心の免疫力~書とことばから

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雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

秋風に 黙して揺れる 彼岸花

2007-09-27 | つれづれ



お彼岸の今頃、あちこちで彼岸花が咲いている。
子供の頃、彼岸花は墓地にしか咲かない何となくこわい花というイメージがあった。
あの朱色には尋常じゃない自己主張を感じ、姿も妖艶で、
魔界かどこかに連れていかれそうな気がしていた。

現に彼岸花の球根には、リコリンという毒があるそうだ。
かつてお墓は土葬だったので、その毒を利用して動物によって
掘り荒らされないようにと植えられていたらしい。
だから、墓地には一面の彼岸花という風景が広がっていたわけだ。

でも調べてみると、彼岸花の球根にはデンプンが含まれていて、
水にさらしてすりおろして食用にしたり、
炎症・腫れものに効く漢方薬や民間療法、そして防虫にも使われていたそうだ。

また別名が多いというのも、面白い。
「曼珠沙華」が一番有名だけど、他に、有毒だからかシビトバナ、
シビレバナ、ドクバナ、ユウレイバナ、キツネノタイマツ、キツネノシリヌグイ、
ハヌケグサ、ヤクビョウバナ、ステゴバナ、カエンソウ等々
1000余あるとも言われているそう。

彼岸花の知らないところで、勝手にいろんな呼び名を考えてくれるものだなあ。
人間が勝手に忌み嫌っているのをよそに、秋の風に揺られている姿は、
どこか凛として美しい。

ここで一句・・・
「秋風に 黙して揺れる 彼岸花」


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
彼岸花 (green)
2007-09-27 22:08:12
私も今日、ふと彼岸花の存在が気になりました。
自分と同世代の人は、大抵「彼岸花」と言い、
おば様達は「曼珠沙華」と言っているような気がします
昔は「曼珠沙華」と呼ぶのが流行ったのか?
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ボフッ (POCORIN)
2007-09-28 10:40:03
私事ですが、先日鎌倉に行った時、あちらこちらで彼岸花を目にしました。沙於里さんと同じく、彼岸花について考えました!子供の頃は亡くなった人の花だから採ってはいけないと教育されていました。
でも、結構綺麗なんですよね。しかもまとめてボフッボフッと咲いていると赤が映えて尚更。あと、強そうでした。
なのに何故「死」に纏わる花なのかなぁ?と疑問に思っていたところでした。謎が解けました。
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彼岸花 (沙於里)
2007-09-29 16:46:27
greenちゃま

昔も曼珠沙華、彼岸花と、両方言ってたから
流行は関係ないと思うけど~ 

でも、曼珠沙華の方が妖艶で秘密めいていて
あの強烈な赤色と合っている気がするわん。


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Unknown (沙於里)
2007-09-29 16:50:26
POCORINさま

あの赤色は、どこか胸騒ぎを覚える色なのかもね。

死=黒は、暗いイメージだけど、死=赤は、
怨念を感じたり~。
赤という色にまつわる想像力、調べて見たくなるね。
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