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心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

李白の詩から

2011-01-18 | 漢詩
                              (半紙)

李白の詩「重憶」

欲向江東去 江東に向かって去(ゆ)かんと欲す
定將誰挙杯 定めて誰と杯を挙げん
稽山無賀老 稽山 賀老無く
却棹酒船囘 却って酒船に棹さして回(かえ)る


二玄社の『詩歌書例100選』の 2.唐Ⅰ◆王維/李白 殿村藍田 の中から。

以前は殿村藍田氏の作品は、どちらかというとあまり好みではなかったのだけど、
それまでいた会を離れ、母と一緒に別の書展にも足を運ぶようになってから
いいなぁって思うようになり 

不思議なもので、どこであれ組織の中にいると、周りが見えなくなり
そうこうしているうちに、自分自身も見えなくなるものでして

ま、それも自分次第・・かな。
心に壁を作らず、こころざしを持っていられたら、
どこで何をしていようと、自分を見つけることはできるのでせう。

とは言え、一人で歩くというのは、余程心して精進していかなければ
ただの俗っぽい安普請になってしまうこともあるのでして・・ 

そんなことを考えつつ、はてさて私はどこへ向かおうとしているのやらと
この詩を書きながら、ふと 

今年もちょっとづつ、形にしていけたらと思っておりますです 
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人には人の・・

2011-01-12 | 漢詩
                           スケッチブックに

但得酔中趣 ただ酔中の趣を得ても 
忽為醒者伝 醒める者の為に伝うるなかれ

李白の詩『独酌』の一節。

酔中の趣、つまり、酒に酔って気分がいいからといって、
お酒を飲めない人に、その高揚した気分を自慢したりするものじゃないさ・・とな

そのニュアンスには、無駄だから・・という意味のほかに、
無理にわかってもらおうとするのは、心ないわざ、野暮でない?ってのもあるような 

その代わり、その機微がビビビっとくる相手との、どこまでも続く酔中の趣は
いとたのし・・なり 

ところで、なんでスケッチブックに・・って?
たまたま、目の前にあったから、ただそれだけさね 


今日の1曲は・・Kurt Elling & All Jarreau の  Take 5



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拝啓 グールドさま

2010-10-14 | 漢詩
                          (34cm×6cm)


一酔盡忘機 いっすいことごとくきをわする   白楽天の句

機とは、世間のからくり。一酔して俗事を忘れること。 
(参考:『新修墨場必携(下)』 山本正一偏 法政大学出版局)

今の私の場合「一睡・・」でもあるんだけど。
ほんと、寝不足は天敵・・

寝不足が続くと、抱えきれない気持ちがとうとうと涌いてきてしまって 

そんな時、元気な音楽は薬にはならず。。
ということで、今日聴きたくなったのは Glenn Gould
曲は  Bachの BWV 828 - 5 – Sarabande


やっぱりいいなぁ・・Glenn Gould 
心に沁みるううう・・

寝不足やら何やらで忘れちゃってたものを、ポ~ンと置いていってくれるのであ~る


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楓葉蘆花

2010-09-21 | 漢詩
                              (半紙)

先週の午前中の書道教室のあと、何となく母の元気がなかったので
午後から普段は母だけで行く、老人センターでの教室に久々に同行。

最近、曹全碑を始めたそうで、母に沙於里流でいいから書いてみてと。
センターの皆さまは、ご高齢ではあっても、とにかく真面目で熱心な方ばかり。

えっと・・
「まずは一字一字、この字はここをアピールしたいのねって会話をしてみるんです。」
・・って言ったら、目はパチパチ、シーンとしちゃって 

それでも帰り際、たまには刺激を与えに来てねって言って頂けて、ほっ・・

皆さんが添削を受けている間、隅っこで一人墨場必携を捲りながらあれこれと。

今日のお題は、「楓葉蘆花」 ふうようろか (蘇軾)
意味は・・楓の葉やら蘆花(アシの花穂)やら、秋は興多しよのぉ・・って感じかな。

気に入らないけど、恥を晒すのも是亦精進なり 
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扁額の空間

2010-08-25 | 漢詩
                              (半紙1/2)


夏雲多奇峯

夏の雲はもくもくと峯をなしているようじゃのぉ って感じかな。

扁額(横作品)は難しいって言われるけれど、私は横もの、結構好き。

書ではたいてい右から左へと書くわけで。
それはたぶん落款(印)は左に押すというのが通例だからなのか?

日本語(書も)は、もともとは縦書きの文化であるのに
英語が入ってきてから横書きにもするようになったのかな。
英語とか外国語の多くは左から右だものね。


横書きでも、ノートとかペン書きの時はもちろん左から右なのに
筆になるとなぜか左から右への字配りができない・・。
不思議だ。。

何度か左から右へと書いてみようとやってみるも、
どうも空間が読めない・・。
まったくもって不思議だ。。

皆さまはどないですかえ?
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荷香十里

2010-08-24 | 漢詩
                              (半紙)

荷香十里 かこうじゅうり

お茶のことばだったような。。
確か・・いい香りが遠く十里先まで運ばれてくる、って意味。

なんだか最近、そんな環境も時間も感覚も気づかずに
日々慌ただしく過ごしているような。

ちょっと休憩したいなぁなぞと、ぼんやりと。
ちゃんと勉強がしたいなぁ・・

ただただ臨書を繰り返す時間は、
心の安定と、ほんの少しの自信を運んでくれるような 

そんなことを思いながら・・の、荷香十里。




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覚悟して生きる

2010-06-16 | 漢詩
                        (はがき倍版カード)

「居處幽」 きょしょゆうなり

世を避けて求むる処なく幽雅な暮らしをしている人のこと。 
 *参考:『翰墨自在』藤原楚水編 清雅堂

古き中国にしても、日本にしても、そんな暮らしに憧れたのかな。。
いや、私だって実はちょっと憧れる 

最近ね・・物忘れは増える、新しいことはなかなか頭に入らないとか
もとより噂話や流行には疎く、テレビもあまり見ず・・なんてだんだんと 
 
どこか静かな処で、ゆったり暮らしたいなぁ・・なんて、つくづくと 


ま、本当にやりたいことだけがしたい、それは誰もが思うことでして 

前に小田原の すどう美術館 にお邪魔した折、
館長の須藤さんのお話をふと思い出すなり。

そう、大事なことは「覚悟」して生きるということ。
自分がどんな生き方をしたいか、何を一番大事にしたいか・・を覚悟すること。

まだまだ覚悟が足りないなぁ・・と、改めて 

早くも寅年も半年が過ぎたけど、今年はちょっとだけ一歩を踏み出せたような。
残り半年、なりたい自分に近づくことができるよう、日々を大事に生きたいものであ~る。


今日はある意味「居處幽」な、猫さんで和んでね 


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文字と文字の響き合いから

2010-04-21 | 漢詩
                           (半紙1/2)

春遂鳥声開 ~唐太宗の句
春は鳥声を追って開く、の意。

先日の絵手紙教室でのお題のひとつ。
そう、絵手紙なのにこんな書の作品もお題に。


(↑)中野さんの作品(半紙1/2)

中野さんが書いてこられた作品を参考に。中野さん、独特の書体、書風お持ちで。
何枚も書かれるそうだけど、いつも見たこともなような書体でみんなでびっくり
なのに、これでひとつのフォントができるのでは?と思うくらい、統一感があり。

私のはというと・・普通?になっちゃうけど・・
文字の大きさ、墨量、縦と横、求心性と開放性、余白を見ながら書いてみたなり。

つい、紙一杯に文字や絵を書いてしまいがちだけど、
文字と文字、余白の白を引き立てるには、それぞれが頑張っちゃだめというか。。

広がりのある「春」、きゅっとウエストを締めた「遂」
それに背中合わせの表情の「鳥」響き渡る声はタクトを振るように
「開」は墨量を多めに強い線でもって全体を締めるように・・ って感じに書いてみた。

隣同士の文字が自己主張し過ぎず「響き合う」が大事でして。
結果、それぞれがよい音を響かせることにもなるような。

そう、人と人の関係もまた似たりなり~。
よき関係とは、それぞれの個性を認め合うことなのかもしれませんねぇ 

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楽しい!があることのしあわせ

2010-04-07 | 漢詩
                               19cm×13cm

10年位前に書いたのが出てきて。
有名な杜甫の詩、江碧鳥愈白 山青花欲燃 ・・のはずなのに
れれ・・よく見たら最後の「燃」が「然」ってなってるうう・・
・・ってんで、ちょっと小細工したけど、バレバレでありんす

なんだか字もにょろにょろだ・なんて思いながらも、
先週末から展示会の準備が楽しくて、あれこれ脱線しちゃって
ブログ用作品のネタ切れ ・・ってことで、図々しく載せてしもた。

小品を数点、裏打ちして額に貼り込んでいたんだけど、
額と作品との響き合いを見ながら、背景の色を選んだり
ここしばらく、こんな楽しい作業忘れていたなぁ・・と夢中になり。

私、どうも夢中になるとご飯を食べることを忘れるらしく。
深夜、めまいがして、なんでだ?って思うと、あ・・って 
いかんいかんねぇ。。

昨日、その作品たちを加賀に送ったので、まずはひと息。

何事も・・楽しい! これが何よりでありんす。
楽しい!があることはしあわせなり~
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漢詩から感じる景色

2010-03-27 | 漢詩
                           (はがき)

野鶯啼破春  野の鶯が啼いて春を破る
鶯が春の訪れを告げて啼くの意。

春の訪れを告げることを「春を破る」と表現するわけで。
漢詩の美しさは、漢字を知っていることで味わえるのだなぁと、ありがたく 

漢字は、そこにいるだけで、それぞれ意味や印象というものがあり、
それを組合わせることで、さらに想像力や世界も広がるものでして 

さて。 皆さまは、たった五つの文字を組合わせたこの詩から、
どんな景色、どんな音、どんな色、どんな匂い、どんな温度・・を
思い浮かべますかえ? 


今日は母の誕生日。
白い花が好きな母に、近所で嬉しそうに咲いていた白い花をこの場を借りてお届け。
水仙と、雪柳、そして我が家のベランダのリメリアとハナカンザシ。
Happy Birthday  はは~   








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