扇子と手拭い

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被災地復旧に願いを込めて

2013-04-19 21:16:24 | 日記
▼節目の10回記念
 私たちの社会人落語家集団「文七迷人会」が江戸文化の発信地、浅草で定期公演を行うようになって今回で10回目を迎えた。ここまでたどり着けたのも、ご贔屓さまの支えがあってのことと感謝している。私たちはこの会で互いに競いながらも、信頼の輪を広げている。節目の10回記念を機に、さらに技量を磨きたい。

 「東北の被災地復旧に願いを込めて」と題した今回は、浅草から復興支援を呼びかける落語会。開演に先立ち、過日訪ねた被災地、気仙沼の実情を紹介し、「とにかく一度、被災地を訪れ、自分の目で現場を見て欲しい」とお願いした。落語を聴きに来た人々は当初は、何が始まるのかと、キョトンとしていたが、事前に配布したチラシに目をやりながら、あたくしの話を聞いてくれた。

▼1人でも多くの人に足を
 チラシは阪急交通社の「三陸復興応援企画」で、往復の東北新幹線、指定席が付いて2泊3日で29900円というものだ。格安だから、これならお手軽に行けるのではと思い、阪急に配布の趣旨を説明。「50部ばかり送ってくれ」と電話した。翌日、速達でわが家に届いた。

 能書きはこのくらいにして、節目の落語会に話を移そう。開口一番は、前回に続いて登場した「こりす」。演目は何と艶っぽい噺の「紙入れ」。ダンナの留守をいいことにカミさんが、旦那の弟子の若い男を自宅に呼び寄せた。そこに、突然、ダンナがご帰還と相成った。さあ、慌てるのは若い衆でオロオロするばかり。

▼女性が演じた艶笑噺
 「チョイト待っておくれ。いま、戸を開けるから」とダンナを家に入れる前に、男を逃がすカミさん。何とか逃げ延びたのはいいが、若い衆は後になって、親方からもらった紙入れを忘れたことに気付く。さあ大変だ。どうする・・・。こんな艶笑噺は男が演じることが多いので、女性がどう話すか注目して聴いたが、見事な話しっぷりだった。

 後を受け、あたくしが高座に上がった。かけた噺は「大工調べ」。この間、仕事を切り上げリュックをしょって駆け込んだ「木凛」が楽屋で着替え。キリッとした姿で、おハコの「松山鏡」で前半を締めくくった。
 楽屋入りは午後7時過ぎと言っていた「ローリー」も、「仕事場から直接、車のハンドルを握って浅草まで来た」と、予定より早く到着。

▼もはやセミプロ級
 出演者5人がそろったところで約10分の「お仲入り」を挟んで、後半がスタート。「ローリー」の「粗忽長屋」は初めてだ。あたくしもこの噺をやるが随分、感じが違う。当方のは、素っ頓狂なところを強調するためにテンポが速い。が、「ローリー」のそれは、手話落語をやっているせいか、ゆったりとして落ち着いている。「こういうやり方もあるのか」と勉強になった。

 そして、最後に登場したのは「万福」。与太郎噺の「道具屋」をかけた。随所に「万福」調の味を加えて客を喜ばせた。この人は笑わせどころを心得ている。ここまで来ればセミプロである。

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