくりを下げることで、右へ引っ張る力を与えて
之と彌は上と同じにならないようにして、最後の堅は安定するようにして・・っと。

それぞれにあっちゃこっちゃ向いてるけど、中心は背筋が通ってるでしょ
・・ってまた自画自賛して今日は終わり~

自画自賛はよいことです 
コメント (4)
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