八王子市のお散歩日記

自然豊かな八王子市内をお散歩しながら植物・昆虫・野鳥等を日記で綴る

2022年 高尾山:クサボタン(草牡丹)、ネナシカズラ(根無し葛)等秋の花々

2022-10-03 13:20:05 | 

10月2日。8月23日以来久々の高尾山で小仏城山まで足を延ばしました。コースはJR高尾駅~小仏川~蛇滝道~1号路~冨士道~5号路~紅葉台南巻道~一丁平~小仏城山巻道~日影林道~日影 です。

一丁平展望台から見た今日の富士山は頭を雲の上に出していましたが、先日の初冠雪は既に見えず真っ黒な夏の富士山です。日曜とあって高尾山頂までの1号路や奥高尾の紅葉台や一丁平はかなりの人出でした。

高尾駅で

オオモクゲンジ(大木孌子)に袋状で茶色い果実が樹一杯に付いていました。中国原産でムクロジ科モクゲンジ属の落葉広葉高木です。花期は9~10月ですが黄色い花を付けます。モクゲンジより葉が大きいため名付けられた。モクゲンジは中国名を音読みした「モクカンジ」が転訛したもの等諸説あるようです。

ご参考:2012.9.3撮影の花

小仏川沿いでは

ミゾソバの白花が咲いていました。薄赤色には変化せず白色のままです。比較的少ないがここには群落を作っていました。小さい花ですが花弁が透き通るようで綺麗です。

蛇滝道で

シユウカイドウ(秋海棠)が咲いていました。中国南部から東南アジアの原産でシユウカイドウ科・属の多年草。他にもありこちで見られました。街中でも植栽されておりよく見かけます。

この沢沿いには多い夏緑性シダ植物でジュウモンジシダです。

ツルギキョウ(蔓桔梗)が咲いていました。キキョウ科ツルギキョウ属の多年草で花期は8~10月。果実はしっとりと湿った液果で赤く熟します。若い果実も付いていました。熟した果実と花が同時に見られることもあります。

若い果実

この下にシャクガ科エダシャク亜科の蛾であるウスキツバメエダシャクが隠れていました。

尾根に出ると

あちこちでシモバシラ(霜柱)が咲き始めていました。シソ科の多年草で枯れた茎に氷のシモバシラが出来ることで知られています。

オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)も咲いています。キク科モミジハグマ属の多年草で花期は8~10月。カシワバハグマと似ていますが葉の形が違います。

薬王院の境内にギンミズヒキ(銀水引)が1輪だけ咲いていました。大変小さい花なのでよく見ないと咲いているか分かりません。タデ科イヌタデ属の多年草で水引の白花品種。

 

冨士道では

オオカモメヅル(大鴎蔓)に果実が出来ていました。キョウチクトウ科カモメヅル属のつる性多年草でこの果実から白い毛の付いた種子が飛び出します。

モミジガサ(紅葉笠)も咲いていました。キク科コウモリソウ属の多年草で花期は8~9月。ヤブレガサとも似ていますがヤブレガサの葉はもっと細かく裂けています。

紅葉台南巻道では

キチジョウソウ(吉祥草)が咲いていました。キジカクシ科キチジョウソウ属の常緑多年草で花期は9~10月。我が家の近くの湿った雑木林でも見られますがまだ咲いていないと思います。

 

シオデに果実が出来ていました。

一丁平近辺では

クサボタン(草牡丹)が咲いていました。キンポウゲ科センニンソウ属の半低木で茎の基部が木質化するため茎の下部が残る。この種子からでる種子も白い毛が付き拡散する。下りの林道にも咲いていました。

 

ツルリンドウ(蔓竜胆)が1輪咲いていましたが、よく花と同時期に見られる果実は見られませんでした。リンドウ科ツルリンドウ属のつる性多年草で花期は8~10月。

一丁平から先には

ヤマハッカ(山薄荷)がカントウヨメナと共に一面に咲いていました。

カントウヨメナ

ヤマハッカ:シソ科ヤマハッカ属の多年草で花期は9~10月。よく似たイヌハッカには上唇に線状の斑点がない。

 

ナンテンハギ(南天萩)もあちこちに咲いています。マメ科ソラマメ属の多年草で花期は6~10月。よく似たミヤマタニワタシの葉の縁は波打ち花柄が短い。

コシオガマが一株だけ咲いていました。

レイジンソウ(伶人草)も咲いていました。キンポウゲ科トリカブト属の多年草で花期は8~10月。レイジンソウ、アズマレイジンソウ、レイジンソウとアズマレイジンソウとの交雑種のフジレイジンソウとがあるようですが、私には違いが分かりませんのでレイジンソウとしました。

 

シロバナツリフネソウは残念ながら蕾だけでまだ咲いていませんでした。

フクシマシャジン(福島沙参)も一株ありました。キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で林縁に自生し花期は8~9月という。よく似たソバナとは萼裂片は同じ披針形ですが太さが違いフクシマシャジンはやや細い。ソバナは葉が茎に互生し、フクシマシャジンは3輪生または互生、対生する。1枚目の写真で萼裂片がやや細く、2枚目の写真で葉が対生しているのが分かります。

 

日影沢沿いに出ると

セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁子)が咲いていました。シソ科ヤマハッカ属の多年草で花期は9~10月。名前は関屋とは関所のこと。関所で有名な箱根に多いこと。花の形が丁の字型に似ていることから。

 

ナギナタコウジュ(薙刀香需)も咲き始めていました。シソ科ナギナタコウジュ属の1年草で花期は9~10月。名前は花が薙刀の形に似ており、シソ科特有の香りが強いため。

 

日影では

ネナシカズラの花がまだ咲いていました。ヒルガオ科ネナシカズラ属のつる性の1年生寄生植物で他の植物に絡み着き葉緑素を持たず寄生する。

   

アカネ(茜)も咲いていました。アカネ科・属のつる性多年草で花期は8~10月。この根から取れる染料で染めた色を茜色という。

 

最後に今日の目的であったアケボノシュスラン(曙繻子爛)ですが、昨年は多数あったのが今年は1株しかなくそれもまだ蕾状態でした。残念。

以上

コメント (3)
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