時々ふっと、こんな遊びをする。
分厚い書道辞典をぱっと無造作に開いて、今日は「しんにょう」遊び~って。
ハガキに細い筆で書いたから、ちょっと弱いけど。
左上から:遮 逃 中段:道 下段:遅 途
「遮」は、遮る感じだから、しんにょうは直線的に
「逃」は、まさに逃げてる感じに
「道」は、普通は長く伸ばすんだろうけど・・
「遅」は、遅れちゃってごめんなさ~いって
「途」は、道の途中で止まっちゃってる感じで
木簡や隷書、造像を見ると、しんにょうは実にたくさんの表情を持っている。
あれ?そんなところで終わるの?っていうくらい短いのから、
恨みでもあるの?っていうくらい、粘っこいしつこい長さのものまで。
え?そんなんでいいんだ?って思わせるのが、木簡や隷書、造像の文字たち。
見ていて、微笑んじゃう。いいね~君たち、自由で!って。
一人で、しんにょう如きに話しかけたりしている。
人はつい自分と似たような人を探したがる。
「同じ」ばかりを求めて「違う」を見つけると拒絶したり、時には非難したり。
それはもったいないって思っちゃう。
だって自分とは「違う」から、新しい自分にも出会える。
「同じ」を前提に人と向き合うのではなく、
「違う」を前提に、こんなに「同じ」を探そう。
しんにょうの美しい(正しい)と言われるポーズは、ひとつかもしれない。
でも短くても、踊っていても、しんにょうは、しんにょうなのだから。