心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

天地

2007-09-06 | 書の話


中国は孫楚の句。 
天地為我爈 天地は我が爈たり(天地は私たちにとっては全てを溶かす炉であるから)
萬物一何小 万物は何ぞ小なる(それに投げ込む万物は何と小さな物であることよ)

手漉きのざっくりとした厚口の和紙に、「天地」は金文で、続きは楷書で書いた。
額に入れるよりも、もっと土臭く素朴に見せたかったので、古道具屋で買った
背負子(しょいこ)に張り込んでみた。

金文(きんぶん)とは、中国の殷・周時代の青銅器の表面に刻まれた、あるいは
鋳込まれた文字のこと。デザイン的で絵画的でもある。
金文の前は、最古の漢字とされる甲骨文字。
亀の甲羅や牛や鹿の骨に彫られた絵文字のようなもので、簡素で抽象的。
ここからその後、石鼓文、隷書、木簡、行書、造像から楷書、草書と書の歴史は
続いていく。

書の世界も奥深い。
あまりにも遠すぎて、1日24時間、365日、毎日勉強しても届かないものばかり。
その道のりに時々途方に暮れるけど、書の表現方法、関わり方もいろいろある。

萬物一何小 そして、我一何小。
けれど、今自分なりにできることをやるしかない。
できないことを悔やんで諦めて何もしないより、できることを探して伝えていきたい。

今日の関東地方は台風9号の直撃を受け、今、外はものすごい風と雨。
こんな時、小さな虫や雀やのら猫たちは無事かしらん・・と只々、祈るばかり。
コメント
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